2010年11月

2010年11月30日

続々 Walthers の客車キット

 ウォルサーズの客車キットの基本はHeavy Weight客車である。Pullmanの寝台車はほとんどの形式が作られている。一部の特殊な配置を持つ車輌も、NYCなどの有名会社の車輌は製品化されている。
Passenger Car EndEnd fastenedpassenger car construction 40年代から10年以上に亘って作られた方式は、この写真のような妻板の鋳物を使用する方式である。天井板に2本のネジで留めて、床板はその後である。ということは、室内装置の付いた床板を、水平方向からはめ込むことになる。この妻板を用いると側板は後から釘止めということになってしまい、細い釘を20本ほど抜かぬ限り、電球の交換は無理である。実際にこの車輌はそうなっていて、すでに電球は切れていた。
 自由に室内を点検しようと思えば、側板は屋根に付けて、床板を妻板に依らない方法で保持することが必要である。連結器の上の内側に出ている部分を切り落とし、側板にL金具を貼り付け、それに床下からタッピング・ネジを締めることにした。側板が反るとあまり良い格好ではないから、暴れ防止に側板の最下部に細い骨をハンダ付けする。
[追記] この中古車輌の側板には釘穴がたくさんあいていたのが問題であったが、最近新品の側板が手に入ったので取り換えた。 Nov.25, 2012


Newer End fastened with screws 60年代に入るとこの写真の方式に代わった。床板に妻板をネジ留めし、側板を床に貼り付ける。
当初は側板を貼り付けるのにゴム系接着剤を使用していたが、エポキシ接着剤を使用するようになり、現在はSuper Xである。長年に亘って蒐集してきたキットを組まなかったのは、この側板を床板に付けるのがかなり面倒であったからである。床下に1.6mmほどはみ出させて付けるには、全長に亘るジグが必要である。それを作らなければと思いつつ、20年経った。
 Super X はこの用途に最も適する。塗布して押しつけ、離して5分ほど待つ。位置をよく見ながら指で押しつけて仮止めし、万力で順に締め付ければそのまま固着する。こんな楽なことはない。
 屋根は、連結幌の部分から水平に木ネジで留めるように指示されている。改良案として、床下から長いネジで留め、それで通電する手も推奨されている。トイレの中などを通せばよい。長ネジは旋盤で簡単に作れる。

Pullman SeatsPullman wash bowls and toilet 室内は戦前から部品が売られていた。どれも目の細かい木をRouter(型削り盤)で削り落してそれを金太郎飴のように切ったものである。

 
 便器や洗面台もホワイトメタル製のを売っていた。これらは肉厚でとても重い。

 壁は厚紙で作り、毛羽立たぬよう塗料を滲み込ませる。

2010年11月28日

続 Walthers の客車キット

Walthers floor 床板は不思議な構成であった。台車を取り付ける部分が左右にスウィングする。急カーヴでは台車が内側に振れるのか、外に振れるのかは分からない。何か根拠があってやっているのか、単なる思い付きでやっているのかも不明だ。連結器に掛かる力で作動するわけでもなく、復元装置があるわけでもない。どなたか、この仕組みについての知識をお持ちの方はお教え願いたい。ライオネルにこのような工夫があるのだろうか。
Walthers Streamliner roof and floor これは屋根板と床板の結合状態である。スペーサを設け、申し訳程度に黒く塗ってある。これでは展望車なのに展望は出来ない。柱を2本設ければ済む話である。しかも窓を避けて壁にうまく添わせれば、幅が広い板でも構わない訳だ。金属の柱ならさらに細くできるだろう。

 側板が再利用不能なので、思い切って全く異なる窓配置にして、City of San Francisco の継ぎ接ぎ編成にしようということになった。0.5mmステンレス板をレーザ加工で抜けばあっという間にできる。丸い部分は3本ローラでゴロゴロと曲げれば滑らかに曲がる。床板も作り替えることになる。どう考えても幅が狭い。

Rounded Observation Roof 何のことはない。天井板を9.95ドルで買ったことになってしまった。後端を丸く削り、何度もサーフェサを塗って研ぎ上げた。最近、Oゲージ用の天井板はかなり高価である。新品を買えば14、5ドルもするから、安物買いの銭失いにはならなかった。また、当時の設計手法の検証もできた。もう一台のコーチは再生可能な範囲にあり、デッキ部分を別の部品に取り替えて再建中である。
 Walthersの客車キットは1940年あたりから出ているが、妻板の設計の工夫により、工法が変化していることも分かった。この客車は50年代の製品であることも分かった。
 当時のプラクティスを知る意味でも投資は無駄になったわけではない。

2010年11月26日

Walthers の客車キット

 ジャンク扱いの客貨車を安く買って作り直すのは楽しいが、たまには修復不能のものもある。

 キットには大きく分けて2つあり、いわゆるShake-Box KitCraftsman Kitがある。前者はいささか大げさな表現であるが、箱を振ったらできてしまうほど簡単に、パチパチと組めるキットである。一方、後者はある程度の知識と技能が必要なキットである。鉄道模型のキットでプラスティック製でないものは、ほとんどが後者である。
 腕に自信が無い人は買わないし、買っても作れないはずである。不器用な人のことを、英語で    The man who has ten thumbs と言う。両手の指が10本とも親指であるという極端な表現だ。そんな人は居るわけないと思っていたが、そうでもないようである。 
 
 Walthersという会社は、すっかり商社化してしまったが、もともとは製造会社であった。Oゲージの車輌、レイアウト用品を作って売っていた。
 Heavy Weight 車輌のキットは、一応全車種を複数台集めたので、流線型客車に興味があった。これはあまり見ることが無い。たまたま、E-bayでジャンク扱いで売りに出ていたのを1輌$9.95だったかで買った。応札者は一人だった。ちょうどテキサスに出かける前の週だったので、そちらに送って貰って、送料は8ドルほどであった。安いからには理由があるのだろう。しかし、見たことが無いキットなので、どんな構成かと楽しみであった。

Walthers observation side view 自宅に帰り、開封してぎょっとした。これは今まで見たキット組みの車輌中、間違いなく最下位に在った。どうするとこんな組み方が出来るのであろうと思うほど、ひどかった。2両のうち、展望車は再生不能であった。
 側板のブリキが折れている。それよりもその組み立てには驚いた。塗装は油性ペイントを刷毛で塗りたくってある。それは訳なく剥がせるからよいのだが、ブリキ板が滅茶苦茶な状態である。
Walthers observation rear quater viewWalthers observationWalthers observation wrapper 屋根板は最後部が削ってなく、リーゼントの髪の毛のようであった。少しでも削ろうという意欲は無かったようだ。左右の側板はどういうわけか斜めにハンダ付けされていて、しかも丸く曲げるところに角が出てしまっている。こうなると修正は不可能だ。

2010年11月24日

Depressed Center Flat car by MTH

MTH 昔から大物車というものに興味を持っている。特に真ん中が下がっているものが好きである。表題の正確な意味は、「中央部が凹んだ平らな貨車」で矛盾のある言葉である。この写真はアメリカの友人宅で撮ったものである。

MTH Depressed Center FlatcarSpan Bolster 軸重が大きいので36インチの車輪(特に高軸重の貨車では40インチの車輪)を8軸付け、スパン・ボルスタで受けている。レーザ・カットすれば簡単に出来そうな形をしている。
 このようなスパンの大きな車輌こそ、線路の不整に対して等角逆捻り機構の効果が表れるだろう。これは川島氏のお宅で見せて戴いたものである。MTHはこの種の特殊貨車も何種類か出している。積み荷は変圧器のようだ。台車がひとつ無いが、修理中なのであろう。
depressed center  flat car イナ@ペン氏御撮影Hexagonal platform 左の写真はイナ@ペン氏御撮影のものである。積み荷の形がこの模型とよく似ている。
 前後の台車の上のプラットフォームは、実物は矩形ではない。曲線上で本体に当たるのを避けるためにわずかに逃げて、五角形(厳密には六角形)になっている。その代り隙間は小さくできる。右の写真はイリノイ鉄道博物館で撮ったものである。荷台の鋼板の厚さには恐れ入る。

 ブレーキ装置は普通の貨車より複雑で、ブレーキハンドルも2つあるものが多い。  

2010年11月22日

Coal Steam Turbine by MTH

C&O M-1 C&O鉄道はアメリカで最大の石炭運搬量を誇っていた。その石炭を燃やして走る蒸気タービン電気機関車M-1 を作ろうとしたのは、当然であろう。

 M-1 の車軸配置は例がないものであった。4-8-0+4-8-4という構成で前部に28トンの石炭、後部にボイラと発電機を搭載した。水はテンダに100トン積む。 1946年、この機関車はオハイオ州シンシナティ市から、ワシントンDCまでの1000キロを12時間で結ぶ特急列車のために計画された。この道は曲線と勾配が多く、蒸気機関車では困難な経路であった。ディーゼル機関車には石油を購入しなければならないが、蒸気タービンは石炭を燃やす。彼らはどうしてもこれを実現したかったようだ。

M-1 Coal bunkerM-1 roof 1947年に納車されたが、残念ながら、結果は思わしいものではなかった。石炭クズは動力台車のモータをショートさせることがあったし、ボイラが後ろ向きなので運転中に常に後を見る必要があった。コンピュータのない時代なので、それは大変なことであったと思われる。
 結局のところ採算が全く合わず、C&Oは1年でこの計画を放棄する羽目になる。1949年には解体されてしまった。  

M-1 rearM-1 front まさかその機関車が商品化されるとは思わなかった。MTHは2008年にこれを売り出した。先日千葉の川島教昭氏のお宅に伺った時に、写真を撮らせて戴いた。
 氏の方針で、全ての軸箱は可動式に作り替えられている。動力は全て新製である。三線式の模型を手に入れて改装されたそうで、改造には大変な手間を掛けられたようである。
 後テンダの高さを調整すれば出来上がりというところまで出来ている。テンダは肉厚のダイカストで、重くて仕方が無いので内側をフライスで肉抜きしたとおっしゃっていた。
 このような機関車を作って完売するMTHのマーケティングには感心する。ちなみに価格は1000ドルを少し切る。
 

2010年11月20日

Jordan Spreader の構造

 Oswald Jordanという人はカナダで鉄道を保守する仕事をしていたらしい。おもに砂利を均したりする目的でこの車種の原型を作ったとのことである。だからSpreader(押し広げるもの)という名前が付いた。
 それから100年、もっぱら除雪用に進化している。各部の羽根は油圧で動く。これらを空気圧で直接駆動していたら、雪の山にぶつかった瞬間に羽根が閉じてしまうだろう。大きなタンクに高圧空気を貯め、それで油圧装置を作動させていたものと思われる。羽根を動かす時以外は油圧回路を遮断しておけば、大きな負荷に耐えられる。この点、油圧は安心である。

 話は変わるが、以前近くの工場で空気タンクの圧力試験中に、そのタンクが爆発し大騒動になったことがある。そんな馬鹿なことをしていたとは知らなかった。圧力試験は水を入れて行うものだと教えられていたので、にわかには信じられなかった。高圧の空気は、膨張する時に大きな仕事をするので、ハゼた時に危険である。同じ高圧でも水は圧力でほとんど縮まないので、破裂しても、事故になることはない。容器にひびが入る程度のことである。こういうことは学校で習わないのだろうか。

 ジョーダン・スプレッダの前頭部のスキの部分は15センチくらい上下する。先回紹介した動画の中で、踏切で持ち上げている様子が分かる。普通の線路では最大限下げて、レイルの間の雪まで取り除いているが、踏切ではそうはいかない。踏切上に残った雪は結構あるので、押している機関車の雪かきがそれを跳ね飛ばす様子も写っている。

 豪快な雪かきの動画があるのでご紹介する。日本のラッセル車は左右にかき分けるのを旨としているようだが、アメリカのラッセル車は、雪を上に持ち上げて撒き散らすように出来ているようだ。
 吹き溜まりに突っ込んで抜き差しならなくなってしまったり、挙句の果てに脱線させてしまったりした動画がいくつかある。この種のラッセル車は蒸気機関車のテンダに水を満載した物を使うことが多い。

 ヤードの雪かきにはジェットエンジンを搭載した車で吹き飛ばすものがある。以前この車輌の写真を撮ったのだがそれが行方不明で、誰にも信用してもらえなかったが、これをご覧になれば信じて戴けるだろう。アメリカならではの発想である。 

追記 
 栗生氏から教えて戴いたジョーダンの特許を詳しく見ましたところ、初期のタイプは空圧式であって、雪の圧力で動かぬよう、ラッチが掛かるように出来ていました。すなわち、雪の圧力が掛かっているときは、羽根をさらに拡げることはできません。しかし狭くする方向は可能です。
 羽根を動かす時は、ペダルを踏むとラッチを外す別の空圧シリンダが作動し、それから羽根を動かしていたことが判明しました。 後に油圧式に切り替わりました。

2010年11月18日

MTH のJordan Spreader

Trans Pacific より拝借MTHカタログより 栗生氏の記事を見て急に欲しくなった。タイミング良く、northerns484氏がアメリカに出張されるとのことで、買って来て戴いた。右の写真はMTHのカタログから取った。右の写真とこの製品はかなり構成が異なる。「看板に偽りあり」である。

 MTHの製品を購入するのは初めてである。MTHは1980年くらいから急速に成長した会社で、Lionelの後釜を狙っていた。狙いは当たり、購入者層の年齢的成熟を見極めて、いろいろな方面に手を出しても成功しているのは大したものである。最近はHOもある。

 当初のMTH製品はToy Train そのもので、どうやってもスケールものには改造できない代物であった。ところが95年頃から、手を入れればスケール風になりそうなものを出してきた。実際にそれをスケールに改装した作品もよく見るようになった。2000年ころからは、2Rail のものも出し始めた。少々線が太いがそれを直せばスケールですと言える製品群である。関節式の機関車はかなり低価格であって、消費者の望む価格帯にあった。
 いくつか興味のあるものもあったが、プラスティック製の機関車というのは筆者にはあまり嬉しくない物であった。貨車の中には面白そうなものもあったが、全く購入することが無かった。

UP Jordan Spreader 今回の Jordan Spreader は実際のUP車輌をスケールモデル化した物ではなく、黄色に塗っただけである。UPの車輌はキャブを前方の高い位置に据え付けている。いずれUP風に改造するが、とりあえず気に入らないところを直した。この写真はRR Picture Archivesからお借りしている。

 まず台車を外し、連結器を捨てた。それだけでは納得出来ないところがある。それは羽根の先端が降りているところである。以前停車中の現物を見た時には上がっていた。現在いろいろな動画見ることが出来る。作業中の先端の羽根は上がったり降りたりするが、停車時は上がっているべきであろう。糸鋸で切り離して、Super X で接着した。
 この先端の羽根には大きな力が掛かるのでそれを押す長い油圧シリンダがあるはずなのにそれもない。これも付けようと思う。
MTH Jordan Spreader まだ工作途中であるがそれをお見せすることにする。太い手すりなどは、Toy Trainの名残である。おそらく雪が降ると、外に線路を敷いて除雪ごっこする人達も居るのであろう。とにかく鷲掴みしても壊れないような造作になっているのだ。この辺りの造作を一掃して細い材料で作れば、素晴らしいスケール車輌になると思う。もっともUPにはぴったりのスケール車輌はないが。

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2010年11月16日

先台車の構成

Lead truckLead truck2 先台車を手作りするのは面倒なので、いくつかの型に絞って大量に作ることにした。手持ちの機関車の図面を当たって軸距離を調べると、それほど種類は多くないことが分かった。

 底板部分は共通寸法にすると、部品数が減り、管理が楽になる。今まではこのH型部分を、糸鋸を折りながら切っていた。このような仕事はレーザ加工に限る。

 少しだけ出ているバリを削ると、パチンとはまるようになる。丸穴は8mm径でリーマを通せば出来上がりである。角穴部分は軸箱を削り出してあるので、パイプで接続して出来上がりである。
 最初に少し考えるだけで、工作の時間が大いに節約できる。趣味であっても時間を節約することは大切なことである。

 今、これらの組み立て用のジグを作っている。はめ込んでガスバーナで炙れば良いようにアルミ製の押さえを用意している。バネも使って押さえこむ。
 
 ボールベアリングを安く買うことが出来るようになったので、仲間内で分けている。この先台車にもそのボールベアリングが装荷される。1つに付き6個必要である。

2010年11月14日

Leaf Springs

Leaf Springs その通りで、これはリーフ・スプリングである。スペーサをはさんで1mmの針金を通し、軽くはさんでハンダ付けする。ここで軽くはさむというところがミソである。ステンレスの裏面には、材料が燃えて飛んで行った時のカエリが出ている。これを削ってはいけない。
 ハンダ付けするには隙間が必要である。またフラックスを洗うにも隙間が必要である。カエリの高さががちょうどその隙間に相当する。バネの先端にはブラスの挽き物をハンダ付けする予定だが、その寸法はまだ決めていない。ハンダ付けがすべて終わってから、それに合う寸法のものを作って取り付ける。

Leasf Springs2 この内側のところを見て戴きたい。今までに見た模型の中でこの部分が表現できていたものをまず見たことが無い。見る角度によっては丸見えであるから、作ってみた。図面の上で指示すれば出来てしまい、さほど費用も掛からない。工賃は作業時間で決まる。1秒いくらという単価がある。ステンレスの場合は切断速度が非常に大きいから、内部を作っても安上がりなのである。

 本当のところはこのリーフ・スプリングを薄板積層で作りたいところであるが、以前にも書いたようにヤング率は材料に固有で、小さくなるとモーメントが小さくなり、相対的に硬くなる。すなわちバネは効かなくなる。仕方が無いから形態だけはしっかりと図面通りにした。図面には撓んだ状態の形態が載っているから容易だ。

Daylight 台車 吊リンクはステンレスの0.8mm板で作った。残る問題はウィングバネの製作である。この台車はデイライト用で、ナポレオン・ハットと呼ばれる形をしている。この部分はロストワックスで作る以外ないと思っている。他の部分が完成してから製作することにしている。全部で100以上も必要である。

2010年11月12日

Laser によるブラスの切断

Laser CutLaser Cut Trouble 久しぶりにレーザ切断を依頼した。かねてから製作中のものの部品を作るためである。
 
 仕事の完了を待っていたら、悪いニュースが入った。「ブラスの切断中にレンズが熱で壊れて仕事が出来なくなった。もうブラスの切断は勘弁してほしい。」と言う。
 他のいくつかの工場に問い合わせてみると、どこもブラスの切断は難しいという。それは鉄合金のように酸素で燃やして飛ばすということが出来ないからである。また反射熱も大きい。銅合金は赤い光をよく反射するから難しいのであろう。緑のレーザを使えば吸収率がずっと良くなるはずであるが、それを採用した機械はほとんどないそうだ。
 ブラスが出来なければステンレスで作ればよいが、ネジを切ったりヤスったりという仕事はほとんど出来ない。しかし小さい穴も容易に開くから、手摺の穴は設計時に指定しておけばよい。やる気があれば、リベットも、沢山穴を開けておいて線を植え込んで表現することもできるだろう。

 模型工作にブラスを使う最大の理由はヤスリ掛けが容易ということに尽きる。ドリルでの穴空け、ネジ切り、いずれも簡単である。しかし、ステンレスの穴空けは大変だ。特殊な切削油を使うと多少楽になるがやりたくない仕事だ。しかし、ステンレスのハンダ付けは、ブラスよりはるかに容易である。それは熱伝導率が小さいので熱が逃げにくいからである。小さなコテでもすぐ付く。

 だから、設計時によく検討して、追加工が全くなければ、ステンレスでも問題ない。ネジが必要なところはブラスにしておく必要がある。塗装は正しいプライマを使えば簡単である。

 さて写真を見て戴くと、ブラスの抜け具合が分かる。厚さは2.6mmである。この工場で使った最も厚い板だそうだ。途中でおかしくなって加工をやめた様子が分かる。部品の隙間をもう少しせまくしてくれれば、材料の節約になるのだが、次から次へと切るので、熱膨張の影響を考えるとこれぐらいになるのだそうだ。

 切りかすはもったいないのでフライスで削って平角棒材にする。どうしようもない部分は、叩き潰して鋳物の材料として取っておく。

What is this? 今回製作のこの部品は何であろうか。材料は2mmのステンレスである。



2010年11月10日

Track Sweeper

 コメント以外にも、いくつかお便りを戴いている。大半が正解で、掃除機である。自動車用の掃除機を手に入れた。それを分解してみると、直径50mmのロータが1万回転ほどで廻るようになっていた。負荷時の電流は2Aも食う。出力は7W程度であろう。設計者は流体力学をあまり勉強したことがないようで、少々情けない作りであった。外側を完全に壊し、遠心ポンプの原理に従って外被を作った。排気は天井の穴から排出する。

 工夫は吸い込み口である。綿埃を吸うのは当然であるが、今回の掃除機は金属片を吸い込む工夫である。これはしばらく前にも書いたが、渦電流を利用する。
 粗大ごみの分別装置を見て、閃いた。回転する強力磁石を用いて、鉄以外の金属片、たとえばブラスのネジやアルミ製のワッシャなどを吸い込む手助けになるはずである。
 鉄片を巻き込むとバランスが崩れてまずいことが起こるので、事前に強力な磁石で鉄片だけは吸い付けて除く様にする。最近話題の中国産のネオジムをふんだんに使った磁石のサンプルが大量にあり、それを使う方法を探っていたので、タイミングとしては良かった。市販品もまだ安い。

 最高温度はせいぜい 120℃であるから、高温になりそうなところには使えないが、このような用途には良い。

 15mm×30mm×厚さ3mm程度の小さな磁石であるが、厚い鉄板に付けると剥がすのに4kg重ほどの力が必要である。

 貨車の床下に付けると、鉄レイルを引き付ける。明らかに実際の自重よりも重く感じる。下手をすると鉄のスパイクが引き抜かれるのではないかと思うほど強い磁石である。一回りすると細かい鉄粉を沢山付けて帰ってくる。

2010年11月08日

貨車のキット

Hello Dolly Boxcar 最近、貨車のキットが大量に発掘された。夏に来客があって地下室を整理していたら、大きな段ボールの中にどっさり見つかったのである。もう無いはず、と思っていたので、少々うんざりした。ひとつ10ドル以下での投げ売りを買ってしまったものである。

 気をとり直して、一度に12両ずつ並べて工作を始めた。木製キットは下地処理に時間が掛かるので、組んでない状態で木材にラッカ・サーフェサを塗って、スティール・ウールで研ぐ。これを最低二度やると艶が出る。組んでから全体にサーフェサを吹いてスティール・ウールで研ぎ上げれば金属製と変わらぬ仕上がりとなる。この種の貨車はすでに60両以上組んだ。
 大変な手間だが、楽しい作業である。家人のいないときに居間に一杯に広げて順に作業する。研ぐのはもちろん外でやる。

 さてこの青い車輌はフリ-ランスの塗装である。このキットを作った会社のロゴを入れた。車輌そのものは”Hello Dolly Car”と言って1960年代後半の試作車である。中央部のドア2枚は、上部のヒンジを軸に水平面まで持ち上がる。もちろん油圧のストラットで支えられる。床面にはドアと同じ幅のドーリィがあって車長方向に水平移動する。フォークリフトで積んだものを横にずらして、さらに積むという方式だ。よく考えてあるが、あまり売れずに量産はされなかったようだ。結局のところ人手が掛かるということである。この写真では車輪が光っているが、今ではちゃんと塗装してある。
 センタ・ビーム・フラットカーならば一人で済む仕事なのである。この名前は1964年から70年までブロードウェイでロングランしたミュージカル ”Hello, Dolly!”をもじったものである。

what is this? この貨車は以前作ったのだが、今回もう一台出てきてしまい、少々食傷気味であった。思い切って短くしようかと思っていたところに、一つのアイデアが湧いてきた。これを使ってあるものを作ろうということになった。
 さて何であろうか。床の丸穴がヒントである。

2010年11月06日

続 新しい接着剤 High Stick

barrel type roller 関西合運から帰って、早速作ってみたのがこれである。テーパは10度にした。当初は5度であったが、とても足らなかった。10度では振幅5mm程度で左右に動いた。すなわち5mmの揺動を許して、なおかつ軌間にはまりこまない寸法が必要である。
 この事例では直径(最大径)30mmで幅は43mmである。
Barrel typ roller2 角度は直径にも依るので一概には言えない。径が小さくなると角度は小さくすべきことは、直感的におわかりだろう。 
 HOの方はこの写真をご覧になって、比例縮小した形に作られると良いだろう。

Rollers top viewRollers 普通のローラと比べるとこのようになる。ポイントの多い場所を転がすと、樽型では清掃出来ない部分が生じる。実際に通してみると、樽型ローラは飛び跳ねる。

 ヤード部分は普通ローラを通すことになる。紙タオルが破れるまではショートしないから安心して使うことが出来る。黒くなったら破いて捨てるので、今のところ事故はない。円筒ローラに比べて、レイルに当たるところがはるかに広いので、長持ちすることは言うまでもない。これをアメリカの友人に知らせて、糊も送ってやったところ全員が作った。評判はすこぶる良い。MRに投稿せよと勧められた。

 リモネンの効果は絶大である。

2010年11月04日

新しい接着剤 High Stick

High StickHigh Stick2 先日の関西合運で、稲葉清高氏に見せて戴いたものである。接着剤メーカのコニシが出している強力スティック糊は、なんと金属も接着する。価格は定価280円、実売価格は220円弱である。大抵のホームセンタで売っている。
 プラスティックや紙、金属を強力に接着する。スティック型なので薄く塗り易い。固まるまでの時間は、紙の場合、数分で実用強度に達する。プラスティックや金属は空気を通さないので内部まで固まるのに時間が掛かる。
 固まると白くなり、溶剤には溶けない。少なくともリモネンには全く溶けない。

 紙で電車などを作っていらっしゃる方には朗報であろう。とにかく強度は必要以上である。あとでラッカ・サーフェサを厚く塗ってもシンナで剥がれたりしないだろう。作り方を工夫すれば、金属製模型のように、シンナ・ドブ浸けで塗料を剥がすこともできるかもしれない。どなたか実験されると良いだろう。

 これを見て、筆者の頭の中に閃いたのは、先回の線路清掃車輌のローラである。紙タオルを巻いて、溶剤に溶けない輪ゴムで巻くのであるが、いま一つしっくり来なかった。
 紙タオルををきっちり巻ければ良いのだ。試しに、ブラスの挽き物のローラに塗って巻き付けた。取れてこない。一重に巻くだけで済む。リモネンに浸けておいたが全く剥がれて来ない。

truck cleaning car's tapered roller 次に先回の樽型ローラへの応用である。ローラは挽いて作ったが紙タオルをどうやって巻こうか、迷っていた。
 扇形に切って貼り付け、真ん中を細い短冊に切って、ひと巻きした。これでOKである。何度か走らせてみたが問題はない。剥がす時は、むしってサンドペ-パで糊を落とす。大した手間でもない。

 

2010年11月02日

続々々々 Feather River Route を走る

Ponderosa pineRoad to SacramentoFreeway ダム湖を抜け、起伏の少ない地域に出た。この写真の松の木はポンデローサ・パインであり、筆者のレイアウトにも何本かあるので写真を撮った。より実感的な生え方の参考にするためである。

 先を急ぐのでやや速度を上げて走っていた。ところどころにハイウェイ・パトロールのポリス・カーが待ち伏せしているから、周りの車と同じ速度で走った。これがコツで、制限速度から10マイル程度なら、まずお咎めはない。

Highway Patrolspeeding ticket しばらく走ったのち、前に3台くらいノロい車が居たので抜こうと思った。後ろにはポリス・カーが居ないのを確認して、グィーンと抜いた瞬間、後ろに赤色灯が点滅し、”Pullover, Pullover(脇に寄せろ)" と怒鳴る声が聞こえた。いつの間に忍び寄ったのか分からなかった。グラマン・ヘルキャットに追撃されたゼロ・ファイターのような感じであった。

 警官曰く、「ずっとつけていた。お前が一番速かったからな。最後に抜く瞬間、後ろを見たろう?それも見ていた。1台しか抜かないと思ったら、3台ごぼう抜きしたから、時間が掛かった。その隙に後ろに付いたのさ。」と手の内を明かした。「お前は運転はなかなかうまい。なかなか隙が見つからなかったので、かなりの距離を付けてきた。」という。

 楽しく話をしたので、無罪放免してくれると思ったが、「24マイル・オーヴァのところを10マイルにしてやるから、サインせよ。」と言ってきた。よくある話だ。本当なら、証拠を捏造したわけだから裁判にすれば無罪になるところだが、また飛行機代を使って裁判所に出頭するのは無駄である。「すべて認める」とサインした。「そのうち請求書が来るから、小切手を送れ。」という。別れ際に、「運が悪かったな。気を付けて帰れよ。」と言う。なかなか好感の持てる警官であった。それも彼らの手口なのかもしれない。

 その後、カリフォルニア州政府に211ドルほどの寄付をすることとなった。
以前テキサスだったかで捕まった時は、「小切手かクレジットカードかどちらにするか?」と聞かれた。その場で集金するシステムで驚いたことがある。

 カリフォルニア州は歳入が不足し、道路維持のために罰金を取るという話を聞いた。確かに他の州に比べて、取り締まりは厳しい。

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