2021年08月

2021年08月30日

ダブルスリップの工事

double slip ダブルスリップの電動化工事をしている。リンク機構は出来ているので、それと接続するのだ。狭いところに確実に動く機構を詰め込まねばならないので、なかなか難しい。

 F氏が手伝ってくれると申し出てくれたので、3日ほど掛けて下準備した。一日で終わるはずだったが、難しいことがたくさんあり、結局丸3日掛かった。リンク機構を付けてから、元の配置に戻した。まだ電動機構との接続はしていない。軽く動くのを確認してからである。フラックスを洗い落としてから軽く油を注し、余分なところに引っ掛かりがないことを確認せねばならない。通過頻度の高い場所であるから、確実に動くことが要求されている。極性の異なる尖端軌条が近いところにあるので、気を付けている。 
 機能優先にした。もう一つのダブルスリップは観客の目に触れないところだから、もっと簡単な方式を採るつもりだ。それはモータを4つ付けることだ。DCCのプログラミングで、いかようにも出来る。

 この部分のレイルは、カツミ製のブラスレイルで、加工後に硬質ニッケルめっきを厚く掛けた。このめっきはとても硬く、そう簡単にはめっき膜を破れない。ヤスリが滑るほどである。砥石を使ってめっきを剥がし、小さな部品をハンダ付けした。 

 ダブルスリップは可動部が多いが、欠線部は少ない。可動フログが閉じているので、通過音は小さい。欠線部のあるフログも、Low-Dのタイヤ厚みで静かに通過できる。薄い車輪では、とんでもないことになる。 

 結局、下り本線は1週間ほど運休した。 

2021年08月28日

Floodlight Tower

 railtruck氏が正解である。

Floodloght Towers 高さ100 ft 約30 m の照明塔である。最大20個のランプが付く。この設計も northerns484氏にお願いした。0.8 mm厚のステンレス板の予定だったが、製造時に間違えてt 0.5 と t 1.0 の板を使ってしまった。やぐらは少し厚く、舞台部分はやや薄い。嵌合は少し調整が必要になったが、なんとか組めた。

 立ててみるとなかなか立派である。これ以上高いと天井からの圧迫感があるから、程々の高さである。奥の方にも、もう一本写っている(赤矢印)。実物の図面を参考にして作ったものである。

 LEDの色をどうするか悩むところだ。戦前はすべて白熱灯であった。後に水銀燈が用いられたが、色再現性が悪く、赤旗が赤く見えにくいという問題があったそうだ。それで2種を混ぜて使っていたということらしい。LEDの白は赤がよく見える。

floodlight tower  奥のもう一本を見てみよう。中にハシゴがある。実物の図面を見ると、30 mを一本のハシゴで登るようになっている。これはさすがに怖い。協議の結果、途中にlanding 踊り場を設けて、2段にした。 


 まだ他の場所にも立てる予定であるが、位置を決めるのは意外と難しい。  

2021年08月26日

樋型軸受

 一般的な模型機関車は、軸箱を持っている。それらは左右独立しているから、厚みが少ない。

「軸受」という専門書を図書館で読んだところ、軸受の厚みは軸径の2.5倍以上必要とあった。HOで言えば、Φ3 の軸に対し、7.5 mmを要求している訳だ。左右で 15 mmだから、ほとんど軌間に近くなる。それならば、左右を繋いで、角棒に孔をあけたものを使えば良い。この厚みが油膜を保持し、金属同士の接触を防ぐのだ。真ん中に孔を一つあけて、注油口とする。この孔は上向きが良い。パイプを挿して横に持ち出せば、注油が楽である。

Yutaka Inoue2 動輪を抜くのが面倒な場合は、樋状の軸受を使うべきだ。最近、この軸受を装着することを人に勧めている。押して動く3条ウォームを付けたHO用ギヤボックスの試作をしているので、それを装着した機関車の改良に用いてもらうためだ。全軸ボールベアリング化せねばならないと思っている人もいるが、この方法でそれに準じた性能が出せる。井上豊氏の記事では、ボールべアリングの外径が大きいので、台枠下端よりも下がった位置まで軸箱を張り出させる構造になっている。この樋状軸受なら、そのような加工は不要である。 
 もちろん内部はリーマを通してから、下側の余分なところを削り落とす。

 HOの B,Cタンク機関車の前の軸を一点で支えたいなら、この樋状軸受の上にレイル方向に溝を付けて、そこを押さえれば足りるだろう。軸そのものを押さえる方法が一般的だが、摩擦が大きいから避けるべきである。

Lobaugh drivers この種の軸受はアメリカでたまに見る。単なる角材に孔をあけただけのものは Lobaugh の製品に付いていた。これに油を注すと、ボールベアリングを装着したのかと思うほど、よく滑る。油膜の効果は大きい。油は低粘度のエンジンオイルを用いると、素晴らしい効果を示す。 

2021年08月24日

滑らかな駆動を実現するために

 滑らかな駆動を可能にするために、どのような工夫が必要かを並べてみた。ここでは機関車に限っている。重負荷での静粛かつ強力な駆動を実現することが目的だ。

 ー桓の改良
◆[匹ぅヤの選定・採用
 反トルクの処理
ぁー瓦困譟曲がり、軸方向の多少の伸縮を吸収できる継手の選定
ァ.ぅ灰薀ぅ献鵐阿悗寮気靴ね解
Αヾ望彖置の設置
А[匹ぅ癲璽燭料定

 ぐ奮阿砲弔い討蓮∈道阿海海乃掴世靴拭ユニヴァーサル・ジョイントは正しい位相のものであれば、調子が良いことは当然であるが、それを実装出来る空間が足らないことがある。
 HO用には販売されていないと思われる優秀な継手があるので、紹介したい。

Hexagonal Joint KTMが1960年代から採用している六角ジョイントがある。このHOヴァージョンを作ることを提案する。



Hexagonal Joint Oスケールの製品はカツミに居た高橋 淑氏が、イギリスの雑誌を見て作った。ポリアセタール製の内部が六角になった部品と、面取りを大きくした六角ナットとの組み合わせである。微妙な軸ずれ、曲がりを見事に吸収し、静粛である。両側の内側に、Kadeeの細いリン青銅のバネが入っていて安定化している。角速度変化は極めて小さく、音が出にくい。
 六角穴のあるボルトに先が球状の六角レンチを入れる状態を考えて戴きたい。多少の傾きは許容される。

 この写真の右上が製品の長さである。この角度では見えないが、中央に薄い隔壁があり、両側から柔らかいバネで押しているので、継手が踊らない。  
 短く削って、使いたかった。六角の先端をネジ留めすると、留めネジが当たるので、そこをフライスで削って逃げている。六角は軸にハンダ付けあるいはロックタイトで留めても良い。
 HO用はこの半分の大きさに作れば良い。もっと小さいものも可能だろう。肝要なのは、六角の角を丸くすることだけである。
 
 継ぎ手は3Dプリントでナイロンで作れるであろう。特許等の問題は、開発当初から全く無かったし、さらに50年以上経っているので大丈夫だ。

 今野氏の極小Malletは、シリコーンチューブを使わずとも、駆動可能になるかもしれない。 

2021年08月22日

TMSの記事

MIXT 21 古いTMSの記事には良いことも書いてある。 
 21号のミキストには、「吊掛け式のユニットを作ると良い」と図まであるが、それっきりである。反トルクの処理がしてないと、このようにジョイントがよじれる様子を描いている。程度の差はあるが、シリコーン・チューブも同様によじれる。

 吊掛け式が良いなら、その理由も含めてしつこく繰り返し書くべきであったが、山崎氏はそれには何回も触れていない。単なる「感じ」で終わっているのは残念だ。
 
 駆動に関する色々な単元の紹介があるが、一回きりという例が多い。それは山崎氏自身がモデルを作っていなかったからであろう。見れば理解したと思っていたようだが、その種の能力はお持ちではなかったようだ。単に、誰かからの受け売りに過ぎない。きちんと頭に入っていないから、説明できていない。だから、TMSが存在しても、駆動方式、懸架方式の進歩はほとんど無かったのではないか。これは合葉氏も指摘していた。
 イコライザの理屈がわからないままに模型を作り、それが掲載されるということを60年以上も続けている。内野氏の4-8-4の記事は、まれな良い例外である。吉岡精一氏の監修が有効であった。ただ、重ね板バネを使っていないのは残念である。

 先のコメントにもあったように、高価な完成品のOゲージ模型の懸架装置が完全に間違っている。作る人が、理屈を何もわかっていないからだ。先台車、従台車ともに無負荷でぶら下がっているような模型がまともに走るわけがないが、それが輸出されている。恥ずかしいことである。理屈の分かっている人が、早い時期にきちんとした記事を書くべきであった。合葉氏はその働きかけをしていたが、山崎氏には、その気がなかったそうだ。

 先台車の心皿上にゴム板を入れるのは筆者のアイデアだが、これは非常によく働き、静粛化に大きく貢献する。動軸はたくさんあるので、たとえバネなしでもあちこちが微妙に撓んで衝撃を吸収するのかもしれないが、先台車はシリンダブロックとボイラに直結しているから、何らかの緩衝機構がないと壊れるし、音がひどい。ある程度の速度でポイントを渡らせると、先台車が通過する瞬間に、かなりの衝撃音を感じる。軸重は動軸の半分程度ではあるが、上部構造物の質量があるので、加速度が与えられると掛かる力は大きい。
 もちろん、そこには重ね板バネを入れるのが筋だが、その場所がないときには小さなゴムのワッシャを挟むだけで、大きな効き目がある。 


2021年08月20日

シリコーン・チューブについて

 様々な情報が寄せられた。その中でやや視点が異なるものがあったので紹介したい。あまりにも長いので短くした。一式陸攻氏のコメントに対するものである。

 ギヤボックスのウォーム軸端とモータ軸端との距離が小さいと、チューブのそこそこある剛性がトルクアームの役割を多少担っているので、前後進で差が出にくいという運の良い状況になっていたのではないかと思われます。そういう場合は少ないのですが、その方は一般的に通用すると思い込んだのでしょう。
 対する一式陸攻氏は、その運の良い状態がそこにあることに気付かずに、一般論を話しているので噛み合わなかったものと思われます。

 おそらくこの推測は当っていると思うが、いずれにせよ、軽負荷のときに限られる。重負荷ではゴムは捻じられてあらぬ形になる。この件については後述する。
 それでは軽負荷であれば万々歳なのか。軽負荷ではゴムの巻き癖の影響が、相対的に無視できなくなるだろう。01175氏のコメントにあったように、ギヤボックスがコトコトと動いているのに気付かないだけなのかもしれない。
 大型の 4-8-4 や 2-10-4 に装備するものとして適切かどうかは、自明であろう。もちろんボイラに十分補重して、勾配で長い列車を牽かせることを考えて欲しい。

 もしも、イモンが金に糸目を付けずに良いものを提供するという信念を持っているなら、シリコーンゴムのチューブをまっすぐ作って(決して不可能ではない)売ればよいのである。

silicon and silicone Silicon シリコンとSilicone シリコーンの現物の比較である。シリコンは、硬い結晶である。特定の方向には、エッチングしやすいので、ダイヤモンドの砥石刃で薄く切り、模様を焼き付けてエッチングしたり、特定の元素を沁み込ませたりする。これは切り残した部分。
 対するシリコーンはゴム状である。シリコーンは雨が入らないように絞り出して使う防水シール材である。英語の発音も似ている。前者はスィリカンで、3つ目の母音はなくなって2音節になることが多い。後者は語尾をコウンと発音する3音節の言葉である。どちらもアクセントは前にあるからややこしい。


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2021年08月18日

観測能力

 観測能力とは、ズバリ言えば、ものが見えているかどうかである。この動画を見るように勧めてくれた友人は、
HOの模型車輛の走りがショボい大きな理由の一つは、動態の観測能力が低いので、問題意識が発生しないせいではないか、と考えています。
と言う。HOは小さいから、ということなのかもしれないが、彼はHOゲージの人である。動体の観測というところがミソであろう。

 彼は自然科学者であり、観測という点ではエキスパートである。見えにくいものは、見やすくする工夫が必要である。視力が低下している人は、きちんとしたメガネを掛けて、よく見なければならない。シリコーン・チューブは本当にまっすぐなのか、長さの変化で無理をしていないかを、確実に見て欲しい。

 例の動画のような状態で、「ヨシ!これで良い。」と言う人は居るのだろうか。

 筆者の世代は、ろくでもないモータとギヤしかない時代に模型を作っていた。「ワーイ、走った!」の時代である。それでもよく走るように最大限の工夫をした。
 そんな時代は遠くに去り、良いモータ、ギヤ(場合による)、ジョイント(これは少々怪しいこともある)が手に入るようになっている。
 それらを組み合わせて、正しい鉄道模型を作ることは不可能ではないが、観測能力が低下していると、ろくでもない模型で満足することになる。 

 先に登場したOJを改良している友人は、筆者より年上だが、その観測能力は凄い。走らせたときの音、振動を丁寧に分析している。正しい鉄道模型を楽しんでいるのだ。

2021年08月16日

シリコーン・チューブ

 友人から、
「感心しない動画があるから、見たらどうか」
と言ってきた。これである。

 呆れてしまう内容で、見た後、気分が良くなかった。この動画を編集した人はどういう人なのだろうか。あれで調子が良いと言うのは、どうかしている。
 そもそも工業製品のチューブは、その寸法を考えると巻いて出荷する以外なく、生産されてすぐ巻くはずだ。ゴム弾性を示すものだから、加硫を施すわけだ。成分が異なるので、天然ゴムの仲間のように硫黄化合物を使うのではないが、ある薬品で架橋させてゴム弾性を作り出す。そのプロセスは一瞬では終わらないので、リールに巻いてからも多少は続き、巻き癖が付いてしまう。

 シリコーン・チューブはゴムではありません、とか書いてあるが、意味不明である。英語でもsilicone rubberシリコーン・ゴムと言う。ゴム弾性を示す物をゴムというのは正しい。正確にはエラストマ elastomerというが、そんな言葉を知っている人は少ない。天然ゴムを始めとする炭素骨格を持ったゴムではありません、と書くべきだろう。また、シリコンとシリコーンが混在しているが、これらは別物だ。 

 巻いているものを伸ばして使えば、当然回転にはむらが出る。OJの友人の模型は、それが原因で押しても動かなかったのだ。

 ところで、この動画中、ユニヴァーサル・ジョイントはうるさいということにしてあるが、どう見てもその音は位相が間違っていることに起因する。

 この動画では、いろいろな意味で、良くない事例をたくさん見せてくれている。送ってくれた友人はサイエンティストである。彼は、
「これが良いという人は、観測能力に問題がある。」
と言う。
 要するに目が見えていない、と言っているのだ。そういう筆者も視力が低下して居るから、大きな事は言えない。しかし、チューブの曲がりに起因する不都合と、ユニヴァーサル・ジョイントの位相の間違いによる不都合は、よく見える。 

2021年08月14日

続々々 またまたイコライジング

 前半のイコライザはこの図のようなものである。もちろん、この方法は自分で思い付いたものではない。

 近くの工場に、国鉄からの引込線の入替用蒸気機関車があった。小学生のときに下を覗き込んで、左右を繋ぐイコライザに気がついた。家で絵を描いて見たが、理屈はよくわからなかった。高校になって、もう一度見に行き、その模型を作った。うまく作動し、その意味を深く噛み締めた。一緒に見に行った友人は大変感心し、自分のも改造し始めたが、彼は若くして他界した。

 B型機のイコライザ構成はそういうものだと思っていたが、 それから40数年後、鉄道業界にいたある模型人が、
「そんな構成はありえない。」と否定した。
 どんな根拠でそれを否定したのかはわからないが、絶対にありえないと言う。後に、アメリカで現物を見つけたので写真を撮って見せたところ、絶句した。その後彼が何を言っているかは、定かでない。
「あれは間違いです。」などとは言わないと信じたい。 

 先入観というものは恐ろしい。根拠のない自信というのは、その延長上にある。筆者が客観性ということを繰返し強調するのは、それがなければ進歩できないからである。 

2021年08月12日

続々 またまたイコライジング

 合葉氏正しい鉄道模型という言葉を使った。それが全くと言ってよいほど、通用していないのである。
 先入観が大きい分野なのであろう。最近は「刷り込み」という言葉があるが、よく言い表していると思う。最初に見た模型の印象が強く影響するのだ。それが間違っていても、その間違いに気付けない。たとえ気付いても、「あの方がこうやっていたのだから、それでよいのだ」と考えるらしい。根本原理を考えることができれば、間違いを指摘できる。筆者は経験が少ないので、原理だけからしか考えることができない。しかしその結果は、客観的である。

 業界人は、自分が現場で見てきたことが世の中の全てだと思う人が多いように感じる。根本原理を考えずに、専門用語を散りばめて怪しい論理を展開する。そういうコメントはよく来るが、排除している。
 

 筆者の高校1年の頃の話だ。Bタンク機関車を持っていた。軸は固定で、走りは実に良くなかった。一念発起して、板バネで軸可動に改造した。当時は左右の動輪を抜きたくなかったので、軸箱は樋状のものを作った。
trough type axle bearing 角材の中心に正確に孔をあけてもらい、底の部分を切り取った。U字型断面にしてひっくり返したのだ。油を注すと油膜ができて摩擦が激減し、これは父に褒められた。ギヤボックスを抱かせ、吊掛けにした。
 前の軸バネの前端をイコライザでつないで、中点を台枠から下に引張り、三点支持にした。実によく走り、静かであった。3線式であったので、後に分解して処分したが、下側の写真を撮っておけばよかった。

2021年08月10日

続 またまたイコライジング

 先回の図の間違いはお分かりになっただろうか。4日間に多くのコメント、メイルを戴いた。
 確かにバネは利いているが、この機関車は転んでしまう。前に傾いて顎を擦るか、後ろに傾いて尻を引きずる。このイコライザ群は、しばらく前に扱った、仮想心皿と同じである。枕木方向に通る、目に見えない1本の回転中心があるから、それを中心に前後に振れる(ピッチング)。
 田中氏の記事では、錘を加減して水平になるようにしたとあるが、意味はない。イコライザ周辺の摩擦がかなりあるので、転ばなかったように見えるだけで、潤滑が良ければ、走行中に必ずどちらかの限界まで傾いて、運行不能になる。
 バネ付きイコライザの概念は、ここにも書いてある。この図の先台車が支えて、転ばないように働いていることがおわかりになるだろう。
 

 伊藤剛氏のファイルの中で、ある模型同好会の機関紙を綴じたものを見つけた。その記事で、HOのC58キット組みの再生をした話があった。
「イコライザを取り付けたら、機関車が前後にギッコンバッタンして困った。ひどい設計だ。先台車と従台車にバネを付けて転ばないようにした。」というようなことが書いてあったが、これも勘違いしている。設計は間違っていない。改造者が間違っただけであろう。
 その正解例のひとつとしては、従台車を無荷重にして、弱い線バネで軽く押し付けておく。錘の位置を加減して、重心を第一、第二動軸の間に持っていくことだ。先台車にはゴム板などを介して、機関車前部を載せると良い。このゴムがあるとレイルの突起を乗り越えるときに衝撃を緩和する。先輪の数が少ないので、無いと具合が悪い。

 イコライザに関する記事で、まともなものは、やはり少ない。合葉氏が、正しい鉄道模型ということを力説したのも、無理はない。以来30年以上も経っている。これほど理解されていない分野も、珍しいと思う。正しく理解している人は本当に少ない。

2021年08月08日

レーザによる切り抜き

What is this? 先回のお答がまだ少ないので、少し時間稼ぎのネタである。これは何だろう。大きさは100mm角より少し小さい。
 ステンレスで作ったから、ハンダ付けは容易である。熱が逃げないから、小さなコテで、よく付く。ハシゴなども作った。各種のハンダを使ってみた。やはりスズ63%のハンダに限る。これは液と固体の2つの相しか持たないから、一瞬で融け、コテを離すと固まる。また、液状のときの粘りはほとんど感じられない。隙間にするりと沁み込んでいくので、後で削る必要もほとんど感じない。この写真では60%のハンダを使った部分も写っているので、ハンダが盛り上がっているところもある。

field magnet 最近は、レーザ屋さんは忙しいらしく、少々待たされた。他にも色々なものを作ってもらった。厚いものでも平気で抜けると力説するが、さすがに38 mmの鉄心を一発で抜くことは出来ない。19 mmを2枚ということを考えたが、ネジ穴はあけられないらしい。厚さの半分くらいの穴なら、あくそうだ。仕方がないから、9.5 ✕ 4 = 38 とした。これはLobaughの調子の良さそうなモータの界磁鉄心である。このモータは550 g もある。界磁をネオジム磁石の強力なものにしてどうなるかをテストしたい。界磁磁石が強すぎるということも考えられる。電機子の電磁石など無視して磁力線が通過すると、アウトだ。どうなるだろう。
 Φ4.1 とΦ3.2の孔をあけたが、中に融けた鉄のかけらがあるので、ボルトが通らない。ドリルで貫通させておいた。周辺も微妙にカエリが出ていたりするので、ベルト・サンダで落とした。
 エポキシ接着剤で、4枚を貼り付けて組むことにする。 

2021年08月06日

またまたイコライジング

 古いTMSの整理をしている。たまに欠落した号が補充されると、バインダを開いて綴じ直す。その中で気付いた記事があった。

Tanaka 180号に田中長治氏の記事がある。田中氏は京都の方で、病床にあったにもかかわらず、ベッドの脇で様々な工作をされて発表されていた方だそうだ。その中で、イコライズしながらバネを利かせる工夫の図があった。4軸タンク機関車である。

 この頃のTMSには、イコライジング + バネの案はいくつか発表されている。その後、何を間違えたか、イコライズすればバネは要らないという”迷信”が世にはびこるようになってしまった。近代の模型的イコライジングの元祖である井上豊氏の記事が誤解を増幅したように思う。

井上氏は、
バネが要らないはずは無い大型機はバネがないと壊れてしまうだろうね。」
と、勘違いを一生懸命打ち消してはいたが、TMS読者全体には届かなかった。この世にあるイコライズされた機関車の中でバネが装備されているものは0.5%にも満たないであろう。 

Equalizing idea さて、これが田中長治氏のメカニズムである。一見うまい工夫のように見えるが、まずいところがある。Dタンクに付けたという条件で、考えて戴きたい。これはイコライザの落とし穴である。ネジが段付きでない、というのは、ここでは無視されたい。


2021年08月04日

TR47 再生産

 例の客車群を全数完成させたが、そのためには台車をたくさん作らねばならなかった。ブラス製の古いカツミの台車は廃棄して地金になり、新たに3Dプリントした台車を作った。

 前回の出力では、あまり表面が綺麗とは言えなかった。見えにくい影になる部分だから、シルエットさえ良ければ十分と思っていたが、そうは思わない人もいる。多少なりとも平滑な仕上がりを得たいと思っていた。

 ちょうど3Dの師のS氏から、最近は受注する工場が価格を上げて来たので、より平滑な出力方式と大差ない値段になったと知らせてきた。それならば、と平滑な出力方式に切り替えた。仕上がりには満足できた。下手なロストワックス製よりずっと良い。

new TR47 Low-Dを嵌めた状態である。実に簡単に組め、ひねりに対して柔軟である。
 客車の電装は済んでいないが、内装が終われば当然照明を付ける。
その時に付ける集電ブラシだが、実に簡単である。絶縁の必要がないので、台車に直接ネジ孔をあけて、ブラシの元をネジ留めすれば出来上がりだ。

 転がりは最高である。0.25%の勾配で滑り降りる。14輛編成で20 g重の引張力で足りるという驚異的な低摩擦が可能である。   

2021年08月02日

続 吊掛け駆動

 簡単で良いが、シャフトではいささか剛性が足らない。ショックを与えるとパイプが曲がり、修復不能である。自宅のHOレイアウトの上から動かさないなら良いが、クラブに持って行って見せている時に、ゴンと衝撃があるとまずいだろう。分解したものを再度機関車に組み込む時に、引っ掛かりがあっても曲がりそうだし、鞄の中に入れていても心配だ。ご本人は「大丈夫だ」とは言っていたが、移動時には何があるか、わからない。宅配便での配送は、こわくてできないのではないか。これはHOの模型の話である。大きなOスケールならば、脱線した衝撃でさえも、間違いなくアウトだ。大きいものは弱いのである。

 やはり、吊り掛け式の場合は、前回の図のように支持装置に十分な剛性が必要である。先にお見せしたギヤボックスの角は、その剛性のある腕を取り付けるものである。 
吊掛け駆動方式 これは、友人の依頼で作ったOJ蒸機用の吊掛けドライヴである。簡易な支持構造で、ある程度の剛性を確保している。腕は、チャンネルを使用しているので剛性は十分だが、多少のしなりは許される。駆動軸には小さな伸縮する自在継手を 用いているので、微小な”心ずれ”に対処できる。あまり剛性を大きくすると重くなる。剛性が足らない分、その時に生じる軸のずれはユニヴァーサルジョイントで解決すると、極めて滑らかに回転させることが出来る。ここにゴムジョイントを用いると、押して動かすことは難しいことがある。
 筆者のOゲージ機関車群と同様の、非常に滑らかな運転ができたので、作者は大喜びであった。

 筆者は、OJの蒸機の主台枠の内側がこんなに狭いとは知らなかった。ギヤを薄くし、ボールベアリングを薄いものに取替え、ギヤボックスを新製して、HO並に薄いものを作った。On3のギヤボックスはこれを使えるはずだ。 

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