2018年05月

2018年05月20日

禿臍凹羯瓩竜事

 栗生氏のブログに禿臍凹羯瓩亡悗垢覽事があった。筆者も禿膸瓩涼作には興味があったので、ある程度はピックアップしてある。65年以上前の雑誌であり、著作権の問題がないので、複写してUPする。趣味者は助かるはずだ。意外なことがたくさん書いてある。最近の鉄道雑誌の記事は、また聞きの話が多い。この時期は当事者が書いているので、信憑性が高い。
 
Pictorial 1 1951年の鉄道ピクトリアル創刊号である。C62についての記事を書いている。C62 が現れてまだ3年ほどしかたっていない時期で、その成功は国鉄内部でも誇らしかったのだ。アメリカ流の発音のハドスンとあるのが興味深い。
 この号の半分はアメリカの鉄道の紹介である。おそらく占領軍の意向が働いている。アメリカのものを貧しい日本国民に見せつけるためだ。

 山陽線にはまだ入っていない時期である。記事は淡々と書いてあるが、日本に初めて出現した 4-6-4 を紹介するにあたって、執筆者自身の興奮を抑えきれないところも見える。 

Pictorial 3 この号は9,10月の合併号である。最初の1年は、まともに月刊では出ていない。
 アメリカの鉄道を見てきた時のことを紹介する記事である。蒸気機関車とディーゼル電気機関車の両方に添乗しているところが面白い。この当時、蒸気機関車はかなり老朽化していたことが分かる。ディーゼルは車体の長さが大きくて不利とある。また最低速を下回るとモータを損傷することも問題視している。
 また、ガスタービンの効率が良いと過大評価しているが、それは調査不足だろう。安い燃料を使えるということが、最大の利点だったはずだ。

 しばらく休載させて戴く。家族の用事でしばらく出掛けることになった。6月の第2週には再開できるだろう。ついでにSan Joseで開かれる O Scale West にも顔を出す。講演を指名されていて、行かざるを得ない。光栄なことではある。


 宮崎氏のご指摘を検討しています。とりあえず表紙だけの公表とします。現物はあるのですが、触ると崩れそうで、開く事もままならない状況です。
 博物館が開館しても初期のTMSやピクトリアル、戦前の科学と模型等は開架では公開できません。ウェブ上で公開できれば有難いのですが、これでは宝の持ち腐れです。今出先で画面も小さく、キーボードが使えないので、簡単な記述に留めます。


2018年05月18日

上から見る

see-thru 上から見ることはまずないだろうが、こんな風に見える。下側のXブレイスが透けて見えるのはなかなか良い。本当はXブレイスは上下に付くのだが、上は省略せざるを得ない。上にも付けると橋がひねれない。

 中心の Φ40 のシャフトには直方体のブロックが付く。それはトルクを伝達するだけで、中心の重さを支える機能はない。高さは中心のネジで決める。そうすれば、中心の一点と橋の両端の車輪のイコライザ・ピン4本で5点支持になる。極めて安定した動きを示すはずだ。

 回転する集電装置のアーチの設計に掛かっている。かなり大掛かりなものである。橋の側面に孔をあけ、支持装置を付けねばならない。正確に作る自信はあるが、完成後何十年にも亘って正確さを維持できるかは、怪しい。
 運転台の下には斜めに支えを入れなければならない。すべてできてから、接着するのが一番楽であろう。手摺もできているが取り付けは最後だ。

 遠方の友人たちは、転車台ができたら見学に行きたいと言っている。要するにきちんと動く転車台が少ない、ということなのだろう。期待に沿えるようにしたい。
 Bluetoothでワイヤレス・コントロールするのだが、そのデヴァイスがいつまで持つかはわからない。しかもそのコントロールは iPad を使うのだが、それが何年ぐらい機能するのかなど、誰にも分かりはしない。今ある iPad はそろそろ古くなってきたので、買い替えて、レイアウト専用にする。

turntable control とりあえずバックアップ用の有線制御装置を作った。これは速度コントロール無しだが、慣性が大きいので、気持ちよく動く。無線の装置が壊れた時、差し替えられるようにしたのだ。バックアップの方は原始的だが、慣性を生かした制御という当初の目標は、十分に実現されている。そのうちに動画を撮ってUPするつもりだ。
 ディジタル制御の方は、いまよろづ模型鉄道氏に作って戴いているが、128ステップの速度制御付きで、自動加速もできる。

turntable control 2 裏は汚い配線で恥ずかしいがこんな調子だ。12本の線を切り離してつなぎ直すことになる。バックアップとの切り替え時にはスイッチ一つで切り替えたいところだが、12回路のスイッチなんてものはあるのだろうか。腹案はあるが作るのは少し先になる。

2018年05月16日

節電

skelton 3時間というのは材料を切り始めてからの時間だ。工作機械を駆使して最短で作る。ハンダ付けの作業中、ハンダごてを休めることはほとんど無い。流れ作業で作る。薄板工作は久しぶりで、調子よく進んだ。ヤニの入っていない糸ハンダの短く切ったものを大量に用意し、所定の位置に置く。

 ハンダがしみ込むので、キサゲ作業はほとんど必要を感じない。こての先がいつもハンダでぬれていて、酸化被膜ができる暇がない。片方をハンダ付けするのに15分くらいである。 
 速く作るということは節電でもあるのだ。


 ハンダは 約50 g使用した。全ての接合面には、隙間なくハンダが満たされている。決して錆びることは無い。補剛材に 2 mmの角線を使ったが、その角線が快削でないものが半分あった。切る時に丸鋸の刃が喰い込むから腹立たしい。これは事前に調べておくべきであった。フライス作業時には、ほとんど問題がなかった。

 縦の哨屮譽ぅ垢鰐姪櫃覆里如板にした。端はXにするつもりだ。上部横構は曲げた針金である。この方法は成功で、簡単に橋が捻られる。中心はまだ作ってないが、ネジで高さ調節ができるようにする。簡単な構造である。

moving bridge 仮にピットに置いてみた。高さ調整をするが、とりあえず何か置いて支えてみた。回転軸が通る穴が丸見えである。何かで隠す必要がある。円錐面を持つ円盤を作って嵌めてみよう。
 木製は作るのが面倒だ。金属製が楽だが、味気ない。本物は中心部が少し盛り上がって、600トンを受ける大きなスラスト軸受(砲金製)がある。 

 また、色で悩んでいる。黒か銀あたりだろう。

2018年05月14日

手順

 速く作るには、作り始める前に手順を確認することが時間節約の第一歩だ。設計には時間を掛ける。

 作業台を広くする。ワークを回転させるものならば、邪魔にならないように周りを整理する。作り始める前に、すべての材料を並べる。ハンダも何を使うか決める。コテか炭素棒かも決めておく。

 工具を使用手順の順序に並べる。刃物の切れ味を確かめる。工具が揃っていない時は着手しない。作業中ものを探すことが無いようにする。

 部品をいくつ作るか計算して、プラス2個作る。多くても少なくても2個余分に作ると助かることが多い。今回は54個の補剛材 stiffenerが必要だから56個作っておく。はめ込む先のアングルの角は甘いので、補剛材の先端には大きめの面取りを施すことを忘れてはならない。多少隙間が空いてもハンダが浸み込んで解決する。

 電動丸鋸で所定の寸法に切って、フライスで補剛材をアングルの厚み分を削る。本物では、さらに平板をその上に固着している。そこまでやっても誰も気が付かないから省略する。
 内部の哨屮譽ぅ垢眈蔑する。捩じれに対する剛性を減らすのが主眼だ。

section 下面の哨屮譽ぅ垢世韻惑い板で作って付けておかないと、回転時にたわんで、ずれが出る可能性がある。
 これで完成だ。台車部分は取付け時に欠き取って高さを合わせる。今作っても仕方がない。

 昔、祖父江氏のところで作業を見ていたが、作業時間を口に出して、必ずその時間で終わるのが興味深かった。失敗がないので、まず間違いがない。こちらは素人なので、失敗の復旧時間が多かった。
 祖父江氏は、
「失敗だと思ったら、捨てちめぇ。迷うことなんか、ねえんだよ。」
と言った。直すより作ったほうが早いのだ。最近それはつくづく感じる。ゴミ箱には、失敗作が無造作につっ込んである。それは金属回収業者のところに行く。叩き潰してから持って行くのだ。


2018年05月12日

回転橋

 転車台の工事が始まった時、筆者がメカニズムに掛かり切りになっているのを見て、
「回転橋を作り始めないと、間に合いませんよ。」
と言う人があった。
「いや、橋は3時間でできますから」
と返すと、そんな馬鹿な、という顔をした。
ガーダ橋ほど簡単なものはない。側面の板を正確に切り出せれば、あとは楽にできる。いくつも作っているからこそ、言える。 

 上下のアングルはジグに押し付けながらハンダで付ける。チョン付けしておいて、大きな鏝で均せばできあがりだ。すべての接合面にハンダを浸み込ませる。しなやかな板が、途端に剛直になる。重い機関車が偏って載っても、大丈夫だ。
 バックリング防止の縦の補剛材は、角材を所定の長さに切って、アングルの厚み分を削って付ける。適量のハンダが浸み込んで隙間が埋まる。

vertical stiffener 二枚の板を木製ジグを挟んで樋状にする。底面だけに簡単なブレイスを入れる。こうすると捻りが効く。上が拡がらないように線でつないでおくが、その線は真ん中を曲げてΩの形にする。こうしないと捻りにくい。

 両端の台車部分を除き、これでできあがりで、本当に3時間でできた。この種の機能だけの工作は速い。鑑賞距離が1.5 m以上あるので、細かいことを考えても仕方ないのである。
模型工作は速度が命」というのは、半分は本当である。ひねくり回して、蘊蓄を語るが、30年経っても物が出来てこない人はよく見る。光陰矢の如し。人生は短い。


2018年05月10日

レイルの清掃

track cleaning 自宅に複線エンドレスを作って、電車を走らせている先輩がいらっしゃる。線路の清掃を頻繁に行わないとよく走らないらしい。
 線路磨きは何が良いのかと問われたので、リモネンの線路磨き車を貸し出した。その後の連絡ではとても調子が良いとのことで、その車を複製することにしたらしい。中のローラはペンキ塗りの回転刷毛だと言うと、早速買ってきて試されたそうだ。
 リモネンは臭くないし、気分が良いと言う。それは良いのだが、どうして線路が汚れるかを考えるべきだ。

 博物館の線路は、ここ1年磨いたことが無い。しかし、機関車は全くつんのめることもなく、極めて調子よく走っている。メンテナンスの手間はゼロである。
 軸重が大きいとかいう人もいるが、根本的な違いがあることに気付いていない。

 歯車がコンシールドされているからである。全てギヤボックスの中にあり、全く油が飛び散らない。

 最近今野氏のブログのコメントにその話が出ていたが、一体何人の人がその差に気が付くのだろう。スクラッチ・ビルトの機関車を見せて貰うが、歯車が見えるものばかりだ。少し工夫するだけで油が飛ばず、潤滑が確実な模型を作ることができるはずだ。
 連続数時間の運転をすれば、歯車が丸坊主になってしまうような機構では残念だ。
「外観より機構」というのは、売れないスローガンなのだろうか。

2018年05月08日

ニブラ

 転車台の回転橋を作り始めた。まず 0.4 mm厚の薄板を 35 mm幅、900mm長に切らねばならない。この橋は薄板を使って作り、捩じり剛性を低くすることに重きを置く。

 定尺の小板(365 x 1200 mm)を切るに当たって、シァで短く切ってつなぐことを考えていたが、圧延の方向による「目」を考えると得策ではないのと、つないだ部分の剛性が高くなるのを避けたかった。

81556_R-3 ニブラという道具がある。電動式で、1.6 mm径の刃物が上下して薄板(0.8 mm厚の鉄板、1.5 mm厚のブラス板)を自在に切り抜く道具である。
 ガイドも付けられるので、同じ幅で切り出すことが可能である。これを使えば簡単に同一幅のストリップができる。もちろん切り口は剪断面が出ているので、多少のダレはある。ゴムハンマで打って伸ばして、ヤスリを掛ければ問題ない。

 たまたま、northerns484氏がいらしたので、板を押さえて戴いて、一気に切った。あまりにも速くて、驚かれたようだ。細かい三日月状の切粉がたくさん出た。新聞紙を敷き詰めて行ったので、回収は簡単である。
 今回は板が薄すぎて、多少のダレがあったが、1 mm厚程度の板なら、後処理はほとんど要らない。写真を撮るのを忘れたのは残念であった。いやむしろ動画を撮るべきであった。900 mm を10秒程度で切れる。

 切った薄板はくたくたで、こんなもので橋ができるのかと思うほどしなやかだ。

2018年05月06日

駆動台車

plain truck, drive truck 駆動台車を間違えて作ったことが分かった。鏡像の形になっていたので、捨てて作り直した。軸間距離が異なり、イコライザ中心からの距離も異なるので、再計算して正確に孔をあけ直した。

 モータの載る台はピットの円筒面を避ける形になっていて、駆動輪と直角にモータが付く。適当な歯車でそれらしい形に減速装置を作り、載せておく。簡単な小屋掛けをして、雨に当らないようにする。ギヤはむき出しである。

oprator's cab キャブの色は悩むところだ。様々な実物の写真を見ている。あまり突出した色は避け、ありそうな色を選ばねばならない。
 濃い緑あたりに落ち着きそうである。屋根は黒、手摺りも黒にするが、手摺りの先端は白くする。あるいはトラ縞にする。

 中心のシャフトは Φ40 であり、それに嵌まる回転橋の中心部分を旋盤で挽き出している。厚いブロックをトレパニングという技法でくり抜いて取り付ける。位相をきちんと決めたら、留めネジで締める。ミスの無いように慎重な作業をしている。


2018年05月04日

塗装

 ミッチャクロンという下塗り材を大きな缶入りで買ってある。むらなく塗れる。缶入りスプレイでは橋の中は塗りにくいが、小さなスプレイ・ガンなら、わけない。
 上下裏表をひっくり返して丹念に塗る。ある程度乾いたところで、上塗りをする。調色した銀を、プログラムした順で塗る。橋が重くて大変である。
 
bridge painted 全部塗ってみると、極めて単調で面白くない。綺麗過ぎるのである。まるでプラスティックでできているような感じすらする。蒸気機関車時代であるから、煙突からの煙が当たるところは黒くしておこう。その他、汚すところは汚さないと面白くない。
 ガーダ橋は、あまり汚れがないものである。錆を含んだ水が垂れた様子を表す程度である。下の線路を走る機関車からの煙もあるが、完成してから汚してみたい。 

 連休中にレイアウトに取り付けたい。実はこの完成を心待ちにしている人が居る。レーザ加工をしてくれた工場の専務である。出来たら見せて欲しいと頼まれているのだ。あのややこしい部材が組まれるとどうなるのかは、作った側からしてみれば興味があるのは当然だ。
 次は信号橋の改築である。ステンレス板から切り出す。鉄板はさびやすいので懲りた。プラスティックの信号橋は、列車の振動で接着部分が外れて、いずれ壊れるだろう。


2018年05月02日

上横構

portalbridge copleted うえよここうと読む。英語ではtop lateral という。橋の入り口は門構 portal で、中間にあるのが横構だ。天井部分の横構は上横構、床の横構は下横構、上横構を斜めに結んでいるのは lateral bracing である。右の写真では、デッキ材の上に置いてあるが、このデッキ材の厚さは61mmである。大体の大きさがお分かりであろう。

bridge to be finishedtop laterals 今回貼り足したのは、横構のガセットである。裏表に貼った。これを付けると、かなり細密度が増した。同時にトラスの座屈を防ぐフランジも付けた。これはハンダ付けしたかったが、錆を防ぐのが難しかったので思い切って接着した。例によって、スーパーXを用いた。力が掛かる部材ではないので、十分持つだろう。

 家まで持ち帰り、1時間かけてさび落としをした。細いところには便利な道具である。99%のさびが取れた。直ちにプライマを塗り、塗装を開始した。
 ひっくり返して回転させながら、下から見える部分すべてに塗装した。次に横に倒して内側を塗装し、両側を塗る。 
 最後に上から見る部分を全て塗る。たっぷり30分かけて塗装した。これでも後で塗り忘れが見つかるだろう。それは筆で塗ることにする。
 重い橋を回転させながら塗るのは、かなりの重労働である。明日は肩と腕が痛いだろう。

 それに引き換え、ガーダ橋は楽である。あっという間に完成した。乾燥を待って取り付け工事に掛かる。


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