2006年09月04日

2006年09月04日

おみやげ

0f57dbaf.jpg Billの父親も鉄砲鍛冶であったそうだ。この種の職業は往々にして世襲である。
 日本には鉄砲鍛冶という職業は殆どない。銃砲店でさえも、顧客の猟銃の手入れをする程度で、一から作るところなどまずない。
  
 時々、試射をするから付き合わないかと言う誘いがあった。初めの内は興味津々でついて行ったが、だんだん事情がわかってきた。試射とは危険なものらしい。その銃が破裂するかも知れないのだ。肉を薄く作った試作品は、Bill自身も怖いらしくて、銃を固定し引き金に紐をつけて発射する。何発も撃って、変形していないかマイクロメータで寸法を測定する。「特殊鋼を手に入れたから次はもっと軽いものを作る。」と嬉しそうに語っていても、試してみるまでは何が起こるかわからないから怖いものらしい。


 ライフルとは実に良く当たるもので、100 m先の空き缶のど真ん中を撃ち抜くことができる。ピストルでは10 mくらいまでしか当たらない。
 照準用のスコープの調整をするのは試射をしながら行う。

 帰国する時、Billが小さい箱を持ってきて差し出した。
「これ、記念に持っていけ。」
 開けてみるとぴかぴかの35口径のリボルヴァ6連発であった。
「これを持って帰ると刑務所に3年くらい入ることになる。」と言うと、
「日本は正当防衛でも刑務所に行くのか。」と聞く。
「いや持っているだけでも犯罪で、警察官などの特殊公務員以外所持は禁止されている。」と説明すると、
「日本ではオレは失業だ。」とため息をついた。
「まあ、いいや。またこちらに住むようになったら取りに来い。」と言ってくれた。残念ながらBillはその4年後にガンで亡くなった。
ガンと言うのは悪性腫瘍のことである。念のため。


 ところでこれは何であろうか。
 ヒント: 宝石屋にあるかもしれない。

Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ