2006年12月06日

2006年12月06日

慣性を大きくする

Flywheel equipped Diesel Engine 本物の慣性は大きい。山手線など駅を出たら次の駅まで慣性だけで走っていく。運転士は「動かしているのか止めているのか判らない。」とまで言う。

 模型は質量が小さいと同時に速度が小さい(これは二乗で効く)ので、慣性はほとんどない。内部に隠したはずみ車を高速で回すしか、見かけ上の慣性を稼ぐ方法はない。チェイン・ドライブを作る時、はずみ車を作り、ボールベアリングで支えた。もちろんスラスト・ベアリングも組み込んで、衝突に耐えるようにした。

 多少増速して、モータの回転以上で回るようにした。この効果は大きく、巡航速度に達すれば、電流を切ってからエンドレスを周回するほどである。

 あまり速く廻すと、ジャイロの効果でカーブを廻り損ねる可能性があるかもしれない。DCCによる起動時のモメンタム(擬似慣性効果)とは全く違う、本当に質量がある様な走りをする。

 この機関車(Aと呼ぶ)と、普通のはずみ車のない機関車(Bと呼ぶ)を重連で貨車なしで走らせていた時、非常に面白い現象に気がついた。

 Aを休ませておいてBだけで駆動すると、たった2輌しかないこの重連が、極端な重さを感じさせるのである。しかし動き始めたら止まらない。発電ブレーキで止めなければならない。これは何かに使えないだろうか……。

 子供の頃、機関区で仕業につく蒸気機関車が単機で走っていくのを見ていた。その時、スロットルを開くと、動輪がシュルシュルとスリップする。止まる時もかなり荒っぽく止まるので、動輪がロックした状態で数メートル滑っていく。たまに逆転して止まるのもいた。これが再現できるはずである。普通の模型ではそれは絶対に再現できない。サウンドと組合せるとそれは絶大な面白さを演出する。 

 テンダにこのはずみ車を入れたい。センティピード・テンダなら、見かけを損なわずに簡単にできる。増速を強めに掛けておくとどうなるか。単機で走り出してもスリップするはずである。本物のように。止まる時は逆転を掛けて止まるということもできそうな気がする。おそらくテンダは巨大なはずみ車を収容して、機関車より重くなるだろう。軸受の摩擦が少ないので、凄まじく大きな慣性を生み出すはずである。

dda40x at 08:06コメント(0)力学 この記事をクリップ!
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