2016年05月04日

2016年05月04日

ハンダ付けのテクニック

 ハンダの見えないブラス車輛について書いたところ、複数の方から質問があったので、説明させて戴く。
 大阪の某有名模型店の店先にそれは飾られていたが、全くハンダの色が見えなかった。同行した友人が、妙に感動していたので意見を聞くと、「あのテクニックはそう簡単には習得できない。大したもんだ。」という話だった。

 筆者は、「壊れやすいから感心しない。」と言うと意外そうな顔をした。
「どうして壊れると思うんだい?」
「だってさ、ハンドレイルなんかは折り曲げてチョイ付けなんだと思うよ。持ったら撓んで、ハンダが緩むよ。」

 友人は意外そうな顔をした。「持つ時、そんなに力を入れないよ。」
「でもね、何度か持つと壊れるよ。」
「じゃ、あれは静態保存ということなのか。」
「たぶんそうだと思うよ。」

soldering おそらく、断面はこうなっている(A)。こうしないとハンダの色が見えてしまう。Bのようにすれば、ちらりとハンダが見えるが、丈夫である。そう簡単には壊れはしない。この方法が正しいはずである。ハンダが見えるのを嫌がるというのは、筆者には理解しがたい心理である。Aでは、ハンドレイルの上を持てば、ハンダが剥がれる方向に力が掛かる。

 筆者はOゲ―ジを楽しんでいるので、重い車輛を持つとき、いつも細心の注意を払う。ハンドレイルが剥がれると腹が立つ。祖父江氏のところからの模型はすべてBの方式を採用している。線材は良いが、板を付ける時は、隙間に閉じ込められたフラックスが洗いにくい。全面ハンダ付けをしていれば、歯ブラシでひとなでするだけで完了であるが、チョイ付けでは洗いにくところもあるだろう。
 

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