2017年10月

2017年10月30日

micromill X-1 改造

micrimill DRO equipped 無期限貸与、実質的には寄贈されたX-1は完全に分解し、ネジを日本製に取り換えた。以前自分の旋盤やフライスを整備した時に買ったネジがまだ残っていたので、簡単な作業であった。中国製のネジは首がちぎれることがあったので、事前にその要因を排除したわけだ。カミソリ部分を念入りに調整し、全く引っ掛からず、滑らかに動くようにした。これには時間を掛けた。

 いくつかの部品を削ってみたが、普段からダイヤルを見て仕事をしていないので、うまくいかない。何度も間違えてしまい、あきらめた。自宅で部品棚を漁ると、DROが2本出て来た。落として先が曲がり、使えなくなったデジタルノギスも1本ある。それらを使って3次元DRO化してみようということになった。

 ブラスの角棒を斜めに削って沈め穴をあけ、テイブルに取り付けた。鉄鋳物だから、ドリルで穴を開けるのは簡単だ。出てくる切り粉は微粉状で、触ると手が真っ黒になる。グラファイトのせいだ。作業している穴の下に強力な磁石を置くと100%集められる。

 タップでネジを切るが、相手が鋳物であるから、低速の効くインパクトレンチで何度も往復させて切った。電動工具を正確に保持していれば、折ることはない。要はトルクだけが掛かるようにすることだ。少しでも重くなれば直ちに逆回転して、抜き取る。もちろんインパクトが効く前に止めなければならない。切削油は要らない。含まれているグラファイトが有効に働く。

 X軸DROを取り付ける。これは自宅用に買ったのだが、少し長さが足らず、取り替えたものだ。本体の裏にはリン銅板を曲げて取り付け、一端は本体に接着剤で貼り付ける。この取り付け方は簡便で、なおかつ多少の反りなどを吸収させることができる。斜めに付けると見易くて良い。
 もう一つのY軸の表示は並べて付けるが、それは水平にするから勘違いもなくなる。 

2017年10月28日

続 物理的考察

 先日博物館に、元国鉄で当時の新型特急の保守に当たっておられた高齢の方の来訪を受けた。現場をお見せすると、列車の規模にかなり驚かれたようだ。アメリカの鉄道には接することが無かったそうなので、それは当然だろう。

 最初の質問は、「フランジの摩耗にはどのように対処しているか。」であった。実物はフランジで曲がっているのだ。それは当然だが、この博物館の模型は違う。

「模型の線路の曲率は大きいので、フランジが当たると抵抗が大きくて走れませんし、仰るように磨り減ります。ここではフランジの手前のフィレット部分を大きくして当たらないようにしています。」と答えた。非常に不思議そうであった。
 実物関係者はだいたい同じ質問をする。実物と模型は違うのである。遠心力は無視できる。計算をするとすぐ分かるが、フランジに押し付けられることはない。同じだと思う人もいるようだが、実験しなくてもわかることだ。フランジが触るのは、ポイントで尖端レイルによって曲がる瞬間だけである。それも10番以上では、ほとんど触らない。

 カント (superelevation) も然りである。これについては以前にも書いた。カントは単に見栄えを良くするだけである。
 このように実物と模型は違うのであるが、自説を曲げない人はいる。走るところを見れば一目瞭然なのであるが、見たくないのだ。模型は実物と同じというファンタジーから抜けられないらしい。

 ところでRM Models の最新号に、筆者の作品が載っているそうだ。関西合運の記事の右上の方にあるとのことだが、田舎に住んでいるので本屋がなく、まだ見ていない。


2017年10月26日

物理的考察

 自動車競走に勝つ工夫を集めた動画がある、という連絡を受けた。なかなか面白い。グラファイト粉末、要するに鉛筆の芯の粉(Greasemという名でKadeeが売っている)を軸受に塗ると良いそうだ。液体による潤滑とどちらがよいかは、実験しなければ分からない。軸を曲げるという話も実験しないと分からないだろう。軸を磨くのは当然だ。
 筆者は、軸重の大きい後輪がガイドレールに触れると損だと思い、少し拡げて触らないようにしたことを思い出した。せいぜい1.5 mm程度(片側で0.75 mm)だ。
 重心を後ろに持って行くのは、効き目が格段に大きいらしい。これは実感できる。

 ついでにいくつかの動画を見たが、最近はかなり進化しているようだ。どれもこれも素晴らしい走りだ。30年前とは全く違う。アルミ合金引抜きのコース、ディジタルでの時間測定、着順判定は常識になってきた。


 人の乗れるsoapbox car derbyのレースは、ますます盛んになっている。これについては有名なインチキ事件があった。噂として広まっていたが、最近はそれがウェブ上ですぐに検索できるところが凄い。

 模型は木製の押えを、ゴムの張力などで瞬時に外すことによって発車する。乗用のものは大きいので、鋼パイプ等で作った押えを急に前方に倒すことによって発車する。 
 ある切れ者は、車の再前端に電磁石を付け、発車時に搭乗者のヘルメットを後ろに押し付けることによってスウィッチを入れるようにした。押え金具はバネによってバチンと倒れるので、それに吸い付けられた車は一瞬前に出る。こうしてレースでは軒並み優勝したのだが、誰も気が付かなかった。
 役員の中に疑いを持つものが出てきて、X線写真を撮ることになった。インチキはバレて、過去の栄誉はすべてはく奪され、なお且つ裁判で相当額の罰金を払うことになったそうだ。その理由は子供の非行を助けたというものだ。数回の優勝で止めておけば、永久にバレなかっただろう。

 このレースには物理学者がかなり貢献しているそうだ。これ以上できないというところまで来ているという。


2017年10月24日

続々 pine wood soap-box car

 どうしてこのような話を書くのかというと、鉄道模型は走らねばならないからである。見かけがよく出来ていても、牽けない列車では良くない。
 よく走り、壊れず、脱線しない。この三つがないと面白くないだろう。物理的な考察は必要だ。

 pine wood car derby でも全く一緒だ。
「形は素晴らしく、色も凝った仕上がりにしてある。素晴らしい流線形にしてある。でも走らない。」では駄目だろう。
 個別の理論はあちこちで聞く。「車輪とレイルとの接触点ではヘルツ応力が・・・」とか、様々な蘊蓄を聞くが、模型には関係のない話だ。
 様々な工学的知見は、その応用される領域では考慮せざるを得ないが、模型のような小さな力しか掛からないところで、そんな話をしても仕方がない。このような蘊蓄を語る人の模型が素晴らしいかというと、それとは関係なさそうだ。筆者も本物の様にレイルを内側に傾けると良い事があるかと思ったが、実験してみると、まったく変化はなかった。

 車を流線形にすると速くなるか、というのと同じだ。この程度の速度では真四角の車でも結果は同じである。何の効き目が大きいかということを見つけ出せないと、問題は解決しない。 


 先日例の数学者と久しぶりに会って話をした。よもやま話の中で、突然微分方程式の話をし始めた。彼曰く、
「話の中で、相手が『微分方程式で解かないとダメなんだ。』とか言い始めたら、その人の話は疑ってかかったほうが良い。」と言う。

 あまりにも唐突な話で付いていけなかった。
「そうなのかい?」
「世の中のほとんどの現象は、頭を使えばそんなものを使わなくても解けるし、微分方程式の大半は解けない。近似値しか求まらないんだ。話をごまかすためにその言葉が出てくるんだよ。気を付けるべきだ。」
 彼がそんな話を突然振ってきた背景も話してくれた。

 そうかもしれない。思い当たる話は筆者にもある。その件は、自分自身で微分方程式なしで単純な解析問題として解けたのだった。

 関西合運と自動車レースは関係なさそうだが、大いに関係があった。

2017年10月22日

続 pine wood soap-box car

pine wood car dervy そこにあったどの車も低重心にしていた。それが正しいと信じているのだろう。筆者はコースの出発部分に目を付けた。かなりの角度で持ち上がっている。ある程度進むと平坦になってゴールだ。

 重心が車体中央にあると出発時に稼げる位置エネルギィが少ない。車体後部に重心を持って行けば、持ち上げられる量が大きくなるから、蓄積されるエネルギィが大きくなるはずだ。あまり後ろに持って行くと前輪が浮いてしまって脱輪するから、錘を移動して、重心をホィール・ベースの 4/5 に持って行った。もちろん4つの車輪のうち、最もよく廻るもの2つを後ろに付けることにする。

 次に支給された車輪とクギを使わねばならないから、クギをよく研磨した。そのクギが通りそうなちょうど良い太さのパイプがあったので、タイヤの中心に差し込んだ。友人宅で旋盤を借りて作業したから、心は出ている。釘を挿して、歯磨き粉を入れて空回しした。少し黒い汁が出たところで研磨完了で、よく洗っておいた。
 車輪に自由度があればいろいろな工夫ができそうだが、それは許されていない。重い車輪にすると軸の摩擦が減るが、慣性モーメントが大きくなる。いろいろなことを考えねばならないだろう。

 次の土曜日の朝、子供たちにこれまでのことを話し、組んでミシン油を注した。
廊下で滑らせると素晴らしい走りであった。摩擦を減らすことは大切である。

 午後にボーイスカウトの集会に行って、エントリィした。車体は子供の描いたとおりのややクラシックなフォーミュラ・カァの形で、銀色に塗った。”No.1”と書いたものを貼っておいた。

 新人は順位の低いところから始まる。当初の試合では順当に勝ち進んだ。そのあたりではまともに走らない車ばかりだったので、こちらの性能には誰も気が付かなかったようだ。順当に勝ち進んでベスト8になると、皆よくできた車ばかりだ。

 最終の決勝では、1馬身以上の差をつけて優勝した。2位になった子供が悔しがって、再レースをすることになったが、やはり同じように差をつけて勝った。地区別の大会だったので、ご近所の人たちは大喜びで勝利を祝ってくれた。
 しかし、なぜ速いのかを質問する人はいなかったのが、不思議だった。翌日、大学で親しい物理の教授にその話をすると、非常に面白がって、筆者の戦術を褒めてくれた。
 翌週彼は、「コースの形をどのような形にすると、いちばん短時間でゴールに到着するようになるか」という問題を作って、学生にやらせていたようだ。


2017年10月20日

pine wood soap-box car

 Pinewood Derby Trackコースを見せてもらった。こんな形である。出発地点はかなりの角度で持ち上がっていて、押えを外すと数台が同時に発車する。写真はグーグルからお借りしている。
 動力はない。位置エネルギィを運動エネルギィに変えて、後は摩擦で速度が減衰していく。ただそれだけである。単純極まりないが、走りを見ていて閃いた。

 速い車は摩擦が少ないのは当然だが、コースの形を考慮している人はいない。車体の質量は最大値が決まっている。車輪・車軸は支給されたものを使う。車体幅、長さ、高さには制限があるが、色、装飾には何ら制限はない。

 息子たちにレースへの出場の話をすると、盛り上がった。速いのを作ってくれと言うのだ。それでは絵を描けと言うと、大きな羽根を付けたロケットエンジン推進のものを描いた。制限にひっかかるので、それは却下した。それでは、と描いたのはよくあるタイプのものであった。でも後ろに小さい羽根を付けてくれと頼まれた。形を良くすると速くなると信じているのだろう。先をとがらせるという注文も受けた。

 筆者の頭の中にはあるアイデアが固まっていた。物理的に勝つ方法だ。 

2017年10月18日

走りについて

 会場を一巡りして気が付くのは、油切れの車輛があることだ。キーキー言うのだが、それを見とがめる人が居ないというのは、不思議である。
 筆者はあの音は生理的に受け付けない。すぐに退散したが、そのまま運転したのだろうか。
 フル編成の客車列車があるのだが、重くて牽けない。「機関車に力がない」という表現を聞いたが、そうではないはずだ。すべて牽かれるものの責任だ。客車の台車をよく整備して注油すれば、直ちに解決するはずだ。 
 中学校の理科の問題なのだが、解決は難しそうだ。凄じく細密な車輛もいくつかあったが、走りは見ていない。

 帰宅した晩に、先述の木片を見つけた。その木片と会場で見た車輛との関係が結びついた。 
 あれは近所の子供の同級生の親から渡されたものだ。近々ある行事があるので、準備してくれというのだ。
 はじめは何か分からなかった。土曜日の午後、集会所に行くと子供も親も何人か居て、あることをやっている。見せてもらったのは自動車の模型である。走行用のコースも作ってある。毎年使っているのだろう。組立式であった。木製でかなり大規模なものだ。

2017年10月16日

関西合運

OBJ 今年も出掛けた。何か新作を持って来いということなので、半年前に作った Old Black Joe と貨車2輌だけを持って行った。本当は塗るばかりまで完成したPullmanの8輌編成を持って行くはずだったのだが、ついに天候不順で塗れなかった。


 Oゲージのレイアウトは舞台床面に平で置いてある。高さが無いので残念である。せめて30cmでも持ち上げることができればかなり良いのだが、会場の都合でできないらしい。持って行ったものは陳列台に飾ってあったのだが、鎮目氏が、「走らせて見せてくれ」と言うので、彼のスクラッチビルトのタンク車14輌を牽くことになった。見物人は牽かないだろうと思ったらしいが、するすると牽き出し、順調に加速した。
 高効率のモータと効率の良いドライヴのなせる業である。全くと言ってよいほど無音で走った。貨車は1輌が 600g 弱ある。軸受はピヴォットではなく、プレーンである。Φ2のステンレス軸をブラスの軸受で受けている。よく注油されているから、かなり摩擦は少ない。

 ステンレスは摩擦が小さい金属なので、よく研磨してあれば、かなり抵抗は少ない。平坦線なので、軸受の摩擦抵抗と曲線抵抗である。Low-Dであるから、曲線抵抗はかなり小さい筈だ。暗算で必要な牽引力を計算した。1.0から1.4 N程度だろうと推測したが、もっと小さかった。
 機関車はΦ25のステンレスLow-Dを流用しているので、牽引力は少なく1.3 N 弱だ。モータの出力から計算して、補重してあるので、ぎりぎりのところでスリップしてモータが焼けないようになっている。直線では牽き出せるが、曲線では引っ掛かるかもしれないと思った。しかし、かなり余裕を持って走った。鎮目氏はLow-Dの効果を見て、感慨深げであった。  

 板バネが効いていて、フログを渡る音が重々しい。ここに等角逆捻り機構だけを使うと、軸重が大きい時は、ゴトゴト、コツコツという音がする。もちろんバネを介せば、問題ない。
 機関車が全く左右に振れない事にもご注目戴きたい。車輪の精度が高いから、二軸車でも安定している。また、重ね板バネの緩衝のおかげでもある。コイルバネではこうはいかず、ふらふらする。電流は、起動時で130 mA、巡航時で60 mA 程度である。


2017年10月14日

home-made Set-Tru

How it works 筆者はこのSet-Truが欲しかったが、何年も買えない時期が続いた。仕方がないから作ってみようと、寸法を当たってみた。

 細いネジは、M4くらいの鋼製ネジを使えるだろう。やや太い貫通孔はかなり大変だが、あけられると思った。その場所もないわけではない。

 問題は左のフランジの突出部が小さく、移動ネジが当たる場所がほとんど無いことであった。ネジ移動を諦めれば、コンコン叩いて移動できるから、それで我慢することもできる。

 大真面目でその作業工程を考えていたことがあるが、結局改良工作はせずに、Set-Tru に移行した。たまたまe-Bay で新古品が安く出ていて、競争無しで2万円ほどで手に入ったのだ。しかもアメリカ製であった。運が良かったとしか言いようがない。

 現在新品は、安い店でも10万円ほど出さないと買えないようだ。しかもポーランド製だ。品質は悪くないと思うが、高過ぎる。

 コレット、万力(vise)、正直板等は良いものが欲しい。昔のアメリカ製の新古品をいつも探している。

pine wood 2pine wood 3pine wood ところで、ブラスの材料置き場の敷き板として、こんな物を使っていたのを見つけた。
 30年ぶりに発掘されたのだ。さてこれは何であろうか。鉄道とは関係がないが、アメリカで少年期を送った方ならだれでも知っているだろう。ボーイスカウトに子供たちが誘われたときに、これを渡されて、親も手伝って参加せよと言われたのだ。 汚れはご容赦願いたい。
 いくつかお答を戴いているが、正答の発表は、しばらくお待ち願う。

2017年10月12日

truing 3-jaw chuck

 以前にも書いたが、何人かの方から詳しく説明してほしい、という要望があった。この方法は町工場では広く行われている方法であり、難しいことではないが、旋盤の教科書ではまず見ない。

 条件としては、スピンドルがフランジを持つことである。要するに三爪チャックがそのフランジを覆うように嵌まり、ネジを主軸台側から締めるタイプであることだ。まず三爪チャックで各サイズの丸棒をつかみ、廻して振れを測定する。たとえば 0.5 mm振れていれば、チャックをある方向に 0.5 mm動かせばよい。

 三爪チャックがバックプレートを介して付けられているときは、手間はかかるが、細工は簡単だ。バックプレートのネジ穴を大きくする。
 振れを無くする方向にヤスリで削ってしまえばよい。沈め穴があるときはフライスで削る。なければドレメルでも削れるだろう。一回で成功することは難しいので、二、三回やってみて、具合を見る。バックプレートに段があるときは、下記の方法をおすすめする。小型旋盤にはこのバックプレートは無い場合が多い。

adjusting center バックプレート無しの場合は、スピンドル・フランジの外周を 0.5 mm削る。もちろん面取りを施す。チャックが、ごそごそと 1mm ほど動くだろう。その遊びの中で振れを吸収する。フランジの、ネジが通る穴をヤスリで少し大きくする。チャックをネジで軽く仮締めし、丸棒をくわえて廻す。振れが少なくなる方向に、チャックをプラスティック・ハンマで叩いてずらす。何度も測定して、誤差をゼロに持って行く。そこでネジを本締めしてできあがりだ。
 慣れると、この工程は2分でできるようになり、四爪に勝るとも劣らない精度を出せる。コレットを持たない人には具合が良い方法だと思う。

 この工程を心押し台方向からできるようにしたのが、Set-Tru chuckである。最小の5インチを手に入れたので、出来の悪い四爪は廃棄した。使うたびに腹の立つ思いをしていたので、ストレスが無くなった。現在新品を買おうと思うと、とんでもない価格である。程度の良い中古を探すべきだ。そうするとアメリカ製が買えるかもしれない。

 心を出すことを英語で truing という。 

2017年10月10日

転車台のドライヴ

Drive Wheel 少しずつ進んでいる。駆動用にスイス製のエスキャップのギヤード・モータを使う。いつ手に入れたのか正確には思い出せないが、アメリカのセールスマンに押し付けられたものだ。しばらく使いみちがなかったが、最適な用途が見つかった。

 出力軸でゴムタイヤ駆動する 。そこに使うタイヤは、良いものが見つからなかった。ラジコン屋で買って、油に浸けておくと、ことごとく劣化する。半分諦めていたところだったが、車のエンジンオイルを替えているときに、Oリングを見て閃いた。

 オイルフィルタの固定に、耐油ゴムの太いものを使っていた。これを嵌めれば、耐久性は抜群だ。ブラスの丸棒を旋盤で挽いて、ちょうど嵌まるものを作った。留めネジを二つ付けてできあがりだ。低回転だからバランスもとらなくてよい。回転速度もほどほどである。

 駆動時のみ押し付けられ、普段は浮いているから、歪まない。いつも押付けられていると、ゴムは変形してしまうから、変な振動が出る。
 この押付けのメカニズムは、現在製作中である。長年の使用でもへたらない構造である。接点は一つもないというところがミソである。おそらく世界で初めての方法だろう。
 このメカニズムの基盤は自宅のフライス盤でできる最大のサイズで、無理をしないように工夫して作っている。

2017年10月08日

pizzacutter

 4日のクイズの答は、表題のような形をした、炭素棒ハンダ付けの回転電極である。長いシルとかヘッダを連続して付けることができる。実に調子が良い。コン氏に材料を作って戴いた。あとは自作である。 コメントは本日公開した。コメント以外にもたくさんの方からメイルを戴いた。

 不思議なのは、皆さんは現物をご覧になったことがない筈なのに、正解を出されたことだ。黒いものはグラファイト(炭素)で、電線が付いているから、推理によって答を出されたのだろう。お見事である。

 グラファイト円盤は今野氏に作って戴いたのだ。大きさは直径80 mm程である。軸穴は Φ10でお願いした。Tavata氏のコメントにあったように、中心部に電流が集中するので、電流が分散するように径を大きくしている。
 軸は旋盤で挽いたΦ9.2のブラスで、0.8 mmの隙間に0.4 mm厚のブラス板を丸く曲げたものを圧入して、接触を確保している。ただ廻っているだけでは、ここが熱くなってしまう。軸にはフランジが付いていて、ネジで締めてあるから、接触面積は十分だ。

 先々回の写真の緑の線は仮のものである。現在はもっと太いテフロン線で接続してあるから、耐熱性は十分だ。製作中の客車のシルとヘッダをハンダ付けする時に用いる。
 ハンダメッキしておいて一端を曲げて引っ掛け、引張りながらゴロゴロと押すと、秒速 10 cm弱でハンダ付けが完了する。隙間が全くない完璧なハンダ付けである。動画を撮る必要がありそうだ。


 連絡:yardbird様、連絡したいことがあります。コメントを通じて連絡ください。

2017年10月06日

ミニ旋盤

Lathe この旋盤も無期限貸与ということになった。この写真は置いてみて、位置関係を調べたときのもので、ゴミだらけである。



 高級機ではないが、整備すれば十分使えるので、有難く受け取った。付属部品にコレットがあったので、コレット専用機として使うことにした。小物をある程度の量、細工するには便利なはずだ。
 三爪は使わないことにする。この国で作られたチャックは材質が軟らかく、締めたときにカツンと締まらないのが嫌だ。

 心が出ていないが、それは価格相応で、文句を言ってはいけない。この価格で心の出ている三爪チャックがあるわけがない。チャックだけに数万円ほど出して、日本製を手に入れれば話は別だ。通販サイトで、この機種に対する不満コメントにそれがたくさん見つかるが、常識がない人たちである。ヤトイを作るか、コレットか生爪を使うべきだ。あるいは、スピンドルのフランジをやや小さくして、チャック全体が少し動くようにし、ずらして締めるという高級テクニックもある。
 筆者が最初に買った旋盤は、ネジ込みのチャックだったので、その方法が採れなかった。1mm弱偏心していた三爪は、爪を砥石で擦って調整し、ある程度心を出した。

 旋盤というものは、使う人が工夫して使うべきもので、買ったらすぐ所定の性能が得られると思うのは間違いだ。しかし、精度を出す準備作業について書いてある手引書は、まず見ない。

collet chuck 筆者はこのような小型機は使ったことが無いので、練習が必要だ。いずれDROを付ける。
 この機種は、感心なことに、ベルトドライヴになっている。


 中国製の機械はどれも手触りが良くない。何を触ってもざらざらしていて、角が手に痛い。油目のヤスリで、すべての角を一舐めしてから、ゴム砥石で磨く。レイル磨き用のもので十分だ。

 丁寧に擦ると、つるつるしてくる。手になじむ感じがしてきたら、よく掃除する。砥石の粉があるといけないので、掃除機で丹念に掃除し、溶剤スプレイで洗い落とす。
 摺動部に注油して動かしてみた。ベアリングのガタを調べるために、快削材をコレットに銜えて表面を一舐めしてみる。十分な性能である。

 後ろのガードの背が足らないような気がする。Swarf (キリコ)がどのように飛ぶのか研究してから、追加を付けることになるだろう。

2017年10月04日

workbench

work bench X-1は意外と重く、36 kgほどもある。それを載せる台が必要だ。厚いムクの台を考えた。イチイの木で分厚いのがあるが、ちょいともったいない。
 15 mmのシナ合板の切れ端が大量にあるので、それを貼り合わせて、45mmの天板を作った。接着剤が固まるまで、四隅をクランプで締めた上、100 kgほど重しを載せて一昼夜放置した。下部は15mmの板を組合せて作った。棚を補強材として、ネジと接着剤を十分に使って作ったので、ひねりに対する剛性は大きい。

with guard ウレタンニスを十分に浸み込ませて固め、ヤスリを掛けてケバを取った。例のグレイのペンキをたっぷり塗ってできあがりだ。Swarf (キリコ)が飛ぶので左右と後方にはガードを付けた。それにはプラスティックが貼ってある化粧合板を使った。汚れが取りやすいはずだ。


milling machine on the work bench このX-1は、長いテーブルを付けているので、40 kg以上ある。一人で載せるのは大変で、片方ずつ持ち上げては、下に木材を井桁に組んだ。椅子の高さまで持ち上げたのち、抱えて載せた。低い位置で重いものを持つと、腰を傷める可能性があるからだ。


Quiz ここでクイズを一つ。これは何だろう。正解は10月8日号で発表予定。

2017年10月02日

micro mill X-1 

 小型縦フライス盤にいわゆるX-1という機種がある。SIEG という中国の会社が作って、日米欧に輸出していた。最近は新型に代わったようだが、筆者の友人は、かなりの方が、この機種を持っている。モータ出力をスピンドルに伝えるギヤトレインの設計があまりにも拙い。ガラガラゴロゴロとやかましい。たまに歯が折れることもあるらしい。

gear train そもそもこんな所に歯車を使うのがおかしい。旋盤でもフライスでも、こういうところには、ベルトを使うのが常識の筈だ。刃物がワークに喰い込んでしまった時には、急停止するだろう。その時、ベルトが滑るか、切れるかすれば安全である。歯車では止まらないから危険であるし、多分この材質では歯が折れてしまう。それを狙っているのかもしれないが、賢明な方法ではない。
 
 最近、知人からX-1を無期限貸与された。博物館で使え、ということなのだ。やかましいので蓋を開けて驚いた。中学生の設計かと思ったほど、稚拙な設計である。
 筆者のフライスはもう一段大形のもので、それもギヤを捨ててベルト式に改造してある。友人の U氏の希望で、X-1用のベルトドライブ改造キットをアメリカから取り寄せたことがあるので、それを再度取り寄せようとしたのだが、数年前に廃盤になっていた。再生産はないそうだ。アメリカではすでにX-1が市販されていないからだ。交換用歯車だけは売っている。しかも金属製の歯車も高価だが売っている。歯が折れないから、かえって危険だ。使いたくない。

 図面を描いて、あちこちに打診しているうちに12台以上なら作る、という店が見つかった。仲間内で既に半分以上は捌けたが、それを見て欲しがる人もいるので、見切り発車しようと思う。デザインは少しシンプルになるが、3段変速で、最高回転数が今の2倍以上になる。細いエンドミルを折ることが減るだろう。上記リンクの写真よりも機能的な設計にする。読者の皆さんの中で、これを欲しいと思われる方があれば、お知らせ願いたい。

お知らせ
募集は締め切りました。(10/28)

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