2020年06月

2020年06月30日

Kemtron の台車 

 Kemtronの台車は十分量用意してあった。安いものではなかったが、他に良い台車が無かったので、イコライザ可動であるから買っておいた。友人が手放すのをすべて買ったのだ。
 ロストワックス鋳物(厳密にはinvestment casting というべき) だから、湯口を切り、ヤスリ掛けをして、ボールベアリングが入るように座グリした。ここまでの処理だけでも、かなりの手間がかかる。ハンダ付けすれば組めるわけであるが、スプリングが無いので組まなかった。

 正規のキットにはブラスワイヤで作られたスプリングが入っていた。それを自作せねばならない。旋盤でブラスワイヤを巻いてバネにし、切断して座面をベルトサンダで削り落とした。かなりの手間である。1回に30本も作ると疲れてしまう。ブラスワイヤは、加工硬化してほどほどの固さになる。ヘタることはない。

 在庫の半分は組んで塗装してあった。その中に一つだけまずいものが見つかった。ボルスタ・アンカが点対称である。ということは左右が同じものであるということだ。それではと、組んでないものを点検した。その鏡像が見つかると信じていたのだが、…。

same side frames 残りを半日かけて組んだ。最後の残りの2つが同じ形なので、問題の台車枠の鏡像であって、めでたしめでたしだと思っていた。しかし、とんでもないことに4つが合同であった。ということは、点対称の台車が2つ出来てしまう。
 これには参った。今さら間違っていたと連絡しても、相手がまだ部品を持っているとは思えない。眺めているうちに、ボルスタ・アンカを外して、新しく作る部品と置き換えるのが最も簡単であろうことに気付いた。糸鋸を駆使して、切り捨てた。

mirror image 手前が、アンカを外した状態である。左後のように作らねばならない。アンカ・ボルトはやや太い。細くしたいが、そうすると車体の同じ側で太さが違うのが見えてしまい、みっともない。同じ太さの材料を旋盤で挽き出すことになった。 

2020年06月28日

続 ”ある鉄道模型人”

 この第2弾の取材は、転車台の動きを見せてくれ、と頼まれて始まった。機構部分の動きはアメリカで発表して、その動画をまだ日本では発表していなかったので、良いチャンスであった。高性能なカメラでの撮影は意味があると思ったからだ。

 全体を俯瞰する動画は、早回しで再現している。これは面白い。カメラを機関車で押す貨車に載せている場面も、説明図を付けてもらったのでわかりやすくなった。

 K氏宅のビデオ鑑賞室(田舎の映画館ほどの大きさ)で、編集するのに立ち会ったが、まだ一つ直っていなかったところがあった。5分30秒あたりの「差動」装置は、「鎖錠」装置が正しい。
 アメリカで評判の良かった場面も入れてもらったが、その部分は筆者の撮影なので画質が低い。1分45秒辺りからの押して動く機関車の場面である。この部分はアメリカの発表では観客が立ち上がって拍手してくれた。K氏も「これはすごい。誰も信じられないだろうな。」と言った。

 K氏はこの地方では有名なビデオ作家であり、撮影の角度選びはなるほどと思わせるものがある。普段自分では見ていない視点からの動画は面白い。中で登場するI氏は凄腕シリーズの1回目の人であった。彼も、無断放映で驚いたと言っていた。

 第1弾をUPした人(テレビ会社の人らしい)と同一人物がUPしたのだが、その文字が変わっていたので、全然気が付かなかった。発表されて2月以上経つのに、見に来た人は50人だ。

2020年06月26日

”ある鉄道模型人”

 またも知らないうちに動画がUPされていた。と言っても、今回はある程度は予測していた。

 前回は「凄腕」という題で発表されたもので、これは完全な無断放映であった。事実と異なる説明があったので文句を言ったが、それなりによく出来た動画で、もういいかという感じである。
 この撮影時は、旧知のK氏が見せてくれというので案内した。この地方では有名な ビデオ作家である。現在86歳であるが、極めてお元気な方である。経営している会社の仕事もされている。かれこれ50年のお付き合いのある鉄道趣味人だ。遠方まで取材に行くのに、交代運転手として乗って行ったこともある。

 ビデオ仲間での発表に使うのだと承知していたが、突然、ケーブルテレビで放映されていると高校時代の友人から電話があった。当家にはテレビが無いので確認する術がなかった。ちょっとひどい話である。
 後でそのDVDを貰った。間違いはたくさんあるが、すぐに消えてしまうものなので良いかと思っていた。ところが忘れた頃に、「Youtubeで放映されている」と、また友人から連絡があった。 さすがにこれには驚いたが、画像が良いので、それはそれでよいかと思っていた。見る人も居ないだろうと高をくくっていたが、随分見に来ていて驚いた。


 新しい動画がupされていた。と言っても、これはありうると思っていた。2回目の取材の折には、編集に立ち会うのを条件としたからだ。編集には2回参加し、間違いがないようにした。こちらから持って行った動画も挿入した。ケーブルテレビの放映があったが、これも当家では見ることができなかった。その後のYoutubeへのupもなさそうだと安心していたのだが、別の名前でupされていることに気が付いたのは、先々週である。


2020年06月24日

bolster anchor の向き

 ボルスタ・アンカの向きについてさらりと書いたら、早速詳しく解説せよ、との要望があった。

 ここで述べることはアメリカの台車についてであり、日本国内でどのような基準で作られているか、については全く知らない。また、一部の機種で見られる仮想心皿方式のリンクは、ここでは考えていない。 

 しばらく前、シカゴのコンヴェンションで撮った写真があるので、紹介したい。
UP Streamliner trucks (2) この写真の裏返したものは正しいボルスタ・アンカの向きを示している。どちらも車体の中心の方に向かってボルスタ・アンカが伸びている。一つの台車の中ではアンカーボルトは線対称である。
 向こう側の横に寝たのはダメである。連結器の方向を向いている。

UP Streamliner trucks (1) もう一つの写真を見てみよう。これもダメな例である。二つの台車のボルスタ・アンカが、どちらも連結面方向に伸びている。UPでは採用していない。どちらでも良さそうだが、何らかの理由があるはずだ。

 様々な間違いを含む模型に遭遇する。もっとも多いのはボルスタ・アンカが台車の中で点対称になっているものである。これは奇妙だ。
 先回紹介した記事には、「UPに関してはアメリカ随一の知識と腕のある模型人による塗装だ」と持ち上げてあるが、何を考えているのかよく分からない。


2020年06月22日

客車をつないでみる

 移動自粛が続いていたので、博物館に出向くのは久しぶりである。エアコンは除湿で付け放しにしてある。中は爽快であった。

wet paint (2) 運んでいった客車に台車を付け、順に線路に載せてみた。一輌載せるたびに、線路に通電して短絡がないか調べる。全部載せてから不良品を探すのは大変だからだ。一応は合格しても、走らせてみるとたまにショートするものがある。金属床で連結器が絶縁されていないからだ。連結器に塗られた塗料でかろうじて絶縁されていたのだ。木製床と互い違いに連結すると直る。金属床車輛には印をつけた。早速1輌は絶縁ボルスタを作って付け替えた。これで解決だ。あと3輌ある。簡単に解決するには、プラスティック製台車に取り換えることだ。

wet paint (1) 台車のボルスタ・アンカの向きに気を付けて取り付ける。ボルスタ・アンカは左右とも車輌中心に向けてあるのが正しい。これが、てんでんばらばらだと、みっともない。90年代に某誌でHOのUP streamlinerの記事があったが、そういうことには全く神経が届いていなかった。

 総勢20余輌をつなぐと、なかなか壮観だ。この写真に写っていないものが、あと数輌ある。屋根高さを簡易ゲージで測定し、̟̟±1 mm以内に収めるよう、修正した。連結面距離も均一になるように気を付ける。
 重い。これだけで30 kgほどもあるのだ。連結器遊間が小さいので、ガタガタという音がしない。

 船で言えば進水式で、これからディカール貼り、連結部幌の取付け、ガラス取付け、内装、電装が待っている。そういう意味では荷物車は楽である。
 
 Streamlinerはあと11輌完成させねばならない。HeavyweightのPullmanはあと10輌、Daylight客車はあと8輌だ。先は長い。


2020年06月20日

走行抵抗を与える車輌

 沢山のコメントが入り、驚いている。

 車軸にモータを仕込んで発電機とし、抵抗で消費させてブレーキを掛けるものは作ったことがあるが、面白くない。安価な有鉄心モータであるから、発電量は位相によって異なり、大げさに言えばカクカクとなった。たくさんつければ均されるが、おもちゃのようなものである。HOでは大きさの点で難しい。

 要はブレーキであるから、効率はあまり関係ない。負荷が均一であることが大切だ。簡単な歯車装置か、摩擦車でも良い。細いバネで軽く押さえれば、用は済む。
 昔アメリカの広告で見た、大きな車を台車の上に置いてフランジから摩擦駆動するものがあったが、あれでよいのだ。その商品は慣性を増大させるものだったように覚えているが、角速度が小さいので意味がなさそうだった。今回は慣性は関係なく、半径が大きければ、摩擦力は小さくて済む。
 どなたかが作られると面白い。 引張力を掛けた状態での走行状況を見るものだから、慣性は無くてもまったく構わない。単なるブレーキ車で良いのだ。

 急曲線の話があったが、左右の車輪を独立にすると摩擦が激減する。これは15インチ(381 mm)ゲージの乗用模型で立証済みである。半径 5 mでも5人乗った客車を片手で押せる。左右の車輪が連結されていると、二人で押さねばならないほど、重かったのである。HOなら、構造は極めて単純で良い。 
 軽便鉄道風の物であれば引張力がなくてもかまわないのだが、本線を走る大型機関車については調べる必要があるはずだ。

 ハンダの色については、いくつかのコメントがあった。最近はKKCに限って言えばハンダの色が見えているものが増えて来た。喜ばしいことである。完全にハンダが廻っていて、壊れにくい。これはその昔、TMSのミスリード記事が元になっていると思う。ハンダを見えなくすると良くなることなど、見かけの問題以外、どこにも見つけ出せない。アメリカのコンテストでも、未塗装の場合、ハンダが見えているものが多い。見かけよりも実質を取るのだ。


 コメントに、自己宣伝を書いてくる人が多くなった。何度も申し上げたことだが、コメントはコメントであり、それ以上のことはご自分のサイトで発表されたい。核心を突かない不要部分は削除して短くするか、掲載をお断りしている。 

2020年06月18日

今野氏の記事

 6月11日の今野氏の記事を読んで、感じるところがある。HOは運転を楽しむべきで、”細密化が目的ではない”というところである。

 現実はその逆を行っているのではないか、という問いかけであると解釈した。どこに行っても細密化を実践した模型を見せられる。たいていは未塗装で、磨き上げたブラスの面が出ている。ハンダは見えない場合が大半だ。意地悪な目で見れば、部品をピンセットでつまんで持ち上げ、本体から外れなければ良し、であるが、そんなことをしたら叱られてしまう。
 最近の今野氏の記事にはハンダが見えるのが正しいと書いてある。その通りなのだが、現実にはそういう人は少ない。

 走りについては、よくわからない。エンドレスを無負荷で周回させておしまいだ。勾配線を持つクラブレイアウトは稀だから、重負荷での挙動は誰も分かりはしない。
 勾配線のあるレイアウトで、長い列車を牽いてポイントを渡る試験をするべきだ。あるいは1輌で貨車20輌分ほどの抵抗を作り出すブレーキ車を作るべきだ。どなたか、やらないだろうか。それほど難しい話ではない。
 また、長い列車を推進運転する時の性能向上も大きな課題であろう。

 今野氏のおっしゃる走行中心の模型は、いまやNゲージになったのだろうか。筆者はNゲージについての知識が皆無なので、見当もつかない。レイアウトを作っている人は、確かにHOよりずっと多いだろう。

 KKCの工作本の続編をどうするかは未定であるが、おそらく走行性能向上の話題が取り扱われるとみている。

2020年06月16日

Monarch用 連結器座

Monarch draft gear (1) Monarch draft gear (6)All-Nationの発売していた部品を買い占めてある。モナークの連結器用のDraft Gear(連結器座)である。どれだけ売れたのかはよく分からない。


Monarch draft gear (3)Monarch draft gear (4) モナークの欠点として、連結器同士が正対していないと噛み合わない。即ちセンタリング機能がないと意味をなさない。この連結器座はブラスの板を組合せて作られている。引張りはバネが働くが、推進時に働くものは無い。引張りのバネを利用してセンタリングをしている。連結器のシャンクの後端が直角でないとまずいので、調整が必要だ。また、取り付けピン孔が垂直に中心にあいていないと、具合が悪い。このセンタリングは実に絶妙な力で働く。うまい設計である。

Monarch draft gear (5) 床にはどうやって取り付けるべきか悩む。0.6 mmの板で試作をした。高さの点で問題がなければ量産する。
 連結器の首の部分は左右に振れても高さが変わらないようにしておく必要があるので、このゲートを付ける。連結器自体がそこそこに重いので、上方向は何もしない。垂れるのを防ぐだけである。電気絶縁は木製床板で確保する。

 連結器座には板バネが入っていて、適度の摩擦があり、走行時の安定に寄与する。これがないとバネの伸び縮みが自由で、妙な共振が起こるかもしれない。本来は釘で留めるような構造だが、ブラスのベースにハンダ付けした。ハンダが廻らないように注意して少量のハンダで付けた。この種の仕事は炭素棒に限る。接着面はヤスリで平滑にし、均一にハンダが廻るようにせねばならない。座の部分には完全に廻ったが中には入らない。少量の油を注しておく。これはバネの錆防止でもある。 

  このドラフト・ギヤは1950年代の製品である。プレス抜きで、曲げもしっかりしている。非常に出来が良い。当時のアメリカの製作技術は大したものである。
 ただ、底板と共に釘で床に打ち付けることになっているのは感心しない。抜け落ちることもありそうだ。さりとて、アメリカ人の平均的テクニックでは、このハンダ付けは難しかったであろう。  

 このモナークの連結器は、日本には情報が入らなかったようだ。可動式の自連タイプでは最高の製品だが、筆者の知る限り、雑誌等で紹介されたのを見たことがない。モナークを知らない人が連結器について論じても、意味がない。
 Max Gray は日本に持って来たはずであるが、それはどこに行ってしまったのだろうか。残念な話だ。


2020年06月14日

再度 Monarch Coupler

 Monarch Coupler が市場から姿を消してから、40年近くになる。この高品質の連結器がKadeeに負けたのは、連結の簡便さと価格である。連結状態からの外れにくさ、推進運転のしやすさ、静粛性では、圧倒的に勝っていたのだが、連結がやや難しいところと、簡単に使えるカプラ・ポケットが市販されていなかったところが弱点であった。

 筆者は30年前に友人から10組ほど入手し、客車に付けた。貨車には付けなかった。もったいないからだ。その後、見つけたらあるだけ買い占めてきた。手元に数十組あったが、残りは少ない。
  客車の連結器で遊間が大きいのは、許せなかった。あちこちの運転会で見ていると、客車列車が発車する時に、カタ、カタ、カタと連結器が伸びながら発車するのを見ることが多い。これでは乗っている人はケガをするだろう。旅客列車は、しなやかに曲がる棒のようになっているべきで、伸びてはいけない。実物の貨物列車を見ていると、かなりの遊間があって音を立てている。ショックは長い緩衝器で緩和している。

 モナークの良いところは、もう一つある。シャンク(連結器の付け根)が長いことである。連結器が相手と噛合った状態ではガタが少なく、ほとんど曲がらない。つまり、2つの連結器が1本の棒のようになっているカプラの回転中心が台車のセンタピンに近いので、横方向のずれが少なく、推進時、減速時の座屈が起こりにくい。これは、長年の運転経験で脱線事故が全く起こらないことからも、証明されている。

Monarch draft gear (2) ただ一つの難点は、連結時に中心を厳密に合わせないと難しい。一度噛めば絶対に開放しないから、長い列車の運転では安心できる。センタリングができる連結器座が必要だ。
 意思を持った開放操作は実に簡単で、下から撫でるように触るだけだ。開放リンクを付ければ側面からでもできるし、開放ランプでの開放タイプを選択してあれば、下からエアホース状のものを押せば解放される。

 カプラ・ポケットは手に入れにくかったから、標準品をロストワックス鋳物で作って使っていた。その強度は極めて大きく、正面衝突でも耐える。ピンは少し弱く作ってあるから、それが剪断されるときにエネルギィを吸収し、犠牲となって車体は保護されることになっている。この部品はたくさん作ったが、使い尽くした。 

 今整備中の列車に付ける分で、モナーク・カプラの在庫も無くなる。追加購入ができるか、怪しい。友人たちに手を尽くして探してもらっている。

2020年06月12日

続 Alton Limited

Lionel Alton Ltd 手元にあるライオネルの客車側面である。この色は正しい、とアメリカ人は言う。多数の人間が見ているので、そういう意味では客観的な判定であろう。しかし、塗り分けは怪しい。前回紹介したリンクの写真とは異なる。

AHM Alton Ltd これは、Rivarossi の客車である。リヴァロッシは、アメリカの輸入元であるAHM の指定で、Pullmanの客車を多種の塗り分けで出していたが、色調はどれも感心しなかった。例えばUPは妙にオレンジ色がかっていた。AHMは東部の会社で、UPのことは良く知らなかったのだろう。

 上の二つを比較すると、ドアの塗り分けが異なることに気が付く。Alton Limitedの文献を読むと、”Red Door”という言葉をよく見る。即ち、前回のライオネル、このリヴァロッシが塗り分けの点では正しいようだ。
 屋根の色は銀と書いてあるから、その点ではライオネルは正しいことになる。この二つのどちらも、名前が Wilsonである。C&Aでは歴代の大統領の名前をプルマンに付けていた。

 文字や線は Dulux Gold という色で、いわゆる金色ではない。この色を出すのは意外に難しい。線はディカールではなく、烏口で入れることになろう。 Dulux というのは塗料会社の名前の筈である。当時イギリスにあったらしい。DuPontも当時のカタログに載せていたのを見た覚えがある。その後の経緯は知らないが、現在はオ―ストラリアにある。日本の会社が買収したという話は新聞で見た。詳しい方の情報提供をお待ちする。

 下廻りは黒で、上記のパーラーカーWilsonには、着物を着た日本娘がスチュワーデスとして乗っていたとある。写真も見た。どうして日本女性が選ばれていたのかは、全く不明である。1920年代にアメリカ中西部に日本人が居た、というのもあまり聞かない話だ。 
 最後尾の展望車は、長さが全米最長の 90 ft (27 m強)もあり、就役時には全米に名を轟ろかせた有名列車だったのだ。さすがにこの90 ftは直ぐには再現できないが、いずれ取り組んでみよう。

 ハーマンは、子供の頃、住んでいた町を通過するのを見ていたのだろう。これでいろいろな疑問が解けたような気がする。

2020年06月10日

Alton Limited

 表題の列車について詳しい日本人には、椙山 満氏以外会ったことが無いが、アメリカの鉄道趣味人にとっては、重要な列車だったようである。

 ハーマン亡くなり、作りかけの客車を2輌引き取った。何の列車を作ろうとしていたのかが、なかなかわからなかった。最近ディカール1袋を彼のところから来た箱の中で発見したので、その鉄道の記事を本で探し出した。それはシカゴ - オルトン間を結ぶ特急の車輛の一部であったことが判明した。
 オルトン・リミテッドはライオネルのベストセラーの客車セットであり、非常に有名である理由はそこにもある。ライオネルのセットは土屋氏の遺品の中にもあり、色調は正しいらしい。即ちその色を再現すれば、1編成が完成である。完成させて奥さんに写真を送る必要がある。見に来るかもしれない。

 オルトンはセント・ルイスのすぐ近くの都市である。ミシシッピ川に面した港町であった。当初はセント・ルイスに行こうと思うと、ここから渡し船に乗る必要があった。歴史のある街である。開通当時はアメリカ深南部(アラバマ、ミシシッピ、ルイジアナ州)に行くときは、ミシシッピ川を下るしかなく、そういう意味でも極めて重要な路線であったはずだ。 
 C&A シカゴ−オルトン鉄道は、後にGM&O  Gulf, Mobile and Ohio 鉄道の一部となった。Alton Limited は赤いパシフィックに牽かれた流麗な列車であった。GM&Oの機関車、列車はこのC&Aの色を受け継いでいた。

a trainAlton Limited 手持ちの車輛群の中から使えそうなものをピックアップし、軽整備をして並べてみた。この編成で行けそうである。後ろから4輌目と5輌目(カバ色の車輛の手前からの2輌)がハーマンから来た客車である。合造車の窓配置を修正してあるのが、決め手であった。
 機関車は、パシフィックを調達しなければならない。手持ちのパシの内、Erie のHeavy Pacificは、改造して塗り替えても惜しくないと考えている。もともとは事故車で、テンダは後家である。オルトンではこのヘヴィ・パシのコピィを使っていたそうだから、それでも良いだろう。
 ここでハーマンの夢の列車が走れば、供養となろう。

2020年06月08日

Solarium

Solarium  (1) もう一つはヘヴィウェイトのソラリウム(日なたぼっこ車)  である。寒いところを走る線区には必ず付いている。
 これは3輌持っているので、1輌は2色塗りとした。優等列車に入れておけば、それなりの意味を持つだろう。この混成時代のしっかりとした資料はあまりなく、どんな組合せにしてもそれなりの解釈ができるはずだ。他にもプルマンが何輌かあるので、そのうちの2輌ほどを、2色にしようと思う。 

Solarium  (2) UPの写真集を見ると、この種の車輛の写真が何枚か見つかる。窓が大きく特別な車輛である。列車の最後尾につないでいるのも見る。列車名を記したDrumhead(行燈・アンドンと読む)を付けている写真もある。要するに、密閉式展望車として使われていたのである。
 どういうわけか、ブレーキ・ハンドルがこの最後尾の妻面に付いている写真が多い。反対側の妻面に付けたほうが、設計も楽であろうと思う。

 まだ塗り立てで、ディカールが貼ってないので、寝ぼけた感じである。塗り分け線には銀色の線が入る。細かい色差しとか、エア・ホースなどを付けると俄然、実感が出て来るはずだ。

 側面に付いている黒い点は「ゴミ」のようだ。今までの写真の中にも同じ場所で見つかっている。この写真はトリミングしてあるので、大きくなって目立った。清掃せねばならない。

2020年06月06日

【臨時ニュース】 椙山 満氏のレイアウト

Blue Star Pacific RR 椙山 満氏が亡くなった後、レイアウトは4つに解体されて某博物館に収蔵され、公開されていた。大きさは 6 m弱 ×4 m弱である。
 その後10年経ち、その博物館の方針変更により展示を終了することになった。壊してしまうのは、あまりにももったいなく、さりとて筆者には収容するスペースはあるが、保守する自信はない。
 筆者の博物館の建物の3階は完全に空いているとはいえども、O、OJのテスト用の線路を敷いて欲しいという要望がある。実のところHOは触ったことが無いに等しく、お任せいただいてもむずかしい。 

 管理を任されているK氏は、「大切に使って戴けるなら、ご希望の方にお譲りするのが一番良い」とおっしゃるので、ご希望の方は手を挙げて戴きたい。無償でお譲りする。
 解体、搬出には立ち会う。搬出には4人程度の人員が必要で、1日で終われるようにしてほしい。設置場所はその博物館建物の1Fにあり、楽に搬出できる。現場には4トントラックは入れる。
 下見希望の方には応じるので、コメント欄を通じて連絡されたい。 

 このレイアウトの紹介記事はTMSの92年9月号(のちにレイアウト・アートに再録)にあるので参照されたい。 

postal-baggage combine

postal baggage combine この郵便荷物合造車は戦前の流線形客車で、屋根が深くない。筆者の好みのタイプの車輛を作った。これは友人の父上が乗務していた時の話を基に内装を割り振った、いくつかの写真を見てアイデアを採り入れた自由な設計で、スクラッチ・ビルトである。
 かなり重い車輛であり、6輪台車を付けている。当初はこれを10輌編成に組み入れることを夢見ていたが、資料が十分に集まらなかったので自由形にした。自由形とは言っても、かなり史実に基づいた設計である。今はそれほど整った編成には興味は無くなり、1952年当時の混成編成をすることが目標になった。塗装にむらがあるのは既に解決している。

 先のコメントにもあったメイル・キャッチャは別部品で作ってあるので、塗装後取り付ける。今回は動かないようにしたので、正しい形になる。これが台車センタピンのあたりに付いているのは、回収時の誤差を無くすのが狙いだとは聞いているが、曲線上にmail craneがあるとはとても思えない。
 沢山の郵便車の写真を見ると、車体の中央にメイル・キャッチャ(pickerとも言う)が付いているのもあることがわかった。メイルのやり取りには見通しが利くことが条件なので、直線状でやるのが普通だろう。

 メイル・キャッチャで回収した郵便物が激しく当たる部分には、厚いクッション材が貼り付けてあるのを再現した。また屋根には通風装置を付けた。トイレの上にも通風装置がある。

 窓枠はアルミ製であるので、別に色を差す。これも屋根の端にはリヴェットを並べてある。  郵便車部分は窓ガラスを割らぬように内側から格子がはまっていると思っていたが、これは強盗対策でもあるようだ。


2020年06月04日

UP 2-tone gray の車輛群

 Union Pacificは1952年までは、この2-tone gray を客車の標準色としていた。黄色は、一部の特急列車だけであった。
 Tom Harveyから見せてもらった写真は、ほとんどこれであった。前回までにお見せしている黄色のStreamlinerは、1956年の製造で、2-tone の時代はない。

 緑色の客車は、十分な量あるから、もう作らなくて良さそうだ。過渡期には、これら3通りの塗りの客車が一編成に入っていたこともある。
 今作り掛けの数輌はこの2色のグレイになる。台車も用意できたから、後は組むだけである。

baggage roof (2)baggage roof (1) 荷物車は数年前にDennisから貰ったキットで、組んだは良いが、どうしようか迷っていたものだ。天井は丸く、そのまま塗るとのっぺらぼうで、面白くない。
 或る雑誌に、マスキングテープを貼って厚く塗料を塗り、塗膜の厚さでルーフィングの厚さを表現すると良い、という話が出ていた。
 先日のエナメル・スプレイは、これには最適である。二度塗りして厚さを稼いで、汚い黒を塗った。もちろん、上塗りは下のエナメル塗料が溶けにくいものを使った。

2-tone gray baggage 結果はこの通りで、うまくいった。マスキングテープの幅は15 mmを用い、屋根上の掴み棒に当らない割付けができることを確認して貼った。

 ドア下のハシゴは写真を見てそれらしく作った。折れないように銀ハンダで作り、床板に広い面積でエポキシ接着剤で取り付けた。台車の回転は半径2500mmをクリアすることを確認した。客車ヤードの最急曲線である。分岐は#8と#10だから、問題なく通るはずだ。この種のハシゴは台車の回転を阻害するから、気を付けねばならない。

 ディカールは無いので、特注で作ってもらうことになる。二色の合わせ目には黒縁の銀線が入る。なかなか凝ったものになるはずである。 


 例の問題のリヴェットの表現は、ディカールによる。Archerという会社の社長と話をしたので、それを買った。他の会社の製品もある。膜厚が無視できないので、テンダの側面のようなのっぺりした面には適さないだろう。特にHO以下では相対的に膜厚が目立つかもしれない。
72 ft baggage  今回は屋根で、艶が無い場所なので使ってみた。ほとんど見えないが、写真では、わざと段差が見えやすい光の角度を選んで、ヒントとした。実際には、Oスケールの鑑賞距離で、それが艶消し面上であれば、まず見えない。実物写真は、Kansas州Wichitaにて撮影した。  


2020年06月02日

Streamlinerの塗装

painting (1)painting (2)drying あまりにも多種多様な仕様の客車ばかりで、塗装作業も一筋縄ではいかない。最初の6輌は、床板の留め方、ネジの種類(インチネジもある)、台車の絶縁法、すべて異なる。
 一度に3輌を目標にしていたが、とても難しい。1輌ずつ順に仕上げた。
 下塗り、一回目塗り、乾燥、マスキング、二回目塗り、マスキング剥がし、乾燥
で大体3日掛かる。これを3輌で1工程ずつずらして行う。誰も来ないことは分かっているので、リビング・ルームに全車輌を拡げて、工程表を確認しながら行う。こうすると、効率が良くなる。今回はとりあえず12輌 仕上げるが、残りはまだまだ沢山ある。

trucks 塗装が終われば、艶を出し、ディカールを貼る。これが大変な仕事量である。台車は別に車輪踏面だけをマスキングして行う。あとで綿棒にラッカ・シンナを含ませ、フランジの斜面の裏表を拭き取る。裏側斜面を剥がすのは大切なことである。ここに塗料が付いていると、フログのウィングレイルに剥がれた塗料が積もる。これは決して誇張ではない。

 マスキング・テープを剥がすのは、塗り終わって塗料が軟らかい時である。固まってから剥がすという人がいるが、それでは硬い塗膜に剪断力が掛かり、綺麗に別れにくい。これは、プロの塗装屋(模型ではなく自動車)の意見である。筆者もそれにならっている。
 塗り終わったらテーブルに静置し、決めてあるテープの剥がし始めの場所から剥がす。塗膜に触らないように、事前にプログラムした通りに手を動かして剥がす。

 先回の問題の答は、正答率が急に高くなってきた 。 


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