2018年03月

2018年03月31日

架橋

 pier(橋脚)を作っているところだ。いろいろな作り方があるだろうが、中身が詰まっていないと音が悪い。15 mm 合板を重ね、接着剤をたっぷり塗って、クランプで締め付ける。1日待てば完全に付く。それを角度切りできる電動鋸で切り落とし、強力なベルト・サンダで削る。出力は1.2 kW で、床板の不陸を削り落とす時に使うものだ。硬いオーク材を削るものなので、合板などあっという間に削り落とせる。削り粉がチリ取り一杯分できる。 

 上部の造作を追加する。この追加作業は一つづつ付けるので、手間が掛かる。ベルトサンダで余分を削り落としつつ、部品を付ける。凹んでいるところは、いずれパテを込めるので、気にしなくて良い。これだけで一つ 2 kg ほどある。

 接着剤で組んでいるので、硬化時間が掛かる。1日に2工程できないから、中々進まない。レーザによるレベル出しが出来ないので、かなり面倒な方法で高さを測定し、仮の橋脚を作って合わせている。なかなか進まない。
 上から見た投影図を実際の場所で原寸で作り、それに合わせて作っている。曲線上であるから、トラス橋につながるガーダ橋がずれていて、いささか面倒な作業だ。

pierpier1 トラス橋とガーダ橋をつなぐので、橋脚は二段になっている。実物を観察すると、かなり複雑な構造になっている。また、装飾を兼ねた補強が入っていることもある。UPの本線を跨ぐ橋の橋脚の造形が気に入ったので、それを採用した。

abutment2abutment 橋台(abutment)は単純な形である。これも中身が詰まっている。合板の切れ端を大量に貰ったので、惜しみなく使っている。左は 6 kg 以上ある。その写真はまだ削ってない時に撮ったもので、隙間がある。
 護輪軌条はまだ取り付けてない。

2018年03月29日

端数処理

 Fortyniner は1939年頃、毎週日曜日の朝10時にシカゴを出て、火曜日朝の10時過ぎにサン・フランシスコに到着する特急だった。もちろん蒸気機関車牽引だ。一時期、流線形の機関車が充てられていた。

 たまたま、この2輌の詳細な図面集を持っている。それによると窓幅は 2 ft 8-1/2 inという数字が良く出て来る。(2 + 8.5/12)x 304.8 ÷ 48 =17.1979 mm となる。これをそのまま使うわけにはいかない。
 祖父江氏はすべて 0.5 mm 刻みで図面を描いた。
「なーに、人間の眼は0.5 mm以下は分からねえんだよ。0.2とかの数字を入れると大変だし、無駄なんだよね。」

 この話をすると、ムキになって、
「僕は0.5と0.6のドリルを眼で識別できる。」
と言う人もいたが、それはできて当然だ。1割以上も違うのだからわかるだろう。
 ここでの問題は、20 mm位の大きさのものに0.2 mmという数字を、足しても足さなくても、見た目にはまったくわからない、ということである。0.4だったら0.5にし、0.8だったら1とすればよいのだ。工作上もそのほうがずっと楽である。

 全部の数字を0.5刻みで出して足し算し、全体の寸法があっているかを確認する。たいてい 1.5 mm 程度狂っているから、どこでごまかすべきかを決める。対称性のある場合は対称を保つようにごまかす。
 窓の角は丸いから、その丸味のエンドミルを持っているかどうかを確認する。側板は所定の幅で大量に切ってあるから、それをジグに挟んで窓を切り抜く。DROあればこそである。あっというまに多数の窓を切り抜いてできあがりだ。

 同じものが多数あれば、レーザのお世話になるが、1枚きりならDROが早い。  

2018年03月27日

続 床板

Pullman sleeper 1936年、UPはフル・ストリームラインの旅客列車を試作した。それは連接車で、台車間の距離が長いことを利用した二段の寝台車を持っていた。プルマン社の特許で、日本にはなかなか現れなかった。

49er 上下のスペイスを互い違いにして、単位長さあたりの収容人員を増やしている。上の部屋に行くには階段を3段ほど登る必要がある。側面の窓配置は、通路側と部屋側では当然異なる。これらの写真はPullmanの図面集からの複写だ。

 のちにその試作車は切り放されて、いくつかの列車に嵌め込まれて運用された。筆者が興味を持っているのは、"49er" である。Fortyninerは ”1849年にカリフォルニアに行った人”という意味である。
 1849年にカリフォルニアのサクラメントゥで金隗が発見され、そのニュースを聞いたあぶれ者たちが殺到したのだ。カリフォルニアの人口は、あっという間に10倍になったという。今では複数形にして、サン・フランシスコに本拠地を置くフットボール・チームの名前だ。 

 その名前を付けた列車で、ヘヴィ・ウェイトのプルマンと流線形客車を混成した列車だった。即ち、2輌だけ造れば一編成できる。そういう不埒な考えなのだ。屋根板もあるし、側面はフライス盤で切り抜いて窓を作ればよい。寸法さえ割り出せれば、出来たも同然だ。実はこの寸法割り出しが難しい。

 この車輌は連接車である。クラブの競作は”連接車”であった。たまには出してみよう。


Y これは何だろう。

2018年03月25日

床板

Central LinesCentral Lines 2 先日の写真はこの床板である。流線形客車の床板はスカートを一体にして作っていた。HOスケールのものはよく見たが、Oスケールのものはめったに見ることが無い。大昔に製造が終わってしまったからだ。製造時に材料の半分が粉になるから、すごい量のゴミが出ただろう。

Central Lines 3 これはサン・フランシスコのCentral Lines というところが作っていたらしい。スタンプが押してある。Google Mapで見ると、4階建ての煉瓦造りの建物である。材料はwestern red cederだ。これは鉛筆の木材であって、削ると特有の香りがする。


 しばらく前にスワップ・ミートで見つけて買った。2本しかなかったし、その片方が不良品で、鋸目が出ていた。要するに、少し細く挽いたものをルータに掛けたのだ。幅が足らないのでルータの刃に当たらなかった。帯鋸の痕がそのまま出ている。それが検査を通ってしまって、世の中に出たのだろう。修整が必要だった。

Central Lines 4 鋸目のある部分を削り落として、別の部材を強力な接着剤で貼り付け、寸法を見ながら削り落とした。なんとか見られるようになったので使える。何に使うべきか思い付かなかったが、最近、所属クラブの競作の題を聞いて、閃いた。


2018年03月23日

thrust bearing

 転車台の中心部にスラスト・ベアリングを入れることにした。今まではそれがなかったのだ。直径 900 mmの 15 mm厚ランバーコア合板製ディスクの外周には6個のラジアル・ボールベアリングがあり、それですべての荷重を支えていたわけだ。堅いディスクなのだが、微妙に撓む。撓むと、外周部の軌道が少しずれる。そうすると、普段走らないところを走ることになるのだろうか。少し音が変わる。 撓み量は実測で 0.2 mm 程度だが、機関車が載ると、無視できない量であろう。

thrust bearing ベアリング屋に行って注文した。NTNの円錐コロのスラスト・ベアリングである。高いものかと思っていたら、安くて驚いた。昼の定食弁当代以下であった。


 取り寄せに3日掛かったが、問題ない。Φ17のシャフトなので、内径 17 mm と 18 mmのスラスト・ワッシャを組にして、注文した。要するに軸が触る部分と触ってはいけない部分があるのだ。スラスト・ワッシャの平面度、剛性は恐るべきものである。油をよく拭き取って、重ねて押し付けると、そう簡単には外れない。日本製だそうだ。最近手に入るベアリングは外国製のものが多い。中国製には、回らないものまである。揮発油で洗うと切粉が出てくるのだ。許せない話である。駄目なものを安く卸しているのかもしれないが、迷惑千万だ。

 軸に入れてから、ディスクの上に立つ Φ40 の軸を支えるべき distance piece の寸法を再度測定した。かなり面倒な計算をして、寸法を決めた。作るのは自宅の旋盤で10分の作業である。

distance piece Φ30 の材料の外周、端面を削り、5/8インチ (約15.8 mm) のドリルで穴をあけてから、中グリの刃物で仕上げる。突切りで切り離して、できあがりである。硬い砲金の切れ端を有効利用した。照明の加減で、黄色く見える。
 現場に持って行って嵌め込み、ディスクを落とし込んだ。採寸は正確であったらしい。ディスクの外周部で 0.1 mm 程度の浮きがあるが、いずれ撓みが戻って落ち着くだろう。中心を支えるので、抵抗が格段に減少した。廻すのに要する動力は極端に少なくなる。一押しで2周する。ディスクを速く廻すと、集電装置が飛び跳ねてひっかかる可能性がある。そうするとまた作り直さねばならないから、ゆっくり廻した。
 スラスト・ベアリングは開放型なので、埃除けを付けたい。薄板を巻き付ければ良かろう。潤滑油も封入する。


2018年03月21日

続々 signal bridge

 signal bridge は荷重を載せることを考慮していない。もちろん信号装置、保守の人間は載っているが、それ以上のものではない。むしろ風によって倒れないようにすることが、主目的であろう。桁の部分に当たる風は、かなりの力で押し倒そうとする。即ち垂直荷重より、倒壊に対する抵抗力を大きくすることを主眼にしているのであろう。  

 太いH鋼で作ればよいだろうが、それほどのものでもないので、チャンネル材で作って、倒れないように補強を入れたのだろう。トラスにすると接合部に大きな力が掛かるので、全体に力が分散する方法を採ったのではないだろうか、というのが知人の橋梁屋の見解である。安く作れたはずだと言う。

 northerns484氏が探し出してくれた google map である。根元の部分の立体構造がよく分かる。Bachmann のものと似ているが全く異なるものであることが分かる。

 現在は加工に手間がかかる方法は採らないので、太い材料をドカンと使うそうだ。塗装も面倒なので、耐蝕アルミ合金を使ってあるものが多くなった。熔接した部材を現場で簡単に組んでいる。

 たくさんの画像がある。楽しまれたい。


 ところで、3月13日の写真に対してのお答は一つしか戴いていない。それは正解であったが、他の読者の皆さんは何だと思われただろう。若い方は見当が付かないだろう。

2018年03月19日

続 signal bridge

signal_b この図面をご覧戴きたい。Bachmannと同じだが、中ほど下の図をよく見ると線が入っている。ということは何かがつながっていることになる。Bachmannはそれを読み取れなかったので、こんな変なものを作ったのだ。誰も指摘しなかったのだろうか。


signal bridge アングルを組んだものではなく、その部分は板である。大きな面積の板を付けることによって強度を確保している。buckling(座屈)が起こらないように補強はせねばならない。この写真の赤線で囲んだ部分である。一体にして、土台と接合してある。
   このBachmannの右側の縦の細い材料は、浮いている。これが違和感の元だ。


DSC07907 PSCが韓国か中国で作らせている信号橋は正しく出来ている事もお知らせ戴いた。これを見ると安心する。これなら倒壊しにくい。しかし、ハンダ付けが怪しそうだ。
  


 博物館の信号橋はすべてプラスティック製であるから、いずれ壊れてしまう。ステンレス薄板をレーザで切ったものにするつもりだ。northerns484氏に作図をお願いしている。 

2018年03月17日

signal bridge

signal bridge 2 この signal bridge は、Bachmann という会社がかれこれ50年以上売っているものだ。元々はライオネルのレイアウトへの添え物的な商品であった。安くて簡単なプラスティックの組立てキットである。つないで 4線用に改造した。黒い材料なので、銀塗装している。信号機は未配線なので雑に置いてあるのはご容赦願いたい。
 昔の価格は2ドルしなかった。時々1ドル以下で売ることがあり、いくつか買った。自宅のレイアウトに置いてあったが、博物館のレイアウトに引っ越してきた。

signal bridge 3 この信号橋を初めて見た時、大きな違和感があった。これでは強風で倒壊する、と感じたのである。根元付近を見て欲しい。トラスになっていない。四角で構成されている。おそらく Bachmann は何かの図面を見ているはずだ。実物を参考に作っている、という感じはするからだ。しかしこれはダメだ。
 
IMG_2467 あちこちのウェブサイトで、Bachmannの製品を使ったものを見るが、非常に奇妙である。よくできたレイアウトなのにこれがあると、ものすごく違和感を感じる。折れそうな信号橋なのである。効き目の無いトラスほど怖いものはない。 

 40年近くその違和感を持ち続けていたが、しばらく前に northerns484 氏にこのことを話したら、図面を見つけ出して下さったのだ。それを見て、疑問が氷解した。見かけ上は図面と合っているのだが、構成が違った。 


2018年03月15日

翻訳

 日本ほど、世界各国の本が翻訳されている国もないそうだ。特に英語の本は、すぐ訳本が出る。素晴らしい訳ばかりではないのが残念だ。

 先日の「走れ‼機関車」は、なかなか良い。英語版が届いたので並べて再読した。なるほどと思わせる訳もあり、感心したところも多い。しかし、一箇所訳を外したところがある。その言葉自体を無くしてしまっている。訳せなかったのだろうか。

tricock valves水面計? それは、"tricock" である。おそらく辞書には載っていない言葉だ。これは蒸気機関車のバックプレートにある三つ並んだコックである。その中心付近に水面が来るように設計してある。水面計はあっても、ガラス管が割れることはよくある。また、水質の悪いところでは、水が泡立って、水面計では用をなさないこともある。そういう時は、この最も原始的な方法を採るしかない。西部ではガラスは貴重品で、ガラス水面計の無い機関車もたくさんあった。

 高いところのコックを開いてブシュッと蒸気が出れば、水面はその下にある。真ん中のコックを開いてジュワッと熱水が飛び出れば、水面はその上にある。もちろん圧力が掛かっているから、気化して泡立つが、水が出ることには変わりがない。Big Boyにもついている
 飛び出した熱水は漏斗で受け、床下に捨てる。こういう単純な装置なのだが、訳者は意味が分からなかったのだろうか。水面計ではまずい。アメリカに聞けばわかる人もいる筈だが、どういう訳か、この言葉は日本語版から削除されている。よく見ると、図には修正の痕らしきものも、見えないこともない。これはまずい。作者に失礼だし、読者にも同様だ。
 gauge cock として、このブログでも近いところまで紹介した。

 翻訳というものはとても難しい。作者と同レベル以上の知識の持ち主でないと訳せない。筆者も時々翻訳を引き受けるが、分からない時もある。そうなると知っていそうな友人を順番に当たり、さらに外国に問い合わせて、やっとの思いで正しい解釈にたどり着いたことがある。そういうときの焦燥感は終わってみると懐かしいが、その当時は大変だった。

 この本は素晴らしい本なので、直ると嬉しい。

2018年03月13日

続々 旋盤のカスタマイズを終了

 実は筆者はロウ付けはあまり好きではない。鉄合金に対してはロウ付けは良いのだが、銅合金に対しては材料が軟化するので使いたくない。HOの人はモノが小さいのでモーメントが小さく、あまり感じないようだが、Oスケールでは長くなるので、曲がりやすい。銀ハンダは、より低温で付くので具合がよく、強度も十分だ。融けても、あまりさらさらしていない。やや粘りがあるが、より高温にするとさらさらになる。固まると普通の鉛ハンダより、表面がざらざらしている。ロストワックス鋳物の鬆(す)を埋めるのに具合が良い。この銀ハンダは acid core である。塩化亜鉛ペーストが入っているから、ハンダ付け後、洗わないと錆びる。


 この旋盤が来てから半年になる。いろいろな作業に使ってみると、この位置に工具があるとベストというのが分かって来る。照明の位置も必然的に決まる。
 六角レンチはいくつか常備しているが、サイズごとに種類を変えている。サイズと形が結びつけば、迷うことが無いからだ。

 今でも落ち着かないのはスピンドルから飛び出している透明なチャック・ガードの棒である。安全スイッチになっていて、ガードを閉じないとモータが廻らない。ガードは邪魔で捨ててしまった。スイッチが切れると腹立たしいので、短絡した。突き出した棒はいずれ切り落とす。このチャック・ガードを使っている人は居るのだろうか。
 むしろ、横の歯車箱の蓋を開けると止まるようにするのが筋だ。マイクロスイッチを付ければ解決だろう。

 最近、旋盤の初心者からの相談をよく受ける。どなたも原型を保ったままで、使いにくいとおっしゃる。それはそうだろう。
 自分の使い勝手が良いように、切り捨てて増設するべきだ。機械に使われているようではいけない。「機械」を「工具」として使いこなすべきなのだ。これもプラグマティズムだろう。

Central Valley's ところで、こんなものが出て来た。何だろう。寸法が分かっているから、簡単だろうか。

2018年03月11日

続 旋盤のカスタマイズを終了

lathe customized 後ろの切粉ガードは高さが足らないので、合板を継ぎ足した。その時横に延長して、回転するコレットホルダを付けたのだ。コレット群は、手の届くところにあれば探す手間が減る。結局、この旋盤はER25コレット専用機となった。貫通穴が要らない時は鋼製引きボルトで引いている。手前に置いてあるのはコレットの締め外しに使う工具である。28.5 mm(1-1/8インチ)のスパナがなかったので、このモンキィ・レンチが常備品になった。長いので楽である。

 切粉ガードの中ほどに棚を付けて、QCTPなどの部品を置く。アルミのアングルで手前に落ちないようにしている。左右は解放で、飛び込んだ切粉を掃除しやすいようにした。

 10mmの厚肉パイプを 4つ、旋盤で挽いて切断し、ブラス板にハンダ付けした。各種の工具を挿すようにしたのだ。剥がれては困るので、銀ハンダで付けた。融点が高いが、ガスバーナで焙ればすぐである。

 すべてのハンドルを取り替えた。オリジナルはガタガタの細い回転ツマミであったが、正確に廻そうと思うとある程度の大きさが必要で、丸味があったほうが良い。M4のネジを M5に広げ、新しい回転するものと取り替えた。ハンドルの丸味は大切である。

silver bearing solder 銀ハンダについて質問を戴いている。これは銀を 4 %含む無鉛ハンダであって、融点は約 240 ℃ でやや高いが、硬い。また、引き剥がしにくい。アメリカ製であるが、同等品は日本でも売っている。筆者は無鉛ハンダは好きではない。流れにくいからだ。強度を要求される場所に使う。
 
 日本ではオーディオ用として暴利で売っているようだが、効果はあろうはずはない。鉛ハンダで十分である。
 
 通販で買うのが楽だ。銀ハンダは高価であるが、本当はそんなに高いはずがない。銀 1 g は数十円なのだ。模型屋で売っているロストワックス部品の方がはるかに高価だ。           

2018年03月09日

旋盤のカスタマイズを終了

through-hole pull bar 旋盤をコレット専用機としている。先日の写真はこれである。長い材料を順次送って細かいものを作るときに、貫通穴があると便利である。 
 筆者は貫通穴が必須だと思っているが、友人たちはあまり興味がなさそうだ。長い材料を使わないのだろうか。あまり長いと材料が撓んで面倒なことが起こるので、材料承(うけ)も作らねばならない。

 本来はスティールで作るべきである。薄肉鋼管が手に入っていたなら、全体をスティールで作っただろう。ロウ付けして剛性の高いものになるはずだった。
 しかし、せいぜい Φ6 程度の材料を掴んだコレットホルダの抜止めなので、手で締めるだけで十分である。したがってブラス製でも壊れないだろう。

 材料は、金属回収業者で手に入れた丸棒の切れ端である。最初にネジを切って、貫通穴を開けた。このように太くてピッチの粗いネジは、ダイスで切り込むと失敗して斜めに切れてしまうことがある。最初の2山は旋盤でネジ切りをして、ダイスを嵌めて最低速で廻す。卓上旋盤では無理な芸当である。もちろん脂を付けて、時々逆転して行う。ネジ切りは楽しい 。

index 握りは、フライス盤上で割出し機で廻して削った。単純な形である。径を大きくすると締めすぎて壊すので、小さくした。薄肉のブラスパイプを切って嵌め込んだ。フラックスを塗り、バーナで焙って銀ハンダで付けた。まずまずの使い心地である。


index2 この割出し盤は横にして心押台を使えば4軸フライスになるが、やらない。背が高いので、剛性が足らなくなるのである。もう少し大きな機械でないと、難しい。


2018年03月07日

フライス盤のカスタマイズを終了

 フライス盤の補強をした。

 この機械はコラム(縦の柱)が左右に倒れて斜めの切削をすることができるという、あまり聞かない不思議な構造を持っている。本来はワークを傾けるのが筋だ。批判を浴びて、直角固定のコラムを持つように変更になったようだ。

reinforcement この機械は傾ける機構のせいで、コラムが弱い。根元の剛性が足らないのだ。一番楽な補強は根元の部分に鋼製のアングルをネジ留めすることだ。大げさなものを考えていたが、スティールの肉厚アングル小片を見つけたのでネジ留めしてみた。ネジを締めた状態でやや大負荷の切削をして、途中で緩めた。切削痕を見ると、締めてあるときは、無い時に比べるとずっと良くなっている。測定器がないので手触りだけだが、凹凸が2/3以下になるような気がした。

 エポキシ樹脂を塗って、日本製のネジで固く締めた。これ以上のことは望まないことにする。ブラスの切削が主で、Φ6 以上の刃物は使わないから、これで良しだ。

customized milling machine 切粉が前に向かって飛んでくるのは避けたいので、1 mm アクリル板を使った防塵窓を作った。自在のホルダで位置調整できる。
 フライス盤のカスタマイズは、これにて一応、終了である。



  先回のお答えが少ないが、今のところ、すべて正解である。


2018年03月05日

タッピング

 最近は細いメネジを立てることから遠ざかっているが、タップを入れてある箱から、こういうものが出てきた。

tap holders 左が商品のオリジナルの状態である。右は直角に出た部分を打ち抜いたものである。細いタップを把持して回転するのであるが、左の状態のものはタップをよく折る。数本連続して折って、気が付いた。



 この横棒は無いほうが良い。人間の手は点対称にできていない。親指が2本ある人は良いが、普通の人はそうではない。この横棒にほかの指が引っ掛かる。筆者の経験では中指が犯人である。引っ掛けると、貴重な細いタップがぽきりと折れる。

 細いタップは高いので参ってしまう。先の方が折れただけなら、旋盤のチャックに銜えて、手で廻しながら砥石で磨って再生する。もちろん砥粒は受ける。
 折れた先は喰い込んでいるから、ステンレス塩水漬けで2日掛かって溶かす。多大な損失だ。

 横棒を抜くと、殆ど折らなくなる。細いタップ立てには力は要らない。下穴を多少大きめにすると楽に切れる。油を付けるとさらに楽になる。この2つを守れば、タップを折ることはない。筆者は小型電動ドリルの先に小さなチャックを付けて切ることもある。1.4 mmなら一瞬である。電動ドリルはしっかり保持して、即座に逆転する。意外に簡単である。ガラも使うが、電動も良いものだ。小型の自動逆転のタッピングマシンを作れないか検討している。細い電池式のもので十分だから、過電流を検知して逆転すれば良い。H5氏は、自動ではないが、細いタッピング専用機を作られた。非常にうまく作動するのを拝見した。

 もちろん、数が少なく、板が薄ければ、回転ヘッド付きのピンバイスも楽で良い。


XX2 ところで、これは何だろうか。丸い部分は直径 35 mmほどである。長さは 140 mm ほどである。スティールで作りたかったが、良い材料がなかったので、とりあえずブラスで作った。ネジは、M10-P1.5 である。久しぶりに太いネジを切った。

2018年03月03日

脱線

 脱線と言っても線路の上ではない。ターンテイブルの駆動部分にある集電用レイルから、集電車輪が脱線したのだ。うっかりそのまま廻したので、レイルは外れ、車輪が横に押されてばらばらになった。大事故である。完成してからでなくて良かった。

 原因は円盤を載せて組み立てる時、車輪が外れたまま、はめたのだろう。脱輪したまま回転させたので、レイルが外れ、車輪およびテコが壊れた。
 車輪幅が4 mmしかなかったのは間違いであった。精密に作ってあるから脱線しないはずだったが、組立て時のことを忘れていた。脱線はありうる。

electrical pickupsturntable disc すべての集電装置を外し、作り替えた。車輪幅は11 mmとした。レイルは細かく補強を入れ、ハンダ付けの数を3倍にした。もうこれで壊れることが無いはずだ。
 集電車輪ではなくローラになった。レイルとの接触痕は中心部につくから、問題は起きないだろう。回転させると6個のローラが廻る。抵抗はかなり少ない。

 ターンテイブルは、大きな精密機械であって、作るのは大変である。据え付けをするには3人がかりで支えなければならない。
 基盤は24 mmの合板、ディスクは15 mmの合板で作ってあるが、これだけ大きいと多少撓む。撓まないように補強を入れることにした。チャンネルを熔接して付けることになるかもしれない。回転部の中心は、スラストベアリングを追加することにした。


2018年03月01日

O Scale West

 カリフォルニアで開かれる O Scale West(以下OSWと記す)の、役員のM氏から1月ほど前、突然メイルが来た。個人的な話を除いて紹介する。

 貴君はここしばらくOSWに来ないじゃないか。もちろん貴君が何をやっているかは雑誌で見ている。面白そうなプロジェクトだね。それをやっていれば、こちらに来てくれない理由は分かるよ。
 貴君の他に、日本から何人か来ていたけど、昨年は誰も来なくなった。とても淋しい。日本人はもうOSWに何も期待できないのだろうか。それとも、もうコレクションが終わったのだろうか。沢山買っていたようだから、それもありうると考えている。
 OSWの開催時期を5月に変更したのも何かの原因だろうか。以前のように2月のほうが良かったのだろうか。思うところを聞かせてくれ。
 この5月には貴君に是非とも来て戴いて、講演をお願いしたい。内容は博物館についてだ。皆、興味津々だからね。転車台の新しいメカニズムも紹介してくれ。
とあった。

 正直なところあまり行きたくない。例の時差を乗り越えるのが大変だからだ。しかし、わざわざ一本釣りをしてくれるのなら、有難いことである。ホテルに泊まらずに、みんなの家を順番に泊まれば良い、歓迎するよ。とあった。それは確かに有難い。節約できるものは節約すべきだ。H氏からは講演の詳しい予定を知らせよと言ってきた。まだ行くとは言ってないのに気が早い。

 果たして行くことになるのか、全く白紙であるが、様々な点で優待すると言ってはくれている。心は動くが、行かないだろう。

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