2014年12月

2014年12月30日

Occupancy Detection

occupancy detection Occupancy Detection とは線路上のどこに列車が居るかを知るシステムであって、CTCには不可欠の要素である。今回のレイアウトは一望できるので、CTCは導入しないが、信号機は欲しい。
 DCCとの連動をすると面倒なことが多い。光による検出で、順次、赤、黄、緑と変わるものが欲しかった。よくあるのはタイマが付いていて、時間経過とともに変化していくもので、要するに止まっていても信号は緑になる。   
 それでは子供騙しのオモチャである。列車を検知しなければならない。列車の長さにはいろいろあるので、区間内にはいくつかのセンサを付け、どれかが検知すれば、働くようにしなければならない。

 どうしようかと思っていたところ、友人のNS氏が電子工学のプロで、しかもHOのレイアウトを作っている。見学に来た時に話を持ち出したら、すぐ試作機を作ってきてくれた。非常にうまく作動し、誤動作もない。光検出の場合は天井からの光などの干渉があり、誤動作しがちなのだ。光検知器には暗号を掛け、外光の影響を受けにくいようにしてもらったのが功を奏した。

 今アートワーク(プリント基板の設計)を作っていて、それが出来次第発注し、組み立てる。このレイアウトは4区間に分け、複線だから8セット必要である。試作が成功したので、NS氏はご自分のレイアウトにも取り付けることにした。
「博物館レイアウトでの作動状況を確認できれば、商品としても売れそうだね。」と言うと、とても嬉しそうだった。発売されるかもしれない。 

 問題はLEDの色である。信号機に適するLEDは意外と種類が少ない。緑は、道路の信号の青緑色はあるが、鉄道用の純緑が少ない。また橙色も少ない。選択肢が限られるので良いものが作りにくい。

 写真の1は赤外線発光部、2は受光部、矢印は受光を確認したときに点くLEDである。これが無いと赤外光でターゲットを狙い難い。

2014年12月28日

レーザ測距計

laser tape measure 長さ7.5 m の巻き尺を30年ほど使ってきた。アメリカ製で、インチとメートルの併記されているものである。とても便利で、家を建てるときにも活躍した。
 さすがに、あちこちが擦り減ってきて、動きが渋くなってきた。先日、中のスプリングが折れ、出し入れ不能になった。分解したが、修復不能であった。仕方が無いので、5.5 m のを買ったが、長さが足らないので、使いやすくはない。本当は10 m のものが欲しかったが、大きすぎて使いにくい。

 northerns484氏と作業しているときに、「レーザ式の測距計があるといいね。」という話題が出たが、高くて手が出せなかった。
 先日、通りがかりのホームセンタでそれを見つけた。4000円台で買えたのだ。ウェブ上での最安値は6000円ほどであった。「店長イチ押し」というディスプレイ台にあったのだ。20台ほどあったが、あっという間になくなった。その店ではいつも8000円ほどで売っていた。

 さっそく電池を入れて試してみた。素晴らしい精度で驚いた。サンプリング速度も大きい。10 m 離れての測定で、誤差は1 mm もなさそうだ。巻き尺の伸びとどちらが大きいだろう。繰り返し測定でも同じ数字が出る。巻き尺で二回に分けて測ると誤差は大きい。また、思わぬ計算違いもあって、失敗する可能性がある。現実に、以前のマーキングをこれでチェックしたところ、一箇所 1 m 間違っていたところがあり、冷汗をかいた。

 これを使えば、間に障害物があっても、基準のガラス面からの距離が直ちに出る。もちろんガラスには反射させるための紙を貼って、誤測定しないように気を付けている。
 斜めの距離も一瞬で測定出来るから、三角関数で角度も算出される。煙突などの高さを、ピタゴラスの定理で測定できる機能が付いたものもある。高級機には角度センサが装備されていて、一回の測定で高さ測定が出来るものもある。 また、測距離も大きい。エアコン屋が持っているのは、一回で面積を算出することが出来る。
 この機械の最大距離は15 m までだが、このレイアウト建設には十分だ。

ceiling height 立てれば高さも測定できる。自宅で天井高さを調べているところである。 

2014年12月26日

レイアウト

layout 博物館に設置されるレイアウトの路線図である。本当はもっと自由な配置にするべきだったのだが、既存の半径2800 mmR、2900mmRを使って作るという制約上、これ以外の方法がなかった。観覧者がレイアウトの外から見るわけであるから、周りに車椅子の通行スぺイスが必要で、階段を避けながら bent dogbone(犬に与える骨の形を曲げたもの) にすると、もうほとんどこの配置から動かせない。半径が決まっているのでSカーヴの位置関係も決まり、機関区との干渉を考えると、この形となった。Sカーヴの接続部には、緩和曲線と直線を挟んでいる。 この図の上半分の外周は半径が 3100R でテハチャピ ループとほぼ同じだ。 

 現場の数字を拾いながら、コンピュータを使って最大の可能性を探してくれたのは、
northerns484氏である。感謝している。

 建物は土地の形状に沿っているので、台形である。柱が内側に張り出しているので、この図で本棚、ショウケースに隙間があるところは、その柱である。

 階段に近いところは、レイアウトとの隙間が少ないが、路盤が高いので、車椅子に乗った人の肩の上を、路盤が通過する。際どい設計だが、実際にモックアップを作ってみると、不自然ではない。
 その部分は片持ちなので、厚い合板で作る。剛性は厚みの3乗の関数だから、12 mmと15 mmでは倍近い。剛氏の作業台コーナは階段の下に相当する。ここも路盤が近いが、高架部分で、ふつうの人の肩の高さであるから、何ら問題が無い。

 全ての中心、交点、接線の座標を算出して戴いたので、それを床にマークし、その上に路盤を組んでいけば良い。床のマーキングは基準点からの距離で表す。10 m以上もあるので、巻尺ではなかなか面倒だ。

2014年12月19日

開館予定

 いろいろな方から、開館予定日を聞かれる。実のところまだ決まっていない。

 当初は土屋氏の病状を考えてせめて11月までにと思ったが、9月に土屋氏がお亡くなりになってしまった。その後、突貫工事ではなくなったので、かなりの部分を丁寧に仕上げることが出来た。

 伊藤剛氏のご子息からはメイルを戴き、励まして戴いている。吉岡氏の奥様からもお電話を戴き、故人の業績を称えることを感謝された。もちろん土屋氏のご子息とも連絡を取って進めている。

 NMRCクラブ員にも助けて戴いている。重いものを動かす時など本当に助かる。大規模な合板貼りの工事の時は数人がお手伝いを申し出てくれている。4x8合板は大きくて重く、とても一人では持ち上げられない。



2014年12月17日

木工会社

 合板を切り抜かねばならないので、その種の作業をする会社を探していた。比較的近い所に、納得できる価格で請け負ってくれるところが見つかったので、工場見学をお願いしてみた。二つ返事で許可が出たので、さっそく出かけた。

CNC router これはコンピュータで指示した通りに動くフライスである。刃物はΦ12、Φ10、Φ6、Φ5、Φ3を使うことが出来る。Φ12の時の回転数は、2700 rpm だそうだ。径が大きいので、周速によって回転数が制限されるのだろう。
 切り抜くときは、何回かに分けて同じ軌跡をなぞる。一回で切ると、めくれ上がるのだ。材料は4x8の合板(1220 mm × 2440 mm)まで置ける。真空ポンプで吸着するのだ。動くところは見なかったが、どういうものかはよく分かった。
 刃物は二次元平面内を動き、軸を傾けることはできない。

cutting saw これはホームセンタなどに置いてある合板を切る鋸盤であるが、とても大きい。普通の物の1.5倍程度である。この工場では、合板を小売してくれるが、1枚に付き、5カットまで無料で切ってくれるそうだ。


gang drilling machine ついでに他の面白そうな機械も見せて貰った。これは孔空きハードボードなどの孔を開ける機械である。たくさんの合板を重ねて、1列20個以上の孔を同時に開ける。そして等間隔で送って、全体に孔を無数に開けるわけだ。このような機械を使っているとは思わなかった。
 この機械で全国の需要の半分近くをまかなっていると言う。左の方に完成品がある。

hydraulic press これは厚い合板を作るプレスである。普通の合板を接着剤で張り付けて、いくらでも厚くすることが出来る。これはある住宅会社に納品する耐力壁の材料で、30 mmの厚さのものを作っているところである。これをはめ込めば、筋交いは要らないわけだ。
 一回にたくさん作りたいので、重ねてプレスする。

2014年12月15日

シザーズ・クロッシング

scissors crossing この分岐はOJゲージである。相対する分岐がイコライズされていて、リンク機構で見事に切り替わる。
 リンクは実物を縮小したもので、ややこしい形をしているが、実に手際よく作られている。

links 拡大するとこんな形である。この形は最近はあまり見なくなった。昔は主要駅の構内には必ずあった。


 このシザーズ・クロッシングが何のために作られたのかは、はっきりしない。これほど精魂込めて作られたものなのに、クラブ員の誰も、その存在を知らなかった。
 博物館に来た時は埃だらけだったので、よほど古いもので、Sゲージではないかとさえ思われていた。丁寧に埃を取ると、プラスティック枕木を使用してあることが分かり、シノハラのSゲージ用フレクシブル・トラックから作られていることが判明した。

 剛氏の細密工作が施された瀬戸電の一群を運転するためだろうか。それにしては分岐の番手が大き過ぎる。開館後に、訪問者による解明がなされることを期待する。

 
  



2014年12月13日

San Francisco Overland

SFO Overland Ltd この絵は30年ほど前、K君が描いてくれたものだ。当時、80坪の部屋を格安で借りていたことがあり、Oゲージの運転会をした。彼は筆者の重連を見て、描きたくなったのだ。資料として、”Sherman Hill” という本を渡し、その中の写真を元に構成してくれたものである。

 博物館建設を機会に新しい額に入れて、キャプションも更新して、飾った。照明の関係で、色再現が良くないが、実物はすばらしい。

 1946年当時、ヘヴィ・ウェイトの客車を中心に構成された特急で、重いので重連で牽いていた。すばらしい光景であったろう。Tom Harveyのお父さんが機関士をしていたはずである。
 この列車は、27列車と言う番号が振られている。1-27というのは、その第一セクションである。すなわち、続行運転をしていた。2-27とか、たまには3-27もあったらしい。列車間隔は30分程度だと聞いたが、詳しいことはわからない。
 当時は対日戦争が終了したばかりで、西海岸までの旅客需要が非常に多かったので、このような運転形態を取った。 

 キャブの側壁最後端にはスモーク・シールドが付いている。Smoke Shieldとは、煙突から飛び出す不完全燃焼の石炭ガラがキャブ内に巻き込まれるのを防ぐために取り付けられた板である。キャブの天井には三重に付けてある。
 筆者の機関車にも付いている。展開図は扇形の一部で、正確に切り出して作るのは、むずかしい。筆者は帯板を丹念に叩いて片方だけ伸ばし、屋根にぴたりと合うように円弧を作った。
 加工硬化しているので、重い機関車を天地逆に置いても、シールドが曲がることが無くて、好都合だ。もちろん、屋根の孤に合わせて、隙間なくハンダ付けしてある。

 1948年ころにはかなりの機関車から、シールドが外されている。炭鉱ストで重油焚きに改造されたからだ。重油を燃やす時にはシンダが発生しない。



2014年12月11日

Nickel Plate

transition 博物館の床はタイル・カーペットを張った。トイレの床はセラミックタイルである。見切りをどうするかは、悩むところである。”見切り”とは床や壁、天井などの材質が変わる部分、あるいはその処理をする部材のことである。英語では、"transition"(移り変りという意味)という。建築士はアルミ製の専用素材があるから、それを使うように勧めてくれた。アルミは擦れて地金が出ると面白くない。

nickel plate 倉庫を探すと、ブラス製のいわゆる”ノンスリップ”が見つかった。それを切って、高さをフライスで削り、よく磨いた。透明樹脂を掛けて取り付けるつもりだったが、たまたまやって来た友人が、「めっきを掛けると良い。光沢ニッケルはいいよ。」と勧めるので、頼んでしまった。

 硬質ニッケルなので、ヤスリが掛からないほど硬い。長持ちするだろう。ぴかぴかでとても美しい。価格はちと高かったが、すばらしい。

tool rack これは筆者の工具掛けである。たまたま筆記具(ボールペン等)のラックを捨てずに取ってあった。おそらく、買えばとても高いものであろうと思う。アクリル板を細かく切って貼り合わせ、深めの小箱がたくさん連なっている形状だ。販売促進品らしく、メーカが持ってきたのが放置されていたのだ。洗って埃を取ると美しい。何を入れるか、半年ほど迷ったが、結局のところ、工具ラックにした。
 筆者は右利きなので、工具を入れると右に傾く。取るときも都合がよい。

tool rack 2 会社の名前を消しておいたが、横から見ると、このような形をしている。車が付いているので、そのまま引っ張って行けるから、都合がよい。電動工具を入れる専用ラックも用意したが、重くてとても動かす気にはならない。
 
 伊藤 剛氏は全ての手工具を自家製のラックに入れていらした。どの工具も斜めに収められ、取り出しやすく工夫されていた。また、ターレットを備えて、くるくると廻して目的物を取りだすようになっていた。それは鍋のふたで作られているところが面白かった。それらは展示する。


2014年12月09日

雑誌の収納

magazines 日本の雑誌とは異なり、アメリカの雑誌は柔らかい。本棚にぎっしり詰めないと立たない。さりとて、ぎっしり詰めると取り出せないし、出すとき雑誌が傷む。

 今回の書棚には合本やファイルに入れたものを立て、そうでないものは平積みにすることにした。年度別に積んでおけば、わかりやすい。幸い、このような棚がたくさんあるので、かなりいろいろな雑誌を積むことができる。
 MRはしばらく前から、紙の号が無い。と言っても、印刷して並べるということもできない。

Bookend このBookendの評判が良い。アメリカで、熔接の練習をさせて貰った時の作品である。UPの本線用のレイルの輪切りとスパイクを鉄板に付けただけである。
 これをこの博物館の土産品として作れば、運営費の足しになると言う人もいる。このレイルを切る作業はなかなか大変で、あまりやりたくない。

 立っている本は、ディズニィの大好きな汽車の話である。彼は自宅の庭にライヴスティームの鉄道を持っていたのである。その詳細な解説の本で、読んでいて楽しい。


2014年12月07日

組立て式線路

completed track with roadbed 組立て式の線路は、土屋氏と筆者のを合わせて大半が揃っている。緩和曲線もあるので、比較的簡単に完成できるはずだ。写真は全体の1/3を写したものである。
 全て饋電線が付いている。色は統一する予定である。

 カントは緩和曲線の中で付けられる。本当は直線部でカントが始まり、緩和曲線の部分はカント付きにしたかったのだが、いろいろな点で困難でやめてしまった。

 今回のレイアウトはS字カーヴが多いので、その処理には神経を使った。緩和曲線があっても、二つの相反する曲線が一点で接すると、脱線しやすい。最低限客車1輌分の直線を入れるべきである。縦曲線も十分に滑らかに繋がれねばならない。

 角スタッドが軽い材料で、共振するのではないかという御心配も戴いている。線路の下には軟質プラスティックの制震材が貼ってあるし、フェルトで振動を絶縁しているので、高周波は遮断されるはずだ。

 中に砂を詰めればOKという話もある。砂を入れるにしても半分も入れることはないだろう。少しでも入って、壁に触っていれば制震材としての効果はあるだろう。発泡ウレタンのスプレイも、バッタ屋で安く手に入れることが出来るので、それを詰めてもよいだろう。いずれにせよ、共鳴音がうるさかったら、の話である。


2014年12月05日

Joist

 レイアウトを載せる鉄柱と梁の上には joist(小梁)を載せ、15 mm合板を張る。ジョイストはビームともいう。曲げに対して十分な剛性のある材料を探していた。スパンは 2 mだ。軽量鉄骨で剛性のあるものは重い。すなわち高価だ。

Layout Frame Section 既存の建物を仕切る壁を作った時、軽量の角パイプ(商品名:角スタッド)で骨組みを作った。その角パイプを使えないか、テストしてみた。断面は45×65 mmである。肉厚は0.55 mmだ。側面にわずかの絞りがあり、バックリングを防いでいる。
 そのテストでは、1本をスパン2 mで支えて、筆者の体重72 kg を掛けたとき、撓み量は4 mmであった。押しつぶされて、平行四辺形になってしまうのではないかという懸念があったが、まったく問題ない。切れ端を、直角方向に置いて支えに使えば、押しつぶされることに対抗することも容易だ。複数を平行に置いて厚い合板を載せ、150 kg載せると、撓みは 3 mmであった。
 孔をあけるのは容易で、テーパ・ドリルを使えば数秒で直径12 mmの孔をあけることができる。中がつるつるなので、切り粉は切り口から簡単に吸い出せる。
 
 これを300 mmピッチで置くと、かなり剛性の高い路盤が出来る。合板とは、コーススレッドを使って訳なく結合できる。下穴も要らない。

 木製の架台を作ることに比べると、作業量は1/10程度になるし、一人でもできる。また価格も非常に安い。4 mのものが1本600円ほどである。この剛性がこの値段で買えるのである。木製にすると数倍以上掛かるだろうし、経年変化で徐々に垂下がり、路盤が波打つようになる。長年レイアウトの架台は木製ということになっていたが、その呪縛から解放される時が来た。通電するから、それを逆手に使ってアースとする方法もありそうだ。

 切断は丸鋸で行う。最近は木材のみならず4 mm厚の鉄アングルも切れる刃があるので、それを使っている。切り粉が飛ばないように丸鋸にゴムボールを挟む方法がDIY雑誌に紹介されている。切り粉の処理のしやすい環境で作業し、衣服はよく払い、磁石で調べる必要がある。切り粉は尖っていて危ないから注意する。

2014年12月03日

複々線の路盤設計

2-track roadbed 複線の本線が、ホースシュウ・カーヴを描く場所がある。往きと還りで複々線になる。そのうちの2800R、2900Rの路盤付き線路はすでにあるのだが、3000Rと3100Rを作らねばならない。小さい二つの半径の路盤は写真のように重ねられる(stackable)設計で、可搬式組立て式レイアウトであった。それを半固定式にしてしまうので、隣に来る路盤はこの線路と同様なカントを持たねばならない。カントの勾配は3%ほどだ。
superelevation この写真の作例では、合板の路盤上に断面が三角のカント板を貼っている。非常にめんどうな工法だ。

frustum surface 製作を簡略化するためには路盤自身を傾けてやれば良いのだが、その路盤の展開図の半径は線路半径より微妙に大きくなる。非常に浅い円錐面になるが、作図して計算すると、3000Rであれば1mm強大きくすればよいことが分かった。路盤幅も微妙に広くなる。それで決まりかと思っていたが、数学の専門家に会った時に、線路図を見せたところ、「勾配が付いているのを忘れているのではないか?」という指摘を受けた。
螺旋の一部であるから、平らにすると多少半径が大きくなるよ。」と言う。

「これは普通の幾何学では計算できないけど、僕の専門分野だから計算してあげよう。」と言ってくれた。3日後に、数値を入れた結果を戴いた。空間曲線曲率という概念だそうだ。見たことが無い数学記号がたくさんあった。螺旋に内接する円をたくさん描いて近似する方法である。詳しく説明してくれたのだが、ほとんど理解できなかった。
 1.5%の勾配だと、3000.000Rが3000.675Rになるそうだ。カントによる効果の方がずっと大きい。施工の時の誤差の方が、さらに大きいから、こちらの方は無視できるだろう。

 この数値を入れた図面を作り、NCフライス工場に頼めば一応は準備完了だ。

2014年12月01日

図書の移動

 博物館に出かけるたびに、自宅地下室から雑誌、書籍を移動している。1回に20 kg程度運ぶ。それ以上運ぶと体にこたえる。もう10回以上運んだ。
 古いMRやMRC、Trains、O Scale Newsなどは軽いものである。ロコサイクロとか写真集は、腰が抜けそうに重い。40年以上にわたって買い集めたものである。今までは地下室の線路下に間口8mほどの棚があって、そこに入っていた。本棚は普通のでは壊れてしまったので、硬い材料で自作した。一番贅沢なのはチーク製である。インドネシアに親戚が居たので、引っ越し荷物と一緒に厚板を何枚か送ってもらったのだ。日本で買ったら、目が飛び出すほど高かったに違いない。 現地ではドブ板であった。
 半年以上、雨ざらしにしてから、友人の経営する製材所で挽いてもらった。友人はその贅沢さに驚いていた。細かい切れ端も、枕木として全て有効利用した。

Cyc's ロコサイクロ Locomotive Cyclopediaは、戦前のもの3冊がある。すべて本物である。カーサイクロ Car Cyclopedia は戦前のもの2冊と戦後のもの1冊である。40年版は復刻版である。二つが合併したものも2冊ある。これらはアメリカ在住の時に手に入れたものが多い。戦前のものは、古くてバラけたのを三分冊に製本し直したものを、高橋 淑氏からお預かりした。大切にしたい。
 これだけそろっている場所は少ないはずだ。旧帝大や、古くからある工業大学の工学部にはかなり揃っているという噂もあるが、見たことはない。アメリカの大学の工学部には数冊ずつあった。

 本を探しに来るだけでも価値がある博物館のはずである。

 先日、転車台の座標を確認した。入口に近いので、入った瞬間に目に飛び込んでくる。


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