2012年11月

2012年11月30日

Leo の仕事

812_6166-2 これがLeoの本職であった。これらのオーディオ装置、放送装置はLeoの製品である。彼はこの種の製品を数十台単位で生産していたのだ。スピーカボックスもあった。
 それらを大きな木の板から切り出して仕上げる。その木工機械も全てある。広い地下室の1/3はその種の機械と残った木材で占められている。その木材も今となっては貴重なブラジリアン・ローズ等の硬木である。
812_6165-2 その木で作った飾棚があった。大変よく出来た棚である。この家の家具はほとんどがLeoの手作りである。向こうのキッチンを見せてもらった。



812_6161-2812_6164-2 この二つの抽斗をご覧戴きたい。どちらもスライドベアリングで支えられていて、フルに引き出せる。作りかけの機関車などはこのように目の高さに収納できると、引き出した瞬間に色々な工作上のアイデアが湧きそうだ。 
 低い方の盆などを収納する棚の仕切りの丸穴に注目したい。
 これはよいアイデアである。普通はつまみをどうつけようかと通うのだが、被収納物の全てがそんなに背が高くないのであるから、これで良いのだ。

812_6162-2812_6163-2 この棚を見て思ったのは塗料の収納である。いつも正立させて保存している。分かりにくいのでキャップに色の名前を書いているが、このようにして寝かせてしまえばよいのだ。転がり防止の細い仕切り棒が並んでいる。
 スパイスや缶詰めのラベルが一覧できるので、Leoの奥さんも「これは便利」と言っていた。

2012年11月28日

続々 Leoを訪ねて

812_6142-2 この旋盤の切子よけが気に入っている。アクリルガラスの板をオヴンの中で曲げたものだ。型の上に置いて温度を上げておくと、自然に曲がる。融けているわけではなく、多少柔らかくなった程度なので、透けて見える像がゆがむこともない。

812_6156-2 自作の油圧プレスで屋根を曲げている。オス型は硬い木で作り、メス型はポリアセタールのブロックを削ったものだ。一回で所定の形にする。



812_6144-2 先先回紹介したGP30の異なる角度からの写真である。実にうまく出来ている。



812_6153-2812_6154-2812_6155-2 Williamsという会社の出している普及価格版の韓国製ブラスだ。よく走らないので直してくれと持ち込まれているのだ。動力装置をごっそり取り換える工事を引き受けている。
 とにかく腕の立つ人である。大したものだと感心した。

2012年11月26日

続 Leo を訪ねて

812_6143-2812_6144-2812_6137-2 Leoは作りかけのGP30のキャブを見せてくれた。すばらしい出来で驚いた。一つではなくたくさん作れば欲しい人がいくらでも居るのではないか、という作りだ。CLWのGP35のキットを改造してGP30に仕立て直しているのである。
 先月作ったと言うGreat Northernの電気機関車である。これは完全なるスクラッチビルトだそうだ。窓を実物どおりに開くようにしてあると言う。走行中に開けると建築限界に当たりそうである。日本では考えられない構造だ。

812_6138-2812_6139-2 これは二階建て食堂車の厨房である。ステンレスの薄板にエッチングを施して曲げてある。洗面台のボウルは凹ませてあるのだ。
 食堂車そのものはKemtronのキットを組んだものだ。一階の厨房の床が見えている。
812_6140-2 台車を取りつける部分は厚板からフライスで彫り出した床板をつける。上の写真の床板が薄過ぎておかしいと思ったらやはり、強度部材が別部品であった。それにしても重そうである。ジャーナルにボールベアリングを入れないと牽けそうにない。

812_6141-2 これはその厨房の壁部分である。やはり思い切って色を鮮やかにしている。こうしないと中に何があるか分からないのだそうだ。

2012年11月24日

Leo を訪ねて

812_6152 Leoは80歳だ。毎日地下の工作室で仕事をしている。それを邪魔したわけだから申し訳なかったが、訪問をとても喜んでくれた。
 この工作室で一番驚いたのは、工作機械の数だ。ボール盤は7台、旋盤5台、フライス盤は縦横合わせて4台ある。 あとはシァとかプレス機である。

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 どうしてこんなにたくさんの機械があるのかと聞いてみると、
「私はアマチュアではなかった。プロフェッショナルであったからだ。」という答えが返ってきた。詳しい話を聞くと、彼は超高級オーディオ装置の少量生産をしていたのだそうだ。アルミのシャーシに穴を開けるときには、一つずつやっていては大変なのでドリル毎にセッティングをして、次から次へと仕事をしていたのだそうだ。旋盤も同様で、刃物のセッティングを動かしたくなかったので、旋盤を増やした。フライスも同じことで、横フライスも必要になってしまったと言う。その理屈はよく分かる。しかし、この工作室の面積はせいぜい12畳ほどである。

812_6159-2 すでにその種の仕事をすることは無くなったので、半分くらいしか使っていない。どの機械もよく整備された状態で、いつでも使えるようになっている。ロータリィテーブルやジグなどもたくさんある。
 筆者のように12個以上の生産をしないと決めている人の工作室は単純であるが、量産をする人の仕事場は複雑怪奇で面白い。

2012年11月22日

続々々 Vic's Hobby Supply

812_6128-2812_6129-2812_6130-2 今まで紹介した部分は全体の2/3である。残りの1/3はまだ完成していない。いわゆるHidden Yardになるのだろう。
 隠しヤードには貴重な車輌などを置いておく。壁向こうの公開部分から列車が進入し、ひと巡りして出て行くが、一般の人はそこにさらなるヤードがあることには気が付かない。昔ある人のレイアウトの隠しヤードを見せてもらった。高価な機関車以外に分厚い鉄板を熔接して作った現金輸送車まであった。鍵がついていて、もちろん中身が詰まっていた。

 ある程度のシーナリィを付けるつもりらしく、青い発泡スチロールを積み上げて加工し、色を付けて黒褐色にしてある。

812_6132-2 公開部分からこの隠しヤード部屋に入るには、この可動橋を通る必要がある。垂直に立っているが、水平になる。根元には接点があり、持ち上がっていると通電しないようになっていることは言うまでもない。


 全ての部分を見せてもらって、これを作っているLeoという人に興味を持った。話を聞くと、もともとエンジニアで工作機械をたくさん持っているそうだ。類稀なるクラフツマンらしいので会ってみたくなった。
 店主である息子も、「あなたとは気が合いそうだ。」と言うので、紹介してもらうことにした。
「行く道は簡単で、この道をずっと10キロくらい行って、右に曲がって左に曲がれば行ける。」と言う。しかし、それでは分かるはずがなく、詳しい住所をメモし、Google EarthでStreet Viewを見せてもらって大体の感じを掴んだ。あとはGPS頼みだ。
 電話して、居ることを確かめて貰って出発した。住居番号が表示されていない茂みの中の家で、先にStreet Viewを見ていなかったら、とても分からなかった。あとで分かったが、住居番号は、通りの反対側に郵便ポストが立てられていて、そこに書いてあった。

2012年11月20日

続々 Vic's Hobby Supply

812_6123-2812_6124-2 この貨車のウェザリングには参った。細い刷毛を使って細かい錆を表している。そのあとでWashしているそうだ。Washとは薄く溶いた汚れ塗料をさっと流し、それが半乾きのときに重力方向に拭き取るのだそうだ。スプレィとは異なる表現である。もちろん全体に埃色をスプレィしてある。最近のコンテストの入賞作品は、ほとんどこのテクニックを使っているように思う。。

812_6125-2 このレイアウトの特徴は美しい線路である。ハンドスパイクなのだが完全に直線が出ている。その秘密はRoadbed(道床)にある。この道床はTru-Scale社の製品である。たまにこれを見るが、全面的に使ってあるのを見るのはこれが初めてである。HOが有名であるが、もともとはOゲージの会社である。今でも時々市場に出ている。枕木を厚板から彫り出し、レイルのはまる部分に溝を切ってあり、道床の肩も一体に削ってある。
 その昔天賞堂が出していた木製道床は、材質は異なるがほとんどこれのコピィである。天賞堂製は合板を用い、枕木部分の木目が活かされていた。本家は木目のほとんどないポプラ材を用いている。
 レイルをはめる部分が飛び出していて、現在の細密度の水準からは少し外れているが確実に直線性を保つ。もちろんレイルの底の部分の幅が大切で、細いレイルは使えない。
 アメリカではこの種の木工品が大量に作られていた。日本のような手作業ではなく、大きな工場で大量生産されていた。この種の工作をする職種をmouldingという。

812_6127-2 Turntable は自作である。手際良く作ってあり、確実に動作する。やはり太い軸と大きな駆動輪があった。工学的な素養のある人の作品は、ちゃんとツボを押さえている。

2012年11月18日

続 Vic's Hobby Supply

812_6100-2 レイアウトの上には、店主のお父さんのLeoの作品が並んでいる。黄色のUPのCity Seriesの特急が何本も置いてある。



812_6107-2これはAtlasのFM Erie-builtである。時代考証するといくつか問題があるが、そこは目をつぶることにしている。


 

812_6113-2812_6114-2 Milwaukee Roadのカフェラウンジカーである。C&NWとの提携を止めた後の話だから、かなり末期の客車である。これはスクラッチビルトである。
 次はUPの郵便車である。メイルキャッチャが付いていて、なかなか良い気分を出している。これもスクラッチビルトである。

812_6115812_6116-2 屋根が凸凹して居るのは、曲げるときの型が小さいもので順次送りながら曲げているからである。変なものだが、実物もこのような感じで曲がっているので、却って実感的という説もある。

812_6117-2812_6121-2 全ての車輌には室内が付き、人形も乗っている。食堂車の厨房は全てステンレスの薄板から作られ、実感的な色をしている。
 最後の車輌はM10000である。UPファンは必ず持っている車輌であるが時代的にはCity Seriesと同時代ではありえない。

2012年11月16日

Vic's Hobby Supply

812_6110-2812_6108-2812_6112-2 個人の邸宅のレイアウトとは異なり、模型店の地下ということを考えるとこの構成は納得がいく。顧客が購入した車輌を走らせるには大きなエンドレスが必要である。しかも見晴らしがよくなければならない。
 あまり精密ではないが、そこそこの出来で、線路の整備が行き届いていなければならない。ポイントなどに手が届きやすくしてあるのが分かる。

812_6111-2812_6118-2812_6119-2 石油タンク、送電線の鉄塔などは全てPlastructの部品から作られている。貨車などはキットを組んだものが多い。非常にうまく作られた作例であって、顧客の製作意欲をそそるものばかりである。
 全体のバランスが取れている。この全体とは車輌を含めた話である。車輌はUPが多い。お父さんの好みであったからだ。
 
 二週に一回くらいの割でお客さんを集めて楽しんでいたらしい。最近はあまりそういうことはしていない。

2012年11月14日

Portland OR へ

 Portlandは東の果て、Maine州にもある。以前乗った飛行機が、Portland OR発、Salt Lake City、Cincinnati経由Portland ME行きで面食らったことがある。Oregon州の方は、当然ながら後で出来た町で、名前を決めるときにコインを投げて土地の所有者二人の主張にケリを付けた。Maine 州出身者が勝って自分の出身の町の名を付けたのだそうだ。もう片方が勝っていれば、ペンシルヴェィニア州の地名ボストンが付いたはずだという。(ご指摘感謝)

812_6135-2812_6134-2 シアトルから3時間弱南下するとPortlandである。例の弁護士の友人Larryの招きがあったのだが、運悪く父君が91歳で亡くなって、その葬儀で会えなくなった。せっかく行ったのだから、行くべきところはないか聞いてみるとVic'sという模型屋に行けと言う。素晴らしいレイアウトがあるそうだ。

 どこにあるか分からないので、教えてもらった電話番号に掛け、住所を聞き出しGPSに打ち込んで辿り着いた。かなりの場末で、いったいどこにそんなレイアウトがあるのだというような店であった。店に入ると愛想よく出迎えてくれたが、店は閑散としていて、試運転用の長円レイルしかない。しかもライオネル用だ。

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 すると、「こっちだよ。」と手招きする。暗く細い階段を下りるとそこは別世界であった。店主のお父さんが作ったのだそうだ。非常に大規模で驚いた。長編成の列車がたくさん停まっている。貨車、客車は手際よく作られ、適度なウェザリングがして施してある。手の込んだウェザリングを施した車輌もある。

812_6133-2 この模型屋は、店主のお父さんの趣味が昂じて誰かから受け継いだ模型屋を、その息子がやっているというわけだ。不思議なことにOスケールが多い。完成品が塗装済みで並んでいるが、価格が書いてない。
「非売品だけど、注文を受け付けても良いよ。」と言う。お父さんはスクラッチビルダでカスタムビルダでもある。Larryはたくさん注文しているそうだ。

 UPの客車群があるが、初めて見る車種が多い。手作りにしては手際が良過ぎて、大量生産品ではないかと思うような仕上がりだ。

追記 この模型店は2013年1月を持って閉店した。

2012年11月12日

Redhook Brewery

IPA 1 近くにあるビール工場に行った。比較的小さな醸造所である。西海岸を中心に売られているブランドで、筆者の好物でもある。瓶の形が変わっていて良く目立つ。
 アメリカのビールにはMiller, Coors、Olympiaなどに代表される淡色系のものと、最近急速に勢力を拡大してきたDark系のものがある。後者はこの会社のようなやや小規模な醸造所が出している。

IPA 2IPA 3 IPAとはIndian Pale Ale の略記である。 
 筆者はアメリカに行くとSam Adamsかこれを好んで飲む。


 工場見学が一人5ドルで可能である。このお兄ちゃんが案内してくれて、面白おかしく説明してくれる。各種のビールを試飲することができる。

IPA 5醸造タンクはどこも同じようなものであるが、麦芽の種類とその煎り方に秘密がある。黒ビールほどではないが少し深く煎って、香味を付ける。ホップはその地方の独自のものを使っている。煎った麦芽を齧ってみた。なかなかいい味である。

IPA 4 この工場の中に興味深い写真があったので撮ってきた。シアトルの市電の車庫である。舗装もしてない時代の電車の線路は泥だらけであった。

2012年11月10日

Boeing Everett Factory

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 かねてより行きたいところがあった。シアトルにはボーイング社のエヴァレット工場がある。 この工場見学に参加した。参加費は予約すると18ドル。飛び込みで20ドルである。

Boeing 787 sectionBoeing 787 section 2Everett787




Boeing Museumジュラルミン機体の一部 30分にひとグループずつで、バスに乗って工場に行く。待ち時間には博物館見学をするようになっている。最近はカーボンファイバー製の787の展示が中心の様だ。

 バスに乗るときは身体検査があり、携帯電話、カメラ、バッグ、パウチなど全て没収されるので、横のロッカあるいは車のトランクに入れる。
バスが工場に近づくと、その工場の大きさが分かる。世界で一番大きい建物で、ディズニィ・ランド全体よりも大きいそうだ。尾翼の高さがあるので高さも大きい。

 階段を下りて地下道に入る。その地下道が広くて長い。体力のない人はこのツアには参加すべきではない。エレヴェータに乗って5階に上がると、全体が見下ろせる。と言っても全床面積の1割も見えない。写真が撮れないのは残念だった。
 意外なことにまだ747を作っている。聞けば燃費を向上させたタイプだそうだが、もはや旧型機に見える。思い起こせば1970年代にパンナムの初代747に乗ったのが最初だ。あれから40年も経つ。
 787、777、737、767は次々と作られている。  

Boeing Everett 4 飛行機の工場ではブツが大きいので、作業するためのプラットフォームを作り、行程順にそれを上げて行く。クレーンは天井に付いているが、スパンが大きいのでそれほど重いものは吊れない。飛行機の部品なので数トンも持ちあげられれば十分であるが。

Boeing Everett 中東のお金持ちの注文の特別仕様機を作っていた。内装は全て手作りの一品物である。
工場の外には、ロールアウトした完成機体がたくさん並んでいた。発注者の検査を経て、Ferry(回航)される。ANAの機体がたくさんあった。おそらく、アメリカ中でANAの機体を一番たくさん見ることができる場所だろう。
 

2012年11月08日

続々 Snoqualmie Station 

812_6083-2812_6084-2 この展望車はたぶんNPのものだろう。社名が無い。
 展望デッキの柵の作りが素晴らしい。いわゆるWrought Ironである。鍛冶屋が煉鉄の棒を焼いては捩って作ったものだ。これをエッチングで表現した模型が大半だが、実感はない。ロストワックス鋳物にすると太すぎる。さりとて手で作るのは大変だ。

 煉鉄とは、20世紀にはほとんど作られなくなった方法で得た低炭素鋼である。平炉の時代の産物である。融けた銑鉄に空気を送ると、表面の一部が脱炭素され、多少純鉄に近づく。すると、融点が上昇するのでその温度(1300℃ほど)では融けなくなる。それを棒でからめて炉の外に取りだす。牛乳を沸かして生じる膜を引っかけて取るようなものである。煉鉄は柔らかく、粘りがあって細工に適する。しかも錆びにくい。
 新橋−横浜の鉄道開通のころのレイルとか橋梁は煉鉄製と言う話だが、橋は重いし、レイルはつぶれてしまいそうだ。鋼が大量生産される時代が来ないと、鉄道は進歩できなかった。日本語では「鉄」と「鋼」はほとんど同義に使われているが、英語では明確に区別される。ほんの130年ほど前までは鋼は貴金属であった。得るのが難しく、大量には出来なかったのだ。日本刀を作る時の材料の歩留まりは1割以下だそうだ。叩いているうちにほとんどが飛び散ってしまう。しかも大変な労力を掛けて作り出したものだ。

812_6085-2 この客車はSP&S(Spokane, Portland and Seattle Railroad)のものだ。Spokaneの発音はスポーンである。太字を強く発音する。 この種のCombine(合造車)は珍しい。ほとんどの鉄道会社では荷物車を独立させていた。それは強盗対策である。荷物車には現金等が積まれていることもあるので、客車から乗り移れないよう、機関車の次につなぐ(Head Ended)ことが多い。 

812_6087-2 スノクォルミィ滝である。水量が多いので一部を発電用に廻している。いま、護岸工事をしていて美観が損なわれている。このホテルは映画の舞台になった有名なホテルでとても高級である。

2012年11月06日

続 Snoqualmie Station

812_6059-2 ロッド式のディーゼル機関車があった。多分機械式であろう。クラッチが減りそうだ。この手の機関車は故古橋正三氏が大好きで、たくさん集めていらした。筆者の守備範囲外であって詳しいことは分からない。


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 この客車は野戦病院から発達したタイプの厨房車である。製作は戦後である。朝鮮戦争で戦前のTroop Carはたくさん消耗したので、戦後作り直したものらしい。その後Military Logistics(兵站)のあり方が変化して、お払い箱になった。行った先が奇遇にもユタ州のKennecott鉱山であった。

 812_6072-2812_6081-2 この機関車は見た瞬間にKennecottから来たことが分かった。この色は独特であるからだ。多分この機関車と同時に、上の客車はここにやってきたのだろう。
この機関車は現在2輌製作中で、床下のタンクの奥行きが分からず、製作が止まっていた。たくさん写真を撮れたのでありがたかった。

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812_6071-2 このかわいらしい機関車はIngasol Randというラジエータ・グリルを持っている。機関車本体はWhitcomb製らしい。キャブの外にある黒い箱は砂箱である。3-foot Narrow Gaugeであって、枕木の防腐剤含浸施設への台車出し入れ用だったらしい。キャブの中は意外に広く、クラッチを踏んでギヤを変えるようになっていた。 
 説明文を読むとCritterという言葉の由来が書いてある。この解釈は筆者にとっても初めてで少々驚いた。ふつうは栗生氏のご解説のように言われてきた。しかし東京ディズニィ・ランドにはCRITTER COUNTRYというエリアがあって、ビーヴァやアライグマなどの小動物の足跡がたくさんついていたように思う。これかもしれない。

2012年11月04日

Snoqualmie Station

  テキサスから戻って2週間後、避けられない用事があってSeattleに行った。そのついでに周辺を見て廻った。成田からシアトルまでは7時間半ほどで到着する。季節によるが、ジェット気流が強いと追い風300 km/hという凄い後押しで、あっという間に着く。今回は最悪で、欠航により、代替便がシカゴ行きであった。長いフライトで、しかも入国審査に3時間以上も掛かり、さらにシアトルに戻る便が遅れた。当初午前中に着くはずが夜中に着き、ホテルに着いたのは2時半であった。

812_6040812_6044-2 用が済んで、シアトルの東約30kmにある
Snoqualmieに行ってみた。10年ほど前、内野日出男夫妻を案内してそこに行ったことがある。Sam F氏のお招きがあったからだ。
 その時、シェイ、その他のギヤードロコの廃車を並べた、博物館とは言えないが、それに近いものを見たのだ。それを再訪してみた。やはり保存状態は極めて悪く、木部は腐り、鋼はぼろぼろに錆びている。雨が良く降る地域では屋外保存はできない。今後どうするつもりであろうか。
 場所はスノクォルミィ滝の南東約800mからさらに南に数百mの間の道路沿いである。午前中でないと逆光になる。多少の期待があっただけに、その保存状態を見て、かなり失望した。この十年でさらにひどくなっている。 

812_6052812_6053-2812_6054-2 スノクォルミィの町には昔のNPの駅があり、その周りに色々な機関車や客車が保存してある。これは一応博物館の体をなしている。
 そこにTank Mallet Engineがあった。いわゆるマレィはほとんどがテンダ付きだが、これはタンク機関車であった。それを改造してテンダを付けてある。 軸配置は2-6-6-2で、かなり大きな機関車である。

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 反対側の写真を撮ったが、日差しが強く影の部分は写りにくい。

2012年11月02日

再び Fort Worth Stationへ 

712_5943-2 酷暑のダラスの街を少し歩いて、遅い昼食を取った。レストランは冷房が良く効き快適であった。
 また列車でフォート・ワースに戻った。鉄道全盛時代、ダラスの駅には列車の本数が多かったので、このような地下道がつくられた。現在はエレベータが無いと違法であるので、向こう側にそれが設けられた。

 
712_5945-2712_5944-2712_5947-2 来た列車はまた二階建てであったが、客車の構造が朝とは異なった。また二階に乗ったが、テーブル付きの座席はなかった。

712_5954-2 ダラスの街の中にはLight Railが走っている。今回近畿車輌が受注に成功したという。これがその電車かどうかは判然としないが、サンホゼの電車と似たところが無いわけでもない。友人の政治家が、見学に行くから案内を頼むと言っているので、近いうちにまた来ることになりそうだ。

712_5957-2 この吊り橋は有名な橋らしい。実に面白い形をしている。曲がったアーチをどういう方法で作ったのかで議論になった。



712_5968-2 フォート・ワース駅には横にSanta Fe駅もある。その南には旧Santa Fe駅もあり、史跡として保存されている。中心がSanta Fe駅で、右が旧駅である。
 
 その先500mも行かないうちに、クロッシングがある。複線の線路がほぼ直交していてそこには、有名なTower 55がある。それは鉄道写真によく表れる、著名な信号所である。すでに高速道路の下になってしまった。近くには扇形庫の跡が複数見える。このクロッシングの西600mにはTexas and Pacific駅がある。この駅は荘麗なアールデコの高層ビルである。

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