2010年12月26日

2010年12月26日

続々 慣性を増大させる装置

Lifting 2 Axles of a Challenger's Tender Challengerが就役した当時は、各地に大きなターンテイブルが用意されていたわけではなかった。しかし、これは使い勝手の良い機関車で本線上のみならず、支線にまで入っていく。デルタ線で廻すのだが、どうしても機関庫に入れたいこともある。その時にはテンダの後ろ2軸をはみ出させる位置に停車させ、少し前進し、後部5軸の中央に楔状のものを噛ませる。そしてバックするのだ。するとイコライザの可動範囲を超えると動かなくなるので、そこで無理に持ち上げることになる。ゆっくりだから壊れない。こうすると、後ろ2軸は宙に浮く。そこでターンテイブルを廻す。この写真はLou Schmitz著 "Union Pacific Trackside" の p.13からお借りしている。原本は天然色である。UPの機関士Tom Harveyは「インチキな方法」と言っていたが、極めてゆっくり行うのだから壊れることはない。
 Big Boyは専用区間以外、出なかったので、このようなことはしていないはずである。

inertia tender さて筆者の模型は7軸中6軸、しかも軸重を考えると6/6.5で動力採集し、それを増速して慣性モーメントとして蓄える。
 ラフな計算であるが、質量が40倍以上増えたのと同じ効果を作り出すことが出来ることになる。摩擦力がほとんど変化せずに慣性が増えるので、実物の1/2位は楕行出来るはずだ。

 テンダの設計質量は約4.5kgで機関車と同等以上である。おそらく、巡航速度で走っている状態で電源をOffにしても、筆者のレイアウトを1周以上するだろうと推測する。機関区での単機のスリップも見事に再現できるだろう。 
 機関車は不整な線路上をある程度の速度で走り、カーヴを曲がり、脱線や軽度の衝突もする可能性がある。そのときにこの巨大なフライホイールが壊れないような設計が必要だ。
 前回ディーゼル機関車に取り付けたときは、少々大きめのスラスト・ベアリングを用いて、衝突に耐えるようにした。実は、当初ラジアルベアリングだけで作ったところ、連結時のショックで玉が抜けてしまったことがある。
 その後スラストベアリングをつけた。普段は力が掛かっていないので、無くても良いように感じるが、非常時には確実に働いている。

 問題はもうひとつあって、ジャイロ効果が出てくる可能性があるので、単一回転体ではまずいことになるかも知れない。二つのフライホイールを反転させることも考えてみた。上記の図ではその概念を示している。
 テンダの中身はブラスの円筒でぎっしりだ。この種の材料は非鉄金属回収業者(クズ屋)で調達する。行きつけの業者はこちらの好みを知っているので、使いそうなものを脇に除けて置いてくれるので助かる。

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