2016年03月

2016年03月31日

track cleaning car

track cleaning car 線路が微妙に汚れてきた。なんとなく粘りのある汚れが付いている。おそらくハンダ付けの時に発生するフラックスのフューム(煙霧)だ。ヤニ入りハンダを配線の時に使う。空気の流通を良くして行うので、その時に発生する煙の大半は外に出されるが、完全ではないのだろう。
 こういう汚れを取るにはリモネンに敵うものは無い。リモネンはテルペンといって、植物の樹脂を作る基本成分の分子である。厳密に言うと、リモネンはその基本成分の分子が二つからなる。ヤニはかなりの数の分子が重合したものである。構造が似ているので溶かしやすいのである。

track cleaning car 2 リモネンをレイルに塗って汚れを取るには、この track cleaning car を用いる。ペイント・ローラを切ったものを用意し、中に錘を入れる。筆者は大きめのナットを入れる。その時、回転しにくいように軸と直角方向に、その軸を向ける。 転がすと、中で「ドテドテ」とナットが踊るのが良い。アメリカでは鉛の散弾を入れる人もいるし、もう少し細かいネジ(雄ネジ)を入れる人もいる。要するに、簡単に転がってはいけないのだ。
 この筆者の例では、押すとローラが多少滑っているようだ。これぐらいが良い。

 機関車の前に置いて、リモネンを10 mLほど垂らして、ローラを濡らす。機関車で押すと、レールが濡れているので激しくスリップする。すなわち、動輪もきれいになる。一巡りすると乾くが、またローラがリモネンを塗りつける。これを数回繰り返すとローラはかなり汚れてくる。濡れているうちに、洗浄スプレィで汚れを落としてしまう。新聞紙に汚れた液を落とし、それが蒸発した跡を見ると、茶色の粘りのあるものがついている。

 リモネンが良いのは、毒性が事実上無いというところだ。多少なら飲んでも問題ない。ミカンの皮の油だ。子供の頃、これを手に塗ったことを覚えている。これを付けると輪ゴムがクタクタになった。ゴムと共通の基本成分を持つからである。

 線路が綺麗になると、走行が安定する。サウンド装置の音も良くなる。レイアウト全体が、さわやかなオレンジの香りで包まれる。

2016年03月29日

続々 wye (Y) switch

yard ladder #8ポイントの簡易キットがいくつあるか調べた。左右3本ずつだと思っていたが、右がもう1本見つかった。これで機廻り線の分岐ができる。とは言っても、行き止まり部分にもう1本は必要だから、それは作らねばならない。
 机の上を整理して並べてみた。複線間隔を所定の値にするときのフログ間距離を求めねばならない。計算値と、並べたときの実測距離が一致したので、一安心だ。このキットはレイルをかなり短く切っているので、必要なフログ間距離を得るには、ある程度の長さのレイルを足さねばならない。
 材料箱を探すと、短いレイルを捨てずに取ってあった。ちょうど良いものがたくさんあり、2,3 mm切るだけでぴったりであった。
 これで第三期工事の準備は終わりである。

114_4580 客車ヤード(第二期工事)を先にせねばならない。この部分はかなり面倒である。分岐が曲線部に集中し、すべて曲線ポイントになる。すなわち番手が大きくなる。#10のポイントを曲げて作り直せば、そこそこのものができる。4本あるので5線のヤードができることになる。すべて現物合わせで作り直す。一応並べてみて、大体の構成を頭に入れたが、その通りにはできないかもしれない。フログも曲げることになるが、それは可能である。
 曲線部は複線間隔を狭くできない。しかも長い客車であるから、本線と同じにする。この部分の分岐の配置はかなり雑然とした感じになるが、なるべくS字カーヴを避けた機能第一の設計になる。客は乗っていないのだから、それでよい筈だ。実物のヤードも継ぎ足したり、障害物を避けて極端な曲線になっていることがある。 

 この写真の曲線の線路は、隠しヤードへの線路である。その右の5線は客車ヤードの線路位置を示している。直線部分はこれだけで、あとは曲線である。 観客からは見えにくい位置なので、線路の素性は様々である。

2016年03月27日

続 wye (Y) switch

 第三期工事予定の隠しヤードをどのように作るかが大きな問題であった。角度は計算できているし、作図もある程度はしてある。原寸図を描かねばならないので先送りしていたが、急にある方法を思いついたのでやってみた。

wye switch and ladder 土屋氏のところから来た#8分岐キットの裏に、その原寸図が添付されていた。左右あるが、すでに劣化してボロボロだ。それを平行になるように貼ってつないでみた。#4はないので#8を左右対称に切り貼りした。
 この方法では、#4は自然と正しい角度になる。後で測定してみたところ、計算値とも合致した。平行になる直線部分の間隔は90 mmとした。曲線部分は100 mmにしているので、やや狭くなった。少しでも狭くしないと、ヤード有効長が減るからだ。車体幅は大体63 mm以下なので、80 mmくらいにならないかとも思ったが、すでに尖端レイルの位置が、フログにかなり近い。これ以上線路間隔を寄せることは避けるべきだ。

 エポキシ基盤を切り出してあったので、ハンダ付けして位置関係を決めてしまった。例の水道工事用のフラックスをほんの少し付けて、熱いコテでハンダを送り込む。古いキットでレイルが錆びていたので、必要箇所は軽くヤスリを掛けておいた。実に素早く完成させることができた。水を掛けながらブラシでよく洗って、フラックスを落とした。ここまでの時間は2時間弱であった。

 例によって、#4の尖端レイルはフライスで落とし、ストックレイルも削り込みを入れておいた。分岐の工作は楽しい。型紙さえあれば簡単に作れる。やろうと思えば、いくらでも細かく作れる。脱線も皆無である。どうしてみなさんは分岐を作らないのだろう。車輛工作より簡単で経済的である。曲線分岐とか、任意の角度のクロッシングを作るのは興味深い。自宅のレイアウトには、直線と緩い曲線とのクロッシングがあるが、脱線しないものである。通過音が楽しい。
 
 次はこれにつながる分岐をあと二つずつ付けると、8線になる。その型紙も切り貼りで作れる。当初10線にしようと思っていたが、それほどのスペイスもないことが分かった。機廻り線を付けたらもうぎりぎりだ。

2016年03月25日

yard 線路敷設完了 

Yard Ladder completed 3週間以上かかったが、ようやく第1ヤードが完成した。と言っても、まだポイントマシンやDCCのデコーダも付けねばならない。レーザによるアラインメントがなければ、このようにうまくはいかなかっただろう。長期にわたって、機材を貸してくれたO氏に感謝する。すべてのポイントを直線側にして、貨車を一押しすると、するすると転がって本線に出る。何もしなければ静止しているので、平面性は合格だ。Yard Tower 信号所の中に3人入れた。
 Superintendent(支配人)、Inspector(検査官)とOperatorである。コントロール・ボードも置いた。実はここでやりたいことがある。この操作盤の上に、ちいさなLEDで指示らしきものを出させるのである。本当に線路の状態を反映する必要もない。ただ、ちかちかと変化すると面白いと思うからだ。完成までにまだ時間が掛かると思うが、いつかはやりたい。

114_4574 反対側から見てみよう。大した規模ではないが、一応40ft車が100輌弱収容できる。おそらくこのヤードは機関車付きの短い列車が待機する場所になる。電源はDCC onlyの区域である。待機している機関車からは様々な音が聞こえ、列車の照明も点くようになる。DCCの醍醐味を味わうことができる。
 転車台への進入路、退出路もできた。

114_4569 この写真では貨物列車、旅客列車ともに出払って、閑散としている。signal bridgeはこの位置に建てる。側線への指示を出す信号もここに付ける。かなり賑やかなものになるはずだ。

 来週からは第2ヤードの建設が始まる。それは旅客列車を仕立てて置いておく線である。10輌編成を5本置けるようになる。もちろんDCC専用である。そうしないと、車内の照明が点かない。

2016年03月23日

鉄橋を架ける

 ループ線が本線を跨ぐ部分に鉄橋が架かる。そろそろ製作に掛かれる見通しだ。この橋の設計はnortherns484氏にお願いしている。

 すべて鉄板製である。側面のトラスは3枚のレーザ加工した材料を重ねて作る。H鋼の断面の形を表現している。細かい稲妻型のトラスもすべて再現してもらった。 
 かなり重い橋になることだろう。多分人が乗っても壊れないはずだ。曲線上なので、橋の断面はやや広くなる。

 今野氏に作って戴いた、傾斜した枕木を並べるジグも作った。レイルは正確に曲げて別のジグで保持し、枕木に接着する。そのあと、犬釘を200本ほど打つことになる。そうすれば曲率を保ったまま、橋の中に取り付けることができる。
 この傾斜枕木の作成がネックであった。長い間作り方を模索していたが、急転直下作って戴いたので、すべてが具合よく動き始めた。
 実物は普通の枕木の下にカントをつける distance piece (かませもの)を挟んでいる場合が多いが、この傾斜枕木のタイプも見たことがある。実物は橋の中に人間が入って作業できるが、模型ではそんなことはできない。かませる部材を正しく置く自信は全く無いから、この傾斜枕木が必要であった。今野氏には感謝する。

 橋の組立ては、熔接、ハンダ付け、接着、ネジ留め、カシメを組合せる。組立時に互いの位置関係が一義的に決まるように、見えない位置にタブとスロットを付けて戴いた。押し込んでレーザ熔接をしてもらうことになる。

 ガセットは薄いブラス板で作る。例の打出し機で簡単にリヴェットを出せる。橋梁用の大きなリヴェット頭を表現するダイも用意してある。

2016年03月21日

wye (Y) switch

Y switch 機関区に行くときに通る分岐である。右に曲がれば修理工場で、左に行けばターンテイブルである。どちらも半径2800Rであって、Y分岐を作る必要があった。この分岐のフログ番手はかなり小さい(英語でこの”番手が小さい”という言葉を"coarse"で表す)。 #4よりもっと小さい。
 計算が面倒なのと、計算して作ったのに通らないということもありうるので、できている道床に紙を当てて、現物合わせで型紙を作った。それに半径2800mmの曲率ゲージを合わせ、リード部は緩和曲線のゲージを使った。フログは曲線フログであり、なかなか優美である。

 写真のフログ図面は枕木間隔の目安として置いただけで、ずれているのは承知している。
 
 尖端レイルはすぐに遠ざかるので、短くて良い。補強も要らない。あっという間にできてしまった。それに比べると、番手の大きな分岐は様々な点でむずかしい。特にフログ部分のフランジウェイ幅の管理が大変だ。以前、ジグを苦労して作ったが、そのジグが壊れてしまい再度作る気が失せてしまった。それよりも、適当に作ってから、洋白の薄板を叩いたものをウィングレイルに貼り重ねて狭くする。これが一番簡単である。はみ出たハンダはレイルよりはるかに軟らかいので簡単に削り取れる。

yard ladder もう一つY分岐を作らねばならない。それは隠しヤードの入り口である。これは使用頻度が高く、信頼性が要求される。少々念入りな設計が必要だ。
 その分岐は曲線フログではない。角度は検討済みである。
 
 

2016年03月19日

続々 加工硬化

 伊藤 剛氏の話は続く。

 剛氏は応召して中国戦線で戦った。日本製のトラックの車軸がよく折れたのだそうだ。ここぞというところで折れるので、これじゃだめだということになった。
 破損放置されている敵方のトラックからシャフトを外して付け替えると、折れることがないことが分かった。それはフォードのものだったが、ちゃんと合う。当時の日本製はアメリカ製のコピーだったので、合うわけだ。何が違うかはよくわからなかったが、
「『これでは勝てない。』と兵隊レベルでもわかりましたよ。」
 
 当時のバネはよく折れたそうだ。機関銃のバネが折れると暴発する。航空機のエンジンのヴァルヴ・スプリングもよく折れて困ったという。
 
 戦後ショット・ピーニングという方法が紹介されて、なるほどと思ったそうだ。表面に加工硬化を起こさせて、亀裂発生を防ぐ技術だ。元はハンマで丹念に叩いてそれを行っていたのであろう。この技術が導入されて、その種の事故はかなり減った。金工用ハンマに先の丸い部分があるものを、 point peen hammer という。
 しかし、1960年頃の自動車技術はまだまだ未熟で、父の乗っていたトヨタの2代目コロナの前輪トーション・バァが折損したことを覚えている。(このリンク先のサスペンションの説明は間違いで、コイル・スプリングではない。)その車を買ったとき、父は
「この車のバネはトーション・バァだ。賢い設計だよ。普通のコイル・バネも広い意味ではトーション・バァだけども、その一部を拡大している。」
 嬉しそうに解説してくれたけども、一月も立たないうちに右側が折れて、悲惨な姿で帰って来た。トヨタの友人に電話を掛けて、文句を言っていたことを思い出す。
 のちに連絡があって、「ショットの掛け方に問題があった。」とのことであった。

2016年03月17日

続 加工硬化

 伊藤剛氏は、折に触れて加工硬化の話をされた。
 ドイツの電気機関車の歩み板(running board)の薄さを語った。

「普通の材料を使っているんだけど硬いのです。加工硬化させてあるんですな。」
 写真を見ると槌痕が見える。そのうちに機械でプレスして硬くするようになった。

「真鍮の針金が軟らかい時には一端を万力に挟んで、ハンドドリルに銜えて廻すんです。ハンドルを廻すと堅くなってくるのが分かります。糸鋸で切ると中は軟らかいのですが外は硬い。外だけ引っ張られるからですよ。」
 
「使ったレイルは硬いけど、新品は軟らかいんです。 それと、レイルの外側は硬いけど、中は軟らかい。」

「ポイントのフログは最近は鋳造になりましたね。あれは出荷時にはあまり硬くないけど、列車が通ると硬くなるんですね。」 

 筆者のFEFを見せたときのことを思い出す。屋根の上のシンダ除けをご覧になって、
「これは切り抜いたものとは違いますね。叩いたんでしょう?薄くできている。どこでこんな知識を得たのですか?」 
 祖父江氏の話をすると、「恐れ入りました。あの人は天才です。」と真顔でおっしゃった。

 別の機会に祖父江氏に針金を捩じる話をすると、
「そんなことしなくっても、簡単に出来らあ。万力に銜えて、ペンチで挟んで引っ張るんだよ。長さが1%も伸びれば出来上がりさ。 」

2016年03月15日

加工硬化

 最近、加工硬化の話題を二つ出している。あまり反響はない。残念だ。

 先回の分岐のノーズレイルの延長の記事を書きながら、コメントが殺到するかと思っていた。ところが、何の反響もない。今回もほとんどない。

 仙台の今野氏と話した時に、「加工硬化の話題を出したら、みな飛びついてくると思ったけど、ダメですね。興味ないのか、全く知らないのか、どっちでしょうね。」と話を振ってみた。
 今野氏は、「僕たちはよく使いますよ。今度の記事を拝見して、うまくやったなと思いましたがね。」と答えられた。

smoke lifter on roof 祖父江氏のところで、いろいろなことを教えて戴いたが、この加工硬化については思い出がある。
「たいていの人は切り抜いてハンダ付けすりゃあできると思ってんだろうが、曲げるとか、叩くとかすると硬くなるんだよ。それを使わないってのは意味ねえよ。薄い材料でも曲がらねえんだ。飛び出した細かい部分は加工硬化させねえと、機関車をひっくり返すと曲がっちまうだろ。」
 筆者はちょうどUPのFEFを仕上げていた。屋根の上の smoke lifter (シンダ除け)を作ったのだ。展開図を書いて貼り付けたのが曲がって困っていた。再度硬い材料で作り直そうと思っていたのだが、
「そんなもの、真鍮で問題ねえよ。細い板を片方叩けば曲がるし、薄くなる。ヤスって付ければ簡単だよ。」

 早速やってみた。曲率を自由に選べ、しかも見える方向からは薄いので、恰好が良い。重い機関車をひっくり返して置いても、smoke lifter は曲がらない。しかも、展開図を書かなくてよいから楽である。

2016年03月13日

三枝分岐の改良

 都合5日も掛かったが、三枝分岐が完成した。
 とりあいカーヴの半径が2800Rである。どんな機関車も通るはずであったのに、UP9000が通らなかったのだ。直線が円曲線に接する構造であると、緩和部がないからその接点辺りで不具合を生じやすい。この機関車はすべてのフランジを付けたまま、2800Rを通るように設計して作り直したものなので、これが通らないのは許せない。
 前述のようにリード部分を長くして緩和曲線のようにした。尖端レイルが205 mm(実物で約10 m)もあり、機関車が通ると、派手に撓(たわ)んで、気持ちが悪い。どうしても曲率を保ちたいので、補強を入れることにした。

3-way switch 23-way switch 実物にあるかどうかは知らないが、アメリカのレイアウトでこのタイプを見たような記憶がある。レイル断面をTの字を寝かせた形にして、内側に張り出させると、撓まなくなる。そこにリンクを付けて反対側のレイルと結んだ。リンクの接触部の面積は大きく、倒れない。

 見かけは良くないが、尖端レールの形を保持するのには最適の方法だ。今作っている側線のうち、この部分だけは強度が必要だ。重い機関車が曲線側を通る。その他の分岐は直線の方しか機関車が通らない。あまり良く見えないところだから、実用性を最優先した。信頼性のない分岐は使いたくないからだ。

tongue rail 洋白の薄板(0.5 mm)を曲げて貼り付けるのだが、片側をハンマで少しずつ打って曲げた。目を凝らして写真をご覧になると、わずかに槌の痕が見えるはずだ。これは祖父江氏から習ったテクニックだが、加工硬化させるので薄くても強くなる。写真の上の短冊は曲げる前のものである。 
 曲線ゲージに沿わせて完全に一致したものを貼るので、工作は簡単だ。ハンダめっきしてクランプで挟み、加熱するだけである。
 裏にリンクとなる1.2 mmの板の小片を貼り、相手方とネジ留めする。

UP 9000 on 3-way switch ゲージをチェックして合格したので、現場に置いて仮留めし、UP9000を通してみた。どちらの方向からも滑らかに通過する。当然フランジが当たっているが、脱線することはない。計算通りだ。

 

2016年03月11日

rivet forming tool

 吉岡精一氏からお預かりした製作途上の電車を完成させる必要があり、足立健一氏に助けを求めた。足立氏は電車製作の達人で、あっという間にブラス製電車を、ほとんど完成して戴けた。日本車輛製をプロトタイプにした自由形であったが、たちまち近鉄タイプに作り変えられた。
 連絡があって、「小さいリヴェットがうまく打てないから作業が止まっている。リヴェット打ち機を貸してよ。」ということであった。筆者はテキサスの友人が譲ってくれたものを改造して使っていた。それを持って行こうとしたら、ハンマが緩くて頭が落ちてしまった。

rivet forming tool 直したが、小さいリヴェットには衝撃が大きすぎて具合が悪い。ちょうど伊藤 剛氏のところから来た小ハンマがあり、それを加工して取り付けると絶妙な衝撃を与えられることに気が付いた。取り付け台を加工して完成だ。縦の角棒はハンマを振り上げる時のリミッタで、クランプで調節する。
 黒いT字型の台は板材のガイドで、10 cm程度の奥行を持たせることができる。奥の板にある孔は、T字ガイドをひっこめた時の逃げである。丸棒が後ろに突出する。写真よりも、以前示した図の方が分かり易いかもしれない。    

rivet forming tool 2 ハンマを振り上げたときの様子である。写真を写すために、つっかい棒をしている。ハンマの錘部分を軽く持って持ち上げると、リミッタで引っ掛かり、コトンと落ちる。実に小気味よく仕事がはかどる。送りはダイの縁に引っ掛けることに依って決まる。
 ワークをネジで送るようにすれば目的を達するが、様々な送り量を任意に設定するのはなかなか難しい技である。いくつか設計案があるが、なかなか手が出ない。DROを付けるアイデアもあったが、余計に間違えそうである。やはりワンウェイ・クラッチで送る方法が一番良さそうだ。ラックを細かくしてバックラッシをなくす工夫が必要である。

2016年03月09日

側線を敷く

track gang 最近は側線の敷設に掛かりきりだ。プリント基板(ガラスエポキシ)の短冊を枕木とし、それにレイルをハンダ付けして分岐器を作る。ハンダ付けする枕木は数本おきである。その枕木の抜けた部分には木製枕木を貼り付ける。
 いつもこの格好で作業している。この薄汚い褐色のジャケットはUPで作業用に支給される物だ。Tom Harveyにもらった。Union Pacificのロゴが入っていたが、それはもう剥がれ落ちた。帽子は亡くなったLorell Joiner氏にもらったものだ。

 簡単な作業のはずだが、いくつもの面倒な作業があり、1日1つ出来れば良いほうだ。三枝分岐は4日も掛かっている。 路盤の高さがあるので、脚立に跨っての作業である。だんだん奥に行くので、そのうちに路盤に寝そべってしなければならないかもしれない。そういうときは線路を保護するように、何かの養生板を敷くことになろう。
 アメリカでよく見るのはこれだ。既製品もあるし、自作品も見たことがある。博物館では、線路の周囲に透明プラスティックの保護板を付けるので、これは使えない。ただ、工事中には役に立つだろう。ただし、足元にスペイスがないと押し込むことができない。 

 ハンダごての持ち方に注目してほしい。先が小指側に来ている。こういう方法で持たないと、先端に力が入らない。熱いこてをレイルの下部に押し当て、一気にハンダの凝固点を越えさせるのがコツだ。もたもたしているとハンダがたくさん溜まってしまう。なるべく短時間にしないと、エポキシ基盤とは言え、銅箔が傷む。ハンダこては先端が平らな専用品だ。 

 尖端レイルの支持方式に悩む。故障が少なく、簡便な作り方で、そこそこの見栄えが必要だ。 使用頻度が少ない側線は問題が起こりにくいが、現在工事中の部分は機関区への通路で、重量級機関車が頻繁に通る。丈夫に作らねばならない。
 根元はリン青銅の薄板で作り、弾性を利用したヒンジである。尖端に近い部分にはリンクで結合させるが、一つでは途中が撓む。長年に亘って無事故で使用したいので、リンクを2、3箇所付けるつもりだ。

 当初はポイントマシンを線路下に内臓するつもりだったが、今後の保守を考えると、半露出とすべきであるという結論になった。

2016年03月07日

磁石付き車輌

 線路の上には様々なものが落ちている。一番具合の悪いのが、センタ・ピンである。車輛のほうはピンなしで走っているのだから、突然横にせり出して脱線転覆ということにもなりかねない。

114_4514 貨物列車が周回してくると、筆者の目はある貨車の床下に注がれる。
 その貨車はしばらく前に1輌5ドルで買ったもので、台車と連結器を替えて再デビュウさせたものだ。塗装の剥げたのも多少は修理してある。そして、床下にはネオジム磁石を強力接着剤で4個貼り付けてある。磁路を考え、下のほうに磁路が開放されている。 
 この貨車がネジ類を集めてくるのだ。筆者の方針として、下から差してあるネジはすべて鉄ネジを用いることにしている。めっきが掛けてあっても中は鉄でなければならない。要するに磁石による回収を考慮している。連結器取付ネジも同様だ。

 自宅のレイアウトで走らせたときは、驚いたことにスパイクが数十本くっついた。振動で緩くなっていたものが吸い出されたのだ。もちろんそのあとはより太いスパイクに打替えて現在まで無事故で来ている。

114_4515 先日は思わぬ事故もあった。鉄ネジだと思っていたが、それはステンレスのネジであった。多少塗料も付いていたのでわからなかった。ステンレスは磁石に付かないものが多い。
 それが脱落して、貨車の台枠が横ずれした。もう少しで大事故になるところであった。直ちに2本とも鉄ネジに交換した。

114_4516 線路から吸い付けられてくる鉄粉の量が馬鹿にならない。磁石に「まっくろくろすけ」のようにくっついている。磁路を形成してしまうと、効果がないので、定期的に取っている。粘着テープで取り除くのが簡単だ。
 レイルを磨いた時の粉塵であろう。その後の走行程度では減らない。鉄レイルは粉が回収されるが洋白レイルはどうなるのだろう。埃としてそのあたりに積もるのだろうか。ある程度の頻度で掃除機を掛けねばならないだろう。そうしないと短絡を生じるかもしれない。白く見えるのはニッケルメッキが剥がれたものだ。

2016年03月05日

信号機

114_4518 信号機の製作に掛かっている。分岐製作のメドがついたので、それに付随する分岐用の信号機を作っているのだ。仙台の今野氏にお願いして横フライスで土台部分を作って戴いた。自宅の縦フライスで作るつもりだったが、手順を考えると膨大な手間が掛かることがわかり、より簡便な横フライスによる方法をお願いした。

 確かに金のチョコレイト風である。卦書いてオプティカル・センタ・ポンチで中心にポンチ穴を打ち、ボール盤で穴あけをする。パイプを差し込んで、既製品の信号燈を付ける。配線をパイプに通さねばならないから、極細の被覆線を用意せねばならない。この既製品は協同ライト社製のものだ。

 長い方の台は、本線の閉塞信号機用だ。挽き物の土台とキャップを嵌めて、柱は出来上がりだ。信号燈の部分は腕で持ち出し、メンテナンス用の足場を付ければ出来上がりだ。細かくは作らないので簡単にできる。塗装は筆塗りで十分だ。

 助けて戴かなければ当分先延ばしになっていたと思う。ありがたいことに、このような助力の申し出がかなりある。ストラクチュアを塗ってあげようという方もいらして、本当に感謝している。

ladder with 3-way switch 側線は半分ほど出来た。三枝分岐は2回作り直したので、もうアゴが出ている。最初はひっかけて壊し、直したと思ったら、UP9000(6軸固定の機関車)が通らないことが分かった。仕方がないので、リード部分を伸ばし、右方分岐(この写真では左)に緩和曲線を付けた。
 さっさと諦めて、捨てて作り直した方がずっと早かっただろう。この写真では並べてみてアラインメントを見ている。すでに4つの分岐は完成していて、固定されている。レーザのおかげで、真っ直ぐであるから気持ちが良い。

 このような側線(ladderという)に信号を付ける時の規則がよくわからない。鉄道によってかなりの差があるようだ。要するに、運転時にどのポイントが開いているかがわかればよいので、勝手な規則を作ろうかとも思っている。 

2016年03月02日

Harmon の死去

 Harmon が死去したと、先ほど奥さんから連絡があった。

 実は昨日彼からのメイルで、「シカゴのショウに来るかい?またうちに遊びに来ないか。」という連絡があったばかりなのだ。すぐに返事を出して、
「いま博物館の建設で忙しいから今年は行けない。夏までには片付くから行きたいもんだ。ところでそちらはどうなんだ、奥さんと一緒に遊びに来ないか?」
と送ったばかりだった。

 先ほどメイルボックスを開けたら、奥さんから来ていた。
「大変なことになった。ハーマン が今朝3時に脳卒中で死んでしまった。とても残念だ。友達でいてくれてありがとう。」
 本当に残念だ。昨年のショウで賞を取って、満足だったようだ。その後、モータを換装するから、コアレスモータの良いのを紹介してくれ。」という打診があった。

 彼は筆者の3条ウォーム、Low-D車輪に興味があり、導入するつもりであった。地下には大きなスペイスがあり、そこにレイアウトを作るつもりで、図面を見せてくれたのだ。それはイリノイの田舎の実にのどかな風景であった。

 今度行くときには飛行機に乗せてもらう予定であったのに、それも叶わなくなった。

すっぱい葡萄

 コメントを戴いた中に、非常に興味深い一文があった。
「酸っぱい葡萄だと思うことで自分を慰めてしまう」とある。これは言い得て妙だ。

 イソップ童話にある文章を心理学者が引用した文章を取ったものだ。
 高い枝にたわわに実った葡萄を見つけた狐が、飛び上がってみても全く届かない。何度やっても出来ないので、「フン、あんな葡萄はどうせ酸っぱいのさ。僕はいらないよ。」と捨て台詞を残して狐は去るというお話だ。
 
 実はこれとよく似た経験がある。ある会場で3条ウォームの機関車が40輌ほどの貨物列車を軽々と牽いた。「すごいね。」と車輪を褒めてくれる人があり、その車輪をたくさん購入された。
 そうしたら、「あんなものは要らない。無駄だ。あそこまでやる必要はない。」 と言っているのが、どこかから聞こえてきた。

 その人は電車屋さんで、貨物列車には無縁の人だ。Low-D車輪は要らないのかもしれない。でも取り換えれば静かになるのだから、それはそれで価値がある筈なのだが、その意味を見出さないのだろう。ジャーという音を出して電車は走っていた。 

 趣味の世界では、人それぞれが持っている目標がある。筆者は、「走行性能を極限まで上げたい。本物のように走る模型が欲しい。」それだけである。何をすべきかを高校生の時から考えている。何十年か掛けて、一応やるべきことはすべてやってみた。できるはずだけどやらない、というのは嫌いだ。全部やってみた。
 その経験の中で、これはやっても無駄、金と暇を掛ける価値がない。しかしこの方法は何が何でもやるべきだ、という取捨選択ができて現在につながっている。 

 関節式蒸気機関車にはモータを2台取付けるというのは、不可欠なことだ。1台では、運転の面白みに欠ける。しかし、「そんなもったいないことをするとは・・・」というご意見もある。 

 車輪のフィレットを大きくするというのも不可欠なことである。これをやらないとたくさん牽けない。これは実験で確かめられている。しかし専門家の人は、ありとあらゆるチャンスをとらえて、理論的に間違っていると決め付けている。
 その人は本当に専門家なのだろうか。120輌の本物の貨物列車を急曲線で走らせている専門家なのだろうか。もしそうであるならご意見を傾聴したいが、とてもそうとは思えない。これも葡萄の話を思い出してしまう。 


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