2012年10月

2012年10月31日

School Book Depository 

712_5917-2 日本では教科書倉庫ビルという言い方が定着している。この建物の6階の角の窓から、容疑者のオズワルドがライフルで撃ったということになっている。現場の6階は博物館になっていて、窓には近寄れないが見ることができるという。デニスが指さしている。
 そこまで登ろうかと思ったが、待ち時間が2時間近いと聞いて退散した。東隣のビルの1階が資料館と売店になっている。

712_5905-2 そこから現場を見上げるとこんな調子である。
 資料館では当時のニュースフィルムの上映がある。有名な動画ばかりだ。一部を写してきた。



712_5909-2712_5908-2 たかだか50年前に、このような事件が衆人環視の中で起きたにも拘わらず、誰がやったかも分からずじまいである。オズワルドが犯人ということになっているが、実際のところは分からない。オズワルドを射殺したジャック・ルビィもその4年後だったかにガンで死亡している。彼は自分の病気を知っていたという説がある。死期を知って、覚悟の犯行かもしれない。

 実際に現場に行くとかなりの距離があるし、ボルトアクションの単発銃で連続して3発命中させるのは超人的な腕前と言わざるをえない。デニスは元軍人でそのあたりのことはとても詳しい。手を動かして弾を込めるのだから、最初から狙い直さねばならない。その間に標的は動いている。しかも遠ざかる方向だから余計難しい。

712_5922-2 この写真の赤い車の位置が最初の銃弾を受けた位置である。この写真を撮ったレンズが24mmレンズであることを差し引いても、かなりの距離があることをご理解戴けるものと思う。    

2012年10月29日

Dallasへ

712_5862-2712_5887-2  しばらく待つうちにやって来た客車は、プッシュプルのいわゆるダブルデッカーであった。座席は転換できないタイプで、テーブル付きのところに座った。

712_5879-2  列車は旧MKT路線を走ってダラスに向かった。二階建てでも日本の新幹線とは違って、かなり背が高い。窓からみると、あたかも学校の二階の窓から下を見ているような高さである。プラットフォームのない分を見込んでも、まだ高い。

712_5964-2712_5871-2 途中で車両基地を見ることができた。もう今では珍しくなったRDCがかなり居る。その次の駅が医療センタで、デニスはここに通っていたこともあるらしい。


712_5890-2712_5891-2 ダラスの駅は大きく、昔はかなり大規模なものであったろうと思われる。現在は発着本数が少ないので、プラットフォームが少なくなっている。


712_5892-2 駅の前には刑事裁判所があり、威容を誇っている。そのすぐ北側に、我々の目的の場所があった。
 1963年にケネディ大統領が射殺された場所である。通称、教科書ビルである。事件当日、史上初の衛星中継を見るために、筆者は早起きしてテレビを見ていた。大統領の自動車が写ったと思う間もなく撃たれたので、びっくりしてしまった。
 それ以来、この事件には興味があったのだが、事件の現場には来たことがなかった。その話をデニスにすると、「実は俺も行ったことがない。」と言ったのだ。それで、皆でダラスまでやって来たというわけだ。

2012年10月27日

Fort Worth Station

712_5845-2712_5966-2 テキサスの滞在最終日に、ダラスに遊びに行った。フォートワースの駅に車を停めて、鉄道でダラスに行く。車で行ってもよいのだが、道が混むので避けたのだ。デニスは鉄道の方が面白いし、街の中心部まで簡単に行けるから具合が良いと言う。
 フォートワースの駅は昔の駅を補強して使っている。壁にはRosa Parksの写真が飾ってあった。公民権運動のきっかけとなったバス・ボイコット運動は、この人の行動から始まったのだ。この女性がこの駅とどのような関係にあったのかは、不明である。

 ダラスは大きな商業都市である。その隣のフォートワースは家畜の集散地であった。空港はこの二つの街の中間に建設されているが、ダラスの方がずっと大きな街である。

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 プラットフォームの横にこのような木造の路面電車が保存してあった。なかなか良い形の電車である。アーチ型のステンドグラスが美しい。
 車内の広告まで当時のままに保存されている。

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712_5859-2 台車はあまり見たことのない形式である。Taylor 台車とある。 ポールは溝車とシュウとの両方が付いている。 

2012年10月25日

Oil Business

712_5746-2712_5747-2 騎兵隊の博物館に行く途中に興味深い店があったので、帰りに寄った。石油掘削装置の中古屋さんとタンク屋さんである。後者はここが製造元である。作った製品が塗装もせずに何百基も置いてある。注文があると特大のトレーラを呼んで配送する。

712_5795-2 このタンクをデニスは作った。鉄板製であるから、どうやって作ったのか興味があった。
「なーに、ディーゼル・トラックのオイルフィルタを切って、梯子を貼りつけただけさ。梯子はPlastructの製品をたくさん持っているからそれをクランプで挟んで、オヴンの中で一日温めれば曲がるんだ。それを接着剤で付ければ、おしまいさ。簡単だろ?」というわけである。彼はこういう工夫が得意である。

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 向かいには井戸掘り機の付いたトラックとか、ポンプを売っている。中古品を整備して売る商売だ。テキサスならではの商売だろう。
 柵にへばりついて写真を撮っていたら、社長が通りかかって、「中に入って好きなだけ写真を撮れ、宣伝してもらいたいから。」と言う。遠慮なく中で写した写真がこれである。

712_5760-2712_5754-2 ポンプはかなり大きなものである。小さなものでも小型トラックぐらいもある。



2012年10月23日

続 再度 騎兵隊フリーク

 712_5711-2712_5712-2 この屋根を掛けた部分は牧場へのツアの車輌停泊所になる予定なのだろう。まだ着手前である。そこに犬がやってきた。足の指が異常である。左右とも6本の指があった。Polydactyly(多指症)という。触ってみると骨が不完全であった。別に困ることもないので放置してあるそうだ。

712_5723-2 バッファロ(アメリカ・バイソン)の数が減ったという。昨年の異常気象で300頭以上居たのが100頭位になったそうだ。放牧してあるので、泉の水が減ったことに気付いても、群れを移動させるのが難しく、高温のためたくさん死んだのだそうだ。死ぬとハゲタカが集まって来るので分かるという。

712_5744-2712_5738-2 この自動車であちこちを見ることができるようになるそうだ。 左の車はアメリカ製らしいが、ほとんど同形のクボタ製のもあった。乗せてもらってあちこち見て歩いた。

712_5729-2 この牛は、テキサスロングホーンと呼ばれる、西部劇によく出て来る種類である。この地域に昔から居たのだろうが、現在は頭数が減り、保護しないと絶滅してしまう惧れがあるそうだ。この牧場では、この種の希少生物を殖やしている。

2012年10月21日

再度 騎兵隊フリーク

 デニスの友人ガーランドは騎兵隊博物館を建てた。その新博物館がつい最近出来たそうなので、見に行った。
 荒れ地の中に巨大な500坪位の建物があり、エアコンが良く効いている。聞けば、Geo-Thermal(地熱)を利用しているので、電気代は1/4以下だという。深い井戸を掘る必要があり、設備に多少の金が掛かったが、10年で元が取れるそうだ。夏も冬も効果がある。30mほどの地下の温度はほとんど一定なので、そこまで行って帰って来るパイプを埋め込むだけである。11本の井戸を掘ったそうだ。

712_5692-2712_5716-2 入口に大砲が据え付けてある。これは年1回の催しで、実際に射撃する。弾はこんな形をしていて、火薬の爆発によって後ろのブラスの傘が開き、それがライフル線条に密着して、回転が与えられる。砲身内部にグリースを塗って摩擦を減らすのだそうだ。「良く当たるぜ」と、ご自慢の大砲である。

712_5699-2712_5700 当時のライフルのコレクションである。かなり無造作に棚に並べてある。一応ガラス戸の向こう側だが、取ろうと思えば取れそうだ。日本ではまず考えられない展示である。刀類もかなり置いてある。
 日本刀の話になると夢中で、「欲しい」と言う。筆者の実家で見つかった刀の話をすると、涎を垂らさんばかりであった。それはすでにデニスに渡してしまった。

712_5702-2 Stage Coach(駅馬車)の実物である。革ベルトで吊ってある、文字通りのSuspension(吊ったものという意味)で、バネと革の伸縮で
車体を浮かせている。車輪は車軸のテーパ軸に嵌まり、ガタが無いようになっている。日本の大八車とは違い、高速走行を前提としている。
 天井の大きな扇風機の羽根の先端には、Wingtipがある。効果があるのかないのか知らないが、最新のテクノロジィの応用だというカタログを見せてもらった。

2012年10月19日

続 FEF3

712_5556-2 この機関車の重さは尋常ではなかった。抜き取った鉛の錘は3.2kgもあったのだ。もともとボイラに入っていた鋳鉄の錘は半分に切ってテンダ床板にネジ留めされていた。外した錘は全てデニスに進呈した。
 デニスの説明によるとJerry White氏はLobaugh社に居た職人らしく、造形力に優れた人であった。ありとあらゆる改造を引き受け、カスタムビルドもしていた。

 1960年代はOゲージの全盛期で、牽引力コンテストというのがあったそうだ。要するに、重い機関車を作り、大きなモーターを積む。それだけの話である。そこには効率という概念は入っていない。
 Oゲージ車輌は重い。HOでは補重することを念頭に動力車を作るが、筆者のOゲージの場合は、どうすれば軽くなるかをいつも考えている。被牽引車の摩擦が少ないので、粘着力を稼ぐ必要が無いからである。筆者の4-8-4は4kg以下である。これは8kg以上あった。こんなに軸重があると、フログがすぐに潰れてしまう。
 さて、重くするにはボイラ全体に鉛を詰め込むに限る。融けた鉛を入れる場合もあるが、彼のようにボイラにきっちり入る錘を作る方法もある。シリンダの中にも入れることがある。
 慣性質量が大きいと、事故時の被害は甚大である。今回の機関車のようにパイロットは壊れ、線路も壊れる。ストラクチュアに突っ込めば、それは全損である。

ktm844_17 キャブの損傷は屋根だけである。曲がっている部分を伸ばして、シンダ巻きこみ防止のフィンを付ければ、ごまかせる範囲にあるかもしれない。新しいキャブと取り換えても、労力は知れているが。



ktm844_11 ナンバ・ボードが一つ無くなっているが、新製するとしたら、点灯する行燈式にする。ボイラ頂部に何も付いていないのはさびしいので、ラッギング・クランプを付ける積もりだ。せっかく塗装がしてあるので、それをはがさずに加工しようと思う。塗装はやや荒っぽいが、自動車用のプライマを塗ってあり、はがれにくい優秀な塗装だ。

2012年10月17日

FEF3

712_5555-2 またまたFEFを入手した。これで7輌目だ。昔は、同型機を番号違いで複数輌そろえるなどということは、全く考えもしなかった。色々な機種を揃えたいという願望の方が強かったからだ。
 レイアウトを持つようになると、ある時代のある地域に走っていた機関車以外、興味が薄れて行く。レイアウトの設定から縁遠い車輌は段々と出番が少なくなり、陳列ケースの中に入ったまま出て来ない。
 4-6-6-4チャレンジャも好きで5輌持っている。Big Boyは2輌しかない。あと同時代のマウンテン、パシフィックやミカドなどを何輌かずつ持っている。

 思えば安くなったものだ。筆者の最初の4-8-4は800ドルほどもした。308円/$の時代だからかなり高価なものだ。収入の少ない時代に、生活費を節約して購入した。それを完全にばらして何度も作り替えた。その後祖父江氏と知り合って、その機関車は彼の工場へ何往復かしている。アメリカにも数往復したように思う。
 その後、この機種を見かけるたびに、適価だと思えば、迷わず購入した。

FEF pilot brokenFEF pilot fastning screws その後、相場は1200ドルほどであったが、段々価格が下がってきて、先回は700ドル程度だった。85円/$だったから知れている。ところが今回は驚いた。多少の損傷のある事故車であったからかもしれないが500ドルを切っていた。78円/$だから4万円を割る価格だ。
 キャブの屋根の曲がり、ショックで分解したパイロット、そして多少凹んだ砂箱の所為で、こんな価格でも誰も応札しなかった。最低価格での落札である。
 もうすでにアメリカ人は、ハンダ付けをしなければならない修理品には手を出さなくなったのだ。パイロットを留めていたネジは、剪断力を受けて切れる寸前だった。

 筆者はパイロットの予備を持っていたし、キャブのスペアもある。砂箱も多分持っているが、うまく下から叩き出せば、やすって直せる範囲にある。こういうときは板が厚いと削り代があって助かる。祖父江製作所製だから、板が厚い。

 テキサスに滞在中、この機関車が届いた。デニスは、「妥当な値段だ。」と言う。「値切ればもう少し負けたかも知れないな。日本製の機関車の真価を知るものが減ってきたからね。」

 この機関車は異常に重かった。そのせいでパイロットが壊れたのかもしれない。錘を鉛で鋳造して、ボイラの中にきっちり詰まるように旋盤で挽いてある。それを取り出している時に、デニスは「オッ、これは当たりだぜ。Jerry Whiteのドライヴが入っている。」と言った。この件については、いずれ項を改めて紹介する予定だ。

FEF with new pilot パイロットを取り換えただけで十分な見栄えだ。 

2012年10月15日

GSC台車を作る

U30C 以前Alco U30Cのイギリス製のキットの紹介をした。それには台車枠が付いていなかったが、その後別の場所でその機関車用の台車キットを見つけた。多分同じ作者であろうと思った。軸箱寸法が珍しいサイズであるのに一致したからだ。その軸箱はソフトメタルで出来が悪く、捨てざるを得なかった。
 

 台車枠の形が良くないのである。色々な写真を見たが、同じ形のものはみつからなかった。すなわち造形上の問題であって、作り替える以外ない。厚い板から切り出して原型を作るつもりであったが、少し縦方向に厚みを足せばなんとかなりそうである。鋳縮みの分を見越して軸距離を足し、上下に貼り足した。車体キットがあまりよくないので、台車を精密に作る気はなく、遠くから見た時のシルエットが違わない程度の工作である。

 作業を始めて気が付いたが、この種の仕事はかなり面倒であった。全体をジグの中に入れて押さえ込み、ハンダを流して固め、それを削り出す。あとで少しだけと思ってハンダ付けを修正するとばらばらになる。
 水の中に半分沈めて炭素棒ハンダ付けをした。大変面倒で、やはり全面的に作り直すべきであった。

 出来た台車枠にSprue(湯道)を付ける。1台分だから4枚で良いのだが、どうせ手間は大して変らないので、2台分作った。いつか使う時が来るだろう。
 

GSC truck side frames 鋳物と原型を並べるとこの程度の違いがある。上から、台車キットのサイドフレイム、修正した原型、鋳物の順である。鋳縮みは2.2%強であった。

 台車キットのボルスタは奇妙な形をしていて薄いので、厚板から削り出すことにした。
 これで懸案のU30Cが一歩完成に近づいた。

2012年10月13日

Turkeyを焼く

712_5670-2712_5673-2712_5674-2 少し話題がそれるが、Turkeyの話をしたい。ターキィとは七面鳥である。日本ではまず食べるチャンスはないが、アメリカではよく食べる。筆者の好物でもある。脂肪分が少ないので健康食でもある。

 スーパーマーケットで買うと16ポンド(7キロ)で12ドル位である。それを半日塩水に付けて胡椒を振り、専用のロースタで焼く。
 以前はオヴンで焼いていたのだが、このロースタを最近買ったので、放っておいてもうまく焼けるという。ガスで二重の釜を加熱する。肉汁はうまく集まって下に溜まるようになっている。それはソースを作る時に使う。

 買ったターキィには肝臓と頭が付いて来る。これらはソースの出汁にする。それと肉汁を合わせて煮詰めるだけで出来上がりである。見栄えのする料理であるが、わりあい簡単にできるので、人の集まる行事の主たる料理として用いられて来た。クランベリィ・ソースは自分で作ると面倒なので、缶詰を使う。


 「何を食べたいか?」と聞くので、「もちろんターキィだ。」と答えると「そう言うだろうと思って、買ってあるんだ。」と言う。早速焼いた。
 温度計を差すが、赤いボタンも付いている。これは内部が適温(85℃位)になると、ぽちっと飛び出して来る。それを見てガスの火を絞るわけだ。

712_5677-2 焼き具合は最高で、この素晴らしい色が食欲をそそる。大きな鳥なので3人では食べきれない。近所の人を呼んでパーティをする。それでも食べ終わるのに3日掛かった。
 そういうこともあって、人気が出ない芝居のことをTurkeyと呼ぶ。まだ終わらないのか、という皮肉な言葉である。

 懲りずに滞在中に2回焼いた。一部はドライアイスで冷凍して持ち帰った。
 こんなおいしいものがどうして日本で人気が無いのかが分からない。

 野生の七面鳥は郊外に行けばいくらでも居て、撃ちに行くことも可能だ。首を狙って撃つのだそうだ。大事な体に傷をつけないようにするためだ。爪が一本だけ上を向いているのでそれを使って枝に引っ掛けて血抜きすると言う。

2012年10月11日

F3A を作る

EMD F9A to F3AEMD F3A sides F3AはAll Nation 製のを何台か持っているから、それ以上必要はないはずであった。
 3月にシカゴに行った時に、旧AtlasのF9AをF3Aにする変換キットを見つけたのがきっかけで、倉庫の中を探して古いF9Aを探し出した。これはプラスティック車体を切り欠いて、サイドをはめ込むようになっている。それでは壊れやすいだろうし、何よりも作りにくい。異種の材料を継ぐと熱膨張係数が異なるので、よほど工夫しないと壊れてしまうだろう。現実にそれを加工して完成したという事例にはほとんどお目にかかっていない。このキットも手に負えなくなって手放したのだろうと推測する。

 
 このF9Aは1975年ごろ購入した。当時定価は30ドルで、それを22.5ドルで購入した。今でもあるStandard Hobby Supplyという通販会社から4台購入したうちの一つである。
Atlas F9A Ad そのうちの2台は切継いでBユニットにした。伝導メカニズムが間抜けで、センタピンと荷重受けを兼ねる点(心皿)が、運転台の高さにある。推力が発生すると、台車が傾き、前方の軸が浮き上がるというものであった。改造してそれは解消した。その方法は当時Model Railroaderに精力的に記事を発表していたBrewster氏によるものであったと記憶する。
 栗生弘太郎氏の御指摘で、Armstrong 氏の記事であることが判明した。訂正させて戴く。
Armstrong brackets for F9 by Atlas 動力台車の中に、ちょうど実物のボルスタにあたるところが空洞になっているのでそこに貫通穴を開ける。新製したボルスタを通し、心皿を設けるものであった。早速その通りに改造すると俄然調子は良くなったが、いかんせんプラスティック製ボディシェルの悲しさで、妙なビビリ音が出た。あちこち金属板を貼りつけて音を抑えたが良くならなかった。
 この種の「高い心皿問題」は、最近のKATOのEF510でも問題になっている。力学の素養が少々あれば、この種の問題は起きなかったはずだ。

 
 都合3台からUPのABセットを作り、1台はAmtrak塗装にした。しばらく走っていたが、金属製には敵わないので、お蔵入りとなった。そのAmtrak塗装をはがしているのがこの写真である。後ろのUPは最近新たに12ドルで購入したものである。これもいずれ金属に置き換える。機関車が金属製でないのは、当鉄道の社是に反するからである。
 機関車は丈夫でなければならない。慣性を持たねばならず、重重しく走り、Sprungであって、しかも押して動かねばならないのだ。

F9A Body ShellF9A cast brass body shell 今回は屋根をたくさんくり抜いた。こうしないと鋳型が連結されない面積が大きく、割れてしまう恐れがあるからだ。また、プラスティックのモールドはある程度の抜き勾配があり、ディテールが損なわれているからだ。前回のF9Aはその抜き勾配を苦労して取り除いた。今回は問題になる部分は最初から切除して新たな部品を取りつける。この方がはるかに楽である。写真は前回のF9Aである。

[追記] ボルスタの写真が見つかった。これはe-bayで売っていた商品である。このような商品があったということは、この心皿問題はかなり根深いものであったということである。
Nov 5, 2012記
 


2012年10月09日

鋳造 型ばらし 清掃 

712_5622-2 クライマックスは熔湯を注型する瞬間だ。最深の注意を払って必要量の熔湯を入れる。ワックスの質量から、熔湯の量は計算できるが、部分的にプラスティックが入っていると、多少の誤差ができる。
 湯が多いと型から溢れてしまう。その解決は容易である。箒で掃いてしまえば良い。湯が固まるまでに15秒ほど時間があるのでその間にやる。あとは圧縮空気で押して引けを無くす。しかしそれまでに末端部分は固まっているだろう。圧搾空気は、Sprue(湯口)付近が固まる時に引けるのを防ぐだけだ。

712_5650-2712_5664-2 湯が冷えて赤みが無くなったところで、水につけて冷やす。この時、埋没材はばらばらになる。水が滲み込んでは100℃以上で爆発を起こし、その衝撃波で自然に落ちて行く。
 ある程度落ちたところで、水の中に浸漬(しんし)する。それをエンジン付きの高圧洗浄機で清掃する。このような籠に入れ、丁寧に石膏を洗い落とす。ものすごい勢いで白い泥水が飛ぶので、ぼろ着を身に付けて行うのだ。4軸台車も見える。

712_5663-2 フラスコには石膏がついていると、次の作業時に密着が悪く事故の元になる。このような柱に引っ掛けて丁寧に清掃する。この柱は庭に埋め込まれたパイプに作業時だけ差し込んで使う。うまい工夫である。熔接の外れはよくチェックして、必要とあれば直ちに補修する。

712_5666-2 これが今回の鋳造品である。前回の成功に味を占め、F9の前頭部と屋根を利用してF3Aを作ることにした。 今回は屋根の開口部を大きくして、鋳型の割れを防いだ。 

2012年10月07日

プラスティック型によるロストワックス

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 今回新しい型が入っていた。これはCentral Locomotive Worksのプラスティック型である。これをワックスでインジェクションしてそれをブラスで置き換えようというわけである。
 この型は本来ポリスチレンでインジェクションしたものを接着剤で組んで金属置換するのだが、ワックスは思うように接着出来ない。ワックス用の接着剤もあるのだが、付きが悪い。仕方が無いので細い縫い針を加熱して、接合部に刺す。するとその部分だけ融け合うので、接着剤で付けたようになる。非常に手間が掛かるがそれをやった。

 この型はピン角(直角の角)が出るようにいくつもの型を積層して組み合わせたものだ。非常に丁寧な仕事をしてある。注型後、固まったプラスティックを外すためのピンがたくさん埋め込んである。それを避けてクランプで締めてロウを入れる。この型は金属製なので冷えやすく、仕事は速い。固まったら型を二つに分け、ピンを押す板を押さえつけると、プラスティックがむっくりと起き上がる。ワックスは型の金属に粘りつくので、離型剤をスプレイしておくと無理が無い。型の設計のコツはつかめたので、何かの型を作ってみたくなった。

 左二枚の写真の部品はブロンバーグ二軸台車の揺れ枕バネである。二つを組み合わせて使う。良く出来ている。
 中の写真はエンドビームとブレーキハンガーである。小さな部品を組立ててから鋳造する。
 右の写真は台車枠である。台車は軸距離が大切なので、プラスティック成型は望ましい。

 これらの型を保管していた人が居るのだが、毎回注文を出すとき送って来なければならないので、だんだん面倒になり、ここに置きっ放しとなった。そのような型が、ここにはごろごろある。
 


2012年10月05日

続 DRO

vertical-mill 筆者がDROを採用した最も大きな理由は、インチ目盛の機械を購入したからである。今使っている旋盤はアメリカに居た時に買ったので、必然的にインチ目盛であった。Bill Melisという鉄砲鍛冶の大家について習ったので、インチ目盛のテクニックは身に付いた。しかし、ミリで加工したいときもある。

 一所懸命に電卓で計算しても、間違って泣きを見ることもあった。ダイヤルゲージのミリ単位のものを買って刃物台に付けたけれども、決して楽しい作業ではなかった。そうこうしているうちに、DROが安くなる気配があり、試しに買ってみると、なかなか具合が良い。3軸のディスプレイの価格もそれほど高くなくなった。
 思い切ってフライスに付けてみると、今までのあの苦労は一体何だったのかと思うほど効率が上がった。と同時に、頭の中はガクンと音がするほど劣化した。もうインチの分数計算は頼まれても出来ないような気がする。

 コレットや刃物が全てインチサイズなので、事前の計算には多少の注意は必要だ。しかし、先回お見せしたような起点を決めた数値による切削は容易で、一回も間違えたことはない。たとえミリ単位のダイヤルのついた機械を使っていたとしても、DROを使うほど容易な切削は考えられない。

 軸距離が大切なギヤボックスも一発で穴開けが完了し、ギヤの噛み合いは極めて正確だ。このような時は二枚刃のエンドミルを用いる。四枚刃のエンドミルではドリル代わりに切り込めないからだ。

 フライスは、使いこなせれば極めて安い工具であると思う。最近は糸鋸代わりに細いエンドミルで切り離しをすることもある。ワークを見ることもなく、DROの数字だけを見ている。

 起点を決めるのはいつもこの工具である。安くて正確なのでお勧めしたい。最初に打ったポンチ穴をゼロゼロ点にする。この画面の下の方のChris' Tipsに動画があるので、ご覧戴きたい。

 今筆者が興味を持っているのはこのウェブサイトである。RS232を持つ使わないコンピュータをDROにする工夫である。コンピュータと連動させるので、かなり複雑なことができる。上の図はここからお借りしている。

2012年10月03日

DRO

712_5602-2 以前彼に勧めたDROが採用されていた。価格があまりにも下がって、付けない理由が見つからなくなったからだろう。この台湾製の縦フライスの3軸全部に付けられていた。


712_5604-2 この図面はUSRAの0-6-0のフレイムである。もともとはLobaughのフレイムであるが、それを複製することにしたのである。スクラップ屋で安価に購入したアルミ材を削り出して、鋳縮みを含めた大きさに削り出す。図面を見るとDROで加工するべき手順が良く分かる。起点を決めてそこからの絶対値で加工する。もちろん刃物の直径を含めた寸法が出してある。この検算をするのにつきあった。簡単な計算ではある。彼はこのフレイムをロストワックス鋳造で複製するのである。元型は砂鋳物で抜き勾配が大きく、あまり恰好が良くない。

712_5614-2712_5615-2712_5612-2 これらが3軸の棹である。昔は1本十万円もしたのだ。現在の価格はなんと6インチ(15cm)で 34ドルほど、12インチ(30cm)で42ドルほどである。48インチは60ドルほどである。あまりの安さに卒倒しそうである。おそらく今が底値で、急速に値上がりするであろうと思う。
 この機種はディスプレイが個別になっている簡易型である。もちろん棹を買うと付属してくるのだ。しばらく休んでいると、電源は自然に切れる。1/2を出す機能は無いので、旋盤のY軸には使い難いが、それにしても安い。

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2012年10月01日

続 Dennis の工夫

712_5816-2 先回の写真は角度が悪く、あまり良くお分かり戴けなかったと思われる。もう少し異なる角度からの写真を探してみた。
 ダイヤルゲージの先端に小さなプローブを付けている。それがクランクピンに当たる位置を調べている。もちろんクランクピンの太さが完全に同じであることを調べなければならない。動軸をセンタで押さえてクランクピンを水平なゲージにこつんと当て、もう片方をプローブで押さえる。いくつかの動輪を調べて見ると、大体2〜5/1000インチの誤差がある。ミリで言うと0.051mmから0.13mmくらいの振れである。
 日本製のKTM製品はまず問題ない。韓国製、中国製は問題がある。後者は壊滅的に駄目である。試運転すればすぐ分かるはずなのに、ずさんにも検査を通してしまうのだろう。
 調整して、2/1000インチ以下の振れに留めるようにする。

 振れを調整して、プレスで押し込む。一度は嵌っていた軸なので問題なく垂直に押し込める。この時精度の良いアーバ・プレスを用いないと振れが出る。もちろん限界まで押し込んで完了するように、Back to Back(バックゲージ)のブロックを挟んで行う。

25ton Arbor Press アーバ・プレスとはこんな形の工具である。力が掛かったときに口が開かないような設計が必要である。Oゲージでは0.25トンが必要である。写真は筆者が持っているタイプのカタログ写真である。ラック刃の付いた角棒が垂直に降りるように、調整ネジが付いている。ワークの高さに合わせてアーバを引き抜き、ピニオンとの噛み合いを調整することができる。そうすることにより、ハンドルの角度を変えられ、最も力を入れ易い所に持って行くことができる。

 アーバの先端にはネジ穴があり、色々な工具を取り付けられる。抜き型を付ければプレス抜きもできる。ボール盤で代用すると、軸が回ってしまい、プレス加工は困難だ。達人はベルトをシャコ万で締めて回らなくしたりするようだが、筆者は自信が無い。この工具はかなり前に仕入れたアメリカ製である。e-bayを丹念に見ているとたまに見かける。それほど重いものでもないので運賃も心配するほどのことはない。

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