2006年10月07日

2006年10月07日

Oh, my Heck!

0ae21f6c.jpg  "Oh, my Heck." は少々品のない英語で、「こん畜生、やっちまったぜ。」という意味だ。Billがたまにそう言う時は、ドリルやタップを食い込ませて折った時だ。
 折れ込んだタップを取り出すのは大変である。相手が鋼の時は、アセチレンガスで赤熱する。灰の中に放り込んで保温し、全体を焼きなます。そして少し細いドリルで粉砕するのだ。

 相手がブラスの場合は、「Muriatic Acidに漬ける。」という。この言葉は俗語であり、化学技術用語ではない。字義通りに訳せば「海の酸」という意味で、塩酸のことをいう。

 鉄は銅に比べ錆びやすいので、希塩酸の中に漬けると、鉄が溶けて銅が残る。ブラスは亜鉛も含むので亜鉛は溶けるが、表面だけで内部までは溶けない。

 2日ほど漬けておくとブラスの表面は銅色になるが、鉄合金のタップは消滅する。鋼の中の炭素がわずかに黒い粉末として痕跡を残すのみだ。

 今日の写真は何であろうか。ステンレスの手桶の中に台車枠が放り込んである。

そうだ、タップが折れたのだ。海水程度(3.5%)の食塩水に漬けてある。水は雨水である。ゴミ、埃がかなり入っているがかまわない。

 これは筆者の工夫で、塩酸を使わないで鉄を速く溶かす仕掛けだ。ステンレスを使うところがミソである。単なるイオン化傾向の差ではないところをご理解戴きたい。

 ステンレスの流し台に鋼の包丁、空き缶などを置くと極端な錆が生じることに気が付かれた方もあるだろう。ステンレスではなく鉄が錆びるためだ。金属の専門家の説明によると、「ステンレスは銀より電位が高い」らしい。ということは、これを使うと銀電極を使ったボルタ電池風の物が出来るというわけである。鉄はどんどん錆びていく。このとき亜鉛は溶けるはずだがそれは表面だけで内部は関係ない。タップはかなりの速度で腐蝕する。

 その時、食塩の塩化物イオンがあると水溶液の電気伝導性が増大し、溶解速度が増大する。pHが低いと良いのだが、最近の酸性雨程度で十分である。

 3日ほど漬けて置くと完了である。色々な方から「うまく行った」との報告を戴いている。

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