2009年01月

2009年01月31日

Hookerのタンク車

Hooker Chemical Tanker フーカ社は著名な化学会社である。公害を撒き散らしたので、70年代にはその分野では誰もが知っている企業であった。

 色の名前にHooker Greenがある。これは紺青(プルシアン・ブルゥ)とガンボージという有機顔料の混合物で、落ち着いた緑である。鉄道車両にもよく使われていた。これは有機顔料が入っているので褪色しやすかったが、現在では単一の褪色し難い顔料になっているはずである。このHookerは、この化学会社と同一のものかは調査中である。

 このタンク車は、随分前に本物と模型をほぼ同時に見た。色が印象に残った。これもいつかは作ろうと思って、デカールを探していたがなかなか手に入らなかった。
 Champ社でも長らく品切れであったが、再生産の知らせがあったのですぐに注文した。

 この貨車も先回の50ftタンク車と同時に、e-bayで安く買ったものである。塗装をはがして補修し、塗れば立派な車輌になる。
 
 積荷は苛性ソーダ液とした。ワシントン州タコマの水力電気を使う工場で電解して製造したものを積んでいることになっている。

 最近お見せしている車輌はデカールが貼りたてで、艶が消してない。艶を適度に消して、ウェザリングすると多少よくなる。どの写真も台車は仮のものを使用していることをお断りしておく。

2009年01月29日

3 PFE Reefers  

3 PFE Reefers PFEの貨車は美しい。色の問題もあるが、デカールの美しさも大きい。
 この3種のPFE Reefer は、全て出自が異なる。

 左はAthearnのキットを組んだもので、もう車齢は40年近い。この貨車の側板は塗装、印刷済みで当時10ドルくらいであった。初めて組んだ時は要領が分からず、かなり難しかった。2輌目からは楽しく組めた。「側面の塗装はFloquil使用」とあった。現在のリーファ・オレンジと比べるとやや褪色している。滑らかな塗装である。印刷はシルク・スクリーンである。

 中は今回仕上げたMGの#246 40'Reeferである。これは安達製作所製ではなく、パイオニア社製である。安達製作所製と比べると、プレスが甘く、ハンダ付けも下手である。コテが小さかったのであろう。ハンダが回っていない。完成品を購入したのだが、部品がぽろぽろ取れてくる。全部ハンダを付け直した。大変な手間を掛けた。
 塗装はFloquilである。塗って生乾きの時に電気炉で100℃に保った。2時間で塗膜が硬化した。エナメル系塗料は、冬季には硬化速度が小さくて取り扱いに困る。一応固まったと思えるまで、3日を要する。それでも多少軟らかく、尖った部分ははがれやすい。外に置いておくと、風でゴミがついたりして、ろくなことはない。酸素と反応して硬化するのだが、反応速度は大体10度上げると2倍になるので、10℃で放置するのと100℃に加熱するのでは数百倍くらい違うことになる。 加熱時には、新鮮な空気を導入しないと意味がない。 

 右はIntermountainの製品である。最近は中国で組み立てられたものを売っているが、これは自分で組んだものである。凄まじい細密模型である。色は指定の仕上げである。屋根が銀色でないと、熱が吸収されて効率が悪いはずである。

2009年01月27日

50' Double Deck Stock Car

Pig & Sheep car この貨車はB&O の Pig & Sheep Car である。Double Deck Stock Carの最新型であった。これは韓国製である。一見非常に細かく出来ているが、床下のブレーキ装置は構成が怪しい。間違っているなら付いていない方が良い。
 とても重い車輌である。780gもある。
 今回塗装したが、車内の塗装は難しい。塗料が完全にスプレイされているかは不明である。
Double Deck Stock Car さて、この木製のStock Carの素性が知りたいのである。どの鉄道の車輌をプロトタイプとしているのか、随分調べたが不明である。Stock Carの本は少なく、インターネット上でも写真があまりない。もし読者諸賢のお力を得て鉄道名等が判れば塗装できる。お助け願いたい。
 
 東部の模型屋の倉庫にあった物で、安く譲り受けた。ドアは滑らかにスライドし、とても素人の作品とは思えない。プロトタイプは木製ではなく鋼製であろう。妻板はドレッドノートである。

Drying wet paint あまりにも見事な出来で、塗装するのがもったいないくらいであるが、この際、未塗装車輌を一掃することに決めた。先月来、30台以上塗った。ご近所の人は、どう思っているだろう。デッキの上には乾燥中の車輌が並ぶ。


2009年01月25日

90-ton Hopper car

UP 90ton Hopper Car この90ton Hopper Car はMax Grayの#501 Twin Hopper Offset-side, Flat End の側板から作られたものである。
安達製作所から購入したジャンク部品はいろいろな原因ではねられた物である。打痕があったり、落下品であったりする。いずれ修理して出荷するつもりであったろうと思われるものもあった。

Splicing Hopper Sides この側板は明らかに落下品であった。右の端がめくれていた。直したけれど直らなかったのであろう。探すと左の端が同様ににめくれたものもあった。その部分を切り落としてつなぎ、継ぎ目にリブを置けば完璧に隠せる。
 UPの図面集を見ているとよく似たものがあった。それを参考に作ったのがこれである。知らない人が見ると、MGの製品かと見まごう仕上がりとなった。上端の縁取りは、本物もこのような補強が付いている。残念ながら1台しかない。もっと沢山作ればよかった。
 
UP 40ft Boxcar この40ft BoxcarはMGの時代のものではなさそうだ。ジャンクの中から側板を見つけて、その屋根を探した。見つかったのはIMPの時代のへなへなの屋根であった。それも何枚かの良い部分を切りついでの製作である。
 エンドは韓国製の部品、ドアとラニングボードはAll-Nation製品である。ラニングボードはエッチングしたものをプレスしてあり、透けて見える。屋根板に開いていた孔は全て埋めた。ここまで手を掛けるなら、屋根は自作しても良かった。しかし、プレスによる凹凸は板の貼り合わせでは表現し難いから、これで良しとする。

2009年01月23日

Max Gray の Drop Bottom Gon

Bottom is open. このGSクラスは "Drop Bottom Gon" と呼ばれ、砂利やサトウキビの輸送に用いられた。
 アメリカの無蓋車は、日本のように側板が開いたりしない。側板が強度部材として機能しているので、動かない。積み下ろしは機械で行うのが原則であれば、それで良いのだ。

 このGS Gonは床が開くので、バラ積みの貨物を落とすことが出来る。ホッパではないので完全には落とせない。誰かがほうきを持って乗り込んで、残りを落とさねばならない。その必要もないのかもしれないが。

Opening bottom この模型は安達製作所の社長のアイデアで、床板が4つずつ一斉に開くようになっている。動作はなかなか見ごたえがある。オークションでも高価で取引されている。

 後にUS Hobbiesがインポータになったときは、この可動床がないものを輸入した。見かけは一緒なので、走らせるだけならそれで十分である。筆者はそれを作ろうというわけだ。

 床板を切り出し、ジャンクの中からチャンネルを拾い出す。長さをそろえて切って、ハンダ付けする。側板に縦桟を貼り付け、妻板をつける。上の縁取りのアングルを付けて、最後に例のコーナを貼ると80%出来上がる。
 あとは暇を見て順次作っていけばよい。そのうち良いアイデアが湧くこともある。

 この種の貨車はUP、SPに沢山在籍した。実物は、最近全く見ない。

2009年01月21日

続々 Buying Brass Models by Weight

Max Gray Parts この幸せをもたらしてくれた安達製作所の社長安達庄之助氏には、心から感謝している。そのご親切に報いるためには、とにかく完成させねばならない。そればかり考えて、この30年間ひたすら作り続けてきた。

 最近、かなり要領がよくなり、手際よく作れるようになった。残りの部品も少なくなった。
 あと1 kg程度である。

 残った部品を眺めて、あれも出来る、これも出来ると考えるのは楽しい。すでに残っている部品は、小さな部品なのであるが、それさえあれば出来る車種を探すのである。

 当然大きな部品、例えば床板、側板などは板を切って作る。スクラッチ工作では大変面倒なものも、その部品があればたちまち出来てしまう。

 
Max Gray Drop Bottom Gons 上の写真の小物部品、例えばGondola(無蓋車の四隅のキャップ)などは自作は困難だ。これと補強用の縦桟(Hat Section)さえあれば、ゴンドラを作るのは簡単だ。この貨車などは、部品の数を数え終わった瞬間から3時間でここ(左の車輌)まで出来た。後は順次細かい部品を作っていけばいつかは出来る。妻板は、アメリカ製のブリキである。

 完成見本の車輌とは機能が違うが、それを承知で簡易版を作るのだ。

 実はこの完成車はすばらしい機能を持っている。発注者のMax Gray氏が驚嘆したというすばらしいメカニズムがある。
 
 さすがにこの見本となった車輌は高価である。

2009年01月19日

続 Buying Brass Models by Weight

 どうしようもない屑は、すぐ売って始末した。そして新しいダンボール箱をいくつか用意した。何があるか、ある程度の分別を始めた。この時点で約50kgまで量が減っている。

 Tankerが約120輌、Gondola(無蓋車)が20輌分ほど、Open Hopperが30輌程、Boxcarが数輌、Flatcarが10輌ほど、 Cabooseが3輌分ほど、その他数十輌分あった。

 安達製作所はMax Gray向けの貨車を30種程輸出したので、その部品が残っていたのだ。

 必要なことは、完成見本または写真を手に入れることである。手持ちの部品と照らし合わせて、何がどうなるのかを調べた。
 この作業は数ヶ月掛かった。あたかも考古学者が化石を発掘し、全体を復元する作業の様であった。
 
 足りない部品が少ないものから組み始める。タンク車はすぐに10両くらい出来た。完成見本にいくつかのヴァリエイションを持たせて世界で一台のものを作った。

 その頃、神戸の故魚田真一郎氏と知り合った。彼はこの宝の山の価値をたちまち認識した。
 「こないにたくさん、どうしますねん。ボクも手伝いますわ。」とうまく丸め込まれ、一部を売却した。震災でつぶれてしまうことが分かっていれば、手放すことはなかっただろう。

 ともかく、これが長年の間に組立てられて、当鉄道の貨車を構成している。この時代のブラスの貨車を、これほどの数 保有している人は世界的に見てもまれらしい。我が家を訪れるアメリカ人は、皆 驚嘆する。

 親しい友達がアメリカから来訪したときには、世界で一台の特製品にサインしてプレゼントすると大喜びする。 

2009年01月17日

Buying Brass Models by Weight

 先回お見せした写真の車輌群は、完成品を購入したものではない。さりとて、自作でもない。

 今から30年以上前、筆者は細々とOゲージを楽しんでいた。誰も仲間がいなくて、アメリカから持ち帰った2台の機関車と15両程度の貨車を組立線路上で走らせていたのだ。

 クラブの新年会の時、安達製作所の社長がいらして隣にお座りになった。
「Oゲージやってるんだって?珍しいねえ。車輌はどうしているの?」
「木製のとプラスティック製のをつないでいます。ブラスのは2台あります。」
「ブラスの車輌が少ないね。つまんないよね。うちに捨てるのがあるから、良かったら目方で売ってあげるよ。」という信じられないほど凄い会話があった。

 詳しく伺ってみると、
。魯押璽顕濕屬寮渋す場をたたんで放置してあったが、そこを壊すので、クズを始末したい。
¬槓で買ってくれればそれでいい。
トラックで取りに来い。
 というものであった。

 1月ほどのうちに、都合をつけて出かけた。古工場の隅に壊れかかった段ボール箱が30個ほどあった。どれもずしりと重い。全部で700キロ以上はあっただろう。
 本当に、当時のブラス屑の価格で売って下ったのだ。
「要らないのは、屑で売ればよいのだから、全部持ってけ。」

 実家の倉庫に入れ、箱を開いてみた。あるわ、あるわ、部品の山だ。
 丹念に探すと、二台位は即組める状態のものがあった。とりあえずそれを組んで、残りをどうするか考えた。母親には「屑屋を始めたのか?」と嫌味を言われたが、ひたすら分別に取り組んだ。

 やはり90%は本当の屑であった。残りの10%が30年間楽しめる『お宝』であった。

2009年01月15日

続 Painted and Lettered

 "Ready to Run", "Painted and Lettered" は椙山氏のレイアウトの標語であった。 
 椙山氏は、よくこうおっしゃった。
 「10台のブラスロコより、1台の塗装済みロコ。」
 「細かい部品をつけるより、塗装すべきだ。」
 「文字の入ってない車輌は、実感を損ねる。」
 「窓ガラスのない車輌は戦災にあったよう。」
 
 それを耳にタコが出来るほど聞かされているので、ブラス地肌の車輌は線路に載せたくない。

 確かに、正しく塗ってあり、文字が貼られた車輌は見栄えがする。塗る前とあとでは比べると価値が10倍違うような気がする。
 ディーテイルに凝って時間を掛けても、塗ってみると、さほど努力の跡が見えない。大きな部品がまっすぐ付いて、車体の高さが正しければ非常に立派な車輌に見える。

 人間の目はまっすぐか否かをよく見分けるが、細かい造作は目に入らぬように出来ている。

 筆者の工作はこのような方針である。したがって、あまり細かいことにこだわる方には物足りないようだ。

 次回からはブラスの貨車群の素性について触れたい。

2009年01月13日

Painted and Lettered

Brass freight car under construction 「レイアウトの上にブラスのままの車輌が置いてあるのがイヤなのですか?」と聞かれた。その通りである。
 このあたりの感覚は、椙山氏に仕込まれたものらしい。

 塗ってしまえば、レイアウト上に置いて走らせることが出来る。
ブラス地肌のものは大きな箱に適当に入れてある。貨車などは無造作に縦に突っ込んであるのだ。
 そうしないとスペースが無駄になるからである。すると、必然的に壊れやすい。あちこちのハンダが緩み、部品が欠落する。

Brass freight car under construction2 時々一念発起して、一週間で10両という目標を立て、取り組みやすいものから部品をつけて、あるいは新製して完成させる。

 カプラの高さ及び台車のボルスタ・センタの高さを合わせるのは結構面倒である。ジグを使って順次合わせてハンダ付けする。カプラは、金属製のものとプラスティック製のものを組み合わせて使う。こうするとどちらも絶縁型になる。
 筐体がプラスティックのものは接着剤が効かないが、金属のものは接着できる。この性質をうまく組み合わせて全てを絶縁型にするわけだ。プラの筐体はネジで取り付ける車輌に使う。 

 水洗いして部品の欠落がないか調べて、さらに磨き砂でこする。余分なハンダはこの時点でかなり取れるし、ざらざらがなくなるので、目立たなくなる。

 エアコンの温風吹き出し口に置いておくと30分で完全に乾く。表面を適当に錆びさせることが出来ればプライマは不要だが、磨いてしまうとプライマが必要になる。黄色の二液型プライマを吹き付ける。電気オヴンを摂氏100度位にして放り込むと30分で完全に硬化し、シンナでも剥げない被膜が出来る。

 ここまできたら、大きな箱にそっとしまい、塗る順を決める。同じ色で塗れる車輌をまとめ、マスキングの要領を確認する。デカールの在庫を確認するのは当然である。なければ塗装を延期する。

2009年01月11日

Decal を貼る

BECCO Hydrogen PeroxideTank Car 大方の予想通り、これは10000gallon のケミカルタンク車である。Max Grayの時代のもので、型番は#305である。
 製造は安達製作所である。これは内野氏のお宅に遊びに行った時に、貰ってきたものである。「K模型店の倉庫に転がっていたのを貰ってきた」のを、「はいよ、お土産!」と戴いた物であった。あちこち壊れていて、修理した。ついでにドームを旋盤で挽いて新製した。

 この型番の貨車はたくさん所有している。どれも有名な化学会社の塗色にした。DowとかMonsanto, Penn Salt などがある。左のリンク集の一番上の動画をご覧戴けば、その様子がお分かり戴けるであろう。

BECCO Tank Car Deck Beccoは、バッファロ・エレクトロ・ケミカル・カンパニィの頭文字を並べたもので、高濃度過酸化水素を作るノウハウを持っていた。バッファロの町はナイアガラ瀑布に近く、いわゆる滝線都市で、水力電気が安価なところである。アルミ製錬をはじめとして電解工業が盛んである。
 タンクの上部にあるドームの形が普通とは違っていて、大きな安全弁が付いている。高濃度の過酸化水素は大変危険な物質であり、まかり間違えば大爆発を起こす。タンクの内部はグラス・ライニングが施されているはずだ。もっと高濃度のものを運ぶときは、純アルミニウム・タンクを用いる。
 
Becco Tank Car by Champion Decal Beccoのタンク車には興味があり、70年代初頭に東部に行ったときたまたま古い車輌を見かけた。いつかは作ろうと思い、デカールだけは買っておいた。価格を見ると$1.45とあるから、75年あたりに買ったのだろうか。
 このころのChamp Decalは現在と比べるとやや膜が厚い。丈夫だから貼りやすいが、膜の腰が強くて凹凸になじみにくい。デカールを浸す水は40℃くらいにすると、少しは軟らかくなる。
デカールをなじませるSoftenerはどこのでもよい。あまり多いと失敗する。デカール膜の水を切って、貼る面に1,2滴置いたソフナの上に着地させる。

2009年01月09日

Masking

masking2maskingmasking3




 天気がよいと塗装したくなる。未塗装の車輌を見ると気分がよくない。出来れば見たくないので箱に入れてある。ある程度仕事が進んで塗るばかりになると、別の箱に入れて天気のよい日を待つ。下塗りは、チャンスがあればしてしまう。5分で終わるからだ。

 天気予報を見て準備をする。明日は晴れで風が弱いということが分かれば、マスキングにかかる。マスキングテープは、貼ってから時間を置くと糊が変質して取れなくなるし、場合によっては浮いてくる。
 3日以内が勝負だと思っている。それでも塗る直前には塗り分け部分をよく押さえて浮きがないことを確認して開始する。

 brass_solder氏は塗装台を使用されているが、筆者は左手を回転して塗る。塗り残しがない様に、事前に回転方向、持ち替えのタイミングをあらかじめプログラムして予行演習してから行う。 今のところこの方法で失敗はない。
 機関車は重いので左手が攣(つ)ることがある。落としてはいけないので、金網で作った塗装台に載せる。その塗装台を回転させる。金網で作るところがミソである。
brass_solder氏も金網を使われている。

 これらの写真をご覧になってどんな車輌ががマスクしてあるかお分かりであろうか。マスキングに1時間掛けても、塗装は2分だ。

2009年01月07日

続 UP の Diesel Oil Tanker

16000-gallon Tankers 6両を並べるとなかなか壮観である。1台はSP塗装にした。デカールが余っていたからである。
 この機種は台数が少なく、完成品があまりオークションに出ない。出ても高値で取引されて手が出せない。今回入手できたのは、いろいろな点で運が良かった。

16000-gal Tank Car via e-bay この写真をご覧戴くとよく分かるが、塗装済みで、しかもその塗装がよくないし、デカールの貼り方がでたらめである。ただそれだけのことで応札する人が少なかった。塗装など剥がしてしまえばよいので、筆者は全く気にしない。しかし、それが面倒な人は手を出さないのだろう。

 この塗料は筆塗りであったが、実にメタリックでいい色であった。当初デカールだけ剥がすつもりで、マジックリンをつけてブラシでこすったら、部分的に塗装が剥げてしまった。これは失敗であった。マジックリンは塗料を溶かすようにアルコールエーテルを配合してあるのだった。

 デカールだけを剥がすには、スティームを当てるのが一番である。ヤカンのふたを押さえて、注ぎ口から吹き出る湯気に当てるとすぐ軟らかくなり、ブラシでこするととれてくる。このアイデアは60年代のMRに載っていた。椙山氏のところで読んだように思う。

 結局のところ、アルコールエーテルそのもののブレーキ・フルードに漬けた。二日ほど漬けておけば、つるりと剥がれて来る。あとは水洗いして乾燥すればよい。

 ここで気が付いたのは、既製品はハンダ付けが完璧で、水が漏れ難いということだ。仕方がないので、見えないところに孔を開けて中の水が出るようにした。

2009年01月05日

UPのDiesel Oil Tanker

UP Tank Cars 16000ガロンのタンク車である。最近、オークションで非常に安値で手に入ったので塗って完成させた。一挙に6輌になった。ディーゼルオイルを運ぶもので、ディーゼル庫の近くに止まっていることが多いはずである。
 当初の3両は完成品ではなく、パーツから組んだので、Max Grayの製品とはいろいろなところが異なる。貨車はあまり細かく考証しないことにしているので、深く追求しないで戴きたい。

 デカールの説明図を見ると、デッキ周辺は、Anti-Skid塗装がしてあるそうである。油がこぼれると滑って事故を起こす可能性があるからだろう。
 本物は砂を撒いてあるので、ザラザラどころかガリガリであるが、それを模型化するのは困難だ。
 つや消し剤を多めに入れたらどうかと試したのが右である。全体の艶は、まだ消してないのでご容赦戴きたい。そこそこの描写になったような気がする。
UP Diesel Oil Tankers 上から見るとこうなっている。上は艶消し剤が足らなかった。再度塗る予定である。



UP Diesel Oil Tanker2UP Diesel Oil Tanker 艶がありすぎて奇妙だが、これがデカールをうまく貼るコツである。


 艶を消すつもりでも、最大限の艶を出しておいてデカールを貼る。そうしないと膜が密着せず空気が入る可能性がある。そのあとで艶消しラッカを吹き付ければよい。


2009年01月03日

続 金属の臭い

 金属は良い触媒となり、手の表面の皮脂を変化させる。おそらく酸化を早める。また、酸化的分解も起こすだろう。すると短い分子になり、揮発性が増すはずだ。何になっているのかは、しかとは分からぬが、金属元素ごとに触媒能力が違うので、生じる分子の形も違うであろう。皮脂は、スクワレンという二重結合をたくさん含んだ炭化水素を、30%以上も含む。これが変化すると考えるのが自然だろう。脂肪酸も二重結合を含んでいるものを20%程度は含まれるので、反応するだろう。

 機械油は、炭化水素をベースに添加剤として脂肪酸が入っているのでそれが触媒によって変化する。しかしアルミニウムはあまり臭わない。

 鉄錆を指先でつぶすと、独特の臭いを感じる。これなどは酸化鉄の触媒作用によるものであろう。

 最近の学説によると、亜鉛イオンはタンパク質の形を容易に変化させる優れた触媒であるそうだ。タンパク質を分解するプロテアーゼという酵素の活性中心である。それも臭いに関係するかもしれない。

 ヤスリ掛け、糸鋸で切るなどの操作で、金属の微粉が生じると、表面積が大きいので反応速度は大きいだろう。

 ハンダ付けして塩化亜鉛が付着している模型に手を触れても、これまた臭いがする。しかしこれをよく洗うと臭いは全くしなくなる。祖父江欣平氏の工房を訪ねると感じる独特の臭いも、まさにこれである。

 「モータの臭い」と言う表現があるが、これもコミュテータの銅の上で何かの油が変化した臭いであろう。誘導電動機では聞かない表現である。  

2009年01月01日

金属の臭い

 あけましておめでとうございます
 
 Thomas の貨車は何種類かあるが、タンク車のみがまともな貨車で、あとはブリキのおもちゃとしか言いようがない出来である。明らかに設計者が異なる。

 今回3台まとめて作ることにした。1台は鉄タンクである。一時期、経費削減でブラスをやめたらしい。
 製造後50年は経っているキットであるが、箱を開けるとダイキャストの臭いがする。なんとも言えない特有の臭いだ。悪い臭いではない。鉄タンクの箱はあまり臭わなかった。

 金属そのものに臭いがあると言う人がある。このことについては、筆者も興味があり、長年調査してきた。

 まず錆びていない鋼板、ブラス板、アルミニウム板、ダイキャスト部品を用意する。これらを中性洗剤とミガキ砂を使ってよく洗い、油気を取る。十円玉、五円玉、一円玉でも良い。

 きれいな紙タオルで拭いて水気を取り、清浄なピンセットではさんで臭いをかぐ。臭いなど全くない。どれも同じだ。

 次に、やや汗ばんだ手でそれらを触る。途端に独特の臭いがし始める。

 ブラス、亜鉛ダイキャストはプンプン臭う。どれも微妙に違う臭いだ。筆者には亜鉛ダイキャストの臭いが一番強く感じられる。鉄はやや弱い臭いで、異なる臭いだ。 アルミニウムはほとんど臭わない。
 再度よく洗って、乾かす。軽い機械油(ミシン油が良い)を薄く塗ると、また独特の臭いがする。日本製のブラスとアメリカ製のブラスでは臭いが異なる。   

 さてこの臭いは何だろう。
 新年早々、妙な話で申し訳ない。

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