2013年02月

2013年02月28日

続々 New Orleans へ

New Orleans956 町並みはこのような調子で、バルコニィ・デッキの付いた3階建ての家ばかりである。

7 これは古いビール工場であったが、現在はショッピングセンタになっている。



2 あちこちにライヴ演奏をしている小屋があるのだが、どれもこれもやかましく、酒とたばこの煙で充満している。この町ではビール瓶を持って歩きながら飲んでも良いらしい。歩きながら煙草を吸うことも許されているらしい。昔住んでいた町ではいずれも厳しく禁止されていた。

34 初めは石膏の像だと思っていたのであるが、前の人が通り過ぎる瞬間にこの白い像が動いて肩を叩いた。叩かれた人はとても驚いて廻りを見廻すが、まさかこれが生身の人間だとは思わないので、不思議なこともあるものだと行ってしまおうとする。そうするとまた、肩を叩くのである。とても驚いて、面白かった。
 筆者が遠くから見ていると、何人もひっかかって驚き、相応のチップを置いていくので、かなりの稼ぎである。1ドル置いてうんと近接して撮ったが身動き一つしない。鼻の穴の内部は白くなかった。
8 去り際に、このように会釈した。

2013年02月26日

続 New Orleans へ

Street car in New Orleans4Street car in New Orleans5 どの写真も台車がはっきり写っていない。道路工事中で渋滞に引っ掛かって、イライラしながら窓から撮った写真である。軌間が広いので内側台車である。モータを収容するスペースは十分であろう。

Street car in New Orleans6 線路はこの通りにも入っていく。このあたりはこの町の一番の繁華街である。鋳鉄製の装飾の付いたバルコニィがある。きれいな通りなのだが、水害がしょっちゅう起こるので、一階にはあまりめぼしいものがない。

New Orleans この通りにはジャズの生演奏を聴かせる店がたくさんある。どの家も装飾付きバルコニィが飛び出しているのが特徴である。泥棒に入られやすいのではないかと心配した。


Hustler Shop その道では有名な男性誌の”Hustler"はこの州で生まれた。この町には直営の店がある。売っているものはきわどいものばかりであるが、女性客がたくさん入って品定めしているのには、少々驚いた。

2013年02月24日

New Orleans へ

113_6927 GM&O駅の裏はヤードになっている。昔は客車列車が進入してきたのだが、現在では廃車置き場になっている。この荷物車がちらりと見えた。Southern 鉄道の色だ。本物を見るのは初めてだ。かなり悲惨な状態だが、ありし日の様子を留めている。

 これを見て、一路西に向かった。New Orleansの発音が知りたかったのだ。昔読んだヒルヤーという人の「世界をまわろう」という本には、ニューオーリーンズという発音とニューオーリヤンズという二つの発音があると書いてあった。50年以上前のことであるがはっきり覚えていて、確かめたかった。
 聞いたところでは後者が圧倒的に多い。ラジオでは前者もある。早口ではヌリャンズとも聞こえる。文字通り「新しいオルレアン」で、フランスの地名である。
Street Car in New Orleans この町には市電がある。その軌間はこれまた広く1588 mm もある。5ft 2-1/2インチである。車体の幅に近いので、とても転びそうもない感じがする。この軌間をPennsylvania Trolley Gaugeという。この写真はWikipediaからお借りしている。


Street car in New Orleans2Street car in New Orleans3 これらは筆者が撮ったが、暗くてうまく撮れなかった。感度を6400まで上げている。軌間が広いので台車は内側台車である。
 この地は水害が多いので、地下鉄は作れないから市電が健在なのである。一般家屋も地下室の建設は禁止されている。
Desireジャンバラヤ 昔一世を風靡したマーロンブランドの「欲望という名の電車」”A Srteetcar named Desire”で有名になったDesire通りに行くまでもなく、たまたま腹が減って入った店がDesireというレストランだった。
 ジャンバラヤを食べた。トマト風味のリゾットである。シーフードが入っていて、タバスコが効いているという感じだ。安くない。家で自分で作ろう。この緑のソースはハラペイニャという香りの高いトウガラシ抽出物で、タバスコより辛い。たくさん掛けて、口から火を噴いたら、冷たいビールを飲む。

2013年02月22日

続 Mobile の GM&O 駅

Segregation lines 現在は2階以上が事務所として使われている。1階も貸したいらしいが、例の浸水以降、誰も借りる人が居なくて困っている。
 実のところ、筆者はこの建物が博物館であると信じていたので、入って見ると守衛が居て、「何の用か」と聞く。
「実は私は日本からこの建物が博物館だと信じて来たのですが、差し支えなければ中を少しだけでも見せてくれないか。」と頼み込んだ。
 

Wing for whitessegregation lines 2 守衛は、「日本から来たのか、そりゃ残念だったね。この建物は博物館ではない。単なるオフィス・ビルディングだけども、1階は空き家だ。構わんから、見たければ見て行け。」と言ってくれた。
 喜んで中に入れてもらい、あちこち写真を撮っていた。すると、いつの間にか守衛は背後から話しかけてきた。
「この2本の線を見てご覧よ。これが何か分かるかい。Segregation Linesだよ。」
 セグリゲイション・ラインとは人種隔離政策による境界線のことである。駅の玄関は二つあり、向かって左は白人用、右は黒人用である。中に入ると、大広間の大理石床の中央に2本の線があり、白人用と黒人用と仕切られていたのだ。柵があったわけではないそうだ。広間を中心として、右の黒人用の領域にはなかったが、左の白人用の部分にはかなり立派な食堂が併設されていた。

waiting room for blacks 列車は黒人用の車輌と白人用の車輌が連結されていた。そして特急列車には黒人は乗れなかったのである。だから最初に紹介したGM&Oの特急の航空撮影で、黒人の刑事が乗っているのを望遠レンズで捉えたのは印象的であった。一部の鉄道は黒人の特急乗車を認めていたが、荷物室に併設した座席車のみに限るなど、厳しい付帯条件を付けていたらしい。だから必要もないのに Combineをつないでいたりする。 コンバインとは荷物室と座席との合造車のことである。

 公民権運動の高まりと、鉄道の斜陽が同時代であったため、その種の差別は急速に姿を消してしまった。しかし、この駅の線だけは消されることなく、差別の歴史を訴え続けている。

2013年02月20日

Mobile の GM&O 駅

GulfMobileOhioRR もうずいぶん古い映画になってしまった。Sidney Poitier シドニィ・ポワティエ 主演の「夜の大捜査線」"In the Heat of the Night"を1968年に見た。黒人差別のひどい南部にフィラデルフィアから黒人の敏腕警部がやって来るが、たちまちよそ者の黒人は逮捕されてしまう。しかしその能力に驚く南部の警察署長は捜査に協力せざるを得ず、難事件を解決していく。そして最後はGulf, Mobile & Ohio の赤い特急列車に乗って去って行く、という話なのだが、このGM&Oの赤い特急が走る場面を空撮している。その場面が目に焼き付いて、ビデオを借りて何度も見た。

 GM&Oは1972年には Illinois Central Railroad に吸収され、現在ではCanadian National Railwayになってしまったらしい。 筆者とは全く縁のない地域の鉄道であったが、この映画を見たために、かなり深く印象が残った。それで、一度その場所に行ってみたいと思っていたのだ。
 しかし、Alabamaは遠く、25年前に北のはずれをかすめた程度で、深南部には行ったことがなかった。今回フロリダに行ったので、少し足を延ばしてMobileの町に行ってみた。 
 ここには1907年建設のGM&O駅がある。北の方から真っ直ぐ南に向けての終着駅である。Mobile湾に面していて、昔はここが実質的にアメリカの最南端であった。

Slave Market 3Slave Market 2Slave Market Mobileの町にはアメリカで最後の奴隷市場があった。1859年に最後のセリが行われたらしい。その場所がそのまま残っている。この町ではたびたび浸水騒ぎが起きている。数年前の台風の時は、この駅のあたりで1m半程度の浸水があったという。

GM&O TermnalGM&O Termnal 2GM&O Termnal 3 GM&O Terminal はすでに博物館でも何でもない建物であるので、GPSのリストにも載っていなかった。仕方なく、線路がたくさん表示されている方向に車を走らせて、見つけ出した。壮麗な石造りの建物である。

2013年02月18日

等角逆捻り機構 総括

 長くなったので、このあたりで総括する。やや表現が硬いが、ご容赦願いたい。

ロンビックは等角逆捻(ひね)り機構の一つに過ぎない
 1996年に出羽文行氏により発表された時点においては、その理論的解明がなされていなかったので、これが唯一の解であると信じられていた。
 2009年に伊藤 剛氏により、交差フカひれ型イコライザが、等角逆捻り機構の他の解であることが示され、他にも解があることが示唆された。その一案として、歯車による方法も示されたが、バックラッシの大きさが、無視できないので、それは採用できなかった。
 他の方法はリンク機構によるもので、ガタを極力少なくすることで目的を達することが出来た。交差フカひれ型はそのリンク機構の一つの例である。

等角逆捻り機構は制御された2点支持である
 2軸台車を見れば分かるように、台車ボルスタは自由回転し、安定しない。それを台車の捻りに因っても動かない車軸中点に掛かる支えで固定すれば、転ばない。電車などはその2軸台車を2組持ち、互いに相手に乗り掛かっているので転ばない。

模型の車体は剛性が大きいので捩(ねじ)れない。すなわち等角逆捻(ひね)り機構が無いと、大きな捻りを逃がすことができない
セミトレーラのサスペンション この図に示すように、セミトレーラのトラクタ部分を外すとトレーラは傾く。これが傾かないようにするには同じ高さの台車が必要である。 しかしそれでは二つの台車は捩(ねじ)れないから不整地に置いた場合には、各車輪に掛かる重さが異なるはずだ。
 ところが現実にはトレーラは容易に捩られ、安定化する。一方模型は捩られにくいので、何らかの機構で捩りを逃がし、しかも車体は台車の捩られた量の半分まで回転することが望ましい。
 実物の車輌は捩れやすい。先日近所で電車の脱線事故があった。砂利に乗り上げた車体は見事に捩れ、ドアが開かなかった。

イコライザは仕事をしてはならない
 台車の捻りに因って車体が所定の角度捻られても、その結果車体の重心が上下することがあってはならない。また、イコライザ自身が上下することに因って仕事をすることがあってはならない。
 ある程度の質量を持つイコライザの上下による仕事をキャンセルするためには、カウンタ・バランスあるいはバネによる補償機構が必要である。(ここで述べる「仕事」とは、物理的な仕事のことである。)
 

2013年02月16日

続々々々々 ロンビック・イコライザの幾何学

clinic4「全てのことは出羽文行氏、内野日出男氏、前田昌宏氏、伊藤剛氏、栗生弘太郎氏によって開発、解析されました。私はそれらをまとめてコンシールドした物を作ったのです。」と言うと、
「それが大事だ。総合的に全ての原理をまとめて製品化するのが最も重要なんだ。」と言う。

 随分褒めてもらったので、ニュートンの言葉を引用してこう述べた。
”I was standing on the shoulders of giants."(幾多の巨人の肩の上に乗って(遠くを見た)。)
 途中まで言うと、それを聞いていた3人が唱和した。これは有名な言葉だからだ。アインシュタインもこの言葉を使った。学問(業績)は多くの研究の蓄積の上に成り立つという意味である。ノベール賞受賞者がこの言葉をよく使う。

 この講演で、聴衆が比較的少人数ではあったが、かなりレベルの高い人たちであったので、非常に深く理解されたと感じた。また日本の模型技術(技能ではない)が高い、ということも印象付けられたと自負する。

「これをYoutubeにupせよ。」とか、「MRに載せろ。」という提言を戴いている。いずれまとめて、発表したい。

 最後に、「脱線しにくいだけではない。集電が飛躍的に良くなる。」と言うと、
「最も大事なことだ。それを強調すべきだ。』と言う。

 筆者は今年もテーブルを購入していたので、講演参加者の友達が何人もやってきた。何度も再演して見せた。
 今年は売るべきジャンクがほとんどなかったので、テーブルを購入しても無駄かと思ったが、こういうときには役に立つ。売れた細かいジャンクの価格で、テーブル代がちょうど払えた程度のことだ。

 古くからの友人たちも、テーブルを持っていれば立ち寄ってくれるので、そういう意味では価値がある。
「来年は何をやるのか?」と聞かれるのだが、次の新しいネタがあるわけでもなく困っている。

 所属クラブの来年の競作の「お題」が決まったので、新しいアイデアを盛り込むつもりだ。開発に成功すればそれを発表できないものかと思っている。

2013年02月14日

続々々々ロンビック・イコライザの幾何学

「伊藤 剛氏がこの機構を考案したのは3年前で、現在92歳である。」と言うと、皆ホーッという顔をした。どういう人なのだと聞くので「中学生のころに8mmゲージの列車を作り、コンテストで一等になった。戦後は1950年頃NMRAのBulletin(会報 )にたくさん名前が載っている。」と言うと、「Phenomenon(天才)だね。」ということになった。
伊藤 剛氏 写真は剛氏が作られた荷物電車の床下の交差フカひれ型イコライザを説明しているところ。それを持っているのは筆者。見ているのは鹿ケ谷氏と今野氏。手前の車輌群は全て剛氏の作品。 2012年4月8日 鈴木茂臣氏撮影

 ここでロンビックの効果と交差フカひれ型の効果が同じであるけれど、全く異なる概念から出発していることを明確にした。交差フカひれ型は、二つの台車の傾きを前後で均等になるようにするという目的のためだけに存在する。だから、他の方法もありうることを強調したのである。
「例えば?」と聞くので、「高級過ぎるけどもセンサとサーボモータで、台車の捻られ方が均等になるようにするとか…」と言うと、
「そりゃだめだ。これが良い。」ということになった。

「床下に大きな板がぶら下がると、その質量で、ある方向に捻られやすくなるから、なるべく軽く作るのが良い。私のは中空パイプで軽量化してある。でもまだ重いから、バネで重さを補償せねばならないのです。」
「上から吊るのか?」
「いや、パイプの中にトーション・バァを通してトルクを掛ければ良いのです。」
このアイデアには皆驚いた。
「究極のパッキングだ。それ以上詰め込めない。お前はplogidy(天才)だ。」
ここまで来るとお世辞でも気持ち悪い。

113_6882「この貨車は上にかぶさっているからメカニズムが見えないが、うまく小さく作ればゴンドーラ(無蓋車)にも付けられるぞ。小さい荷物の箱で隠せばよいのだ。」というアイデアも戴いた。

 ほとんどの人が写真を撮って行ったので、きっと来年にはかなりの数の作品が出てくるだろう。

《追記》  brass-solder氏が早速トーション・バァによる重力補償を実現された。コンパクトで簡単な方法である。
Gキャンセラという名前を付けられたので、それを採用したい。 2013年2月16日


2013年02月12日

続々々 ロンビック・イコライザの幾何学

clinic 3「考案者は日本人で、Mr.Dewaである。」と言うと「なんだお前じゃないのか。」と言われた。Patent も出願されていると言ったら、
「そりゃそうだろうが、このアイデアが売れるかどうかは何とも言えない。」と懐疑的である。
「必ず4支点を同一平面に置いて、ガタが無いようにせねばならない。」と言うと、
「工作がむずかしい。」という評価であった。

「片持ちはお前の発明だろう?」と聞かれたので、
「これもMr.Dewaによる。」と言うと不思議そうだ。
「こちらを特許出願すべきだった。」と言う。 
同じ効果なら、より簡単な片持ち式が良いという意見が大半だった。

clinic 2 等角逆捻りの機能さえあればよいのだから、他にもアイデアがある。と伊藤剛氏のアイデアを、今野氏が16番で作られたものの写真を見せた。これには、会場がどよめいた。
「Dr.Konnoは本当に医者か?模型屋じゃないのか。」という質問に、
「どちらとも決めかねるお人です。」と答えると爆笑した。

clinic 1 そして、最終的に筆者の作ったコンシールドタイプである。
最初は皆、
「これはいったい何?」という顔をしていた。
作動させると、「これは面白い」ということになった。みんなで順に触って、動作を確かめる。
不思議そうな顔をしているが、理屈が分かった途端に晴れ晴れとした顔になるのが見ていて楽しい。
 
 二本のロッドの先端の噛み合いはボールとソケットになっているのが分かると、
「凄いアイデアだ。日本には天才がたくさん居る!」
と叫んだ。

2013年02月10日

続々 ロンビック ・イコライザの幾何学

800px-Reliant_Robin_Green800px-Goliath-Dreirad_Pritsche 今回の講演では3点支持の不利な点を挙げた。 この緑の車はMr.Beanで良く出てきた。ひっくり返る場面も記憶にある。この車を写し、「これって安全ですか?」と聞くと「極めて危険だ。ひっくり返る。」と言う。イギリス人もいたので、より詳しく説明してもらった。"stupid car(馬鹿な車)”とまで言う。もう生産停止になったそうだ。次のオート三輪はドイツ製のようだ。日本の写真が見つからなかったのでこれを使用したが、国産車がカーヴでひっくり返ったのは見た覚えがある。

 しかし、三輪車が全て危ないかと言うとそうでもない。

800px-Messerschmitt_KabinenrollerMorgan_3-Wheeler_193Xこれらの写真を見せると場内は興奮した。「オッ、メッサーシュミットだ。かっこいい。」「モーガンじゃないか。凄い車だ。」と絶賛の嵐である。
「前一輪であると具合が悪くて、後が一輪だと問題ないのはなぜか。」と問うと、
カーヴで重心が三角からはみ出すからだ。ブレーキを掛けると余計にはみ出しやすいと言う。
「それならメッサーシュミットを高速でバックしながらステアリングを切り、ブレーキを掛けたらどうか。」と聞くと、「そりゃあ、ひっくり返るさ。」と言う。

 ここで鉄道車両を引き合いに出した。
「鉄道車輌はどちらにも高速で走るが、向きによって安定性が異なるとまずいよね。」
「そりゃそうだ。」
 そこで4輪カブースの話をしてくれる人がいた。三点支持にすると、走らせる向きによって脱線しやすいという証言だ。
 鉄道車輌は等方性(筆者の造語で、どちらにも同じ性質を持つこと。もともとは化学用語)を持たねばならない。
英語ではBi-Directionalと言うことにした。

「でも無理だよね。」という雰囲気が漂ったところで、ロンビック・イコライザの登場である。幾何学的な証明をして、現物を紹介すると、場内に衝撃が伝わった。
 作るのがとても面倒であるから、と片持ち式の台車を見せると、あまりよくわからない様子である。菱形を描いてやるとよくわかったようだ。見えない菱形が見えたのだ。これは作り易くて良いと評判だ。
「ひとつ無くしても良いのか!考えた奴は天才だ。」

2013年02月08日

続 ロンビック・イコライザの幾何学

ロンビック、片持ちロンビック、三点支持 今野氏のお作りになったロンビック・イコライザの作例をお借りして持って行ったので、出席者はそれを手で触って実感した。この作例は昨年のJAMでのデモ用に製作されたものである。それを少々手直しさせて戴いて、持って行った。

通常の台車の加工片持ち台車 それ以外に、栗生氏の説明の中にもある台車のボルスタに支えを付けたものも持って行った。これが意外と評判が良く、「面白い!」ということだった。片持ちだと三角型にしかならないと思われるかもしれないが、その三角形は菱形の半分であり、左側は無いように見えても、実は存在している。その三角形は右の三角形と同一平面にあることは自明であろう。3点支持が二つ(見方によっては四つ)在って、それらが同一の平面上にある、すなわち4点支持になるというところがこの工夫の妙である。

片持ちロンビック片持ちロンビックの裏側 もちろん片持ちの方には裏からも支えが必要である。これが無いとひっくり返ってしまう。
 これら二つの作例をご覧戴きたい。この二つは等価である。台車枠そのものをイコライザとして使っているか、台車枠の中にイコライザを仕掛けただけなのか、の違いである。

2013年02月06日

ロンビック・イコライザの幾何学

Mid-Point 栗生氏の証明に沿って説明しよう。中学校の幾何の時間に、中点連結定理というのがあった。三角形の二辺の中点を結ぶと底辺に平行になるというものだ。これは簡潔明瞭な定理であって、証明は容易である。



Mid Point 2 今度はその三角形の底辺同士を重ねて任意の四角形を作って見る。すると中点を結んだ線分同士が平行になる。要するに任意の四角形の各辺の中点を結ぶと、必ず平行四辺形が生まれるというわけだ。見方を変えれば、四角形の対角線と、それによって二分されて生じる三角形の中点連結線分は平行になるということである。もう一つの対角線についても全く同様であるから、必然的に平行四辺形が生まれることになる。

中点連結定理 それを捻(ひね)るとどうなるかという図がこれである。平行四辺形は微妙に長さが変化するかもしれないが、存在し続ける。対辺が同じ角度だけ捻られたと考えるわけだ。平行四辺形の部分に車体が載っていると考えれば良い。
等角逆捻りGIF ロンビック・イコライザの幾何学はこれで終了である。実に簡単な証明であって、明快である。大切なことはこれらの4支点が同一平面上に来ることだ。いくつか作例を見せて戴いたが、支点があらぬところにあって驚くことがある。それでは完全な平面上に置いたときは問題ないが、変位があると、あちこちで矛盾が生じるだろう。動きが渋いのは、たいていそういう種類の間違いから生じている。

Rhomboidal Equalizer GIF 当初は原理が証明されていなかったので、この種の間違いに気が付かなかったのは仕方が無い。しかし今後作る時には、この点を十分に考慮した設計をするべきである。

2013年02月04日

Clinic

clinic O Scale West 2013 は、1月25,26日に Santa Clara で開かれた。サンタクララはサンホゼの隣の市である。
 年末に講演会の打診があったので請けた。意外に皆さんが期待してくれている。「何か面白い話をするだろうと毎年楽しみにしている」と、言われた。

 今回の講演は例のロンビック・イコライザの話だ。英語であるから、表現は多少改めた。菱型は Rhomboid であるから、その形容詞形は Rhomboidal になる。幾何学用語をおさらいして、間違いのない表現を心掛けた。出席者は約20人であったが、全員技術畑の人ばかりで、隙があったら突っ込まれる、やや緊張感のある講演会であった。

三点支持と四点支持等角逆捻り「3点支持が不整路面に対応する唯一の方法である」ということは、長年にわたる常識であった。ロンビック・イコライザはそれを覆した。良く考えてみれば、4本の足を二組に分けて、台の部分に対し回転するようにしてその回転角が正反対に均等になるようにすればよいことである。要するに制御された二点支持である。(この考え方は栗生氏の記事の追記4に紹介されている。2013年2月9日追記
 この捻(ひね)りを掛ける方法はいくつかある。仰々しく考えれば、センサとサーボ・モータで動かすことができる。それを幾何学的に行うことができれば自然にできるはずだ。

四点支持 ここまでの議論を整理するとこうなる。リンクに依る等角逆捻り機構が伊藤剛氏のフカひれ型である。結果は同じであるがロンビック・イコライザとは異なる概念に基づく。

 ロンビック・イコライザの理論的解明は長年の懸案事項であったが、2009年に栗生弘太郎氏が証明されたので、非常にクリアになった。今までロンビックだと発表されていたものも、この証明により微妙な間違いが露呈したものもある。4つの支点が完全に同一平面になければならないのである。すなわち、作用点(力点)を含め、8点が同一平面になければならない。

2013年02月02日

続 Boeing 787 の不調

Calmod-banner-500px-9-21-12 ホテルから空港まですぐ行けるので、そのバスに乗ればよかったのだが、電車でも行けるはずであった。経路を調べるとLight Railの終点のMountain Viewの駅で隣のプラットフォームまで 20 m ほど平行移動すれば、Caltrainという通勤電車に乗れることが分かった。Millbraeという名の空港の脇の駅まで2+5ドルで行ける。さらに、そこから隣のプラットフォームまで 10 m でBARTという広軌の電車に乗ると数分で空港の国際線乗り場に行けることが判明した。この電車は高く、ほんのちょっとの距離なのに4.05ドルもする。

 楽しい電車乗車のはずだったが、Caltrainには高い階段があり、それを大きなスーツケース2個を持って上るのは大変であった。また、車内には荷物を置くスペースは全くなく、他の客に迷惑をかけつつデッキに居るしかなかった。後で分かったが列車の後部には自転車その他を置く荷物車が一両付いていることが分かった。しかし階段を上らねばならないことには変わりがない。少し後悔したが、良い体験だった。

BART BARTは、Bay Area Rapid Transitの略である。海底トンネルでサンフランシスコ湾の対岸のオークランド方面と結ぶ。広軌であって、1676mm(5’6”)もあり、車内は異常に広い。乗り心地は良いはずなのだが、かなり硬いバネで、振動が伝わってくる。
 ミルブレイの駅の隣が空港なのだが、直行便は少なく、夜7時以降と週末だけという変なスケジュールだ。San Brunoの駅で乗り換える。この時も同じプラットフォームの反対側に移動するだけだから簡単だ。空港駅では、進行方向に歩けば、国際線コンコースであって、手続きがすぐ出来る。このあたりは良く出来ている。国内線には空港内を走る無人電車に乗り換えるだけである。これも容易である。
BART 2BART 3 BARTの車内には自転車置き場もあるが、車幅が広いのでどこに置いても良さそうである。列車は8両編成のと9両編成があり、停車位置を間違えて一輌分移動したりしている。かなりいい加減だ。

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