2011年11月

2011年11月29日

炭素棒ハンダ付け電源の組立 

GOW_3065GOW_3064 足踏みスウィッチの電線を本体に差し込む部分である。不意にこれが抜けたりするとずいぶんいらいらするので、ネジ込みの抜け止めが付いているタイプにした。意外に高価であった。

 ゴムのグロメットを介する固定式にしても良かったのだが、外せると便利なこともあるので、この部品を使った。足踏みスウィッチには滑りにくい材料の底板を付けると、安定である

 材料が硬く、もろいので、締めるときは注意されたい。あまり強くネジを締めると割れる恐れがある。接着剤を補助に使って、軽く締める。作業机の後ろから電線を垂らし、それが足踏スウィッチに至るので、レセプタクルは後ろに付けた。当初作った時は、前面にこれを付けたので電線の取り回しが不便であった。

 プラグに電線をハンダ付けをする前に構造をよく理解し、通すべき部品を電線に通してから作業を開始する。さもないと部品があとからでは通らないということになる。ハンダ付けしてからねじ込んで組み立て、電線の抜け止めを締めると完成である。

 100Vの電源コードはゴムのグロメットを介して通し、パネルの裏側で縛った。電流が小さいので問題ない。フューズケースにハンダ付けをするときは、管フューズを抜いてから行わないと、何かの間違いで熱が伝わって断線することがある。筆者には過去に苦い経験があるから、ご注意願いたい。

2011年11月27日

炭素棒ハンダ付け電源の組立 

GOW_3060 この写真を再掲する。この黒いバンドは耐熱性のあるナイロンの結束材で、温度フューズを取りつけるものである。長いものの在庫がないので、短いもの2本を供給する。つないで使用することをお許し戴きたい。


GOW_3062GOW_3061GOW_3063 足踏みスウィッチである。コードを長くされたい方は、このように改造する。付属の電線は 1m で やや短い。1.5m の線を用意したので、それと取り換えることができる。アメリカで市販されている炭素棒ハンダ付け電源に付属している物より、はるかに丈夫なものを選択した。この部分が最も激しく動かされるからである。高価であるが投資効果はある。100万回の動作に耐えるらしい。

 裏のネジを一本緩める。これは外さなくても良い。シャフトを押し出して分解する。ペダル部分を押さえて、何か細いものでシャフトを押すのだ。この時、うっかりするとコイルバネが飛び出す惧れがあるので、新聞紙を1枚かぶせて抜くとよいだろう。飛んでも新聞紙で引っ掛かる。

 開けるとこのようになっているので、スウィッチを外し、赤の線を切断する。白と黒の線を付けているハンダをはがす。そこに供給した電線の外側の被覆を剥いたものを通し、さらに内部の線の被覆を剥く。ハンダ付けは容易だ。踏んだ時、白と黒が導通するかを確認しておく。

 コードの抜け防止の金具を付けて、元のように組み立てる。この時、内部にゴムあるいはフェルトを貼るとガチャガチャという音が小さくなる。これは個人の好みにあわせて貼り付けられたい。シャフトには少量のグリスを塗ると長もちするだろう。
 
 ここまでの標準的な時間は30分くらいである。

2011年11月25日

炭素棒ハンダ付け電源の組立 

GOW_3057GOW_3058 全ての部品が届く前に、見本として来ていた部品を組み立ててみることにした。写真を撮りながら作れば、組み立て説明書になるわけだ。


 まず全体の配置を決める。今回は全体の大きさを小さくすることを目標にしていたので、トランスの取り付けを90度倒すことにした。すると床板に取り付けるためのスティが必要となる。適当なアルミ合金製アングルを拾っておいたので、それを切って取り付けた。アルミ合金でなくてもブラスの小片でも良い。トランスのフレイムのネジにはM4の雌ネジが立っているが、3mmを使ってのナット締めでもよいだろう。トランスを倒すことによって後面のパネルの剛性が増し、足踏みスウィッチのプラグの抜き差しが楽になったのは儲けものであった。

 パネルはアルミニウムなので工作は実に容易だ。しかし、ドリル等が食い込む惧れがあるので、注意する。小さい穴を開けてそれをヤスリで広げるのが簡単だろう。普通の人は19mmのドリルなど持っていないだろうから。
 ヤスリはすぐ目詰まりするので、丹念にヤスリ粉を取り除くとよく切れる

GOW_3059GOW_3060 部品の配置は過去の例を参考に、より操作が簡単になるように、電線の取り廻しが楽になるようにと工夫した。皆さんの工作机の配置に合わせて、適当なアレンジをされたい。

 足踏みスウィッチの取り出し口は後ろにし、また、そのコードの長さを1.5mとした。これがある程度長いと、配置の自由度が上がる。

 ここまでの標準組み立て時間は、配置検討30分、ケガキ30分、穴開け1時間、部品取り付け30分というところだろう。後述するが、トランスの配線だけは事前に済ませないと、あとからではネジが締まらない。

2011年11月23日

続々 Canstock Car

 筆者は長年このCanstock Carの資料を探していた。外観の写真や、キットから作られた模型はたまに見ることがあっても、鉄道会社の発表している資料に行きつくことができなかった。

 ところがこのブログに鋭いご意見を戴くnortherns484氏から、例によって思わぬ贈り物を戴いた。それがこのリンクである。B&OのHistorical Societyの発行する資料をPDF化したものを見る事ができるのだ。インタネットのありがたいところである。
 一応は筆者も検索して探してはあるのだが、なかなか見つからない。ところがnortherns484氏は必ず見つけ出してしまう。これは何かのノウハウがあるのだろうか。
 
 このSentinelという言葉は軍隊用語で番兵とか歩哨という意味であり、B&Oが荷主に対して提供した貨車運用情報プログラムのことである。
 B&Oはアメリカで一番古い鉄道会社である。

 さてこの資料の13ページから10ページに亘って詳しい解説がある。歴史的背景を含め、この機種が開発された必然性まで書いてある。
 Canstock の大きさの見積もりは少々大き過ぎたようだ。9600ポンドということは約4.3トンである。パレットに載っていてスティールバンドで留めてある。積み込みの手順を工夫して今までよりたくさん詰めて、しかも省力化できるわけで、開発者は鼻高々だったであろう。
 この解説の中で筆者の興味を引いたのは、妻が開くタイプの有蓋車がこの種の輸送に使われていたことだ。確かに、妻から入れればたくさん入るが荷役の手間は大きい。1台ずつ専用のプラットフォームに押し込んでから積まねばならないからだ。

2011年11月21日

続 Canstock Car

 栗生氏の御許可を得て、引用させて戴く。

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 我々が思い及ばない点はたぶん、バルクヘッド、仕切り壁の強度の問題だろうと思います。このモデルメーカーの別の写真に、ドア面に「4DF-B」の表示がありますから、 これはエバンズ社のDF-Bを、4つ使っているはずです。
 この「4つ」という点が重要で、ボックスカーの真ん中には、コイルを積まないのですね。

 フォークリフトは、ドアのところで向きを変える必要があります。そのために、ドアの開口寸法を12フィート6インチ( 381 cm )と大きくとりました。そして、積み下ろしのときは、両側のドアを共に開けます。
フォークリフトのターンのために、このスペースが必要です。一部の写真で、"OPEN BOTH DOORS BEFORE LOADING"との表示が読み取れますね。

 そして、最後の7つ目と、8つ目のコイルは、ドアの位置に置きます。フォークリフトで、サイドから積み下ろしするのです。 これらのためのバルクヘッドは、たぶん、ドア開口部の位置に来ます。そのツッパリ部(固定部)は、両側のドア自体ではなくて、床と天井、あるいは鴨居だと思います。

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GOW_3050 明快なご解説で、これを読んで非常にすっきりした。DFは荷崩れ防止用のディヴァイスで、天井というよりも、この解説にあるように鴨居にあるレイルと床に固定されるはずだ。これはレイルにぶら下って滑って行き、所定の場所でロックする。(この写真はCar and Locomotive Cyclopedia 1974年版である。)
 それにしてもこの貨車の積載量は70トン超であるから、そのコイル一つはかなり重いものであろうと思われる。軟鋼板であれば、この説明図から割り出した大きさで、幅2 ft(61 cm)のコイルなら、1つ7トンくらいになる。それが移動するのを防ぐDFの強度はさぞかし大きいのではないかと思う。また、それを積み込むフォークリフトもかなり大きなものだろう。(このコイルは4.3トンであることが後日判明した。)

 この貨車の連結器には、油圧ダンパが付いていて連結時の衝撃を吸収するようになっている。それでもかなりのショックがあるだろうから、DFの強度はかなりのものだ。

2011年11月19日

Canstock Car

Canstock CarGOW_3040 先日栗生弘太郎氏から戴いたコメントで、Canstock Carの模型が発売されたことを知った。

 キャンストックとはブリキ板、薄いアルミ板で、缶詰製造業者が使う材料を納品するときに使う貨車である。食品に触れるものであるから、有蓋車で運ぶ。
 一般的には、ごく普通の有蓋車で運んでいたのだが、B&O(バルティモア・アンド・オハイオ)という鉄道会社が導入したこの貨車は、単位長さあたりのキャンストック・コイル(巻物で運ぶ)の数が多いという特長を持っている。

 この貨車の模型はQuality Craft(現在のWeaver)が出していた、木製のキットである。このキットを開けて図面を見て、どうやって作ったものか、思案投げ首であった。というのは、ドアの位置がどうなるのか、図面を見ても説明を見ても分からない。一般的にはこのようなオフセットした(片方に寄った)ドアは反対側が点対称になっているものだ。

 当初、そうしようと思ったのだが、どう考えても荷役上の都合を考えると、もう少しドアが大きくないと都合が悪いことが分かった。しかし、両側面の同じ位置にドアがある理由が分からない。というわけで組み掛けてしばらく放置してあった。

 1985年に祖父江氏と訪米した際、デトロイトのディックのところに寄った。彼はこのキットを完成させていた。見ると、やはり、両側面の同じ位置にドアがある。
 理由を聞くと、「よく分からぬが、メリットがあるんだそうな。」ということであった。それ以上の情報が入らぬまま、仕方なくディックと同じように仕上げた。それから25年、意外な形でその理屈が明かされた。

Car%20Objectives 今回発売の模型はHOである。実物の資料を手に入れて細かくできている。それによるとドアの位置が真ん中にあると、積めるコイルの数が少ないというのだ。この説明はなんとなく説得力のない文章で、何度も読んだが、よく判らない。
 例えば、パレットに載せたコイルを床に留めることができればもう少し積むことができそうだ、と思った。
 
 多分、条件としては、―顛完銘屬鮹羆に持っていきたい。 ▲侫ークリフトのみを使って荷役したい。 Damage Free(衝撃で荷物がずれないようにする補助具。以下DFと略す)を取り付けられる場所(数も)が限られる。 ということなのだろう。

  ドアが片方に寄っているので、車内の奥の方は暗い。そこで天井を一部グラスファイバにして明り取りにしている機種もある。

 専門家の栗生氏に解釈して戴いた。 

2011年11月17日

Rebuilt Engines

 このように、ほとんどの機関車は筆者の鉄道の仕様に合致させるべく改造を行う。場合によっては下回りは完全新製することもある。今手掛けているChallenger 3輌がそれである。
 上回りはよほどひどい間違いがなければ、多少手を入れただけで塗装する。それを所属クラブの例会に持っていく。分かっている人は「よくやったね!」と言ってくれるが、まったく評価しない人もいる。

 先日クラブの例会で、ある方がそっと耳打ちしてくれた。
「『dda40xさんは買ったものしか持ってこない。 あの人は自分で物を作らない人だ。』ということを言っている人が居ますよ。ひどい言い方ですよね。」

 半分弱は当たっている。しかし、このようなことを言う人に物を見せても、たぶん理解してもらうことは不可能だ。筆者の機関車を見ても、その違いが分からないということは、模型店が提供している動力装置に何も手を加えずに模型を完成させても、何も感じない人だということである。

 人生は短い。「時間を買う」という意味で完成品を素材として買うのだ。しかも筆者は格安品しか買わない。それらは何か問題を持っている。衝突事故でめり込んだもの、モータが焼けたものとか、脱線して側面が削がれたものなどである。
 手を入れれば直せるものを相場の半分以下でしか買わない。

 しばらく前、当鉄道に来訪された方が、工作室に入られて大変驚かれた。模型用としてはかなり大型の工作機械が並んでいて、切粉が山になっていたからだ。廃品回収業者に持っていくために、大きな缶に山盛りにしてあったのだ。

「こんなに削るのですか。」
「Oゲージですから、HOの8倍くらいにはなりますよ。しかもOゲージの部品は売っていないので、全部作らねばなりませんからね。」
「材料もこんなにストックがあるのですね。」
「全部、廃品回収業者から目方で買って来るので、安いものですよ。ほらこの汚い塊もブラスや砲金ですよ。いつも50kgくらいは持っています。」
「これはボールベアリングですか。一体何個くらい持っているのですか。」
「この筒1本が100個ですから、1500個くらいありますね。10年分くらいです。欲しい人にはお譲りしていますよ。1個100円を切ります。安いでしょう?」

 この方は、クラブ内で、筆者が物を作らない人であるという噂を一生懸命否定してくれたが、たぶん何の効果もないだろう。

 筆者はとにかく、よく走り、脱線せず、壊れない模型作りに興味があるのだ。上回りを細かく作ることにはあまり興味がない。 筆者の機関車をアメリカのレイアウトに持っていくと、皆その走りには驚嘆する。やはり、走らせる環境がないと理解するのは難しいのだ。
 日本の雑誌に載る作品はどのような走りをするのか、その動画を見たいと思う。出版社が持っているウェブサイトで公表すれば良い。こうなるとレイアウトを持たない出版社は、意味がなくなるかもしれない。

2011年11月15日

炭素棒ハンダ付け装置のその後

 近所の電気屋の社長から連絡があって、11月26日に全ての部品を納品できると言ってきた。請求書は来ていないので、単価がまだ決まらない。

 たぶん12月の第一週には発送ができると思う。
 申込者にはそれまでに往復はがきをお送りするので、承諾書に署名捺印して返送願いたい。

 変圧器は11月4日に納品されている。1台2.9kgある。玄関脇に一山あるがこれだけで100kg以上である。動かすのも億劫で納品されてから手を触れていない。

変圧器 耐熱電線 写真を撮ったのでお見せする。電線はテフロン被覆電線で、とても高価である。現在使用中のものは熱で徐々に劣化してきたので、これだけは採用したかった。要するに、ワーク(工作物)の周りは耐熱電線を使うべきなのである。アース線より、手持ち電極の方を長く切った。同じ長さでは使いにくい。これは、筆者の経験に基づいた長さとした。あまり長いと損失が大きくなる。

 炭素棒を取りつける手持ち電極は、今週末に完成させる。現在、心棒となる6mmの鉄棒を切断し、ロレットを切った。発生した熱は大半がワークの方に伝わるが、一部は手元に伝わってくる。それを少しでも伝えにくくするために鉄の棒を使った。細くするとよいのだが曲がるので、経験上6mmが必要であった。
 
 先端のブラス挽き物は久し振りの量産で、手際良くできるように段どりした。
 炭素棒が5mm径であり、それを3mmのネジで留める。締めすぎると割れるので、軽く締める。炭素(グラファイト)は、圧力を掛けると流動する性質があるので、ぴったりの穴に入れてゆっくりネジを締めると、多少塑性変形してよく締まる。



2011年11月13日

続々々々 FEF1

GOW_2918 テンダの連結器も上回りに付いている。本来は外して下回りに付け替えたいのだが、かなり面倒な工作になるので、思い切って、メタルタッチ方式にして、床板を補強することにした。

 衝突時の力は床板に取り付けた角材に伝わる。しかし床板が弱いと、それが曲がって、上回りの変形を許してしまうことになる。
 要するに、堅い床板を作り、衝突したら全てを床板が受け持ち、上回りには影響が及ばないようにしなければならないのだ。現在のままでは、衝突するとテンダの上回りにめり込み、修復に多大の時間が掛かる。
 あるいは、それを見越して14輪テンダに取り換えるという手もある。実物もかなりの数がセンティピード・テンダに振り替えられている。

 これはChallenger、Big Boy用テンダと同じ軸配置でそっくりだが、肩の形が違うものだ。ときどき中古市場で見かける。FEFはChallengerと比べると、運転台床高さが低いので、屋根の深さが大きい。後者の屋根の曲率は小さいのだ。それがテンダの肩の形に影響を及ぼしている。HOのFEFテンダには一部正確でないものがある。Big Boy用のを流用したのだ。これは意外と気が付いている人が少ない。前から見ると、キャブとテンダの外形が連続していなければならないから、間違っていればすぐ判る。

 動輪はバランスウェイトが飛び出していて、なかなか良い。ということはロッドは薄いということだ。クランクピンは弱いので捨て、新製した。動力機構は新製である。出力8Wのコアレスモータを取りつけたので、かなり重い列車を高速で牽ける。

 上廻りは比較的よく特徴を捉えている。塗り替えれば十分使える。いつものように、機関車の下廻りをほとんど全交換してしまったことになる。

2011年11月11日

続々々 FEF1

GOW_2921GOW_2922 テンダのドロー・バァのピンが、非常に薄くて弱いロストワックス部品に付き、それがテンダの妻板にハンダ付けしてあるという信じがたい構成である。すでに力が掛かってハンダが外れ、かろうじて端を留めているネジで引っ掛かっていた。本来なら、端梁は床板の一部である。鋳鋼で一体に成形されているからだ。この模型では端梁が上回りについている。押されたときにハンダがはがれるのは当然である。力が床板に伝わる前に端梁のハンダが外れる方向に力が掛かるという間抜けな設計であった。

 4mm厚板から削り出して床板を延長して強度を出す。この部分と、薄いロストワックス鋳物の内側が接触(メタル・タッチ)するようにヤスって調整する。そうしないと衝突時にバッファが押されて凹む可能性があるからだ。ピンを挽き出してネジ込んだので、これで大丈夫だ。力は床板に伝わり、上回りは無関係になった。
 床板は0.8mm厚しかないが、折ってチャンネルにしているので、かなり丈夫である。軽衝突時にこの厚板の周りがひずんでしまうのを防ぐために、床板の裏側には1mmの板を大きく切って貼った。力を分散させるためだ。

 衝突は色々な場面で起こりうる。たとえば、列車を連結しようと後退している時、速度が速いとうっかり衝突することはある。相手の質量が大きいので、Static Barrier(固定された障壁)とぶつかるのと同じだ。
 対策としては、連結器の取り付けネジを弱い材料にするのと、ドロー・バァ・ピンをあまり強い材料で作らないことぐらいしかない。筆者の鉄道では全て自分で挽き出したブラスのピンである。適当な強度があり、なおかつ非常時には曲がり、最終的には破断する。
 要するに連結部分が壊れて、テンダ本体、機関車に被害を及ぼさないことが必要であるということだ。 

2011年11月09日

続々 FEF1

DSC_2896DSC_2894DSC_2895 パイロットは、全くどうしようもない。捨てるか作り直す必要がある。へろへろの薄い板で取りつけられているので、すぐ曲がってしまい、話にならない。(塗装をブレーキフルードではがしたばかりで、完全には細かいところの塗料のクズを取っていない状態で写真を撮った。多少の剥がれ残りは爪楊枝でつっ突くと取れる。)
 これは、Commonwealth Drop Couplerというタイプだ。手持ちの部品があったはずなのだが見つからないので、とりあえず補修する。多少の衝突に耐えるようにムクの角材から補強部材を削り出し、カプラは上下にスウィングするようにする。この模型はパイロットの表面しか作っていず、カプラは見かけだけのものを取りつけている。
 メインフレイムもシリンダ前が薄すぎるので、切り離して新しいものを付けるべきである。パイロットの取りつけ穴はあるのだが、その取り付けの土台がないからである。また、カプラは上下にスウィングするはずなのに、変な所に横梁があって、そこにカプラが付けてあった。構造を考えることができない人が作ったのだ。 

DSC_2899DSC_2903 エアポンプ(空気圧縮機)の取り付け部も、へろへろの薄い板で出来ていた。本物は丈夫な鋳鋼一体構造である。エアポンプの鋳物は何度もゴム型をとって鋳縮みしているらしく、妙に小さく、気分が悪い。新しい鋳物に取り換えることにする。機関車の魅力はその顔にあるはずだ。パイロット、スモークボックス・フロント(煙室扉)、エプロン(パイロット後部のエアポンプ周辺)あたりの構成が大事である。このエアポンプのサポートは太い角材で斜めに支えるようにすれば、造形上はぐっと良くなるはずだ。現在はあまりにも情けない。
 先台車はショートしたらしく、前の持ち主がプラスティックの車輪に替えたようだ。また、先台車のセンタの位置もおかしく、シリンダ中心より前にあった。先台車枠の中には鉛の塊が嵌め込んである。これは工場で鋳込んだのだ。バネ下質量が大きく、追随性が悪くなる。先台車こそ、最も軽く左右に動かねばならないものだ。
 結局、全部捨てた。復元力を強くすれば、ショートなど起こるはずもない。

GOW_2920 これは機種が違うが、祖父江氏が50年も前に作っていたCommonwealth Horizontal Swing Couplerである。実物と同様に骨があり、後部は裏打ちしてある。多少の衝突に十分耐える。このような模型を作れる人はもう現れないのだろうか。

2011年11月07日

続 FEF1

GOW_2916GOW_2918 祖父江氏は20年ほど前、韓国製機関車の攻勢に対して次のように述べた。
「韓国で機関車をどんどん作ってやがるが、まだ俺の敵じゃあねえよ。当分大丈夫だね。ほら、このフレイムを見てご覧よ。角棒から作っていい気なもんだが、全部同じ幅だよ。こんな機関車があるもんか。
「何も分かっちゃいねえよ。こんな機関車を買う奴が居るから、図に乗ってるんだ。」
 
 当時、アジンをはじめとする韓国勢は大型の工作機械を導入し、ブラスの太い角棒からフレイム全体を削り出した。それ以前の、プレスで抜いた物をハンダ付けした怪しいフレイムから脱却したつもりだったのである。プレスで抜いたフレイムは抜型が材料を圧迫するたびに伸び、軸距離に誤差が生じているのだ。

「フレイムの後ろは平行じゃねえよ、ちゃんと絞られてんだ。ここんところが細く絞られた機関車が出てきたら、いよいよ俺も飯の食い上げってこったよ」。

 その10年後には、彼はこう言った。
「ちっとも出て来ねえじゃねえか。ま、大丈夫だな。」
というわけで、結局のところ、祖父江氏は最後まで逃げ切ったことになる。

 この機関車もフレイム後半を鋸で切断し、火室を避けた形に祖父江氏の削り出したフレイムと交換した。火室後端を二か所支えるようにし、キャブはボイラにぶら下がる。インジェクタもフレイムに取り付け、キャブとは縁を切る。ボイラ支えは写真の白い2本のネジで留められている。
 従台車はバネを深くし、台車枠をフレイム下の平面内を首振りするようにする。要するに従台車はフレイムと平行な面内でしか動かない。走らせると安定して素晴らしい実感だ。フレイムと直角の丸棒は、意味がよく判らぬ復元装置風のものである。

 バネ式で、筒の中に入っている。それが従台車フレイムの内側に当たっていて、復元するはずなのだが、設計が間違っていて、単に両側に押し開く力が大半で復元力はバネの力の1割もない。これも捨てることになる。バネ式では中心付近の復元力が無いに等しいので、工夫したらしいが、やはり間違った設計だ。従台車は例の方法で復元することにした。中心ピンから一番遠いところで復元力を発生させなければ、「テコの原理」で損をすることぐらい分からないのだろうか。

2011年11月05日

FEF1

DSC_2847FEF engineer side



FEF fireman side




 FEFとはUPの4-8-4であり、Four-Eight-Fourの略である。初期のタイプで1937年に作られた。動輪径はやや小振りで77インチ(1956mm)である。この模型は韓国製であり、筆者のコレクション中、最も近年に購入されたものである。筆者のところには韓国製機関車はほとんどない。これ以外にはUP9000が2輌とパシフィックが1輌だけである。 それらはすでに改装済みである。
 
 実は、筆者としては珍しく、この機関車をスクラッチビルドしようと準備をしていた。図面を手に入れ、部品集めを始めたのだが、多忙で始めるところまでは行かなかった。
 メインフレイムの作図も済み、full equalized, sprung modelとなるはずであった。フレイムはCNCで彫り出す一体型である。ボイラもある程度の作図が済んで、板を丸める3本ローラも用意した。

 3年前、O Scale West で、筆者の向かいのブースにこの機関車が置いてあった。「売れ残ったら買うよ」と言っていたら本当に売れ残ってしまい、格安で手に入れた。ひどい塗装がしてある。
 しかし、買って後悔した。余りにも出来が悪い。正直なところ、滅茶苦茶である。どんな人が設計したのか知らないが、工学的素養が全く感じられない。これは単なるお飾り模型であって、まともに走らせるとばらばらになってしまう。インポータも工学的素養がないことは明白だ。上廻りは実物の写真を何枚か見たようで、まずまずである。

cab supprot 例によって下回りを作り直すことにした。祖父江氏に見せると、「俺にやらせろ」と仰る。「こういうのを見ると、許しちゃあ置けないんだよね。」というわけで、預けた。その途上で氏は亡くなり、残りは自分でやることになった。

 何がおかしいかというとフレイムのシルエットが完全に間違っているのだ。主台枠が真っ直ぐな棒で、火室を貫いている。そんなバカなはずはない。また、この機関車はキャブがボイラにぶら下がっているタイプである。すなわちフレイムとキャブは何の関係もない。それなのに、模型の設計者はキャブをフレームから生やした足で支えたのである。
 国鉄のC59はこの機関車を参考にして作られた。島氏はこの機関車の図面を見ている。筆者は詳しくないが、C59のキャブは下を支え、ボルトでボイラ後端上部から吊ってあるはずである。また、燃焼室の作りも似ている。

 模型のメインフレイムの幅は、最先端からドロー・バァ取り付け部まで同じ幅でできていた。これこそが祖父江氏の「けしからん」と言いたいところであった。

2011年11月03日

続 工具立て

DSC_2890 コメントを戴いた。その方法もやっていないわけではない。
 クラブ員のY氏から提供された医療用のステンレス容器である。これの縁はやや開いていて工具を取り易い。しかし向こう側にあると取りにくいから、回転すると具合が良い。

 ボールベアリングがいくつかあるので、これを廻すための台を作ろうと思う。簡単な工作である。内径30ミリ外形55ミリのボールベアリングが適する。ただ手で触って廻ればよいので工作は手抜きでよいのだ。

 
 炭素棒ハンダ付け機の進捗状況を報告する。
 昨日トランス屋から連絡があり、4日に納品される。1台 3 kg もある。
 ケースその他は近々納品されるだろう。2、3週間のうちに、注文された方には往復はがきをお送りするので、承諾書に署名捺印して送り返して戴きたい。
 金額がそれまでに決まれば、送金の方法も指定させて戴く。

 部品がそろった状態で、1台試作してみて、その写真をUPするので、それを御覧になって組立てられたい。ケースの穴開けが面倒だが、それ以外は容易である。
 炭素棒につなぐケーブルだけは耐熱のテフロン線を用意したのでそれを使われたい。圧着端子を締めて出荷する。また炭素棒を取り付ける部分は、組み立て済みにするつもりである。今その工作で忙しい。

 敷板を注文された方には、2mm板から切り出して用意したが、寸法は多少の誤差があるし、直角が出ていない可能性もある。気になる方は縁を削って戴きたい。 
 特殊寸法を頼まれた方は、材料調達の関係で長さ方向はご希望通りだが、幅は微妙に足りないものもある。どうしてもその寸法でなければならないという方は、再度ご連絡戴きたい。なるべくご要望にはお応えしたいが、新たに定尺板を購入することは避けたい。

 敷板は、車輌全体を載せてハンダ付けしなければならないというものではないので、寸法はあまり気にならないというのが筆者の経験から言えることである。Oゲ−ジ車輌を、 20cm角板の上に置いて作業しても、何も問題はない。

2011年11月01日

工具立て

DSC_2732 良く使うニッパなどをどこに置くかということは、長年の悩みのタネであった。棚を少し斜めにして柔かい布を敷き、そこに置いてみたがあまり機能的ではなかった。
 この工具立てはどうだろう。しばらく前に買ってあったのだが、つい出し忘れていた。難しい工作ではないので自分で作ることもできる。実はそのつもりで、見本として買ったのであった。

 立てる工具に合わせて穴を開ければよい。太い穴は深くせねば工具が立たないだろうから、厚い板で作る必要がある。

 ところで、「ハンダゴテをどこに置くか」というのは永遠の悩みである。子供のころから置き場所には困った。机の片隅に置き台を作り、パイロットランプをつけ、通電中であることが分かるようにした。電圧を変えると明るさも変わるので、出力もすぐ分かる。しかし邪魔である。

 今考えているのは、バネで握りの後端を支えるようにぶら下げる方法である。握るのは先端が小指の方に向くように持つのでこれで良いはずである。しかしバネに緩衝性がないと、コテを放した時飛び跳ねる。
DSC_2873 弱いコイルバネで紐を繰り出して伸縮する、このようなものを探している。これは30年も前に米国で手に入れたもので、注文しようにも、このブランドを頼りに検索すると、会社はすでに異なる業種に売却されてしまった模様である。同じ物が見つからない。この大きさ、引きの強さが気に入っているが、試しに日本製のバランサも買ってみようと考えている。
 今まではドレメルの Moto-Flex をぶら下げていた。電線付きの回転工具は、これまた置き場所に困るのである。最近はコードレスになったので引き出しに入れてある。

 これをハンダゴテに使えば使えば、不要な時は高く上げておくことができ、必要な時は引き出せばよいと思う。このような悩みを持つようになったのは、炭素棒ハンダ付けをよく使うようになり、ハンダゴテの出番が減ったからである。
 

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