2021年04月

2021年04月30日

バネを入れる

Pullman 6-wheel truck (1) 3Dプリントで作った台車を組み、バネを入れる。バネは最初に入れることはできるが、完成後に入れる方が紛失の可能性が少ない。組立て途上では、緩んで落としやすい。

 この方法は一度紹介したことがある。絹糸を用いるのが正統派だ。今回は思い付いて、デンタル・フロスを用いた。デンタル・フロスは、ワックスが塗ってあるので滑りが良い。すなわち抜き取るときに支障がない。また、絹糸よりずっと重いので、短くてもバネが爆ぜた時に飛んで行きにくい。
 要するに、縮められたバネに蓄積されたエネルギィは、バネそのものを数メートル飛ばすほどもあるが、糸を引っ張っていては、せいぜい10 cmしか飛ばない。だから、紛失する可能性はなくなる。

 カーペットを敷いた部屋では、バネを飛ばすとカーペットのループの中に食い込んでしまい、引っ掛かる。うっかり引っ張るとバネが変形してオシャカになってしまう。飛ばさないためには、この種の防護策が必要である。

Pullman 6-wheel truck (2) バネをはめ終わったら、バネ座に正しくはまっているのを確認して、バネを押さえながらデンタルフロスを引き抜く。実に簡単に抜け、バネの位置は変化しない。
(本日の写真はKS氏による)

2021年04月28日

14輌編成

express train Hato ようやく台車取替が終了したので、郵便車、荷物車も含めた14輌をつないだ状態での、要求される引張力を測定した。井上豊氏からは、たまにそういう編成もあったと聞いた。外国人の団体があると、荷物車が追加されるそうで、重くて大変だったそうだ。
 走行抵抗について正確に測定した。とても小さい。先回の測定時には、台車のブレーキがタイヤに当たっていたものが多かった。
 3Dプリントでは、ブレーキがぎりぎりのところに出力されるので、当たっていても分からない。今回はブレーキを確実に離して、より滑らかに動くようにして測定した。

 14輌編成に対して要求される引張力は、平坦な直線路では 0.2 N(約20 g重)という、信じられないほどの小さな値となった。単純な計算で分かるように、直線では0.3%の勾配で滑り降りるということだ。

 1.56%勾配、3000 mmRでは、必要な引張力は 1.9 N(185 g重)であった。この勾配では、曲線で抵抗があるにもかかわらず、手を離すと列車全体が勝手に滑り降りていき、猛烈な速度になる。

 機関車に要求される引張力は、185 × 1.2 = 222 g重で、摩擦係数を0.2とすると、機関車の動輪上重量は 1100 g重ほどあれば良い。先輪を含めて機関車の質量は1.6 kgで十分である。1.56%勾配をスケールスピード70 km/hで登るとすると、機関車自身の質量を押し上げる仕事率を含めても、1 Wほどの出力があればよい。
 全伝達効率が3割としても、3 Wの出力で足りることになる。実際にはもっと良いので、2 Wでもよいだろう。ということは、勾配を登るときの電流値は0.2 A強である 。

 実際には全車に照明を付けるので、0.6 Aほど喰うことになるだろう。 

2021年04月26日

軽い機関車でたくさん牽く

 先の記事で、軽い機関車になるということを書いたが、それについてのコメント、私信をたくさん戴いた。表題の概念は、機関車の持つべき特性のうち最大のものであり、実物の世界では、ありとあらゆる方法で、それを実現すべく取り組んできた。 しかし模型の世界では外見ばかりで、実効性のある設計法にはほとんどお目にかからない。


 今回の列車に必要な牽引力は、列車の現物があるから、勾配、曲線上での数値がすぐ測定できる。過去の経験では、引張力はその数字の2割増しであれば、確実な運転ができる。
 摩擦係数から、機関車の動輪上重量は直ちに算出されるから、先輪の軸重を足せば、機関車の質量はすぐ求まる。この辺りは中学校の理科の題材であろう。

 問題は、機関車の伝導方式である。OJ、Oゲージでは各軸モータ、吊掛け式がもてはやされる。実感的なのだそうだ。ところがどの作品を見せて戴いても、用いているモータのトルクは小さく、しかもギヤ比が小さいものが大半である。スリップしない。ギヤが見えているものがほとんどだ。油は飛ぶし、綿ぼこりを巻き込む。

 スリップしない機関車はモータが焼ける設計時にそこを押さえていないと、重負荷を掛けられない。やはり勾配線で長大列車を牽かせたことが無いから、気が付いていないのではないか。
 
 さらに大事なことを言えば、動軸が連動していない。模型であるから、伝導方式は実物の通りにする必要はない。全動軸を連動させれば、静止摩擦係数による摩擦力の限界まで引張れる。すなわち軽い機関車でたくさん牽けるのだ。そこを考えた模型には、なかなかお目に掛からない。

 動輪が個別にスリップする様子を見たい人が居る、とは思えない。そもそもスリップしないのだ。以前は連動すると押しても動かなかったが、3条ウォームがあるから、いとも簡単に押せば動く。 

2021年04月24日

続 TR73 3軸台車

Nylon and Brass このブラス製台車は、車輪込みで180 gある。左の 3D 出力のナイロン製3軸台車は 60 gだから、かなりの差だ。左は1/48,右は1/45である。TR73のホィールベイスは意外と長い。

 組み終わると、あまりの転がりの良さに驚く。うっかり机の上に置くと、わずかでも勾配があれば走り出し、落ちて壊れる。必ず裏向きに置かねばならない。展望車は窓が大きく、中が良く見えるので、ある程度の造作を作らねばならないが、重くなってもこの台車なら問題ない。

 稲葉元孝氏の組まれたものでは、中間軸の軸バネが抜いてあるのに気付いた。ライオネルと同じ発想である。中間軸は浮いていても構わないという考え方である。当時はブリキ製のガラレール(2線式に打ち替えてある)である。前後軸のバネが効いていれば、中間軸はどうでも良かったのかもしれない。分解して、新たな軸バネを入れた。レイルの継ぎ目での音は素晴らしい。

 昭和29年にして、すべて絶縁車輪を採用していたというのは、素晴らしいことである。椙山氏の指導力は偉大である。  

2021年04月22日

TR73 3軸台車 

TR73 trucks 展望車にはTR73が付いている。このカツミ製の台車はなかなか良い設計であるが、砂鋳物を直接組んでいるので、隙間が多くて剛性が無い。

 砂鋳物には抜き勾配があるので、そのまま組むべきではない。しかしそんなことは無視して、大きな頭のネジで締めてある。矢印の部分は特にひどい。そのまま締めてあるので、ネジの頭の片方しか当たっていない。強く締めると疲労して折れるだろう。
 フライスで上面を直角に削り、ネジ頭を沈める。その他の抜き勾配をヤスリで軽く修正するだけで、見かけはぐっと良くなる。スポーク車輪が欲しいが、とりあえず手元の Low-D を嵌めた。軸箱が小さいので、内径 1.5 mm、外径 4 mmのボールベアリングを使う。今まで内径 2 mm、外径 5 mmを使っていたが、径が小さくなると、抵抗は明らかに少なくなる。
 部材同士の当たり面がざらついていると、ネジが締まりにくいので、さっと削って密着するようにする。こうするだけで、ネジは緩みにくい。 

 TR73がもう一組ある。使える車種はわずかだ。
maironefu38 マイロネフ38のブリキ製キット(1950年代)を発見したので、それを作ってみようと思う。屋根もブリキだが、本物はデッキ部分で絞ってあるので、ブラスで作らないと難しい。ちょうど t 0.7のブラス板を良い具合に曲げたのがあるから、それを使ってみよう。
 この種のブリキ製キットがたくさんあるので、いずれ組んでみたいが、知識量が無いので、今のところ難しい。「つばめ」「はと」編成の連結順は見つかったが、車輛の向きに関する情報は少ない。あまり良い資料には出会えない。昭和28年(1953年)の名古屋電化の頃の記録を探している。これは妹の生まれた時期で、母の実家に行くときは特急つばめをC62が牽いていたのを目撃したが、帰るころには電気機関車だったことを記憶している。

 マイロネフなどの車輌記号の文字順は、車輌ごとに構造と共に変遷している。マイネロフ37という並び方もある。寝台車だからネロで、食堂車だからスシとか、友人と話し合った中学生時代を懐かしく思い出す。 

2021年04月20日

truck tuner

 新しく作った焼結ナイロンの台車の軸受内部は、ざらついている。この部分をさらって、新しいナイロン面を出さないと摩擦が大きい。表面は染色してあるが、内部は白く、緻密である。削って滑面を出す必要があるのだ。精密に作られたステンレス製ピヴォット・コーンとの摩擦は非常に少ない。また、ナイロンは硬いので軸重を増やせる。以前の基準ではPOM(ポリアセタール、デルリン、ジュラコンなど)では軸重100 gを限度としていたが、150 gまで認めることにしている。

truck tuner2 この工具は以前にも紹介している。最近いくつか製作依頼があって、作った。この種のものは一つだけ作ると、大変な手間がかかる。綾目ローレットを掛けた材料がなくなったので、作らねばならなかった。買えばよいのだが、量が少ないと買いにくい。丸棒から作るのは楽しいので、たまにやる分には気分転換になる。

truck tuner 下のものは、以前紹介したHO用を延長したものである。テーパを削ってつるつるに研磨する。コレットで逆に銜えてセンタ穴をあけ、 ドリルで穴をあける。リーマを入れて内部を滑らかにし、ガラスドリルの軸を切って差し込む。先は少し削っておかないと、リーマの喰い付き部分のテーパで引っかかる。長さを確認して、必要ならば調整する。

 よく洗って油気を取り、エポキシ接着剤を入れ、ドリルの軸を差し込む。簡単そうに見えるが、精密に作ってあると、ここで引っかかる。内部の空気が出ないのだ。ドリル軸にダイヤモンド・ヤスリで縦溝を付けるのを忘れたからだ。横から細孔をあけておくのも良い。四苦八苦して所定の深さまで押し込み、1昼夜保持して完成だ。

 このガラスドリルは切れ味が良く、アッという間に彫り込める。また角度が良く、摩擦が少ないと同時に、寿命も長い。


2021年04月18日

スポーク車輪

 スポーク車輪の製造要請がある。先輪などの外見を要求される部分には不可欠だ。気持ちはよくわかるが、なかなか踏み出せない。
 最大の問題点は数である。
 製造所には、タイヤは最低1000個なければ注文できない。500軸分である。ところが、現実に届いている注文は50軸ほどだ。

 次の問題は輪心となるべきカツミ製の砂鋳物の19 mm車輪の精度不良である。これのばらつきがすさまじく大きい。厚みは時期によってかなり異なる。
 ネジは、今では珍しいM4-P0.75という1950年代の規格である。それがまともに切ってあればまだしも、通称「ガラ」で切っているのだ。でたらめに手で持ってタップを通していたようだ。廻してみてあまりにも振れが大きいときは、再度逆に傾けて切った跡が見られる。ネジ穴がガタガタでお話にならないのだ。車軸の当たり面で向きが揃うという感じである。これでは心が出るわけがない。
 このでたらめな車輪を使っていては、進歩はあり得ないと感じた。Low-Dの必要性を感じたのは、この現実を見たからである。細かいネジを採用するか、圧入しかなかったのだ。

 ネジ部は完全にさらい、新たな材料を差し込んで再度ネジを切り直すべきだ。今なら細目のネジを切るべきだろう。当然車軸は新製だ。

 こうなると手間もかかるし、金額的にもかなりかかる。旋盤上で専用コレットを使ってネジを切るという作業をすると、1時間で最大20軸程度しかできないだろう。実際にやってみて、素人には難しそうだということも分かった。さりとて、その仕事を引き請けることは、時間が無いのでできない。設備を貸すので、弁当持ちでやってきて1日中作業する、という人は受け容れても良いが、それもしばらくはできない。

 今回のTR47用にはスポークの無いものを用いているが、この種のウィングバネの台車では、スポークであるかどうかは全く気にならない。TR23では多少気になるが、スポークでないものもあったらしいから、気にしないことにした。

2021年04月16日

EF58の牽く特急列車

 1.56%の勾配、半径2900 mmの線路上での牽引に必要な引張力を測定した。小さなモータを使っても十分である。設計は簡単だ。

Hato pullled by EF58 旧車体のEF58が来ているので、その下廻りを新製すればよい。簡単な工作である。昔のOゲージであるが、新しい生命を吹き込まれて、素晴らしい走りを披露できるはずだ。昭和28年(1953年)当時の編成である。詳しい情報を集めている。

 このカツミ製の電気機関車はとても重い。6 kg弱もある。当時は客車の軸受がでたらめなので、機関車には最大限に補重し、最強力のスーパー20モータを2台搭載している。起動電流は、5 Aをはるかに上廻るようだ。手元の3 A 電源では動かせない。中身を全部捨てて、新たなメカニズムを搭載する。
 現代の機関車は、0.1 Aで軽く起動する。軽く作れるので、勾配線上で自身を持ち上げるのに必要なエネルギィも小さくなる。勾配のあるレイアウトは少ないので、本当の実力がわかりにくい。ただ重い機関車では意味がないことはすぐには見えないから、そのまま満足してしまう例が多いと感じる。
 
 この機関車の改良工事に関する唯一の問題は、Φ27のスポーク動輪を調達することである。良好な形状のフランジを持つ車輪が必要だ。

 スポークを持つ先輪は、一体のLow-Dでは作れない。ステンレスタイヤを作って嵌めなければならない。8枚挽くのは、かなり面倒だ。できないことはないが、難しい作業だ。しかしこれも、タイヤの頒布希望者があれば可能になるかもしれない。

  当博物館においては、唯一の国鉄型車輌となる。いずれ、C62もやって来る予定であるので、その下廻りの改造部品を用意している。鋼タイヤの動輪と差し替える。蒸機の場合は、動輪上重量を大きくせねばならない。機関車は2.5 kg以上になるだろうから、テンダを含めると3.2 kgほどになるはずだ。その先従輪、テンダ車輪はLow-Dになる。これは、プレート車輪だから簡単だ。


2021年04月14日

OJ用 Low-D 車輪

 Low-Dを再生産するときに、OJも作ってくれという要望があった。車輪厚さを 3.5 mmとして、バックゲージを 21.5 mmとした以外は、Oスケールと同一である。これは吉岡精一氏の助言を受け容れた設計である。車軸はΦ4である。絶縁側は圧入、他方はネジ込みである。また、ジャーナル部はΦ1.5のボールベアリングが嵌まるようになっている。
 実は 、発注数を間違えて、長軸(先回の台車に使用)が多少余っている。ご希望の方にはお頒けする。 コメント欄を通じて申し込まれたい。email address は本文中に書いて戴かないと、こちらでは読めない。短軸もあるが、これは数が少ない。

 OJのレイアウト上で試運転させてもらったが、極めて快調であった。ポイント上の挙動も全く問題ない。普通の車輪との転がり抵抗の違いは、顕著である。特に曲線上の挙動は全く別物である、との評価を得た。走行音がとても静かであることも特筆すべきことである。メッキされたものとは、大いに異なる。

2021年04月12日

客車列車

TR47TR47O,OJ 国鉄客車を完成させるべく、改造工事を急いでいる。TR47はいわゆる長軸台車で、車輪はかなり奥の方にある。右の写真は、OとOJの二種類のTR23である。OJの方は、ボールベアリングが入れてあるので、グリースの攪拌抵抗が無視できない。しかし、重い車体が載れば、効果を発揮するはずだ。Oスケールの台車の方は、ピヴォット軸受だからとても軽く動く。台車枠はボルスタと一体成型で、ひねりやすくするために端梁はU字型にしてある。車輪を嵌めてネジで端梁を付ける。ブレーキは車輪すれすれにぶら下がり、気持ちが良い。

 稲葉氏のご家族からお預かりしている客車群を、稼働状態にせねばならない。10輌組んでつないでみたところ、連結器が切れたのが8箇所あった。当時のダイキャストは、お話にならないほど質が悪い。
 新しい連結器に取り替える。切り離すことが無いから、単なる棒でも良いが、収納が難しい。3Dでも作ってみる。

JNR ExpressJNR Express2 連結器が健全な8輌をつないでみたが、摩擦が少なく抵抗を殆ど感じない。1輌は平均550 gである。
 ナイロン製台車でのピヴォットの効果は素晴らしい。


2021年04月10日

続 言葉狩り

 多くの友人から連絡を戴いた。反響が大きいのには驚いた。読者数も2倍以上になった。

 SKT氏からのコメントは、この続編で扱おうと思っていたものである。どの国の言葉でもオネジ、メネジという言葉を使う。それも怪しからんということになると、困ったものだ。電気の接続ソケットも同様だ。”ジャック”という言葉も問題があることになるだろう。
 
 必要があって、フランス語を習っていたことがある。親しい天才的な語学教師(6か国語を自由に操り、フジモリ大統領が来日した時は指名されて通訳を務めた)に、男性名詞、女性名詞についてどうすれば覚えられるか、と聞いてみた。
「そんなの簡単さ。フランス人が考えることは単純だよ。駅は女性名詞、列車は男性名詞。だってさ、列車は駅に進入するだろう。」 

 そんなバカな、と思ったが、そういう観点で見ればほとんど当たっている。しかし、自動車や椅子が女性であることは分かるが、ソファが男性というのは解釈が難しい。
 彼の説が正しいとすると、ポリティカル・コレクトネスに拘る限り、フランス語文法は修正しなければならないが、そんなことにはならないだろう。 

dda40x at 04:10コメント(0)ネジ この記事をクリップ!

2021年04月08日

歯車を削る

fixture 歯車を薄く削る必要があった。10枚ほどの作業のために、ヤトイを作らねばならなかった。
 歯車は直径が14 mmで、厚さを 2 mmほど削る。中心にはボールベアリングのインナ・レースが当たるようにボスを突き出させる必要がある。これを掴むためには直径17 mmの丸棒をERコレットで掴み、外径を削って掴む部分を作ってから突っ切る。
 コレットに掴む部分は、Φ12.7 にして1/2インチのコレットで掴む。内径14mmの凹みを作り、歯車を掴めるようにする。ERコレットの心は十分出ているし、歯車は薄くするだけで、完全に同心で削らねばならないということもない。だからごく適当で良かったのだが、印をつけてRの文字の位置に合わせている。 

fixture (2)fixture (1) 出来たヤトイに歯車がぴったりはまるのを確認して、コレットから外す。凹みを付けた方から糸鋸で十文字に切り込みを入れる。そうしてできたヤトイをERコレットに戻し、歯車を掴んで旋削開始である。歯車は、心を押して密着させる。竹ブラシ法を使うまでもなく、密着する。
 この竹ブラシ法は「蒸機を作ろう」にも記載されている方法で、旋盤工が使って来たうまい方法である。筆者は竹ブラシではなく、グリスを塗った丸棒を使うことが多い。 

 歯車の材料のリン青銅は、快削材である。いや、"快削のリン青銅"と言う方が良いらしい(快削でないものもあるそうだ)。シュルシュルと削れて、歯形がきれいだ。ワイヤブラシで軽くメクレを落とせば出来上がりである。楽しい作業であっという間に終わってしまった。へその部分は 0.1 mmも出れば十分なのだが、0.3 mmとした。

 ヤトイを英語で pot chuck と言う。 
 ヤトイを作るための丸駒(適当な長さに切った丸棒)をいくつか用意してあるので、ヤトイ製作は即座にできる。 

2021年04月06日

KTM 10周年記念品

KTM's 10th Anniversary Memento これは1957年に、カツミ模型店が関係者に配ったものである。ペン置きとインク壺のセットである。どういうわけか、筆者のところには数台あった。長い間に、いろいろな方から寄贈されたものである。当時は立派で見栄えがしたものであるが、文房具の進化により、使われることが無くなったからだ。

 タンクの上の蓋を開けると、インクを入れられるようになっている。ブルーブラックを入れるのだ。インク壺はプラスティック製である。この部品は取ってあるが使い途が無い。
 元関係者の方から、「君はOゲージをやっているから、差し上げるよ。」と、次々と戴いたのである。台の大理石は砕いて、近所の小中学校に二酸化炭素発生用に寄付した。台車はフランジを削って貨車の積み荷にした。
 ボディは改良した。連結器、台車を取り替えてLow-D化すれば、稼働する貨車となる。筆者の博物館の線路上にある2ドームのタンク車は、ほとんどこれである。

 最近ヤフー・オークションに40万円で出ていたそうだが、とてもとても、そんな価値はない。その100分の1程度である。あまりにも数が多いのだ。全く応札が無かったそうで、そのオークションは流れたようだ。
 安達庄之助氏から来たジャンクの中には、このタンクドームの蓋(鋳物製)がたくさんあった。大半は地金で処分したが、まだいくつか残っている。蓋の蝶番が外(向こう側)に出ているので、それを切り落として体裁を整える必要がある。

 カツミ模型店はOゲージ、OJゲージから手を引き、昔の姿とは異なる形になってしまった。当時は世界有数の生産額を誇っていたらしい。 

2021年04月04日

言葉狩り

 数日前の記事に”バカ孔”という言葉を使った。最近は言葉狩りが厳しく、こんな不適切な言葉を使うな、と言う意見も来る。例の肺炎騒ぎもそうだ。国名に関連する言葉を使うなと言ってくる。”日本脳炎”、”スペイン風邪” は禁止用語になるべきなのだろうか。

 この種の職人が使う言葉には、メクラ孔とか、見かけ上差別用語がたくさん含まれている。この種の例はいくらでもある。ここに列挙することは簡単であるが、またまた「怪しからん」の集中砲火を浴びることになるだろう。
 この記事は面白い。他にもたくさんあるので、参照されたい。

 反発するのも面倒だ。こんなことを書いて来る人は少数なのだが、その種の人たちは絶対に調子を緩めないから疲れてしまう。書くと気分が良くなるのだろう。自分は良いことをしているという高揚感を味わっているのかもしれない。

 この種の言葉は、その職域の人たちの長く続いた文化を背負っている。くだらないことを言うべきではないのだ。 
  
 アメリカでは一時期 Political Correctness の嵐が吹き荒れた。今は少し下火に向かいつつあるような気がする。筆者の友人たちが怒っていたのを覚えている。
「”Blinds”って言ったら、いけないんだってさ。何て言えばいいんだろうね。」
「”Shade”っていうのは、ちょっと違うよね。平行な薄板を同時に向きを変えて、向こうが見えにくくする窓用の装置ってのはどうだい?」
「そんなこと、言ってられるか!○○○○。」
 最後の言葉はここには書けない言葉である。 

 ここでは当然複数形だ。ブラインドの羽根は沢山あるからだ。 

2021年04月02日

自宅のDRO支えを更新

 自宅のフライス盤のDROに重い割出盤を軽く引っ掛けてしまい、支えがひん曲がってしまった。曲がりにくいように、より太い棒を使って作り直した。

DRO Support 2 以前は細いM3のネジを使ってあったが、本体にM4のネジを切り直した。ブラス角棒を銀ハンダで接合し、孔をあけた。以前のが曲がりやすかった理由は、細いネジが角棒の中心にあったことだろう。上方から当たって曲がったので、下半分が持ち堪えてくれるようにネジ位置を少し上げた。
 正確に孔をあけるのは難しい。太いドリルで一発でやると、膨らんでしまい失敗することが多い。細いドリルで孔をあけておいて、裏表から掘り進んだ。たまたま刃の長い4枚刃のエンドミルがあったので活用した。エンドミルの正面中央には切刃が無いから、先導の穴は必要である。2本とも、計算通りの位置に孔があいて、両方からの孔のずれはなかった。めったにないことで、気分が良い。これは万力とDROの精度が良いということに、他ならない。
 45度になった方には座グリをして、ネジの頭を収容するようにした。この時、ハンダで付いている部分を押さえているので、はがれる心配は全くない。

DRO Support 右に最大限動かしたときに読み取り部の逃げ場所が必要なので、棹の左端を少し外に出した。その部分の角材の組合わせは、フライスで正確に溝を切って、嵌め込んである。こうすれば、ネジ1本で組めて、ガタもない。上の写真はこれを裏側から撮ったものである。 

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