2010年12月28日

2010年12月28日

続々々 慣性を増大させる装置

 この5軸イコライザの基本概念は長年温めてきたものである。主釣り合い梁を二つに折れるようにして衝撃力を緩和するのであるが、撓むと軸距離が縮む。それでは、支点を最初からやや高めにしておくとどうなるか。
 実は、今回のレーザ・カットの不具合で、いくつかのイコライザ部品を手作りした。そのときに一つの部品をやや長めにして支点を上げたのである。

versine伊藤剛氏 近影 図をご覧戴くと分かるが、折れたイコライザはまっすぐになると伸びる。その差は僅かではあるが軸を平行に出来なくなる。この伸びを"versine"と呼ぶ。この言葉は伊藤剛氏から教わった。日本の設計現場では「バーサイン」と言うのだそうだ。
 ほんの僅かな差であるが軸距離を伸ばすことが出来る。この不具合を良い方向に持っていけないかと考えた。(右の写真は伊藤剛氏近影)

Challenger's 5-axle truck equalizedSelf Stearing 5-axle Truck この重いテンダは横向きの加速度が与えられれば、外に傾くだろう。何しろ 大きな質量のあるフライホイールがかなり高いところに取り付けてあるので、重心は高い。すると外側の軸距離が少し伸びる。もうあとは書かなくてもお分かりと思うが2軸と3軸が操舵する。5軸の固定台車ではなくなるのである。この方法を採用することによって、摩擦が減り、センティピ-ド・テンダの走行性能は大幅に改善されるであろう。バネを分散させて、全てのイコライザ・バーをこの方法で伸びるようにすると、面白い動きを示すであろう。

 軸の上下によるバーサインは無視できる範囲にあるが、車体からの荷重変化は無視できないので、有効に働くものと思われる。イコライザが折れるのに対抗するバネは、当初の設計値よりやや強くして釣合い点を上げてある。この引きバネは、もう30年も前からこのアイデアを温めつつ保管してきたものである。アメリカで飛行機の整備をしていた友人から貰った物で、何の部品かは分からないが、へたらないバネである。

 ボールベアリングはイコライザの孔の中に接着剤Super Xで埋め込んである。左右の片方の車輪が持ち上がると、ボールベアリングは微妙にこじられる形になる。これを複列にしてキャノンボックスにすると構造はあまりにも複雑になるから今回は割愛した。
 いくつかのメーカのボールベアリングを購入して一番ガタの大きい物を使った。某国製のラジコン用と称するものである。安価で驚いた。異常を感じたら差し替えるようにする。取り外しの容易な場所だから問題はなかろう。

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