2009年11月

2009年11月29日

復元装置の製作

centering device parts フライスでブラスの角棒から所定の形に切りだす。下側は斜面でこする可能性があるから角を取っておく。スプリング・シートは、ボールベアリングの軸より十分に低くなるようにする。そうすると底部が薄くなり曲がってしまうので、上の方にレイルを切ったものを付ける。洋銀レイルは加工硬化しているので細くても十分硬い。
 

 台車の底板は、薄い板より切り出し、角穴をあける。H字型に切り込んで押し下げ、その中にV型の板を付ける。この上をボールベアリングのアウタ・レースが転がる。このあたりの部品は全く見えなくなるのでそれほど丁寧な工作はしない。寸法があっていれば、良しとする。見えないところを綺麗に作るのは、筆者の主義に反する。このあたりはご意見のある方もあるだろう。

 角穴は角パイプがするすると横に動けば合格だ。どうせ見えないところだから、糸鋸で切り出したままで、ヤスリも掛けていない。ここで鋳物部品の底部を切り取り、大きな開口部を作る。この時補強を入れていないとつぶれてしまうので、先に第一軸のところに天井板を付ける。これは3点支持の中点になる。

 ボールベアリングの軸はハンダ付けするわけにはいかないので、祖父江方式で留めた。穴をリーマで滑らかにし、ギリギリの太さの軸をニッパで傷を付けて押し込む。その上をヤスリ掛けすると、どこが穴なのかが分からなくなる。半永久的に抜けることがない。もちろん向う側から押し出せば出てくるだろう。 

2009年11月27日

復元装置の効能

FEF2 w/free-rolling drive 筆者の蒸気機関車には、先台車のみならず、従台車にもボールベアリングを使ったコロ式復元装置が付けてある。

 その復元力は強大で、機関車は先輪と従輪だけで向きが保たれ、動輪には左右に多少の遊びを与えてある。動輪は回転力を牽引力に変えているだけである。

 4-8-4を平滑な机の上に置き、先台車と従台車の下に2mm位の厚さの板を敷く。機関車を左右に押してやると、次の瞬間するりと元に戻る。それが面白くて、故魚田真一郎氏に見せたところ、彼は大変気に入り、筆者のシステムを採用した。
 電話が掛かってきて、「全く脱線しなくなった。これを全機関車に採用したいから数通りの図面を作る。祖父江氏に注文して作ろう。数がまとまれば、そんなに高いものではない。」と言う。残念ながら、その直後、地震で彼の人生は絶たれた。

 確かに彼の地震でつぶれたレイアウトには、脱線しやすい配置のポイントが並んでいて、ほとんどの蒸気機関車は脱線しやすかった。そこに筆者の機関車を持ち込んだ時の彼の興奮は、今でも思い出す。

 かなりの高速で突っ込ませるのだが、するりとかわして側線に入る。前進でも後退でも同じように走る。
 この機関車は、製造以来一度も脱線転覆したことがないから、塗装は全くはがれていない。走行距離はざっと計算して300kmくらいであろうか。その間無事故である。 

2009年11月25日

US Hobbies Challenger その9

ハンダ外れハンダ外れ2






 車輪を替えた時、連結器座を新製しなければならないので、最後部のネジを外して一部の部品を外す。その時、エンドビームが外れてきた。こんなことは初めてだ。

 落としたわけでもなく、何もしていない。見るとハンダの流れ方が足らない。床板は1mmだから、大きなコテで完全に付けるべきなのに、板厚の半分までしかハンダがしみ込んでいない。職人のスキルがよくなかったことを露呈している。
 仕方がないのでハンダを十分に流して固着させた。

 このようなときのハンダ付けは、カーボンロッド方式に限る。熱が逃げないので、周りの部品が落ちたりしない。出力を上げてオレンジ色になるまで熱を加えた。
 2 mmのエンドビーム板を通して熱が伝わり、裏側でハンダが融けた。押さえたまま電源を切れば、そのまま固まる。15秒の仕事である。省エネルギでもある。

 これをコテで付けようと思うと、かなりの大きさのコテが要る。焼きゴテを使うことになるだろう。わが国ではカーボンロッドの使用者はとても少ない。どうしてだろう。

2009年11月23日

続 先台車の復元装置

先台車ぺデスタル加工 先頭の1軸はひねられなければならないので、ぺデスタルを作る。鋳物の大きさより大きなぺデスタルであるから、大きめの板を貼ってフライスで切り込んだ。左右がつながった軸箱(キャノンボックス)は隙間がないようクランプではさんでハンダ付けする。そのあとで外してひねった時こじることがないよう、丸く面取りする。
 すべてができてから、周りを仕上げ、中心部を切り抜いて斜面を付ける。最初に余分なところを切ってしまうと、鋳物を万力ではさむことが出来なくなる。
 この写真では分からないが、第2軸にはすでにボールベアリングが入っている。
 
centering device2 荷重を掛ける側の工作は、回転せずに左右にスライドする梁に、ボールベアリングのコロを付けるだけのことだ。摩擦が少ないので大きな復元力が期待できる。
 一つだけ気を付けねばならないのは、バネ座の高さだ。ボールべアリングの軸より低くないと、傾いてしまい、角穴のところでこじてしまう形になる。
 この図では分からないが、キングピンは角棒であって、角穴を通る。すなわち、この上部復元装置は回転しない。先台車が首を振った時に、最前部の先輪の偏倚量が多いので、より強い復元力が発生する。この時、この上部復元装置は、微妙に後ろに傾くだろう。

 バネはいくつかの種類のバネ定数のものが用意してあるので、順次取り換えて実験し、ベストのものを付ける。

 このようにして組んだ先台車はカーヴに差し掛かると機関車の頭をわずかに持ち上げ、その反力で機関車の鼻先を転向する。この動作は見ていて楽しい。直線でまっすぐ走り、曲線から直線に戻った瞬間の振る舞いにメリハリがあって良い。当然のことであるが、脱線しなくなる。

 以前作った4-8-4は主動輪のバネを柔かくしストロークをやや大きくしているので全体がバネで浮いている。ポイントなどの欠線部を通過する時も、極めて静かで気分がよい。従台車もかなりの復元を効かせているので、直線上を走行する時は、完全にまっすぐ走る。

2009年11月21日

先台車の復元装置

centering device 先台車の役割は大切である。先台車に復元が付いていない機関車をときどき見る。直線線路上でも機関車が横を向いている場合がある。ましてや、ポイントで曲線に入るときの振る舞いがおかしい。動輪がトングレイルに掛かるまで向きが変わらない。

 復元装置はいくつか試作したが、以前UPの4-8-4に付けたものが最高の性能を示したので、それを再度作る。
 実はチャレンジャその他の先台車を多数作らねばならないので、レーザカットすることにして、その試作見本を手作りで作ってみた。
 ボールベアリングのアウタ・レースをローラーとして荷重を掛けると、非常に大きな復元力が発生する。バネ式では中心付近の復元力が弱く、役に立たない。

UP7001 pilot truckUP 7001 pilot truck 2UP 7001 pilot truck bearing 






 これはUP7001の4-8-2についていた先台車である。まずフライスで鋳物表面を落とし、ハンダ付けの準備をする。ぺデスタルを切り込むので補強が必要だからだ。
 軸箱をパイプでつないでキャノン・ボックスという構造にする。左右の中心に荷重を掛ける必要があるからである。力が掛かるので硬質ハンダを使っておく。

 内径5mm外径8mmのボールベアリングを納めて、スペーサをはさみ、車輪の左右のガタを完全にゼロにする。復元力を効かせるのだから当然のことだ。

 床面を下げて、左右動による輪重移動を最小にする。それにH型の切り込みを入れて、押し下げて曲げ、斜面を張り付ける。これで台車側の作業は終わりだ。

2009年11月19日

続 Centipede Tender

 現在、下回りをスクラッチビルドしている3台のチャレンジャのためにテンダは買い集めてある。KTM製のものである。

 1台は、Lobaughのオリジナル・キットを持っているので、それからスタートである。これがとんでもない代物で、板から作った方が具合がよさそうであるが、我慢して仕上げている。床板、5軸台車は砲金の鋳物でそれだけでも800gもある。当時の製品にはスプリングはなく、全軸イコライズでの作り直しだ。
 
 外側の軸箱を動かすと、その美しい鋳物が台無しになるので、内側台車を作ってボールベアリングで受けたイコライザを入れる。このテンダには、はずみ車を入れる。その効果については以前述べた。おそらく質量は3kgを超えるだろう。機関車以上に複雑なメカニズムを満載したテンダになる予定だ。それが完成すれば、チャレンジャが、「単機でもスリップして発進する」のを見て楽しめるはずだ。
 
 ここまで重いと、脱線すると壊れる可能性がある。これは本当の話で、重い機関車が脱線するとポイントが壊れる。機関車自身も壊れるだろう。この重いテンダの懸架装置はかなり丈夫に作らねばならない。イコライザを長くすると撓みが生じ、固有振動数が走行時の振動にシンクロすると、ぶんぶんと共振する可能性もある。その対策も講じる。

 筆者の機関車はそれほど重いものはない。一番重いものでも4kg台である。デトロイトの友人で、「Big Boyに鉛を詰めたら23ポンド(約11kg)になった。」と見せてくれた人がいる。電流は5Aくらい食う効率の悪い機関車だ。彼が友達のレイアウトで走らせたら、橋が落ちたとも言っていた。

 このような重い機関車を作るよりも、軽く走る貨車を作る方が賢明であることは間違いない。

2009年11月17日

Centipede Tender

Challenger tenders 新しく納品されたLow-D車輪を、貨車の未改造のものに装着した。約50両の改装が完了した。これでレイアウト上に載っている被牽引車輌はすべてLow-D車輪になった。

 問題はテンダである。テンダは死重であるが、軽くはできない。80輌の推進運転をすることがあるのだ。実物の機関車と貨車の質量比と同じにしてある。もちろん満載時の数値を使っている。これがボールベアリングでないと、かなりの摩擦があり、貨車20両分くらいの損失だ。従台車の車輪も替えた。牽引力の損失を小さくすることが出来る。

installing ballbearing 先日作った座グリカッタを用いて軸箱の穴を広げてボールベアリングを入れる。ボールベアリングの中心が、バネの中心に来るように深さを考慮することが必要だ。
 これが外れていると、常にひねられるような荷重が掛かり、いずれ壊れる。

 今回作った車輪は、ジャーナル部の全数検査で2mmのボールベアリングが入ることが分かっているので、非常に楽しく作業をすることが出来た。
 今までの車輌をばらして車輪を捨て、新しい車輪に入れ替えるだけである。従来品には、振れがあるものもあり、気分が悪かった。また今まではフランジの形が悪く、ポイントで割り込んだり、辷りあがったりするものもあったが、それは一掃された。7台分を入れ替えた。
 
 この軸配置4-10-0のセンティピード・テンダは、積載量を大きくしてフレームの剛性を高くすると同時に、線路の不整に対応する目的で作られた。4軸台車2つの設計もあったようだが、それではねじり剛性の高いフレームでは、バネのたわみだけでは追従できなかった。イコライザを使えば、かなりのひねりにも追従できる。
 前進を旨としているので、従輪はない。延長したタイプの設計図も見たことがあるが、それには1軸の従台車が付いていた。

2009年11月15日

続 車輪の色

SD60 最近と言ってもこの20年くらいだが、アメリカでは法律が変わって、車輪、連結器、スプリング、枕梁の塗装が禁止されたそうだ。
 これは、ひび割れがあるときに発見しやすいからという。日本のような多湿の国に居ると、そんなバカなと思うが本当のことだ。

 新車状態の車輪は錆びているのが正しいことになる。車輌組み立て前に、車輪は屋外に置いてあるからだ。
 スプリングは熱処理してあるので黒皮状態で、スプリングシートあたりに多少の赤錆が付いているのが正常だ。
 連結器は真っ赤に錆びている。これも新品が屋外に山積みになっているのを見たことがある。油も注さないようで、ナックルのあたりも錆びている。相手に当たるところだけは鋼の色が出ている。
 台車の枕梁は鋳鋼だから、黒皮のような色をしている。機関車の下から覗いてみると、枕梁は塗装してあった。この規則は貨車のためであるような気がする。ディーゼル電気機関車の動輪も、新車のときは明らかに錆びている。不思議な時代になったものだ。筆者のディーゼルも、錆びさせてある。20年前に新車を見てそのとおりに塗装したものである。走らせていると全く分からないが、こうして拡大すると塗装のアラが目立つ。その点、ご容赦を願いたい。
 
 kadeeの連結器で変わった色のものがある。Boxcar Redの製品が発売された理由は良く分かる。最近追加された色はRed Oxideである。錆という意味であって、模型の色はそこそこの錆色をしている。ただ、艶があるので、軽く紙やすりを掛けて表面を荒らし、錆色を吹き付けるととてもよい。シャンク(連結器座に入る角棒の部分)も錆色に塗るべきだ。デルリンというプラスティックは塗料がのりにくいが、脱脂して軽くこすればかなりはがれにくい。もしはがれても下の色が同じ系統だから、問題ない。

2009年11月13日

車輪の色 

oily or rusty 全ての貨車の車輪を更新したので、色を塗らねばならなくなった。今回の製造所は脱脂して納品してくれたので、そのまま塗装できる。

 車輪の色と言えば亡くなった友人のGaryの言葉を思い出す。
「車輪の色は2系統に分かれる。フリクション・ベアリングとローラー・ベアリングの車輌では色が違うのだ。」
 確かにロ−ラー・ベアリングは油漏れがないので車輪が乾いていて、錆びている。要するに錆びた鉄の色である。フリクション・べアリングは油が漏れ出て輪心はべとべとである。

 彼はさらに続けた。「カーリターダを通る車両のタイヤ側面は光っている。通らない車輌のタイヤは汚れている。」
 要するに、ハンプ・ヤードで入れ替えをするような貨車と、特定の線区しか走らない車輌とは違うということだ。

 つまり、機関車のタイヤ側面が光っているのは理に合わないことになる。貨車もタンク車のようなハンプ禁止車輌は車輪の側面が汚れているということである。また、牛を積む貨車などは解結しないで行ったり来たりしているので車輪側面は汚れているはずだということだ。

2009年11月11日

続々々々 Laser Cutting

 日本は工業国である。この種の機械は日本中に沢山あるはずだ。それを使わない手はない。ドリルで下穴を開けて、糸鋸、ヤスリで仕上げる手間は、正直なところ、馬鹿々々しいと感じる。それだけの時間を他に振り向けたい。

 筆者はスクラッチビルドが楽しいと思うことには異論をはさまない。たまには自分もする。しかし全てそれでなくてはならないとは思わぬ。省力化できるところは機械の助けを使うべきである。
 筆者はどちらかと言うと、レイアウトを完成させる方に労力を傾けたい。

 レーザ加工は、ブラスでは薄板加工に威力を発揮する。0.6mm以下なら、本当に美しい。黙ってプレス屋さんに見せると、言葉が出ない。どうやって抜いたのか、見当もつかないほど綺麗なのである。切る線の幅は0.2mm以下である。
 どうしても正確に切りたいときには、そのスリットに通す材料を持って行って、「これがするすると通るようにしてくれ」と言えばよい。丸穴の場合は通すシャフトを持っていくべきである。今回の台車のような場合は、「ぐっと押し込めば入るくらいにしてくれ。」と言えばよい。バリを外せば押し込める。ジグ無しでも自立するので、バーナであぶってハンダ付けすればよい。
 このあたりのさじ加減は、たやすいことのようだ。0.1mm刻みで動かして微調整が出来る。

 友人は電車の張り上げ屋根のあたりの展開図を描いて注文した。例の短冊を細かく作って、曲げて木型の上でハンダ付けし、さっとヤスって出来上がりである。筆者はやったことがないが、CADでそのように展開図を作る位、訳ないらしい。
 ここまでくると、ブラスで物を作るという感覚が遠のいていく。とにかくあっという間にできるのである。窓枠も3枚重ねで作ったのを見せてもらった。美しい。

2009年11月09日

続々々Laser Cutting

 図面をプログラムして持っていくと、材料さえあれば見ている間に出来る。これは楽しい。

 紙の図面であると、それを読んで入力しなければならず、その人工(にんく)の費用が発生する。これは安いとは言えない。しかもそれは信頼性が高いとは言えないだろう。そのような形の発注であれば、必ず。その図面を紙に打ち出して、再確認をせねばならない。

 図面はDXFファイルで渡す必要がある。電子メイルでも良いし、CDでも良い。筆者はUSBメモリを持っていった。
 コンピュータにデータを移し、画面の板上にその形を隙間なく並べてそのデータを機械に送る。板を置いてふたを閉め、ボタンを押せば出来上がりだ。その間15分はお茶を飲んでいればよい。

 この工場ではこの種の仕事を猛烈な勢いでこなしている。その仕事の隙間に入れてもらうことが出来れば即日できる。ブラス板は買って持っていけば話が早いが、むこうで注文してもらうこともできる。ただし1枚単位である。1枚は365mm×1200mmで、残りは一緒に送ってもらえば良い。0.5mmなどの良く使う板なら工場の在庫の中にあるかもしれない。
 筆者の注文した2.6mmと2.0mmの板はまだ半分以上残っているので、ご希望の方にはお譲りする。
 
 この工場に注文したい方は、コメント欄を通して申し込まれたい。連絡先をお教えするので、あとの交渉はご自分でお願いしたい。
 念の為に申し上げると、この工場は模型などには全く興味がないので、単なる仕事として引き受ける。そのつもりで頼まないと、いい加減な図面ではあとで問題が起きる。しかも、そのような問題が起きると、そのあとの仕事を引き受けてくれない可能性があるので、注意されたい。


2009年11月07日

続々 Laser Cutting

 ブラスの板を抜くときには窒素を噴射しながらレーザを当てる。窒素は不活性なガスであるから吹き飛ばすだけである。
 鋼板を抜くときは酸素を混ぜたガスを当てながらレーザを照射する。この時、酸素は鉄その他を燃焼させて、その熱で隣の鉄を融かす。しかも生じた酸化鉄は融点が鉄より低いので簡単に吹き飛ばされてしまう。これが鋼板がうまく抜ける秘密である。
 酸化物の融点が、単体の融点より低い元素はまれである。すなわち、厚板がきれいに抜けるものは鋼板、ステンレス鋼板だけである。
 
 厚板を抜いたものを見せてもらったが、完全に垂直に切れている。切り口はつるつるだ。ブラスの場合はヤスリでひとなでする必要がある。

 ジュラルミンは切れるが、純アルミニウムだけはどうしても切れないと言う。アルミニウムは全波長にわたって光を反射するので、レーザ光が熱に変わらない。混ぜ物があると、多少は光を吸収するので、融けるということである。
 しかし、理屈を考えると鉄系合金がベストである。友人はステンレスで台車を作った。ワイヤーカットと見紛うばかりの仕上がりだ。筆者もそうしようと思ったが、追加工を必要とするのでブラスにした。ステンレスではネジを立てることは無理である。

 揺れ枕、その他の造作はステンレスにする。切り口が枕ばねの形になるので、その滑らかさが大切である。ステンレスは熱伝導率が小さいので、ハンダ付けが極めて容易である。しかも手で押さえて付けることが出来る。熱さを感じないから、ジグにはめ込む必要もない。

2009年11月05日

続 Laser Cutting

Laser Cut 2 客車を作ったことがある。ブラスの板を裁断し、窓と扉を抜いて猛烈な勢いで作った。糸鋸は1両あたり20本くらい折った。図面を描いて、それを板に移し替え、下穴を開けて切り、あとはヤスリ仕事だ。ここまでできれば、あとのハンダ付けなど、ほんの1時間の作業だ。そこそこの時間で出来るが、その時間を他の方に振り向けたかった。ヤスリも沢山要る。
 楽しい作業であるが、編成ものはもうやりたくない。

 レーザ加工の外注先があれば、何台でも好きなだけ出来る。それを糸鋸で抜くことを思えば、多少の金は掛るが知れているから、外注したい。
 エッチングより段差が大きく出せる。何枚でも貼り重ねればよい。ドアあたりは工夫して設計すれば大きな段差を作れる。位置決め用のピン穴を用意すれば、わけなくハンダ付けできるだろう。もちろん、その頭は削り落す。

 屋根も大きなプレス機があるので好きな形に曲げてあげるよ、とも言ってくれた。

 こうなると、ペーパやプラスティックを材料に使うのはあまり意味がなくなる。組立速度、塗装の自由度を考えるとブラスにかなうものはない。
 しかも経年変化がほとんどなく、処分する時も次の世代の購入者が欲しがるであろう。

Laser Cut 1 この台車は側面を2.6mm、その他を2.0mmの板から切り抜いてもらった。1編成分で材料費+2万円強である。1台車あたり千円弱である。
 あとは細かい挽き物とエッチングパーツを付ける。板バネと吊りリンクは工夫がある。それは後日発注する。

2009年11月03日

Laser Cutting

Daylight Truck しばらくDaylightの工作が停滞していた。車輪やボールベアリングは用意されているのに、台車の工作が進まなかったことが原因だ。この台車は形の怪しい鋳物しか市販されていなくて、しかもその価格が安くはない。良い形の、揺れ枕の作動する台車が欲しかった。ロストワックスという手もあるが、寸法精度が出にくい。車軸が平行でないような台車はお断りだ。

 そんなとき、友人が岐阜県の金属加工屋を紹介してくれた。見学に行くと、ステンレス鋼や刃物鋼をレーザで切っている。切り口は美しい。鋼なら19mm、ブラスなら5mmまで切れるという。切り口は美しく、歪みもない。

 加工単価はそれほど高くもなく、ワイヤカットの1/20程度である。ワイヤカットは型屋の仕事であり、単価が一桁高い。我々はそれほどのものを求めているわけではない。
 蒸気機関車のフレームの軸距離は大切だが、客車の台車では軸が平行であればよい。

Laser Cut 3 概して鋼板を切り抜く方が得意らしい。ブラスは厚いと多少、切り口の滑らかさが失われる。0.5mmのブラスを抜いたのを見たが、糸鋸の達人が抜いたような仕上がりで、プレスで抜いたものとは全く異なる次元の美しさだ。

 筆者のすべての自作車両は、ブラス製である。他の材料は使わない。正直なところ、他の材料ではうまく作る自信がない。ブラスならば、ハンダ付け、ヤスリ掛けで大抵のものは作れる自信がある。
 問題は糸鋸である。内野氏からの仕込みで自信があったが、最近は失敗が多い。レーザ加工で糸鋸工作から解放されれば、何でもできるというわけである。

2009年11月01日

US Hobbies Challenger その8

#1 gauge Big Boy 1集煙装置  この写真をご覧戴きたい。1番ゲージのブラス製電動 Big Boy のカタログ写真である。煙突には集煙装置が付き、作動する。煙も出るようだ。どこのメーカかを調べたのであるが、分からなくなってしまった。何年か前にファイルしておいた写真だ。
 せっかく大きな模型をここまで作るのだったら、もう少し観察すればよいのにと思うのは筆者だけだろうか。

 何かおかしいのである。まるで小さいゲージの既製品模型をそのまま大きくしたような感じがする。小さい模型では簡略化の必要性もあるだろうし、工作の限界の問題もある。しかし、これは大きな模型である。20kgもあるような大きさなのである。
 模型の設計者が、実物の機能を何一つ理解していないことが分かる。
 
#1 gauge Big Boy 2#1 Big Boy cab 模型人のいない国で作るとこうなってしまうのである。さらに言えば、インポータの能力の問題がある。彼らは実物を見るチャンスがあるのだから、わかる人が行って、要所を押さえる必要があるのだ。

 最近はそれができないインポータが増えている。

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