2020年02月

2020年02月29日

Samhongsa のギヤボックス

Samhongsa gear box (1) 先日、Ajinのギヤボックスを改良して安価に、かつ、そこそこの性能を持つものを作り出せた。捨てるものから役に立つものができるのならと、ジャンク箱を漁っていた。
 韓国製のギヤボックスがバケツ一杯ほど出て来た。選り分けると、比較的近年のものは何とか逆駆動出来そうである。その中にこのサムホンサのギヤボックスがあった。

 これは土屋氏のC&O J3 4-8-4を改装した時に出たものである。変な色のグリスがぎっしり詰まっていて、動きにくい。
 蓋を開けてみて驚いた。これにもモジュールの大きなヘリカルギヤが使ってある。ヘリカルはスラストが発生するから、その処理をしないと損失が大きいのだが、このギヤボックスにはスラスト・ボールベアリングが使ってあるではないか。そこだけは出来過ぎである。ただ、グリスが粘くて動きにくい。また灯油に漬け込んでから、溶剤スプレイで洗い落とした。

 スパーギヤの3段減速なのだが、モジュールは 0.5 で歯数は14:28である。この14枚は、何かを感じる。Ajinで筆者が教えた奴が、競合するサムホンサに就職した件と関係ありそうだ。その次のヘリカルは 8:13である。互いに素にしたのも、ピンと来る。こんな偶然はめったにない。
 間違いなくこの設計者は筆者に会っている。スラストベアリングの話もした。しかし14:28は間抜けだ。どうせやるなら29枚を使えば良かった。最終段の14枚がブラス製なのはどうしてだろう。ここは力が掛かるところなのに、何か抜けている。眼鏡を掛けた坊主頭の若い男だった。本質を理解していないから、記憶に頼って失敗している。

Samhongsa gear box (2) よく洗って研磨し、再組立てしたが、手で廻すと何か触るような感触がある。ほんのちょっとなのだが、気になる。分解してみて仰天した。歯先がギヤボックス内面に当たっているではないか。よく見ると、その部分は縦フライスで削ってある。設計ミスで追加工しているのだが、削り方が足らなかったのだ。今まで当たっていた数枚の歯は、歯先が光っている。最低だ。
 仕方がないから、縦フライスでさらに削った。歯先はダイヤモンド砥石で再調整した。スピンドルオイルを注し、組み立てると素晴らしく滑らかに廻るようになった。
 ギヤ比は14/28 ✖ 14/28 ✖ 14/28 ✖ 8/13 = 1/13 である。減速比が大き過ぎる。1段減らす工夫をしてみよう。それほど難しくはない工作だ。すべての軸にボ−ルベアリングを入れることも可能である。このギヤボックスを何に使うべきか、思案中である。1/6.5程度のギヤ比ならば、パシフィックに付けて見たい。


2020年02月27日

Kemtron の Alco RS2

 先日の韓国製ギヤボックスの高性能化が、意外なレヴェルで可能であったのに驚き、もう一つやってみた。初段のギヤを外してギヤ比を下げた。これで効率がさらに上がるだろうし、押して動かすことも楽になる。ほとんどの場合、ギヤ比は高過ぎる。ギヤ比が低いものほど高効率が達成できる。これは筆者の経験によるが、自動車でも同じである。原動機の回転数が高いと損失は大きくなる。ポルシェのギヤ比は低い。
 高トルクのモータを使ってギヤ比を低く、というのはあまり見ることが無い。これを採用すれば、ピニオンの歯数を増やして音が小さい模型を作れるが、だれもやらない。ほとんどの人は外見が綺麗に出来れば満足してしまうのだろう。
勾配線で重列車を牽けば実力はすぐわかる。コンテストでそういうことをしない現状では、スケールスピードで走って、重負荷でもつまずかない機関車を誰も評価しない。

 高トルクモータは仕様書を読めばすぐ見つかる。300台も注文すれば作ってくれる。30年前、祖父江氏との共同作業の中で特注したものは、その後その会社の定番商品になっている。
 今でもかなりの数を持っている。ディーゼル電気機関車の3条ウォーム化改造に適する回転数とトルクを持つ。

Alco RS2 Alco のroad switcher RS2 である。先のスウィッチャは、S2 であった。要するに、本線用にも入替用にも使えるというのがウリであった。この会社の名前の付け方は単純である。その点EMDはややこしい名付け方法を採っている。NW とは900馬力(nine hundred HP)で熔接台枠(welded frame)を使っているのだそうだ。こんな話であれば、付き合い切れない。 

 Kemtronのキットは重い。ボディの丸味のある部分はすべてロストワックス製で、それに30ミル(0.76 mm)の厚さのブラス製ボディがかぶさる。床板は同じ厚さで、そこに1/8インチ(3.2 mm)厚、1/2インチ(12.7 mm)幅の帯材を両側に貼り付けるという堅牢な構造である。下廻りの床板関連だけで、600 gほどもある。
 ハンダ付けは炭素棒でも良いが、筆者はピンで位置決めしてクランプで挟み、ガスバーナで焙り付けである。隙間なくできると気持ちが良い。床は堅く、パイロット部は一体鋳造で安心である。相手が貨車なら、正面衝突しても決して負けないだろう。

 動力はAll-nationのものを推奨していたが、開放型のギヤボックスは当社の方針に合わないので、すべて売却した。その動力装置はアメリカでは希少価値があり、ずいぶん高く売れた。その後3条ウォーム化したものが1輌、ダミィが1輌あった。今回のAjin製をそれにつけることにした。改造費はジャーナル部のボールベアリング8個とコアレスモータだけである。在庫は十分で、すぐできる工作であった。レイアウトの作業が終わってから2時間くらいずつ、それに充てた。

Alco RS2's Kemtronの製品は、荒っぽく扱っても決して壊れない丈夫さがあり、筆者の好みである。ただ、ハンダ付けは素人にはできないだろう。ということは、これを手に入れておくと、ハンダ付け教室の良い教材になるということに気付いた。しかしもう入手することは困難だ。

 Alcoの機関車は美しい。当時から、EMDに比べると頭一つ出ているデザインであった。

2020年02月25日

EMD NW2

 改装で細かい傷がついたのでタッチアップした。先日の神戸の催しに持って行って、披露した。筆者がスイッチャを持って行ったのは初めてだそうで、「珍しいね。」と言われた。確かに今までは本線用の大型機しか持って行かなかった。
 下の写真の、UPカブースの付いているタンク車一編成を持って行った。Texaco は新作である。このディカルを Dr.Yに 新しく作ってもらったので、一気に増えた。本当は Texaco だけで60輌編成が組みたかったが、当時はディカルが高くて、とても無理であった。  

 S2 と NW2 とを同じ線路の上に置き、片方を押すと、もう一つも走り出す。これを見せたら、驚愕した人が居た。彼には初めてだったらしい。話には聞いたことがあるけど、本当に動くとは思わなかったそうだ。どういう風に話が伝わるとそうなるのだろう。あいつはウソツキだと言う人も居るらしいから、油断はできない。この動画を撮って、早くUPしておく必要がある。 名古屋の会合で撮って貰った動画があるので、それを近日中に youtube にUPする。 

displayed in Kobe 神戸の催しでは、モハメイドペーパー氏による解説が日に4回あるので、そこでの紹介に入れて貰った。押して動かすと、どよめきがあるかと思ったが、そうでもない。皆よく分からないのだろう。しかし、数人が接触してきて話をした。「面白いですね。」と言ってくれる人も居る。

UP NW2DCC NW2 はまもなくDCC化する。DCC化すると、2台並べて片方を押す演示は出来なくなるのは残念だ。その前に1枚写真を撮った。なかなか良い雰囲気である。

 この種の機関車はこのスロットルがあると面白そうだ。動画を見て欲しくなった。アメリカ人の作るものだから、厚みはかなりある。今後進歩するだろう。

2020年02月23日

続 Model Railroader Feb.2020 issue 

「HOは 最初から1/87.1 以外を指さない」と言っている人がまだ居るようだが、このような客観性の無いことを大声で言うことは、まさに宗教である。教義を唱えて、それに反するものは異教徒として抹殺しようとするのと変わらない。

 その怪しい新興宗教の教義を唱える人たちは、この最近号のMRを見て、何と言うのだろう。その教義では説明できない。この号にはある日本人の写真が載っているのも、奇しき縁である。これらのページを見ていないのだろうか。
 
 その不発弾のお方は、その教義を流布する文書で、筆者を攻撃している。様々な方から、再度の不発弾を転送してもらっている。話のついでに要約を紹介する。
 
 決着のついている件に口出ししている。自分が注目されたくて理屈をこねているだけである。かき回すのが目的の人だから、最初から結論を出そうとしているわけではない。話をすり替え続けるだけだ。ああ言えばこう言う人であるから、相手にするな、と言っている。

 これはご自分のことを言っているのではないだろうか。すでに事実が判明しているにもかかわらず、捏ね繰り回した屁理屈を作って、さもそれが真実のように流布するのは法律に触れる可能性が高い。「ああ言えばこう言う」と言うのは、反論出来なくなった人が吐く決まり文句である。出来ることなら、反論するべきである。 

 決着は付いている。HOは最初から 1/87.1であったというのは虚構である。某国のように歴史を捏造しているのだ。ゲージが先に決まっていて、スケールは各社が自由に決めたのは歴史的事実である。日本型を1/80で作ってHOゲージの上を走らせて満足している人に向かって、お前たちは間違っていると言う必要などさらさら無い。また、日本型の1/80、16.5mmゲージの方たちは、「私たちはHOゲージを楽しんでいる」と、自信を持って大きな声で言うべきだ。
 昔から16番という小難しい言葉を使う模型屋は、親TMS派の模型屋で、大半の模型屋はHOゲージと言っていた。何も間違っていない。それこそ世界標準である。

 先日「ヒットラー〜最期の12日間〜」という映画を見た。完全に追い詰められて、もうダメというところまで来ているのだが、「勝利はわが軍にあり」と叫んでいる。重なるところがあると感じた。

 問題はTMSというメディアのあり方だ。史実を捻じ曲げて報道するつもりならば、自分の首を絞めることになる。名取氏の舵取り能力が問われるところである。 社長は口を出さないと宣言しているが、手を出すのは良いとは言わないだろう、と信じたい。

2020年02月21日

Model Rairoader Feb.2020 issue

Feb.20 MR cover 最近はMRをとっていない。電子配信を購入していたが、殆ど読むべき記事もなくなり、1年前に期限が切れた。なくても気にならなかったので、そのままにしていた。思えば、すべての記事・広告を舐めるように読んでいた時期があったが、当時は若かったのだろう。最近はアメリカの友人から連絡があると、その記事を送ってもらって用が足りていた。


p.10 Feb.2020MRp.11 Feb.2020MR この号のコピィを友人が送ってくれた。その記事には興味深いことが書いてあった。10ページのカブースの紹介には「HO scale」、11ページの子供向けアセラのショーティーには「HO gauge」と書いてある。要するに、前者は最近のスケールの製品であって、後者はHOゲージを走る玩具である。プラレールを進化させた程度の、子供向けである。
 これは以前から彼が指摘していたことであるが、
   HO scaleは1/87.1の意味、
   HO gaugeはゲージが 16.5 mmの意味
であることを、MR編集部はルールとしている
ということの証である。

 

 HOの本家本元といわれているアメリカでも、HO gaugeという概念が残っているわけだ。この概念は O gauge、O scale の概念と同じである。
 
 「HO gaugeは和製英語」などと大々的に発表していた人が居たが、それも削除され、平和が訪れたのかと思っていた。
 ところが最近ある友人から、「ゲージ論の決着はつかないのですか ?」という質問を受けた。それには少々驚いた。
 決着はついている16.5mmゲージはHOゲージである。これは明確に示されている。HOスケールというのは、最近は 1/87.1であるようだが、これも戦後ずいぶん経ってから、ようやく決まったことも、文献が示している。今回示された記述は、その実例に過ぎない。
 いまだに情報操作が続いているとしたら、由々しき事態だ。



2020年02月19日

続々 FEF4 UP850

centipede tender (2) テンダは最前部のデッキを切り落とせば済むわけではなかった。キャブが延長されているので、それと連結するにはデッキ下の台枠を13 mmほど延長してやらねばならない。機関車の連結部を伸ばすと、オウヴァハングが大きくなる。これは避けるべきである。テンダのdraw barのピン位置は10 mm移動した。この部分は力が掛かるところであるから、十二分に補強してある。床板にはチェインが通る穴があいている。強度を持たせるために、ボディ・シェル側に太い骨を入れて、それとネジで連結するようにした。銀ハンダで付けてあるから、オリジナルより丈夫かもしれない。

 テンダのボディ・シェルの骨は、重いのをわしづかみにされても凹まないように設計した。また、シェルと床板をネジで締める部分は、力がシェル全体に掛かるような設計にした。こうしておけば、メネジ取り付け部が剥がれたりしない。ここまで考えておかないと、塗装完成後に壊れて泣きを見る。ここまで重いテンダはまずないから、気を付けねばならない。

centipede tender オリジナルの模型の製造は1966年頃で、祖父江氏による。まだKadeeはなく、怪しいダイキャスト製のダミィ・カプラが付いていた。その取付部の高さは、どのように工夫してもKadeeには適合しない。フライスですべて削り取り、ブロックを作成して埋め込んだ。テンダは重いので、バネの沈み込み量が大きい。実験・測定を繰り返して、高さを決めた。

FEF4 painted (1) 今までの車輛とは大幅に異なる質量を持ち、なおかつ客車ほど長くない。即ち平均密度が大きい。初めて触れる人はきっと驚く。落とすまいとしっかり握るから、何も対策しないとつぶされる可能性があった。だいたい、わしづかみにする人はHOの人で、Oスケールの標準軌車輛を持ったことが無い人だろう。

 博物館に来た人で、車輛に触りたい人が居るが、それは遠慮願っている。HO以下の模型とは全く異なるので、壊す可能性が高い。握って客車の窓をぶち抜いたり、荷物室扉を押し潰したりする例は多い。機関車を持つときは、どこが一番堅いかを調べてからしか、持ってはいけない。テンダについては今まで特に注意を与えなかったが、これに限っては重いので最高の注意が必要である。

 今回は審査員が触るという前提があったので、最大限の補強を入れているし、壊れそうなものは付けなかった。一般論で言えば、他人の車輛には手を触れてはいけない。


2020年02月17日

続 FEF4 UP850

UP FEF4 finished (2)cab support キャブは新製である。オリジナルは、落として凹んでいたので捨てた。0.5 mm厚の板から作り直した。
 火室は大きくした。実物で 8 inch 延ばした。運転室内に余裕があるので室内方向に延ばし、キャブ前端は移動していない。FEF3は石炭焚きで登場した。今回は、そのストーカ部分のスペイスが浮いたのである。

 all-weather cab いわゆる密閉式キャブである。ナイアガラと寸法的には近いので、キャブ後端の絞りはそれに倣った。作図して、半径2800 mmと8番分岐で、当たらないことを確認した。ドアは解放状態と閉まった状態の2種とした。
FEF4 painted (2) 運転装置はぎっしり詰め込んである。DCC化するとキャブの照明が点くので、良く見えるようになる。ハシゴのデザインは、NPのZ8を参考にした。同時代のAlco製の機関車だ。下がすぼまっている。図面はA氏から提供戴いた。 
 屋根上の樋の形も、各種の機関車を参考にした。シンダ除けを付けてある。これも叩いて作ったものを取り付けたのだ。

 座席は4名 + 補助椅子2名とした。補助椅子は後ろの壁についていて、引き起こすタイプである。後ろの壁は全体が外れるようにした。そうしないとキャブ・インテリアが付けられない。

ts_90823_39hanging cab キャブは例によって後ろ下がりとした。本物のFEFは、新車時以外、すべてキャブが下がっている。ボイラ後端から突き出た三角の支えにキャブが載っている。落ちて行かないように、火室上部から伸びているボルト2本がキャブを引っ張っている。そのボルトは天井の裏にあって、ナットで締めて、持ち上げるようになっているが、キャブ全体が薄板なので、徐々に歪んでくる。そうするとキャブは後ろにぶら下がる感じである。これが水平に真っ直ぐだと全く実感味が無い。当鉄道のUPの機関車は、すべてぶら下がっているようにしてある。知らない人は「曲がっていますね」と言うが、苦労して下げているのだ。FEF4はキャブが長いので、三角板では間に合わず、角パイプで支えている。また、ハシゴ部には蹴込みがあって、後ろにスペイスが要る。だから三角板は付けにくい。

 後ろの妻板にはドアがある。そのドアは少しオフセットさせた。そうしないとテンダによじ登った時、手摺を掴めない。手摺りはオイルタンクの縁に付いているからだ。これも身長180 cm(模型で3.75 cm)の人形を置いてステップ等の位置の可否を調べた。

2020年02月15日

FEF4 UP850

UP FEF4 finished(4) 機関車の外観については、詳しく発表していなかった。

 まず前頭部である。パイロットは Holizontal Swing Coupler を付けている。要するに水平回転収納型である。Vertical Swing 縦に動いて収納するタイプは、転換操作に二人必要で、評判が悪かった。FEF1とFEF2は縦型だったが、後に水平型に取り替えられたのは、このような理由だ。
 NYCのナイアガラは縦に動く。それは殆ど起伏のない線路を走るので、重連をすることがなく、問題が無かったからだ。UPは山岳路線であって、多重連が日常茶飯事であったから、連結器の出し入れがしやすいタイプが望ましかった。
 水平型は、夏は良いのだが、冬は凍り付いて全く動かなかったらしい。だから、冬は出しっぱなしにしていた。

 除煙板は、文献によっては、French type small wingsとあったりするが、わざわざCanadian National type と明記してあるものがあった。調べてみると、小さなものは一つしか該当するものがみつからなかったので、その形を採った。位置は簡単には決まらない。列車番号を掲示する行燈が見えなくなってはいけないのだ。だからあまり前には出せない。高さも問題だ。結局、行燈位置を少し上げて解決した。番号板を差し替える時、人が登らねばならないので、握りも必要だ。ステップは煙室戸に付いている。実際に人形を置いてみて、握りの位置を確認した。こういうところをおろそかにすると、不自然な模型になる。
 除煙板は、煙室から生えたアングル、チャンネルに付けられた。ここを持っても壊れない程度に、強度を持たせた。煙室に近いところにあるので、人は外側を通る。当然手摺も要る。それはボイラ側面と同じ高さにしないと危ない。あとで黒く色を塗った。

4 smokestacks 煙突は4本で巨大である。出力を上げるには、通風面積を増大させ、大量の燃料を燃やすことしかない。FEFは1本から始まって、2本が主流になり、後に試作で3本ができた。そしてこれは4本である。本物の図面を基に、設計手法を分析し、その延長上で作ったのがこれである。ST氏にはお世話になった。
 空気圧縮機の排気管も付いている。40年前、ある人が穴がないことを指摘したので、今回は実物の寸法を調べてパイプを付けた。取付けの六角ナットの位相はすべて変えてある。3Dプリンタによるインヴェストメント鋳造だから、こういうことは容易にできる。
 開口部が大きいので、この下にスピーカを付けることにする。そうすると、ドラフト音、汽笛音などすべて矛盾が無くなる。戻ってきたらDCC化する予定だが、瞬時の逆転、急加速ができるか調べている。

 今だけは、前照灯はLEDを押し込み、電池で点燈するようにしてある。スウィッチは煙突の下に付けてあるから、棒を突っ込んで操作する。この写真は、水平に付けて様子を見ていた時のものだ。
 
 塗装は当時のグラファイト塗装である。ざらざらにしたかったが、もう少し目が細かい方が良かったかもしれない。汽笛の引き棒に針金を付け、ボイラ・ケーシングに引き込んだ。

 給水温め器は、Worthington SA型である。文献を良く調べて、配管を正しく施した。lift ring 吊りボルトも付けたのはよく目立つ。
  
 アフタ・クーラは割合よく目立つので、付けて正解であった。


2020年02月13日

続 慣性

 動画はご覧戴けただろうか。午前中、公開までの審査時間が掛かって、見ることができないという苦情を戴いたが、昼過ぎには見えるようになっていた。この頃は投稿された動画の内容を審査するのだそうだ。人間と機械で見るそうだが、大変な話だ。 

 今回の慣性増大装置付きテンダを作っている時、何人かの友人に見せた。すぐに真価を読み取って、期待してくれた人は多かった。しかし、完成したものを見せると、その動きには驚嘆した。こんなに慣性が大きいとは思わなかったと言う。慣性モーメントの計算は事前にある程度してあったので、筆者としては大体予想通りであった。途中で、回転体を軽くせねば事故が起こることが分かった。それで変更したことに関しては、やや心配した。小さなスプロケットを使う羽目になったので、効率が低下するからだ。結果としては十分な効果があった。

 また、メイルで概要を伝えただけなのに、「ケガに気を付けてください」と書いてきた人はSG氏だ。慣性の大きなものを扱っていらっしゃるから、よく分かるのだろう。確かに高速で廻っているフライホィールに、何かが巻きこまれると、大変なことになる。そう簡単には止まらないからだ。過去のSG氏の作品には小さいながらよく動くナロゥの機関車がある。モータの回転数の数倍の速さで小さなフライホィールが廻っている。

 今、ここに170 kgの錘があるとする、と言っても実感が湧かないだろう。それならこれはどうだろう。小型の梵鐘程度の物体がぶら下がっている。小型といっても170 kgもある。それをつっ突いて振幅 2 cmほどで揺らす。堅い壁の近くにぶら下がっていて、揺れて壁に触りそうな状況を考える。その隙間に指を突っ込むと・・・
 そんな馬鹿なことをする人は居ないが、やれば指は潰れる可能性がある。重いものは危ないのである。それと同等の慣性を持つ模型車輛が走るのだ。

 今回のテンダは、車輪が滑るから安全である。もしラック式の模型であれば、極めて危険だ。車輪が滑らないから、連結時に指を挟むと大けがである。
 設計時に様々な計算をした。チェインが先に切れるか、車輪が滑るかを知りたかったのである。重いとチェインが切れることは予測できた。もちろん、4軸から動力採取している方だ。
 
 Low-Dはステンレス製なので、摩擦はやや少ない。動画でテンダだけを押し付けて動かす場面があるが、摩擦を大きくするためである。押さえ付けておいて速く動かして加速すると、チェインが変な音を立て始めるのを感じる。また、強く押し付けて無理に加速すると、たちまち切れるだろう。

 慣性を軽く見ると、事故の元であるのは間違いない。


2020年02月11日

慣性

 昔は駅ごとに貨物取扱があって、何輌かの貨車が止まっていた。日通の倉庫もあり、貨物用に起重機(古い言い回しだ)もあった。貨車移動機もあって、入替をしていた。押された貨車は切り離され、200 mほど先まで滑って行った。途中で係員が飛び乗って、足でブレーキを踏んだ。
 子供のころ、それがやりたくて同じような線路を敷き、軸受に油を注して押したが、全く走っていかない。父に聞くと、「はずみ車を入れれば何とかなるが、お前にはまだ無理だ。」と言われた。

 おもちゃの自動車を押した。いわゆるフリクション・ドライヴである。床に押し付けて前進させると、ぴゅーと走っていく。なるほどとは思ったが、これを全ての貨車に付けることができるとは思えなかった。

 要するに、模型の慣性はとても小さい。1/48なら、慣性による滑走距離も1/48になるということは、以前示した通りである。小さな体積に詰め込んだものにエネルギィを蓄え、見かけ上の慣性を表現するのは、このはずみ車以外ない。DCC運転では、ある程度の慣性表現ができるが、それは電気的に作られた見かけの慣性である。物理的な慣性の方がはるかに実感的である。
 幸い、高効率のウォームギヤの逆駆動により無音で増速でき、チェインでさらに増速できたので、比較的軽く、また、小さくまとめることができた。

 テンダはオリジナルで1.3 kgある。砂鋳物の台車であってかなり重い。それに丈夫な支持台とはずみ車が付いているので2.4 kgほどである。補強には材料を100 gほど使った。重くないと摩擦力が稼げないが、重過ぎると摩擦力が増え、チェインに負担が掛かる。

 テンダの先台車は、2軸から動力を採取している。一方、5軸台車の方は4軸から動力を採取しているので、後者のトルクは2倍である。後部のチェインには前部の2倍の張力が掛かる。ここにはスペイスがあるので、いずれスプロケットを増設して、2本掛けにする。そうしないと、加減速の時のチェインの音を小さくできない。

 こんなに小さなフライホィールなのに、回転速度が大きいので、蓄えられるエネルギィは大きい。機関車の起動時、テンダ無しなら1.3 V、75 mAで動き出すのに、4 V 0.80 A必要だ。非常に重い列車を引っ張っているかのようだ。もちろん動き出したら、ほとんど電流は喰わない。
 このフライホィールは570 gほどしかないが、170 kgほどの錘と同等の慣性を持つ。大人の男性2人強の静止質量が、摩擦の無い台車に載っていると思えば良い。出発時、ある速度に到達するまでの間、かなりの時間、力を入れて引張り続けなければならない。高校で物理を習った時、F = ma を実感させる実験を見たことがあるかもしれない。重い物を早く加速するには、大きな力が必要である。細い紐で引張ると、切れてしまう。
  
 この模型で、その紐に相当するのはチェインである。初めの作例よりフライホィールを小さくしたのは、全体を軽くして摩擦力を減らし、トルクを制限する必要があったからである。元のままではチェインは、いずれ切れると予測された。それほど、この慣性は大きいのだ。

 慣性モーメントの計算は久しくやったことがなく、 かなり手間取った。
S氏やT氏の助けもあり、慣性の値を確定させることができた。当初の筆者の計算値は、10%ほど小さめであったが、加速時のチェインの張力は、見当が付いたので質量を小さくした。作品が戻ってきたら、チェインの補強をするつもりだ。ここを歯車にすれば良かったのに、との能天気なご意見も戴いたが、それでは事故時に修復不能なダメージを受ける。工作機械にベルト伝導が用いられているのと同じである。チェインは、電気器具で言えば、フューズの役割も持っていることになる。 

 走行状況を Youtube にUPした。とりあえず英語版だけである。 

2020年02月09日

sealed beam

 シールド・ビームという言葉とC62とが結びつく人は、60歳以上かもしれない。北海道に渡ったC62は、シールド・ビームを補助前照灯として付けていた。常磐線のカマも一部付けていた。

 シールド・ビームは、既に、あまり使われない言葉になってしまった。自動車のヘッドライトには必ず使われていた時代があるし、電車その他の鉄道車輛にも全面的に使用されていた時期がある。現在はHID か LEDになってしまったから、自動車のヘッドライトは、自由な形にできる時代になった。

 歴史を繙いてみると、アメリカでは1940年から、シールドビーム化が始まった。交通機関の車輛にはこれを使わなければならなくなったのだ。既に設計が始まっていたものには猶予されたらしい。即ち戦後製造されたものには、ほぼ全部に使われている。1980年代までその法律は生きていて、シールド・ビームの種類が限られているから、自動車のヘッドライト周りはその形が限られていた。即ちデザインの自由度が、かなり制限されていたのだ。 
 筆者は70年代にアメリカに居て、それに気づいた。どうして車の前頭部がもう少し形の良いものにできないものか、と知人の自動車業界人に聞くと、シールド・ビームの形が決まっているからだということが分かったのだ。

 シールドビームはレンズ、反射鏡付き電球である。ガラスの枚数が一つ少ないし、その間に埃が溜まることが無いので光量が増す。しかし、ハロゲン電球を使えば、より効率が高くなるので、シールド・ビームの利点は意味がなくなる。
 ハロゲン電球は、フィラメントと電球のガラスとの距離がある程度小さくないと意味がない。ガラス面が350 ℃くらいになると、蒸発したタングステンが再度戻って来るようになっているのだ。このあたりのことは、化学熱力学の良い教材となる。
 即ち、小さなハロゲン電球とレンズ、集光鏡、プリズムとの組み合わせになった。そうすると対向車に対する減光をせずとも、確実な遮光により、目眩みを低減できるようになった。これは自動車の話であるが、鉄道でもある程度は共通する。

 鉄道車輛においては、今までの径のヘッドライト筐体を使おうと思うと、2つの電球が入る。NYCのナイアガラは水平に2個入れている。縦の配置の機関車もある。縦横はどうでも良いので、今回製作の機関車では縦にした。小さなLEDを二つ並べた。電球色なのだが、色が白っぽい。本当はシールド・ビームの色温度はやや低いので黄色っぽくなければならない。何かで色を付けてみるべきかもしれない。

 以前 Big Boy の前照灯切れの話を書いたが、ディーゼル電気機関車のシールドビームはとても切れにくくなったそうだ。しかも2つあるから、片方切れてもすぐには取り替えなくて良いのだそうだ。

2020年02月07日

Ajinのギヤボックス

3 unit turbine + S2 この機関車S2の製造元がどこかは分からない。GTEL タービン電気機関車も Alco製である。しかし、大きさが全然違う。
 台車の造形は素晴らしい。よくぞここまでというほど、よくできている。しかし、台車にバネは無く、単純な2点支持である。肝心の動力部分の構成は最低で、直ちにゴミ箱行きであった。入れ替えるべきギヤボックスの伝達様式を考えた。3条ウォーム以外も探っていたのだ。

 先日、処分するものをより分けていたら、比較的新しいアジン製のギヤボックスを見付けた。なんと、逆駆動できそうな気配である。少々ぎこちないが、整備すれば行けそうな感触だったので、早速バラして灯油に浸けておいた。グリースが溶けてきたところで、溶剤スプレイを吹き付けて洗い、ダイヤモンド砥石で歯車のバリを完全に取った。すべての回転部分を研磨して、入念に再調整した。
 スパイラルギヤには二硫化モリブデングリスを少々塗り、他のギヤにはスピンドルオイルを垂らした。オイルレス・メタルによく浸み込ませてから再組立てした。

 このAjinのギヤボックスは、アメリカで開かれるショウで安く並べておくと、喜んで買っていく人が居る。今までそうやって処分してきた。今回のは今までのとは形が違った。

 アジンには80年代によく行って、ある程度の技術移転をしていた。その後に作られたものだと思う。
Ajin gearbox アジンに持って行ったギヤ・ホブ(少ない歯数の歯車には、専用の歯切り用ホブを使うように助言した)を使ったようで、そこそこの性能を得ているようだ。だから、10枚歯でも音が小さい。(わが国で売られている小歯車の歯型はひどいものが多い。14枚以下は全滅に近い。)
 このギヤボックスでは、小さな歯車は硬い材料で、大きな歯車は軟らかい材料で、という原則は守ってあるようだ。ところが最終段の90度ひねりが全く駄目である。どうしてこんな歯数の少ないギヤを使うのか、理解できない。8枚歯では歯車とは言い難い。見るからに歯型が良くない。モジュールを小さくして歯数を増やせば、効率はずっと上がる。(逆駆動しにくいから、無理やり廻して歯を折った人が居るのかもしれない。だからスティール製の大きな歯にしていると考えると、合点がいく。)


 ジャーナル 即ち車軸端にはボールベアリングを嵌め、台車を組立てた。押してみると見事に逆駆動できる。ギヤ比が大きいので、3条ウォームほどは軽くないが、台車の自重の摩擦力で、逆駆動できた。潤滑油であるグリースの粘性によって、廻りにくかったのだ。ここまでの整備時間は、4時間くらいである。
 車輪は替えなかったので、やはりめっき音がする。アジンはどういうわけか、車軸が Φ4.5 なのだ。車輪を替えると、各種のスリーブを嵌め替える手間がかかるが、いずれ替えることになるだろう。しかし少々先の話だ。
 この台車は2点支持のイコライズ方式だ。バネがないから、レイルの継ぎ目音がカツンカツンと頭に響く。軽い機関車だからまだ良いが、衝撃は大きい。
 次回の整備時には、ボルスタの心皿にゴム板をはさむことにする。機関車にバネを入れずにイコライザ支持だけで、ジョイント音が良いと悦に入っている人が多いが、Oスケール以上ではそれは非常にまずい。車輛、線路双方に影響がある。衝撃でハンダが疲労して外れることがある。分岐のフログ付近がよく傷む。
 HO以下では問題になることは少ない。この機関車は、当鉄道では初登場の、バネ無しでイコライザのみの機関車である。実のところ、こんなに響くとは思わなかった。枕木下にエラストマが敷いてあっても、かなり響く。これがなければ、もっと凄まじい音だろうと思う。車輪踏面が真円でないこともファクタの一つかもしれない。バネ懸架、あるいはゴムによる緩衝が必要だ。

 モータをコアレスモータに取り換えて、試運転した。
 もう一輌の方(3条ウォーム)は1.5 V, 0.07 Aで起動するが、これは1.3 V, 0.06 Aほどで起動する。12 Vでの無負荷走行電流も、他方は 0.09 A に対して、0.07 Aしか喰わない。12 V掛けてスリップさせるときの電流は0.36 Aと0.31 Aである。起動し易さは同等であるが、最大負荷時の効率に関してはウォームに微妙に勝る結果が出ている。おそらくこれは、前者のギヤ比が大きいことと、後者ではチェインがわずかに伸びて効率を低下させるファクタが大きいと思う。

 いずれも、車輛の質量は1.17 kgと1.21 kgであってほぼ同じである。引張力はどちらも2.9 Nである。多段スパーギヤは非常に良い結果を出している。このギヤボックスは、チェイン無しの駆動ができるところが大きな利点である。ギヤボックスにボールベアリングを入れることができれば、さらに良くなるだろう。しかし、押した時の動き易さということに関しては、3条ウォーム + チェインの方が、はるかに良い。
 改装費用は1/10、時間は1/4であったから、その点でも助かった。もう一輌分見つけ出したので、やってみよう。

2020年02月05日

続 UP switcher

NW2 (1)NW2 (6) ハンダ付けがへたくそで、肝心の部品が取れて来る。上廻りを床に留める金具がパラリと落ちる。ハンダが廻っていない。左が取れる前、右が取れて落ちた物。塗装してあるので、ハンダ付けはできない。良く磨いてエポキシ接着剤を塗り、クランプで締めた(圧締)。こうすれば極めて強力に付く。

NW2 (3) 運転室(キャブ)があるので、推進軸支えの位置をキャブ側は中心に近く、手前に置き、機関室側を遠くに置いた。モータ位置も少し移動した。そうしないとユニヴァーサル・ジョイントのスペイスが無いからだ。オリジナルでは、モータも床上にあったのは同じだが、中央のギヤボックスで推進軸を下に降ろし、極端に短いユニヴァーサル・ジョイントで無理につないでいた。しかも位相は間違っていた。そのせいで、カーヴでゴリゴリという音がした。改造したら、とても静かになった。ユニヴァーサル・ジョイントは、ある程度の長さが必要で、曲がる角度を小さくすべきなのだ。
 改造により、燃料タンクの中が空になったので、活字をぎっしり詰めた。すると、ハンダ付けが不完全なせいで、重さにより分解して試運転中に落下した。仕方がないので、丈夫に作り直すことになった。こういうことは、韓国製の模型の宿命である。

NW2 (4) ジョイントはこんな形である。Ajinのジョイントを拾っておいたのを、有効利用している。あまり精度は高くない。中間軸が微妙に震えるが、軽いものだから我慢する。ブラスで作ったスリーヴと接合するのだが、抜け留めが要る。超硬の 0.5 mmのドリルで軸を貫通して孔をあけ、針金を通して曲げる。ドレメルで3万回転であけるのだ。これには熟練を要する。

 モータ・マウントは1.6 mmの板で、4 mm角の棒に銀ハンダで付けてある。簡単なジグ上で、焙り付けである。角棒にフライスで溝を入れ、軽く押し込んで付けた。その時、板にはニッパで軽く傷を付けて、押し込んで噛合わせた。こうするとハンダが廻りやすい。工作が簡単な割には、剛性が大きく、具合の良いものであり、お薦めできる技法である。普通のハンダでは強度が足らない。

UP NW2UP S2 30年の懸案課題が解決した。同時に中身の怪しいスウィッチャ Alco S2 も整備した。 これは後述するが、軽整備である。モータを取り替え、車軸にボールベアリングを入れただけだ。
 DCC化するが、近々ある神戸の行事に持って行ってからの予定だ。

2020年02月03日

UP Switcher

chain drive (3)chain drive (2) ギヤボックスの上にはモータからの推進軸が来る。その支えは9 mm角棒を切って、2 mmの板に貼り付けたものだ。銀ハンダであるからとても強い。貼ってからフライスに掛けても、剥がれる心配はない。高さが足らなかったから、1 mmの板をはさんで持ち上げてある。


 チェインドライヴの紹介のついでに、このスウィッチャについて書いておこう。この機関車はずいぶん前からたなざらしになっていた。80年代にアメリカに居た頃、友人から買った韓国製の機関車だ。彼の手による、美しい塗りであった。本物を毎日見ている人であったから、エンドビームのスコッチライトは本物を切って貼ってある。
 上廻りにはそれほど不満が無かったが、下廻りは悲惨だった。 とにかく走らない。集電が悪いのは車輪のメッキの問題、軸の仕上げ、集電ブラシの材質に問題があった。要するにまるでダメである。台車の鋳物は軟らかく、すぐに歪んで、車輪が浮く。ギヤボックスは固くて廻らない。

NW2 (5) 駆動装置はすべて廃棄して、新型ギヤボックスを付けた。運転室の床下には、限られたスペイスしかないから、スプロケットの位置を少し横にずらす必要がある。要するにチェインが少し斜めに掛かることになる。したがって、推進軸支えは短くせねばならない。下げる量を計算してフライスで削って沈める。こういう時は、三角関数にお世話になる。便利なものである。銀ハンダで付けてあるので、事後のフライス加工にはためらいが無い。外れて飛んでいくということはない。

 運転室は、窓が大きいので丸見えだ。機関士の人形を見付けたが、縮尺が違う。身長 2 m以上あるだろう。尻を削って座高を低くしたが、まだ大きく見える。体重は120 kgはあるだろう。そんな人も居るから、良しとした。 

2020年02月01日

Servolink

sprocket-group-pic-1-600px チェインはServolink社の製品だ。もうかれこれ発売45年の、実績あるチェインである。これを初めて見たのは Bill Wolfer のところである。彼の GG1はこのチェインで駆動されていた。伸びたり切れたりしないかと心配したが、重い客車を引っ張って彼のレイアウトを疾走した。その後何回も見せて貰ったが、交換もせず、よく持っていて感心した。
 チェインは結晶性プラスティック製なので、へたらない。このあたりのことは専門的になるので理屈は割愛するが、ポリエチレンとかポリスチレンとは全く違う性能を持つ。小負荷なら金属製チェインよりはるかに性能が良い。使用による伸びとか寿命についても、データが公表されている。

 最初は少し分けて貰っていたが、祖父江氏の要望でかなり大量に、直接買った。その後いろいろな人に頒けたが、みな喜んで使っている。へたったという話は聞かないから、耐久力は十分なのだろう。効率は、スプロケットの外径が大きいほど良いはずだ。リンクの曲がり角が小さいからだ。また、同じトルクでは引張力も小さく、摩擦が小さい。当鉄道のディーゼル電気機関車群、タービン電気機関車群には標準装備されている。大型機には二重掛けをしているから静かだ。 

 問題は軸径がインチ規格なので、それに合うスリーヴを旋盤で挽いて組合せねばならない。デルリン(POM)製なので、無理をして打ち込むと割れて来る。ギリギリで作って軽くロレットを掛け、接着剤と共に押し込む。このように加工したものは時々確認して割れていないか見る必要がある。Weaver社のプラスティック製機関車にも大量に使われていたが、ことごとく割れた。無理な圧入をしたからで、回収されていた。いわゆる応力割れである。
 当鉄道では、力の掛かるところは接着剤ではなくピンを通してある。

 Kleinschmidt氏はギヤの方が静かだと述べていたが、コストを考えるとチェインに軍配が上がる。歯数を互いに素にし、はす歯のギヤと予圧を掛けたボールベアリング支持にしようと思うと、よほど大量生産しない限り、とてつもなく高いものになる。

 軸を平行に下げるギヤボックスは様々なものを見るが、どれもまともな設計とは言い難い。唯一、カツミ製のものが静かで抵抗が少ない。
chain drive (1) この写真は当鉄道で標準化したチェイン・ドライヴである。スウィッチャの台車用だ。運転室側で、高さに余裕がなく、しかも少し右にずらさないと 入らなかった。ギヤボックスは、新設計の無調整型である。素晴らしい性能である。

 Servolink社のスプロケット、チェインはたくさん持っている。使ってみたい人があれば、お譲りする。但し、旋盤加工はご自分で、とお願いする。

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