2013年06月03日

2013年06月03日

伊藤剛氏を訪ねて

 伊藤 剛氏は今年92歳である。 名古屋郊外の知多市で、定年後は長らく郵便局を開いていらした。最近完全に引退して、川崎の高層住宅に引っ越されたのだ。遊びに来るようお手紙を戴いたので、早速お邪魔した。

 近くに息子さんご夫婦がいらっしゃるが、「独居老人ですよ。」とのことである。電話を掛けるときは、「ベルが20回鳴るまで待ってくれ。」とのことであったが、3回で出られて驚いた。

伊藤 剛 しばらく前、叙勲されたそうで、皇居での出来事を面白おかしく話された。天皇陛下が、たくさんの受賞者に挨拶されたとき、わざわざ近くに歩み寄られて、「ご苦労様でした。」と声を掛けられたのだそうだ。どうしてだろうかと考えたところ、その回の受賞者の中で最年長であったからだそうだ。それ以外の理由は無いとのこと。


 伊藤剛氏は名古屋出身で、日本車輌で設計の最先端にいらした方である。名古屋模型鉄道クラブの発足以来65年の会員歴をお持ちである。170号くらいまでのTMSの記事には、ほとんど毎号伊藤剛氏の談話、アイデア、作品が載っている。その後はTMSとの関係が疎遠になったが、25年ほど前から関係が修復され、次々と秀作が発表されている。類稀なるクラフツマンで、モータの製作などお手のものである。
 瀬戸電の単車の記事は、筆者の個人的な評価では、日本の模型工作記事の最高峰ではないかと思う。走りは素晴らしい。小さな電車が大きな慣性を持ち、ゆっくり起動しゆらゆらと車体を揺らしながらゆっくり止まる。どこにもボールベアリングなど使っていないが、素晴らしい設計で慣性の表現を実現された。
 さまざまなアイデアを出され、この国のみならず世界の模型界にも影響を与えた方だ。語学に強く、英語のみならず、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語もかなりおできになる。TMSの外国の情報紹介の記事は大半が伊藤剛氏の翻訳の要約である。山崎喜陽氏は、その記事群に伊藤剛氏の名前を出していない。

 若い方は、伊藤剛氏がどんな方か知らない人がほとんどであろう。栗生弘太郎氏がブログで作品の一部を紹介されているので、是非ご覧戴きたい。  


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