2006年11月15日

2006年11月15日

コアレスモータとの出会い

コアレス・モータ そうこうしているうちに、祖父江欣平氏の工房を訪ねることがあった。祖父江氏は滑らかな運転が可能な駆動装置を長年追求されていた。双方向クラッチも試作されていたのだ。のちに、このクラッチは井上豊氏の記事で紹介された。

 そこで、コアレスモータを見せてくれた。氏は「模型クラブの会合で見せてもらったから、買った」と嬉しそうに見せてくれたのだ。これぞ探していたモータだ。鉄心がないから、マグネットの吸着もない。要するにコッギング(米口語ではTeething)がない。今思えば、内野日出男氏に見せてもらったのだろうと思われる。内野氏は1971年にLongnecker氏からコアレスモータを貰ったそうだ。

 逆駆動が簡単にできる。筆者も小さいものを二つ買ってみて、そのリード線を直列につないで片方の軸を廻してみた。なんともう一つのモータの軸も回転するではないか。効率が90%近いとこういうことが起こるのかと、感心した。

 仕様書を読み解き、自分の機関車に適合するかどうかを調べた。ギヤ比は何とかなるが、出力が足らない。当時の手持ちの貨車40両を引き出すのに必要な力を測定すると、起動できることは分かったが、3%の勾配はとても登れないことが分かった。

 仕様書を見ていくともう少し大きいのが見つかった。捲き線の多い低回転モータで、12Vでの無負荷回転数が5400rpm、トルクが106mNmと大きいものである。負荷を掛けたときの回転の落ち方も少ないものであった。価格は目の玉が飛び出るほど高かったが、満足のいくものであった。これを使えば、いつか逆駆動ができるギヤができたとき、押して動く機関車ができることになる。

 コアレスモータを扱う商社で、いったいどんな顧客がいるのか聞いてみた。最大のお得意様は防衛関係だという。ミサイルの制御システムは応答が速くなければならないので、慣性モーメントの小さいコアレスモータが求められるというのだ。

 二番目のお得意様はと聞くと「それは貴方だ。」という。今まで何人か来たけど、10台以上買った客は貴方しかいないという。

 しばらくはその地位を守っていたそうだ。

 余談だが、ロールスロイスのエアコンの風向きを変えるフィンを左右に首を振らせるモータが、その会社のコアレスモータだったと教えてくれた人がある。

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