2006年12月24日

2006年12月24日

続 可搬組み立て式線路

 問題は精度の高い「ほぞ」をどう作るかである。日本の気候の中で経年変化を含めた耐久性を考えなければならなかった。

 吉岡氏の近所の木工所がハーモニカの木部を作っていたらしく、良い木をいくつか紹介してくれた。見本をいくつか作らせて検討し、最終的に数百組の互換性のあるほぞを作った。合板製の本体もついでに作ってくれることになり、比較的安く作ることができた。ほぞ材は朴の木を使った。

 給電部はS工房にプレス部品を発注し、ブラスの板で、スプリング圧着させることにした。これが大変に具合がよく、ほぞ先端を丸くしたことと相俟って、組み立ては本当に一瞬である。しかも、スプリングが利いているのでその下の机に多少の不陸があっても何の問題もなく接続でき、また外れることもない。

 この組み立て道床にはもうひとつの大きな工夫がある。それは音に対する工夫である。市販のいろいろな道床の上を車両が走る時にいろいろな音がする。聞いていて不愉快なのは高周波成分だ。「シャー」とか「カー」という文字では表せそうもない、高い音が出る。いかにも模型的な音で、実物の「ドドン」とか「ガッタンゴトン、ゴトン」という音からは程遠い。

 高周波成分を共鳴させなければ良いわけで、それには内部損失の大きい材料が必要である。音響学の専門家に聞くと一番大きいのは生体であるという。確かに人間の手で支えた線路の上では車両は良い音を立てる。人間の代わりになるものはないか。

 コンニャクの薄切りの上に上にレイルを置いて走らせると、えもいわれぬ良い音がした。しかしこれでは現実的ではない。ある程度重くて内部損失が大きいものは天然ゴムである。
 自動車タイヤ用のSBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)は内部損失を小さくするような分子構造をもたせてあるから、これは使えない。

 木部の足の部分にはフェルトを切って張った。 

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