2019年09月

2019年09月17日

ゲージが先か…

 いまだに罵詈雑言の続きが来る。HOはスケールが先だと信じているらしい。
 先日の本の核心部分は既に公表したが、さらに決定的な文があるから紹介する。これで罵詈雑言からは縁を切れそうだ。それでも送って来た場合は、IPアドレスを公開するかもしれない。

 HOの説明の後、p.85にはこう書いてある。
 The next three scales to be described are much 'purer' - that is, more exactly truthful - than the oldest established ratios, in which the gauges were first selected quite arbitrarily in neat fractions of an inch , the linear scales being afterwards chosen to agree with them in a very approximate way.
 とあって、その後に、gauge S, gauge TT, gauge N という順で書いてある。"arbitrarily"という語は時々目に掛かるが、イギリス語とアメリカ語で発音が異なる。ここではもちろんイギリス風に発音するのだろう。”任意に”と訳すと意味が通じる。 

 それに対する日本語訳は、
 次に述べる3つのスケールは、古くから決められていたスケールよりも純粋、つまりより厳密な正確さを持っている。古いスケールでは、初めにゲージは何 mmと決められ、線分比はそのあとで大まかにゲージに合うように選ばれたのである。
とある。何mmとは書いて無かったが、まずまずの訳である。 
 
 すなわち、HOはゲージが先に決まっていて、スケールをあとで決めたと書いてあるのだ。ここで言う古くから(戦前から)あったゲージとは、HO、O、1のことであり、スケールはさまざまであった。
 そして戦後確立されたゲージは、スケールとゲージを一致させるようにしたのだ。もちろん標準軌の場合である。
 
 HOの成立初期から1/87.1と決まっていたと、大上段にかぶって言う人達は、そのころのHO模型を見たことがあるのだろうか。ひいき目に見ても模型とは言い難い。正直なところ、おもちゃであって、サイズはモータの入る大きさに作られただけである。ある方は、「昭和30年頃のEB電関みたいなものだ。」と言う。非常に当たっている表現だ。
 1/87が当たり前になってきたのは、アメリカでも戦後しばらくして、である。50年代になっても、柄の大きなHOはアメリカでもいくつかあった。カワイのリオ・グランデの機関車なども、サイズが大きな良い例である。

 その3つのゲージについて、要約を書くことにする。多少、筆者が加筆している。
 Sゲージは、1番ゲージの半分であるから、HIゲージと呼ばれていたこともある。ゲージは7/8(seven eighth)インチで、サイズが 1/64(one sixty-fourth)、スケールが3/16(three sixteen)インチで、3つのSが付くことから名付けられた。
 線路幅は標準軌の縮尺通りに極めて近い。(1番ゲージの1/32と同じこと)

 TTゲージは120分の1で12 mmゲージである。これも標準軌の縮尺通りと言ってよい。しかし、後にヨーロッパでは 3mmスケール(1/101)も出現した。

 Nゲージは、イギリスで 2 mmスケール(1/152)でスタートした。これはOOO トリプルO から発展した。多少の混乱の後に、現在のNゲージはアーノルトが1/160を採用して、標準軌の縮尺通りに近くなった。


2019年09月15日

ウォームを外す

gear removing 手伝いに来て下さるクラブ員に聞かれた。
「このモータが安くて強力なので使いたいが、ウォームが外れない。どうしたら外れるものだろうか。」

 最近話題になっているモータであるが、ウォームが固着していて、そう簡単には取れないらしい。今野氏の話を思い出した。ウォームを掴んで旋盤で廻せばよいのだ。

gear removing2 早速、術式を真似してコレットでつかんだ。9 mmのコレットがぴったりだ。深く掴んで、高速で廻し、突っ切りの先を変形させたバイトで削った。コレットは心が出ているので、モータは微動もしない。

gear removing3 軸の手前まで削って、虫眼鏡で見ながら軸に触る寸前までバイトを進めると、ぽろりと取れる。



 後は万力にウォームを銜えて、糸鋸で平行に二回切る。軸に傷を付けないように気を付けて、軸の近くを平行に切るのだ。ペンチで挟んで捻れば取れる。簡単である。
 時間にして5分足らずである。見ている間に出来たので、依頼者はとても喜んだ。読者の皆さんもお試しになると良い。

2019年09月13日

エポキシ樹脂のリヴェット?

 手が不自由な間、ずいぶん大量の本を読んだ。雑誌もたくさん目を通した。日本を離れていた時期の雑誌は、始めて見るものも多かった。

Train2 ゲージ問題関連の記事があるものだけ、付箋を付けている。その記事を読む時に、ついでに周りの記事も目に入ってしまう。また、気になるところを見つけてしまった。例の連載記事である。
 エポキシ接着剤を多めにつけて部品を貼り付ける時に、中心に孔が開いていると接着剤が裏にはみ出し、ちょうどリヴェットのようになると書いてある。そうすると丈夫に付くのだそうだ。

Train1 冗談でなく、本気で書いているらしい。接着剤は、接着面以外の強度は無いも同然である。その証拠に、接着剤チューブについている固まった部分は、簡単にちぎることができる。


 圧力を掛け、接着剤自身の厚さを薄くすると、最も接着力が強い。塗装も同じである。厚いと良くない。なるべく薄く塗る方が、はがれにくい。本物の電車は、必ず元の塗料を剥がしてから塗る。塗り重ねると弱くなって、剥がれやすくなるのだ。

 この記事では、繰り返し間違ったことが書いてある。普通は叩かれたら、少しぐらいは勉強するものだ。技師と名乗るなら、専門書を開いて熟読すべきだ。眺めているだけではだめである。分からないなら書かないことだ。迷惑する人がいる。

2019年09月11日

HOm

 鉄道模型が他の模型と根本的に違うのは、決められた線路の上を走ることである。それならば、縮尺よりもゲージが、その製作に当たって最優先に考慮される、ということは明らかなことであろう。HOゲージは線路幅が先に決まって、スケールは後に付いてきた概念である。相も変わらず意図的なウソにしがみついている人もいるようだが、勝ち目はない。飛行機や船は縮尺を決めて作られる。それらとは違うのだ。

 書き忘れたが、先日の本はイギリスの本である。執筆陣はかなりの有名どころを揃えている。TMSの1970、71、72年のミキストを調べたが、この本に関する記述は見つからなかった。読者の皆さんの中で、気が付かれた方はお知らせ願いたい。当然献本があっただろうが、都合が悪いから黙殺したのかもしれない。

 山崎神話は、無意識のウソ(無知から来たもの)であったが、あとでそれを持ち上げ、これが正しいと言って来た人たちは責任を感じないのだろうか。1970年代以降、外国からの情報はいくらでも手に入るようになっている。それなのにろくな調査もせず、間違った情報をばらまいてきた雑誌には、大いに責任がある。先日の不発弾では、「古い戦前のModel Railroaderを買い集めたり」などと得意そうに書いてあるが、それを熟読分析したわけではなさそうだ。眺めているだけではだめなのである。

 先日、1970年頃祖師谷のTMSを訪ねてゲージが先に決まったのでしょう、と山崎氏に質問した人の証言を得ている。
「これ以上俺にゲージとスケールの話をするな!」と怒鳴り付けられたそうである。客観的な人であれば修正するだろうが、彼はそうすることができなかった人である。それがここまで問題を長引かせているとは情けない限りだ。彼は外国の情報を遮断していたとしか思えない。

 今、少しずつであるが、NMRAのBulletin(会報)を通読している。NMRA結成当時の資料を大量に再掲載している部分がある。これを分析すると、もっといろいろなことが分かると思う。

 スケールを統一することを理念として挙げるなら、異なるゲージの車輛すべてを模型化して市販しなければならない。京王の車輛が出て来ないのはどういう訳だろう。線路(特に分岐)車輪の規格を全て決めて公表して市販し、ストラクチュアなどを大量に市販する用意ができてから言うべきであろう。

 本物のゲージごとの模型化をするということはあまりにも多岐にわたってしまい、とてもできないから、Bemo はメータゲージ(1/87.1にすると11.5 mm)をHOm(12 mm)として売っているわけだ。そう考えると、日本の12 mmゲージをHOmと言ってはいけない理由があるとは思えない。我が国での成立の過程を見ると、根は同じなのである。 

 10年後にはどうなっているのだろう。

2019年09月09日

日本のHO

 その本の英語版 p.80 には、
 
 All HO models are intended to run on track that has a gauge of 16.5 millimetres(0.65 inch), but the earlier manufacutures of the earliest HO models were not so sure about the best linear scale to use on track of the width - the scale ratios 72:1, 76:1, 80:1, 82:1, and 90:1 were all tried. One can still find a few commercial HO models on sale in these unusual scale, but most American, Europian and Japanese manufacturers now stick consistently to scale of 3.5 millimetres (0.14 inch) of model to 1 foot of prototype - that is, a scale ratio of 87:1 - which is the correct scale for the gauge. In America, France, Germany, Japan and several other countries HO has become by far the most popular modelling gauge.

とある。3.5 mmは0.138インチ弱であるが1/100インチの桁までしか書いてない。また、HOはゲージだと書いてある。

 日本語版の記述は、下記の通りである。

 現在、HOの模型はすべて、16.5mmの軌道を走るように設計されているが、初期のHO模型の製造業者は、この幅の軌道を使うためにどんな縮尺が最もよいか、確証が持てなかった。縮尺比72:1、76:1、80:1、82:1 それに 90:1 などが試みられた。今もって、この異常なスケールのHO模型はいくらか市販されている。しかし、現在ではアメリカ、ヨーロッパなどの製造業者は、たいてい実物30cmに対して模型3.5mm ― すなわち87:1 ― のスケールに決めてしまっている。そしてこれがHOゲージの正確なスケールということになっている(日本のHOは、80:1である)。
 アメリカ、フランス、ドイツ、日本およびその他の諸国では、HOゲージがこれまでのところ最も一般的になっている。 

 
こちらでは、1 footを30.48 cmとせずに30 cmとしている。また、縮尺比 (scale ratio) の一部の訳にスケールという言葉を使っているが、良くない。stick to 〜という言葉の訳は良い。これはしがみついているとか、離れようとしないという意味の米語である。イギリスではあまり使わないように思う。ここはWestcott氏が書いた部分であろう、と推察する。

 この訳者は、日本の製造業者というところを外して、わざわざ、日本のHOは80:1と書いている。当時の製造業者の生産額の大半はアメリカ向けであって、国内向けより一桁多かったのであるから、原本のとおりの訳の方が良かったのである。当時僅かに東海道新幹線のみは1/87であったが、それのことだとは思えない。

 HOは、ゲージとして紹介されていることに、注目したい。決して縮尺比率を表しているわけではないことが分かる。
 ともかく、これからも判るように、HOが当初から 87分の1 であったというのは、明らかなウソである。山崎氏の主張とは異なるわけだが、ウェストコット氏は山崎氏が師と仰ぐ人であったから、黙殺するわけにもいかなかっただろう。英語版を手に入れて読んでいれば、その後の彼の言動に影響を与えているはずだ。
 そのころのTMSのミキストには何が書いてあったのかは、調査中である。


2019年09月07日

Fine Scale という言葉

 ようやく右手のリハビリに入った。動かせない期間、博物館の本を順番に読んで、整理をしていた。その中に、Guy Williams編、The World of Model Train(1970年刊)という本があった。これは全く目を通してなかった。

619_1154 素人向けに、非常に広く浅く書かれた本であるが、編集者の中に Linn Westcott 氏(Model Railroaderの編集長)もいるからには、変なことは書いてないはずだ。どういうわけか、日本語版も出ている。模型機関車/この魅力の世界 秋野忠弘訳(実業之日本社1970年刊)である。この秋野氏がどういう方なのかは、見当が付かない。検索しても、この本以外の訳書は見つからない。

 この2冊を並べて読んでみると、訳がかなりまずいところが見つかる。ゲージ関係の説明はよろしくない。それは後述するが、Fine Scaleという言葉の説明があったのは驚いた。英語の説明は良い。対する日本語は、言葉の選び方が良くはないが、ウソはない。p.80から引用する。

 The idea of modelling to exact proportions in every possible respect, and most especially in respect of the track and wheel contours, originated in great Britain, where new approach is called Fine Scale. The term is misnomer, since the scale is not actually changed. In America, the words fine standard or exact standards are usually preffered and give a more accurate idea of the purist modeller's intention.

 この部分の日本語は、

 できるだけ多くの点で、特に軌道と車輪の外形で、正確な比率の模型を作ろうとする考えは、イギリスで起こった。イギリスではこの試みを ”精密スケール” と呼んでいたが、実際にはスケールは変わらないのであるから、この用語は誤称といえる。アメリカでは ”精密基準” あるいは ”正確基準” という言葉の方が好まれており、この方が潔癖な模型製作者の意図にかなっている。

とある。英語を母国語とする人もおかしいと言っているのだ。

 この言葉を日本に持ち込んだのは、とれいん誌である。1970年代に否定された言葉を80年代中頃に持ち込んだような気がする。その細かい年代は、まだ調べていない。そこには、意図的なものを感じる。あるいは完全な無知から来るものである。

 井門氏の文章から、最近はファインスケールという言葉を探し出せなくなったのは、喜ばしいことだ。間違った言葉であることは明白だからだ。
 気が付かないうちに少しずつ変化している。もう少し待てば良くなるだろうか。 

2019年09月05日

再度 慣性について

 むすこたかなし氏の記事を読まれた感想を、たくさんの方から戴いた。

 Tavata氏が、慣性力は見かけの慣性力はスケールに応じて小さくなるという証明をされている。その通りなのだ。

 模型を作られる方の中で、模型は本物とは違うと考えた上で作られる方は少ない。特に実物から入った方には、縮小したものを作るとそれが実物のように動く、と勘違いしている人が多いように思う。非常に細かいところまで作って悦に入っているのだが、走りが良いものには、あまりお目に掛からない。あちこちの運転会に行って、走りを見ているが、ギィギィゴロゴロと走る車輛が多い。

 小さい模型は惰力を再現させることが難しい。管 晴彦氏のナロゥゲージの小型機関車が走るところを、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。素晴らしい慣性を見せてくれる。HOスケールでここまでの慣性を持たせるために、管氏はモータ軸と同軸のフライホィールを増速している。径が小さいので、高回転にする以外、慣性モーメントの効果を大きくする方法はないのだ。

 縮小模型の慣性は小さい。高校1年程度の簡単な物理計算であるから、模型を作る人は一応やっておくべきだろう。
 摩擦を減らし、質量を大きくし、回転数を上げる。この三つを同時に組合せれば、見かけ上の慣性が増大し、素晴らしい走りを再現できるであろう。筆者が考案した、慣性が本物のように有るテンダの試作機は8割がた出来ているが、博物館が開業するまでは完成できない。

 どんなに精密につくられた模型も、よく走る模型には敵わないということは、椙山 満氏のレイアウト上で体感している。HOの世界では、井上 豊氏の作られた模型の走りが群を抜いて良かった。高校生の時にそれを見せて戴き、その時に受けたインパクトが、現在にまでつながっている。

 2月からの罵詈雑言を含めて多量のコメントを受け取っているが、その中に、
「走行性能ばかりを言うのはおかしい。よく走らなくても良いではないか。」
と書いて来た方があった。
 こういう方が 12 mmゲージ陣営の中にどの程度いらっしゃるのかは知らないが、非常にまずいことだと思う。

 管氏のリンクを更新した。完成時の動画はこちらにある。 (9/6/2019)

2019年09月03日

続々 またまた3条ウォーム 

 久し振りに「互いに素」のことを書いた。割り切れない組合せにしておくだけで、滑らかな伝達が保証される。
 歯車は工業製品である。優秀な歯切装置で作られたものであれば、ばらつきは少ないが、ゼロであることは無いだろう。僅かなばらつきや、微小な傷、異物の噛み込みなどの影響で、噛み合わせに異常を来すことが無いとは言えない。

 そういう時はこの「互いに素」が効果を発揮する。様々なファクタによる不具合を薄めて、自然に支障の無い状態になる。
 このウォーム・ギヤボックスを作ってくれたY氏は、組んでみて廻したとき、微妙なひっかかりに気が付いた。ところが廻しているうちに問題がなくなったので、改めてその効果に驚いたそうだ。
 進み角は tooling cost(新規に必要となる刃物の価格)の掛からない18度以下にするべきだ。また、伝達効率もその辺りが良い。特殊な刃物を用意せずに作った進み角の大きなウォームでは、高効率は望むべくもない。
 ウォームホィールの歯当たり部分を凹ませた物は、高級に見えるらしい。残念ながら、伝達効率はそのほうが低下するという報告も出ている。ともかく、この歯車セットは、工業的に最も具合の良い条件を組み合わせたものである。単なる思い付きを形にしたものではないのだ。これを実現するために、複数の歯車の専門家に話を聞き、コストも考えて設計した。

 クラブの集会に持って行くと、皆で寄ってたかって触る。逆駆動できるウォームとは言っても、かろうじて廻る程度の物だろうと思っていた人が多かったようだ。車軸を廻すと、ウォーム軸がビューンと廻るのには皆さん驚く。ウォーム軸は小さな物なのだが、高速で回転するので、慣性で廻り続けようとするのを見て、皆さんは驚く。(動画の前半部分のみ)

 HO車輌に嵌め替えた人も何人か居る。動輪の大きな蒸気機関車には嵌まるそうだ。押して動く動画を送ってくれる人も居て、嬉しい。

 ギヤボックスを作っても開放ではいけない。ゴミを巻き込んでダメになる。動輪軸にガタがあると、それだけで損失が増大する。HOの蒸気機関車のギヤボックスには、そういうガタがあるものが多いように思う。

2019年09月01日

続 またまた3条ウォーム

 むすこたかなし氏の目は、かなり細かいところまで届いている。インナ・レースは軸と共に廻るが、それがどこかに触ると、とんでもない損失を生み出す。ギヤボックスの内側は微妙に削り、何が起こってもインナレースが触らないように出来ていることを、見抜かれた。素晴らしい注意力である。これは、今まであまり誰も指摘しなかったことなのだ。

 今まで、いろんな方が作ったギヤボックスを見て来た。せっかくボールベアリングを使っているのに、ここが触っている例が多かったのだ。ウォームギヤは大きなスラストが発生するので、触ればそこで発生する摩擦損失は大きい。

 このギヤボックスは、ディーゼル電気機関車用に開発された。以前のΦ2.5軸系列のウォームギヤは、ロストワックス鋳物のギヤボックスを用いていた。鋳物は精度が出にくいので追加工をしたが、そのばらつきは無視できず、調整に時間が掛かった。それに要する時間がもったいなかった。噛み合わせ調整に時間を掛けるというのは無駄以外の何物でもない。
 だからギヤボックスを精密機械加工で作ろうとしたのだ。歯車の残数も少なかったので、思い切って完全な新規生産にした。

 潤滑はモリブデン・グリースをほんのわずか塗ってあるだけである。沢山入れると安心する人は多いが、決して褒められない。撹拌損失を増大させているだけである。歯の当たる部分にだけ塗ってある。互いに素であると、最初は渋くても、1分も運転すると極めてよくなじんでくる。もしこれが 30:2 だったりすると、ゴロゴロ感から逃れられないことがある。

 新製品の開発は成功で、時間の節約ができた。動力化する機関車の数がかなり多いので、多少の出費で省力化ができれば有難かった。しかも動力性能が完全に同一になるので、重連の時に全く問題がない。当時は博物館の構想すらなかった時代であったが、思い切って作ったのは大成功であった。

 歯車はたくさん作ったので、今後のギヤボックスは3Dプリンタで作ってみたい。ナイロン12で作るものなら、油に漬けても変化がないことが分かった。これについてはミシン油浸けで3か月間日光に当てた試験をしてある。

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