2017年08月04日

荷物車の中

 荷物車は窓がほとんどないので、中に色々な工夫を詰め込める。
 
 5輌のうち2輌は、大きめのショック・アブソーバをつけるつもりだ。ラジコン用の部品を、リンク機構で前後を一つで受け持つ。

 荷物車には貫通幌がないので、連結面が当たる寸前まで縮んでも大丈夫だ。トラベルは各 5mm程度にしないとみっともないので、2輌の4箇所に付ければ、総トラベルは20 mmになる。

 普段は所定の位置まで延びていて、急停車時には縮む。20 mmでも、力積はうんと小さくなるから、連結面の座屈は起こりにくい筈だ。連結器のピンも壊れないだろう。
 
 アメリカ人の組んだ客車には台車抜きで2 kgもあるものがある。中に補強のつもりで、3/8インチ(9.5 mm)の角材が2本も入れてある。床面は平角棒で固定してある。重いわけだ。ボールベアリングを付けたら、凄まじい転がりを示すが、急停車時の事故が怖い。これが脱線転覆すると、周りに甚大な被害が及ぶ。
 スケールスピードでの運転をするが、信号をよく見て、事故が起こらぬよう十分に注意をする。

 7月下旬から、アメリカに来ている。今回はLAXから入国して、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス方面に行く予定だ。本業の取材を兼ねて来ている。
 しばらく休載する。



2017年08月02日

ダイキャスト部品の膨張

 ダイキャスト部品が使われている模型は、定期的に点検をしないと具合が悪くなることがある。
 戦後すぐのダイキャストはボロボロになったものが大半だ。合金中に異種の金属が入っていると、金属の結晶隙間で腐食が起こりやすいからだ。最終的に粉になってしまう。
 そこまでひどくなくても、鋳物が膨らむことがある。1%以下の膨張であるが、篏合させてある部品が外れて、ばらばらになる。ギヤボックスが膨らめば、ギヤの噛合いが悪くなるだろう。

diecast expansion この写真をご覧戴きたい。KTMが1970年ごろ作って輸出したものであるが、台車がバラバラである。軸箱はたくさん必要であるので、ダイキャストで作った方が安いと判断したのだろう。以前はブラスの角棒から挽き出した軸箱体に、ドロップ製のベアリング・キャップをハンダ付けしていた。
 含油合金で作った軸受をダイキャスト部品の中に押し込んで作ったのだが、50年近く経つと、抜け落ちている。割れているわけではないのだが、ごそごそである。いずれ割れるのであろうか。仕方がないので、フライスで角棒を挽いて軸箱体を作る。それにロストワックスで作ったベアリング・キャップをハンダ付けした。かなりの手間である。
 長年のうちに集めたディーゼル電気機関車のうち、半数が修理不能であったが、この半年のうちに殆ど作り直した。フライス盤あればこそである。それと金属回収業の人と仲良くして、大量の材料を持っているからできることである。

 やはり亜鉛ダイキャストは信用できない。ブラスに限る。


2017年07月31日

tongue rail

 本線から客車ヤード、隠しヤードへの分岐はdouble slipである。それを作ってないので、本線への牽き出しはできない。
soldering jig いよいよダブルスリップを作らねばならず、トングレイルを8本削った。例によって、尖端を曲げてジグにハンダ付けし、フライス盤で落とした。


#10 tongue rail#10 tongue rail (2) 裏表で二通り4本ずつにしておかないと勘違いする。曲がった部分はほんの少ししか削れないから、反対側(この写真では下から)ヤスリで削る。

tongue railtongue rail2 削った部分を接写するとこうなっている。あまり薄く削ると弱いので、ウェブ(レイルの薄い部分)の厚みを残し、尖端だけクサビ状にする。この写真の状態では削り過ぎていて、尖端が割れている。後で切り縮めて修正したが、よく撮れている写真なので使った。

 角度が大きく見えるが、望遠レンズなので、圧縮されて見えるだけである。脱線しないポイントを作るコツはここである。先端が厚いと良くない。
 Low-Dのフランジ角は小さいのでまず大丈夫だが、機関車の中にはRP25もどきが潜んでいる。

2017年07月29日

続 転車台 

indexing インデックスの部分は、この部分だけは作ってある。例によって荒っぽい作りだが、機能のみを考えればこれでよいのだ。
 廃金属回収屋で入手した砲金のブロックと角棒である。これだけで1 kg弱ある。角棒はペンキが塗ってあったので、ブレーキフルードで剥がし、打痕を削り落とした。フライス盤に銜えて溝を掘り、ボールベアリングが嵌まるようにした。

 剛性がなければならないので、大きな材料を用いている。まともに買ったら高いはずだ。

 ボールベアリングをネジで留めるのは正しいやり方ではない。心が出ないからだ。タップというものには、ネジ溝が一つしかないから、均等に切れて行く筈がない。どうしても、フレが出る。
 本当はピンを植えるべきだが、あえてネジにした。一つしか作らないので、現物合わせで中心をずらせば良いのだ。厚肉パイプをフライスで削って、偏心スリーブを作る。それを嵌めて少しずつ回し、ちょうど良いところで接着する。簡単である。角棒の出入りは正確に直角でなくても良いので、気楽なものだ。

 この角棒が滑らかに出入りすれば良いので、この工作はできあがりだ。問題は先端だが、見通しが付いた。
 外径1/8インチの鋼のロッドがないので、アメリカで探さねばならない。日本ではインチ材が本当に手に入りにくい。削り出せば良いと言っても、ドリルロッドには敵わない。

 

2017年07月27日

転車台

 回転する円板を支える戸車風の支えを、いくつか買って試したが、すべて不合格であった。とにかく摩擦が大きい。慣性で廻り続けるほど、摩擦が少なくなければならないのだ。

image 仕方がないので、自分で作った。平角棒とチャンネルを組合せて貼り付け、フライスで削って製作した。ハンダは後ろの押えを使って焙り付けだ。高さを低くしたかったので、ベースを切り込んでヤスリで仕上げた。
 多少のばらつきがあったが、ローラ面高さが16.00 ± 0.04 mmでできた。と言っても、合板の円盤に付けるので、その平面度がかなり怪しい。そのうち、自分の重さで落ち着くだろう。チャンネルは快削材であったが、平角は粘い材料で参った。大事なエンドミルを折るのではないかと、ヒヤヒヤであった。
 ボ−ルベアリングは、直接ネジに通してあるのではない。厚肉パイプを通してある。チャンネルにもネジが切ってある。こうしておかないとネジを締めたときにチャンネルがゆがむ。所定の性能を長年に亘って発揮させるためには、余分のストレスが掛からないようにしておかねばならない。

 円盤に取り付けて、手で廻してみると、くるくると廻った。レールの鉄板に埃があるせいか、少々やかましい。油を付けて磨くと、かなり静かになるはずだ。動画があるのだが、サイズが大きいからか、UPしてお見せできない。
 次はインデックスである。ある程度工作は進んでいるが、まだお見せできる状態ではない。ノッチに喰い込むクサビの形状について、いくつか試作をしている。
 思い付く形はすべて作ってみたが、満足がいかない。先週思い付いたものになりそうだが、工作が進んでいない。
 フライスのDRO(ディジタル・リードアウト)を壊してしまい、取り換え作業中である。最近はこれがないと工作できないのがつらい。回転速度も回転計を見て行っている。以前のような勘に頼ることが無い。周速度を一定にすると良く削れる。

2017年07月25日

意外な話

 7月19日の記事に対し、KMCの須々木裕太氏からコメントを戴いている。ブログ本文で紹介させて戴く。

 KMCは運転者がモジュール内側に居り、走行中の列車が木立に隠れて余り見えないので、列車と一緒に移動する事は不可能で定位置で運転しています。このことはKMC会員周知の事実です。一方、モジュール外側には脱線復旧や線路磨き要員のメンバーが常時数名列車について歩いているので、コメントされた方は、この風景を見て「ウォークアラウンド実施中」と勘違いしたものと思います。
 ウォークアラウンドの定義も含め何も判っていないのに、KMC会員を詐称して関心を引こうとする人が居るとは、何とも情けないですねぇ。 

 要するに、2008年5月1日に投稿されたコメントはKMC会員を騙(かた)ったニセモノであろうということだ。さらに、メイルでこのようなことも教えて戴いた。

 私がKMCに参加したのは2004年です。当時も今も、KMCの運転方式は変わっておりません。正しい意味での「ウォークアラウンド」すなわち、列車と向き合って列車と共に移動しながら運転する事は、KMCでは行われていない事は確かです。
 赤外線や無線スロットルを使って、観客側から列車を制御する試みは何度か行われましたが、観客をかき分けながら列車と一緒に移動するのはまず不可能でした。結局、運転者は内側、観客側にサポート者数名という体制で公開運転しています。 
 ただ、2008年当時在籍したが、現在は退会された方も数名居られますので、会員外の詐称かどうか?という点について100%の確信は有りません。しかし、昔も今も「KMCは**のパイオニア」等、対外的に成果を誇示したり、他のモデラーの方を見下したりといった事をする会員は思い当たらないのが、正直な所です。
 軽便鉄道模型祭やその母体であるKMCやKBMCに関するデマや中傷が時々耳に入りますので、誤解を解きたい一心でコメントをお送りしました。何とも面倒な事で困ったものですね。

 須々木氏とは古い付き合いで、彼の心情はよく理解できる。確かにKMC会員はどなたも紳士的な方ばかりである。KMCという名を騙ったのは、犯罪である。IPアドレスは分かっているので、事の進行状況を見て、公開するかもしれない。


2017年07月23日

続 荷物車5輌

inside brake wheel この写真を見て戴きたい。分かりにくい角度の写真だが、内側から妻板の方を見ている。こんな所にブレーキ・ホイールがある。実はその外側にもある。
 ブレーキ・ホイールは裏表にあるのだ。当然同じ軸で廻るから、作動時の回転方向は見かけ上、異なることになる。
 妻の貫通扉は窓無しで、これは防犯上必要なことである。開くようにしてある。

 この荷物車は20年ほど前に入手した。床下も必要以上に出来ていて、配管がたくさんある。プロトタイプの通りに出来ているかは、やや怪しいところもあるが、本当によく出来ている。おそらく作者はUPの職員であったに違いない。そうでなければ気が付かないところまで、作っている。

 ハンダ付けは例によってぼてぼてだが、一応よく付いている。良いフラックスと大きなコテを使っていることが分かる。炭素棒を使った形跡はない。ただし、力の掛かるところに当て板を付けずに、同じ調子で付けているので、剥がれてしまう。ハンドレイルは鉄線を使っているので硬い。車体のボルスタは厚いブラス板を組合せて作ってあったが、台車が廻りにくく、脱線した。当たるところを切り取って、別の方法で台車を取り付けた。もちろんボール・ベアリングを付け、Low-Dに取り換えた。6輪がイコライズしているのが分かる。1.7 kgもある重い客車が、驚くほど滑らかに走っていく。

2017年07月21日

荷物車5輌

 荷物車を複数用意する必要があった。UPの末期の特急旅客列車には、荷物車がたくさん繋いであった。大陸横断の郵便物を満載していたのだ。しかし、1968年あたりから突然その数が減った。すべての郵便物が航空機輸送になったからだ。
3 bags 博物館では、1950年代のUPを中心にコレクションを形成しているから、最大限の荷物車が必要であった。ケムトロンのキットには、80 ftの3軸台車の車輛がある。それを3輌入手した 。

 3輌のうち、1輌はアメリカ人が組んで、塗ったものだった。きれいに塗れているのだが、一部のハンダ付けが甘く、すべての扉が外れていたのを、安く買った。扉を作って、塗料が傷まぬよう低温ハンダで付けた。屋根とサイドの境目が外れたのも直したが、低温ハンダは好きではない。

 2輌目はアメリカ人が組んだのにしてはハンダ付けが完璧であったが、側壁の厚みの分、扉を控えて(recessedにして)つけるのを忘れて、平坦なサイドであった。とても奇妙な感じで、それを極端に安く買った。扉を外して、recessさせた。とても面倒な作業であった。すべてばらした方が、時間的には早かっただろう。

 3輌目は未組キットで、側板が抜いてなかった。糸鋸で切り抜いて、扉をrecessさせた。新品だから、それなりの価格であった。組立ては短時間で終わった。
 Kemtronの客車キットは、60年代の発売だから、今から見るとかなり甘い作りだが、塗って編成にすれば、素晴らしい。それ以上は望む必要もない。

 件の73 ftは、2輌作った。Kemtronのレヴェルに合わせた作りである。編成であるから、細かく作っても仕方がないのだ。 ただ、走行性能だけは最高にしてある。
 この種の窓のない車輛は楽である。2輌を10時間ほどで作った。梯子は祖父江氏のところから来たSANTA FEのテンダ用の足を延ばして使った。これにケチを付けるとは天に唾するようなものだ。
 床下器具は横から見えるものだけを取り付ける。連結面の造作は大切で、それらしく作る。

 例のコメント主がまた書いてきたが、脱力するような内容であった。博物館を開くと、様々な人が来るだろう。客商売ではあるが、断固とした態度で臨む決意だ。幸い、すぐ近くに警察があるので話は早い。そのお巡りさんは汽車が好きなのだそうだ。

2017年07月19日

様々なコメント

 このブログでは、コメントは承認制である。すなわち、コメントを投稿してもすぐ載るわけではない。こちらに編集権があるので、誤字の訂正をしたりしてから、公表している。
 中にはおかしなものもあって、「調子に乗るな。」とか「態度が偉そうだ。」などと書いてくるものもある。IPアドレスは保存してある。

 ずいぶん前だが、「日本ではウォーク・アラウンドを採用しているという記事には、ほとんどぶつからない。」と書いたところ、KMCの人と称する方から「木曽モジュールクラブや軽便モジュールクラブでは、DCC&ウオークアラウンドはあたりまえです。あまり日本のファンを見くびらないように忠告します。」というコメントが入った(下線は筆者による)。この言葉遣いには違和感がある。
 読解力の不足と、表現力の無さである。客観的な話として受け取れないのだろう。

 筆者はおそらく、日本で最初のウォークアラウンドの実践者である。1978年頃、
4線の機関庫風景を作り、7 mほどではあったが、本当に歩いている。高さは1 mであった。入替えをして楽しんだ。その高さは当時としては、格段に高かった。
 それから何年後かに、彼らはモヂュールを組合せてそれを実現したのだろう。雑誌にも載ったので、それを誇りたかったのであろう。しかし、その写真を見て感じた事はウォーク・アラウンドとしては低すぎるのではないかということだ。全体をあと50 cm上げることができれば、かなり違う効果が出ると思った。
 このことを、先に紹介したコメントの件を含めて、KMCの方に直接質したことがある。
「おっしゃる通りかもしれませんね。コメントの件は誰かわかりませんが失礼しました。我々全体の意見ではないです。」という話であった。
 会って話せば、皆紳士的なのだが、顔の見えない場所からはかなりひどいことを平気で書いてくる。これは鉄道模型だけではない。某掲示板を見ればそのような記述が大半だ。何年も見たことがないが、その中にきらりと光る宝石もないわけではないという話だ。

 このブログでは、コメントは99%以上載せている。載らないものがあれば、それは明らかなマナー違反である。直接会って話せる内容なら、多分OKだ。
 極端にひどいものはIPアドレスを公表することも考えている。


2017年07月17日

あるコメント

 先日、このようなコメントが入った。
ハンダの流れ方や、6か所ある梯子の造形やら、雑な工作ですね。スクラッチビルドを「しない」と言うより、正直に人並みの工作は「できない」と言った方が良いのでは。 」

 なかなかの自信家なのであろうと推測する。ただ、読解力には大きな疑問符が付く。このブログを最初から読めば、全くの見当違いである事はすぐ分かるはずだ。
 筆者は外見にはそれほど拘らない。塗装することが前提だから、キサゲでハンダを削ってぴかぴかにするようなことはしない。また、内側にはいくらハンダが見えていても、削らない。ただ、接着面には100%ハンダが付いていることが条件だ。

perfect soldering このコメント主はOスケール (OJではない)の客車を持ったことが無いことは明白だ。1.5 kg〜2 kg以上もある客車をわしづかみにすると 、ハンダ付けが外れることがある。経験上一番多いのは、面積の大きな荷物扉である。だから厚めの板を用いて、完璧な、水も漏れないハンダ付けをする。窓ガラスは、アクリル板をアングルに嵌めておく。接着では剥がれるからだ。

 ブラスの板はクズ屋で買ったものだから、錆びて汚いが、気にしない。塗れば全く問題ないし、錆びているものの方が塗装が剥げない。フェルト・ペンで書いた文字はシンナで拭いて、塗装する。プライマは無くて良い。

 梯子は片足しか付けてない。最終的な完工時には両足付けるが、作業中は曲がりやすいので、直しやすい状態のほうが良いのだ。中段のハンダはすべてが完成した時に削り取る。頑丈でないと作業中に壊れてしまう。今回も撮影直前に落としたので、一部の部品が落ちている。しかし、机の高さから落としたのだが、本体にはまったく被害はなかった。

 コメント主は、店で売っているキンピカの完成品のようなものが理想だ、と考えているのだろう。ところがこの博物館では、よく走り、多少の事故でも破損しないことが最優先だ。20輌編成の客車が30 kg以上もあるとは、見当もつかないだろう。床板のセンタ・ビームはあのような形でないとビビリが出る。1.5 mm厚のチャンネルを付ける時に、完全なハンダ付けが必要なのである。はみ出さないようにできるものなら、お見せ願いたいものだ。長さ464 mm、幅63 mmの車体を、0.8 mmと1 mmの板で作ってみれば、いかに不見識なコメントであるかが分かるだろう。実際に作れる人はこのようなコメントは書かない。
 
 (自己)相対性という概念がある。自分が社会の中でどのような位置を占め、何ができて何ができないかを知ることだ。それができる人が大人である。すべての鉄道模型人にそれを要求するのは、無理なことなのだろうか。


2017年07月15日

続々 Bluetooth control 

 コントロールの効く範囲は、だいたい 10 m である。それ以上離れると時々切れるようになる。HO以下なら、全く問題ない範囲である。

 この基盤はロボット製作用であるから、最大5.5V(4.8V電源を考えている)である。新規に設計すれば 12 V用も可能であろう。そういう製品を出せば、かなり売れるはずだ。価格もこの程度でできるだろう。当然、コントロールパネルはそれなりの設計が必要だ。
 今回はターンテイブルの駆動に用いるので、操作距離は 5 m以内である。回転橋を目で見て操作するので、これで十分だ。駆動部の製作は少し進展した。 

 
 今までDCCが最高だと考えてきたが、最近考え方が少々変わって来た。無線制御は、これからかなりの顧客を獲得するだろう。比例制御が決め手である。on, offしかない制御では面白みがない。連結器の解放がゆっくり行われるのは気持ちが良い。ドアの開け閉めも自在だ。しかし、ポイントマシンはDCCが良い。信頼性の点では敵わないからだ。

 博物館のレイアウトは最大距離が 20 mあるので、Bluetooth そのままではだめだが、いくつかの中継基地があれば使えるかもしれない。通信する内容が少ないので、Wifiより安上がりである。Wifiは動画の送信などに都合の良い方式である。そういう意味ではWifiはもったいない。電力もたくさん要る。

2017年07月13日

続 Bluetooth control 

 この装置は3980円である。電圧がやや低いのが問題だが、それにあわせたモータがあれば、鉄道模型でもそのまま使える。DCCと違って、ファンクションがすべて比例制御だから、連結器の解放、ドアの開閉、パンタの上下等、自然な動きをさせられる。しかも安い。電圧を上げる工夫はH氏が実験中だ。

 DCCのデコーダで3980円で買える物が、いくつ位あるのだろう。音声は少々考えねばならないが、現在の技術なら、克服は可能だろう。

 買った受信機には自由に名前を付けられるし、最大20ほど登録できるから、かなりの数の機関車を呼び出すことができる。しかし、重連のことは考えてないから、iPad等が複数要る。重連を前提とするなら、全く新しいソフトウェアが要るだろう。
 筆者は関節式蒸気機関車の前後のエンジンをこのモータ出力2つで動かすことを考えている。片方だけ、スリップさせることは容易だ。

 ひとつのモータ出力で1.5 Amp だそうだが、二つを並列につないで、回路を少し変更すると(ジャンパ線を切り、新たなジャンパを付ける)3 Amp 出力になるという。当レイアウトでは最大電流が1 Amp 程度なので、その必要はないが、面白い設計だ。


2017年07月11日

Bluetooth control

bluetooth RC Bluetooth のラジコンセットを買ってみた。赤く光っているのが、商品である。洗濯バサミではさんであるのが、サーボ・モータであり、大きなギヤード・モータが、ターン・テイブル駆動用とインデックス用である。 
 
 驚くほど小さく薄い。配線はあまりにも単純で、これで良いのかと何度も確認した。電源は、最大5.5Vとあるので、4.5 Vの電源を持ってきて電圧を計った。無負荷で7.5V もあるので、そのままでは壊れてしまいそうだ。解放端を接続するのではなく、ブリーダ (bleeder) の抵抗を付けて、ある程度の電流をバイパスさせた。経験上、100 mA 程度流せば電圧が落ち着くものだが、今回はその程度では駄目であった。昔の電源は全波整流を電解コンデンサにつないでいたから、141%の電圧が出てしまった。少し流すだけで、電圧が落ち着いたものだ。


 たくさんの抵抗を直並列につないで、電流を増やした。500 mA も流さないと、6 Vにならない。3 W ほども熱が出るので、抵抗は熱くなる。表面積が大きくなる様に工夫しておいたが、しばらくすると、火傷するくらい熱くなる。もう少しまともな電源を探さねばならない。 
 
Bluetooth  control ソフトウェアは、ダウンロードできるから、iPadを開いてアイコンをクリックすれば、すぐにこの画面が出る。sync を使えばいくつかのサーボを同時に動かせる。個別の極性反転は flip で行う。


control panelcontrol panel 2 編集画面で、2モータ、4サーボ、4LEDの選択をする。画面に見せない様にすることもできるし、いくつかを連動させることもできる。ただ、自分の好きなように縦横を入替えることができないので、ロボットのラジコン以外では使いにくいだろう。
 黄色と赤の文字は筆者の注釈である。

2017年07月09日

73’ baggage

73ft bag この荷物車は郵便物の運送用(mail storage) である。出発地点から到着地点まで、扉を開けないこともあるらしい。荷物車は長い 80 ft のと短い 73 ft がある。これはその短いほうである。いわゆる郵便車には、郵便物を行先別に分ける機能を持つものもあるが、これはそうではない。

 荷物車ではあるが、中に簡単な机とトイレがある。したがって水タンクもある。強制換気のファンも持っている。もちろん暖房も入る。短いとは言っても、22 mもある。

 今これを2輌作っている。外形はほとんど出来ている。台車を付けて、塗装すれば完成だ。全ブラス製で、1.5 kgほどもある。もう少し薄い板を使えば良かった。
 床板の背骨は厚い押出しのチャンネルを使った。肋骨に相当する部分は省略しても見えない。ボルスタはまだ付けてない。高さを決めてから、機械で削り出す。
  連結器は長いものを用い、推進時の座屈を防ぐ。
 これを作ったのは、2軸台車をたくさん持っているからだ。手に入りにくい3軸台車を付けたのは、郵便車と長い荷物車である。これらは重いのだ。

 もう一つだけ(片方だけ)3軸台車があるので、それはボイラー車に付けようと思っている。それは暖房用に改造された車輛で、重いボイラと燃料タンクを積んでいるので、片方だけ3軸なのだ。これも窓が少ないので、簡単にスクラッチ・ビルドできる。


2017年07月07日

スクラッチ・ビルディング

スクラッチ・ビルディングはもうしない」と書いたことがあるが、最近は細かいものをよく作っている。例のOBJプロジェクトもそうであるし、貨車とか客車を結構な数、作っている。
 最近は少しずつUPの客車をキットから作っているが、その中に入れる荷物車は好きな形のものがないので、自作している。全熔接タイプだから、リヴェットを打たなくても良いので、実に簡単だ。床下もごく適当に、見える範囲だけ付ける。

73ft baggage 大きなシァを持っている工場で切ってもらった床板、側板を毎日少しずつ加工している。窓が少ないので工作は簡単だ。4枚重ねて扉を抜き、内側に側板の厚み分の控えをハンダ付けする。あっという間にできてしまう。こういう工作は楽しい。
 
 妻板にはメクラの扉があるので、その周りを角線で作り、ハンドレイルを付ければできあがりだ。妻と側板を直角に付けるのは簡単である。
 まず、接合部にハンダメッキをしておき、大きめのコテで何箇所かチョン付けする。ハンダは玉になっている程度で十分だ。それを直角のジグに嵌め込み、接合部の下半分を濡れ雑巾で防護する。上半分を小さなガスバーナで外から炙ると、玉になっていたハンダが、つるりと浸み込んでぴかっと光った面になる。
 ひっくり返して、残りを付ける。こうすると完全な接合ができる。裏にアングルを付ける必要はない。実によく付いている。ハンダはスズ63%のを用いるのが唯一のコツである。融けているか、固まっているか、のどちらかしかないので、極めて短時間に終わる。このような作り方は、ある程度の大きさを持つOスケールだからこそできるのだろう。炭素棒を使えば、HOでもできるはずだ。 


2017年07月05日

ハンダ付けとフラックス

 台車の内側でハンダ付けする必要があった。すでに車輪が付けてあり、外すのがとても面倒である。薄い板バネに中間車軸のキャノン・ボックスを付けねばならなかった。こういう時は、フラックスが間違って飛散する事からの防護をしなければならない。濡れタオルでマスクする方法もあるが、狭いところでやや困難である。飽和溶液を使って炭素棒で加熱すれば全く飛ばさないでもできるが、この場所ではそれが使えない。間違って飛散させて仕舞う可能性だってある。

 こういう時のための秘策がある。僅かの塩酸が入ったタイプのフラックスがある。それを少し塗りつけてしばらく待つ。30秒も経てば、塗った部分の色が変わる。ブラスが溶けているのだ。高校の教科書には、塩酸は銅を溶かさないと書いてあるが、それは試験管中での話だ。空気中ならよく溶かすことができる。薄い塩酸に酸素が溶け込み、酸化剤として機能する。酸素の働きであるから、少し息を吹きかけると、さらに反応速度が大きくなる。塩化水素は薄い水溶液からは蒸発しにくいから、臭いもない。

 そこでフラックスをティッシュに浸み込ませて取り除く。そこにコテで融かしたハンダを触れさせると、ハンダはフラックスを塗ったところだけに、薄く広がる。要するに、ハンダめっきをすることができる。この時、フラックスはほとんど残っていないので、飛散することはないと考えて良い。

 コツは薄く塗ることである。薄いと、酸素がよく届く。事前に金属表面の酸化被膜は軽くヤスリを掛けて除いておくことは不可欠だ。ティッシュで液体を取り除いてから、時間を置いてはいけない。30秒以内が良い。ティッシュは直接ごみ箱に捨てないでとっておき、あとで水ですすいでから捨てる。含ませたまま乾かすと、塩化水素が逃げやすく、周りの何かが錆びやすくなる。

 相手にもハンダめっきしておいて、重ねてコテを押し当てると、ハンダ付けは完了だ。ごく微量のフラックスが付いているので、さっと水洗いすると終了である。ボールベアリングを付けたまま洗っても、潤滑油があるので、水は浸み込まない。すぐに水を切り、タオルで水を吸い取って、強い風を当てて乾かせば良い。

 この方法をお試しあれ。図面を広げた上でハンダ付けしても安全である。


2017年07月03日

脳内3D

 先日、目を瞑って頭に浮かぶ3D画像をひっくり返した経験を紹介した。
 何人かの友人が、感想を聞かせてくれた。

「あれは面白いね、確かに頭の中でひっくり返して裏を見れば、簡単だし、好きなように回転させられるからね。」

「それができる人は、最近はほとんどいなくなった。会社の中でも我々の世代の少し後までだね。若い奴は図面を持ってきて説明するけど、『この裏はどうなっているんだ。』と聞くともう駄目。コンピュータで裏返してそれをプリントアウトするのに時間が掛かってしょうがない。頭の中でやる訓練をしてないんだ。」

「伊藤剛さんなんかは凄かったね、質問すると、『裏はこうなっていてね。』と、たちまち絵を描いてくれる。遠近法まで使った絵をさらさらと描いたよね。」
「頭の中ですべてやる訓練をしているからだけど、生まれつきの素質もあるね。」

「特定の音楽を聴くと、空中に浮かんだものが見えるんだ。海岸線を俯瞰しながら、自分も飛んでいるカモメになる。相手の下に回り込んだりできるんだぜ。」
「そりゃ少々異常かも知れんな。」

 この話をコンピュータ業界の男にしたら、
「それは違うな。そういう3Dの能力がある人が、別の業界に行くようになったというだけじゃないか?僕の周りにはいっぱい居る」と言う。さて、実際はどうなのだろうか。
 

2017年07月01日

続々々 3軸台車

 出来上がった3軸台車を床に取り付ける。コピー機をばらしたときに出て来た、幅の広いゴムベルトを保存していた。耐熱ゴムで、幅 220 mm、厚さ1 mmである。
 とても滑りが良いので、キングピンの座金として使う。音が非常に良くなる。今まで、カツカツと頭の芯に響く音だったが、コトコトという音になる。斜面を滑走させると、快適な走行音であった。中央軸がバネ一枚で支えられているのは少々荒っぽいが、実に調子が良い。簡単に作るということを、最優先にした結果だ。
 タダ同然で手に入れたプルマン展望車が、更新された。車輪とボールベアリングの価格の方が、はるかに高い。

cotter pin 3軸台車のキングピンの留め方は、もう一つある。それは台車ボルスタの穴をバカ孔にして、キングピンを上から挿す。キングピンの先端には軸に垂直に孔が開いていて、そこに割りピンを挿すのだ。アメリカ製の模型はそういうタイプが多かったが、日本製ではまず見ない。割ピンは台車の重量を支えれば良いだけだから、針金でも良い。実に簡単である。この車輌を改修する時にうっかり写真を撮り忘れてしまった。部品は外す時に、くにゃくにゃになったので、捨ててしまったのだ。
 今回は上向きボルトで、ダブルナットである。さらに接着剤を付けて弛み止めとした。

 今回の工作は試作である。調子を見て設計変更があるもしれない。この工作を、あと10輌分せねばならない。客車ボディは完成しているので、やらないわけにはいかないのだ。 

2017年06月29日

続々 3軸台車

Equalized + sprungequalizing 前後軸を、ひっかかりなくイコライズするというのは意外と難しい。今まで、ほとんどのアメリカ人は何も考えずに組んでしまったのだろうが、この写真をご覧戴くと問題点がお分かりだろう。

 支点(赤矢印)が荷重の掛かる部分のかなり内側にある。これではまずい。すなわち、軸には回転力以外に、コジる力が掛かっている。摩擦を最小限にする工夫が必要だ。橙色の部品には厚板を貼り合わせて、段付きネジの円筒部と同じ長さの摺動回転部を作った。こうすればコジる力が働いても、平気である。

making equalizerequalizer + pin この軸は長めの段付きネジだが、相手と良く擦り合わせて、ガタが全くないように作り、モリブデン・グリスを少量塗っておく。厚板にはリーマを通し、油目ヤスリで調整した。潤滑脂を付けてぬるりと入るよう (snug fit)  にする必要がある。 この手の工作は得意である。

 本来は台車は2点支持にすべきだが、段付きネジの数を節約するために3点支持にした。要するに、片方はハンダ付けするのだ。捻られる角度が小さいので、全く問題ない。

spring releasedspring depressed 組んで見て、3点支持が機能することを確かめる。中間軸は、いわゆるキャノン・ボックスで、末端に内径 2 mm、外径 5 mmのボール・ベアリングを入れている。左はひっくり返してバネが伸び切った状態で、右は押え込んだ状態である。この位置あたりでリミッタで制限する。この台車は上の写真とは別の部品を使っている。

spring loaded 薄いリン青銅板を曲げてハンダ付けし、200 gを支えていることを確認する。全体を組んだら、荷重を掛け、ポイントのフログの上を通して音を聞く。3軸とも同じ音がすればよい。曲げた1枚の板バネだからふにゃふにゃで、中間軸は左右に振れてショートすることもありそうだが、意外にそれはない。レイルの上を走っているので、左右に振れることがないのだ。あるとしたら、それは脱線時だから、問題外である。

 完成した台車は、薄いゴム板を介して車体に取り付けると、非常に良い音が出るようになる。 

2017年06月27日

続 3軸台車

 レイアウトの作業中に、車輛工作のことを考える。帰り際の1時間に工作をする。

Walthers Pullman truck プルマンの台車がたくさん必要だ。とりあえず Walthers のキットを組んだものに数輌分取り付けねばならない。良い性能のイコライザ付き台車がないので、改造して作らねばならない。

Modofied Walther's truck 造形の点では、 Walthers のダイキャスト製がなかなか良いが、抜けるべき孔が抜けていないので、文鎮のような感じである。まずそれを糸鋸で抜いてしまう。細かい糸鋸は詰まりやすいので、最大限に粗いものを使う。電動糸鋸の金工用が具合が良い。この写真は一部切り抜いた状態だ。

spring attached ザクザク切って、ヤスリを掛ける。そこに細いコイルバネを貼り付けると、可動式だと勘違いする人が出てくるほどだ。


 文鎮からは脱したが、中間軸をどうするかだ。よくあるのは、中間軸受けを長穴にしてごまかす方法だが、走っているとき、車輪が踊るのが良く見えてしまい、みっともない。音も悪く、これは駄目だ。
 前後軸はイコライズするが、中間軸はバネで支えたい。側台枠がダイキャスト製なので、軸箱は動かせないのだ。

 なるべく簡単に解決したいので、内側軸受にして板バネで支えることにした。20年ほど前思い付いて、ある程度の部品は作ってあるのだ。Low-Dを開発しているときの試作車輪を用いたユニットを、いくつか持っている。それはボール・ベアリング入りである。キャノンボックスにバネをハンダ付けすればできあがりだ。

6-wheel truck 要するにイコライズしている2軸の中間にバネで圧着する中間軸を付けるのだ。この場合のバネの強さは事前に実験して決める。予定では、このプルマンの軸重は約200 gwだ。台車の質量が約170 gだから、バネだけで台車+30 gの分銅を支えなければならない。あとは自然に分配される。 
 このバネの負担力を先に計算するというのは、当たり前なのだが、意外と盲点であるそうだ。これを考えている人は少ないと思う。蒸気機関車の先従台車をバネ支持にしているときは、これを先に考えるべきなのだ。そうして、動輪がスリップするかどうかを計算し、補重量を決めるべきである。
 過去に完成させた機関車は、すべてそうやって決めて来た。大切なモータを焼いてはいけないからだ。


2017年06月25日

3軸台車

 模型の3軸台車で実物通りに動く物は少ない。

 イコライズしてあれば、イコライザの支点は2:1の点を押えているはずだ。実物がそうなっているから、模型にも間違いはない。
 ところが、Sunset の子会社のGolden Gate Modelsの客車の台車は、不思議だ。バネ支点位置は良いのだが、イコライザと3つの軸箱が一体なのである。折れないから、何とかして切り離してみようと思った。しかし、切ったら最後、どうやって収拾を付けるかが問題で、まだ手をつけてない。イコライザは亜鉛ダイキャストで、細いがかなり硬い。曲がらないこともないので、重い客車が載っていれば、ある程度は撓んで、何とかすべての車輪が密着しているようだ。
 心皿位置がネジ留めの都合上、ずれていて、軸重が一定でない。脱線しやすいから、これは許せない。心皿位置を支える滑り子を取り付けて、回転中心はずれているが、荷重は中心に掛かるようにした。脱線は皆無になった。
 アメリカ人は、よくあんな状態で我慢しているものだ。軸重が一定でないと、様々な条件で浮き上がりやすく、ろくなことはない。

Ace's 6-wheel truck この台車はAceと云う会社が1965年頃売っていたもので、ダイキャストのフレイムとホワイトメタルの軸受からなる。ちゃんと sprung であるが、軸が入るところはハトメが入っていた。減りにくいつもりなのだろうが、どちらかというと給油が完全であれば、ホワイトメタルの方が摩擦が少ないはずである。実感的とは言い難いが、まあよくできている。
 いずれ、ロストワックスの軸箱にボールベアリングを入れたものに取り換える。

USH working spring truck これはUS Hobbies (KTM製造)が出していた細密構造のダイキャスト台車である。揺れ枕まで動く凝った作りだが、車輪が亜鉛鋳物で話にならない。スケールを間違えているような気もする。大きいのだ。1/45.2かもしれない。しかし、「これでも正しい」という人もいる。大きい台車もあったと言うのだ。真偽は分からぬ。
 Dennisはこれをもとにロストワックス鋳物を作った。鋳縮みで、ちょうど良い大きさになったそうだ。

2017年06月23日

果報は寝て待て?!

 度重なる目の手術で、相当に参っている。内部の問題(白内障、緑内障)は全くなく、外部の問題なのだが、余分なもの(翼状片)が表面に出来て、それを切除している。瞳に掛かる前に取らないと、大変なことになる。今回もきわどいところだったようで、「来るのが遅い」と言われてしまった。それが成長すると、目のレンズが多少影響を受けて、歪むらしい。乱視が出てきたのはそのせいだという。
 今回も単に取り除くだけだろうと気楽に行ったら、根本的な原因を解決しないと再発が収まらない、というわけで長時間の手術となった。かなり深く切ってレーザで焼き切る。欠損部分(defect) を埋めるために、よその影響のなさそうな部分から切り取って来た組織を移植するということをしたようだ。手術室には、 新しいZEISSの手術用顕微鏡が装備されていた。
「前の器械はどうされたのですか。」と聞くと「捨てたよ。」とおっしゃる。「それ、欲しかったな。」と言うと、大笑いだ。あれがあれば、罫書き線に沿って切るのは訳ないし、様々な局面で役に立ったろう。

 鎮痛剤は3回分しか出ず、その後の痛みはかなりひどかった。3日間全く動けず寝ていた。好きなメンデルスゾーンの歌曲を100回ほど聞いた。目を瞑っていると、頭の中で 3D の設計図が出てくる。ターンテイブルの機構部分で悩んでいたが、3日も考えると、非常に良い案ができた。片眼でスケッチを描いて保存した。
 頭の中では、裏側からも簡単に見ることができ、下手に現物を見るよりも発想が豊かになることに気が付いた。この方法を、今後活用したい。


2017年06月17日

続 Model Railroader 1000号

 時を経ても価値のある記事、というのはある。筆者にも思い出がある。この記事のおかげで開眼したというものがあるのだ。

 筆者にとっては、Walk Aroundの記事である。その概念を知るまで、パワーパックで機関車をコントロールするものだという固定観念から抜け出せなかった。
 それが拭い去られてしばらくして、RMC(Railroad Model Craftsman)でSWAC IIの製作連載記事があった。すぐに基盤を注文し、日本製の部品でそれを作り上げた。
 たかだか7mほどしかない線路であったが、スロットルのジャックを差し替えてウォーク・アラウンドを実践した。それを見に来た魚田真一郎氏が、すっかり虜(とりこ)になってしまった。もう一台作って、それで遊んだ。
 我々は、日本で最初のウォーク・アラウンド実践者であろう。

 日本では相も変わらず、細密加工した模型を賛美している。走るかどうかも分からないものを鑑賞しても仕方あるまい。模型雑誌の記事を読んでも、走行性能を上げる話など、どこにもない。

 随分前の話だが、ボールベアリングをHOのギヤボックスに入れる話が載った。ウォームギヤのスラストに耐えるよう前進側の当たるところを2重にしている記事であった。残念ながら、大きなスラストは急停車時に発生するので、どちらかと言えば、逆転側を2重にするのが正解だった。一つでも壊れはしない。よほど強い力が掛かっても大丈夫だ。ただし、ベアリングのハウジングが、ガタガタだと弱いだろう。滑り嵌めできっちり作るべきだ。それをせずに、2重にするという発想がまずおかしい。その原稿をそのまま載せてしまうというところが、TMSらしいところである。
 たまには、模型界を引張るという気概を見せてほしいものだ。

 目の手術を受け、一週間の安静を言い渡されました。しばらく休載します。

2017年06月15日

Model Railroader 1000号

MR1000th Model Railroader の 1000号 を見ている。
「鉄道模型はこうなる」(The Future of Model Railroading )という記事が興味深い。この種の記事は、TMSではほとんどないところが悲しい。

  game changer (流れを変えてしまうもの)はDCCのようなコマンド・コントロールとサウンド・デコーダであるという。細かいディテール・パーツの発売などではない。新しいFシリーズの機関車の発売でもない、と書いているところには笑ってしまった。要するに細かいディテールなどを気にする人は、少なくなったということだ。

 今までは線路を流れて来た電子(電流と言わないところが面白い)で動いていたが、バッテリィで動く機関車が、いま調子良く使っているDCCと同様に動かせればよい。問題は電池容量である。HOの燃料タンクくらいの大きさで、1、2時間動くものが既にある。重連しているダミィの機関車の中に積めれば、もっと長い時間動く。充電の方法を考えれば、電池を外さずに充電できる。(もう少し踏み込んで書けば良いのにと思う。)

 Offboard sound (スピーカを車輛から外したサウンド・システム)要するに、スピーカを小さな車輛に積むのをやめて、線路からのDCC信号をサウンド・デコーダに直接つなぎ、その音声出力をヘッドホンに無線で送る、ということらしい。確かにいい音はするだろうが、機関車が向こうに行っても同じ大きさの音である。蒸気機関車についてはどうやるか分からない。
 O ゲージでは大きなスピーカが積めるので、それほど利点は感じない。 

2017年06月13日

本日、ブログ2000号

 表記の通知を受けた。思えばこの1000号は早かった。祖父江氏、土屋氏、吉岡氏の死去に伴う博物館の建設作業、伊藤剛氏の遺品の収蔵、雑誌への対応などで目が回るほど忙しかったので、「おや、また1000号?」という感じだ。

 以前は全く気にも留めなかった読者数を、毎月の集計でみている。毎日、正確に決まった数の人が読みに来て下さっていることが分かる。読者数の波がここ1年、全く同じである。決まった数のフォロワーがいるということは、評価が確立されたということであろう。筆者の提唱することにご興味のある方が、一定数存在するということであると解釈している。

 筆者のポリシィは一貫している。
摩擦の少ない車輛を、高効率の機関車でたくさん牽き、重量感のある動きを再現させる。」
 それだけである。それを実現するためなら、何でもする。つまらぬ(と言っては失礼か)ディテールには凝らない。ただ、見えるところはそれなりに処理する。見えないところはすべて無視する

 博物館を見せてくれという要望はかなりあるが、今のところ、ほとんどの場合お断りしている。セキュリティがまだ不完全で、大切な収蔵物に事故があってはならないということもあるが、それよりも、見学者に割く時間が惜しい。その時間を製作に振り向けたい。
 それとターンテイブルが未完成で、お見せできる状態ではない。早く完成させねばならない。


2017年06月11日

続 wireless control

detail_1318_no01 他にこんなのもある。これは単三電池1本で動くプラレールのようなおもちゃをラジコン化する装置である。単三電池を外して、単四電池をはめ込んだこの装置を、代わりに差し込めばできあがりだ。

 すぐに鉄道模型に使えるわけではないが、何かの補助装置を動かすディヴァイスとしては有効だ。連結解放装置にはすぐ使えそうだ。10チャンネルあるそうだから、目的の車輛以外には影響なく作動させることができる。

 先回のもそうだが、汎用を考えているので、もう少し絞ったものであれば、鉄道模型用として使いやすい。特許で縛られているようなものではないから、簡単に開発して市場に出せるはずだ。

 実は筆者も、その分野の専門家に話をしているところだ。ハードは既に確立されているので、ソフトの部分での様々なアイデアを検討している。問題は到達距離で、Oスケールだと20 mほど届いてくれないと意味がない。

 レイルからの給電を考えないと、さまざまな可能性が広がりそうだ。

2017年06月09日

wireless control

a216d9a0-0b8e-56c3-1a96-2555e9050b68 最近のラジコン技術の進歩には驚く。いつかは出るだろうと思っていたが、もう売っているものがある。このウェブサイトの製品は安くて簡単そうだ。小電力Bluetoothなので。到達距離は小さそうだが、とにかくすぐできる。

 すでに4チャンネルのproportional control(比例制御)である。これが数千円で買える。電圧が5.5Vなのは残念だが、実は6V用のモータが、いくつか手持ちにあるので、そのまま使えそうだ。
 設定はほとんど何もしなくてよい。そのまま動くはずだ。ただ、モータ出力2チャンネル、サーボ出力が4チャンネルもあって、それで何をしようかということになる。LED出力も4つある。

 電車ファンなら、左右のドアを開けて2チャンネル、連結器の解放で1チャンネル使える。iPadでもスマートフォンでもOKだ。
 
 どなたか電子工学にお強い方が、鉄道模型専用12 Vのディヴァイスを作られれば、きっと売れるであろうと思う。


 

2017年06月07日

WiFi control

WiFi 先日、関西で行われたOゲージの例会に行き、WiFi controlを披露した。線路の上では誰も気が付かないので、床の上を走らせた。出席の皆さんは非常に驚いたようだ。
「これは面白い、僕も欲しいな。」とおっしゃる方もあった。今後の発展が期待される。
 スウィッチを窓から指を入れて操作できるようにしてある。当初、取り付け板が 1 mm板を曲げて作ってあったので、指を入れてぐいと押したり引いたりしているうちに曲がってしまった。そうなるとスウィッチが何処にあるか分からなくなり、さらに指を出し入れしているうちに、余計曲がってしまい、操作できなくなった。ボディを取り付ける部材を避けているので、このような曲がり方にならざるを得ない。

switchswitch2 仕方がないので、スウィッチ取り付けスティを剛性のあるもので作った。厚手のアングル、チャンネルを組合わせた過剰品質のもので、とてつもない剛性がある。窓から指を入れると確実に on,offできる。
 博物館での運転で勾配を2往復したら電池が無くなったが、運転会場の平坦線では、かなり持つ。鎮目氏の客車10輌編成を牽いて、エンドレスを何周か廻った。その客車はLow-Dを付けていることもあって、摩擦が極端に少ない。そういうことを知らない方は、「006Pでもずいぶん持つものですね。」と驚いていた。普通の車輪なら、一周もできないはずだ。 

 無線制御方式はいくつか出ているようだ。 

2017年06月05日

続々々 Old Black Joe

OBJ's 年次総会には、完成した何台かが持ち寄られた。沢山つないで走ったが、モータ、ギヤが同じなので完全な協調運転ができる。
 各人が様々なサスペンション(懸架装置)を付けている。コイルバネにした人もいれば、硬い線バネで支えた人もいる。走らせるとそれぞれのバネの特性が出る。コイルバネで浮かせた構造にすると、ポイントのフログで電車のような軽やかな音がする。
  
 会場では負荷をかけての走行はしなかったが、博物館レイアウトの勾配上での負荷試験では、モータの唸りが聞こえた。おそらく、チェーンの伸びがその音の一部を作り出しているのだろう。
 チェーン駆動ではスプロケットの角速度とチェーン速度とが、完全には一致しない。それがうなりのように聞こえるようだ。悪い音ではない。以前書いたように、位相をずらした二本掛けにすると変わって来るだろう。

 筆者の機関車が一番重かった。他の皆さんは重くするとモータが焼けると思われたようだ。実は提供したモータは、大変強力な高級モータで、軸重650 g程度でスリップ限界である。鉛をそんなに積み込むことはできないので、どんな補重でも問題のない範囲に収まる訳である。
 事前に計算しておいたのだが、それを他の方に伝えるのを忘れていたのだ。申し訳なかった。

 側面のデカルは、Union Pacificにした。余っているデカルがたくさんあったからだ。他に理由はない。

2017年06月03日

続々 Old Black Joe 

Old Black Joe 伊藤剛氏のオリジナルはこんな形である。 外側三線式だ。その集電シュウが実によく出来ていて驚いた。適度な接触圧を持ち、垂れ下がらない。パンタグラフは戦前の朝日屋製を改造したような構造だ。

 フリーランスであるから、これを縮小して線路に載せると奇妙なものである。今回のOスケール化のポイントはそこである。本物を設計するつもりで、各部の寸法を決め、それを縮小した。基準となるのは車体幅である。幅が広くなると急にトイ・ライクになる。扉の大きさも大切な部分である。
 扉は開くようにもできる。筆者は開けないつもりだったが、簡便な方法を思いついたので、開閉可能にした。戻りバネを付けて、普段は閉じている。塗装時に気を付けないと、塗り残しが見えてしまうから、開けたままで塗って、その後外を塗った。

 小型機関車では、うっかり手を伸ばして感電ということが多いそうなので、パンタ台で持ち上げ、エアタンクでガードした。
 Sacramento Northernの本を読んでいると、庫内でパンタを上げる時の話が出ていて、それをやるつもりでポールを増設した。本物のポールは先端がT字の形をしていて、本当に接触させるだけの機能しか持たない。数十秒間補助コンプレッサが働くだけの集電機能である。HO用のポールがあったので使った。

 塗装は黒で、それにオレンジのトラ縞模様を付けた。塗装するつもりだったが、Dr.Yがデカルを印刷して下さったので、省力化できた。これをマスキングでやろうと思うと、かなり大変だ。 

2017年06月01日

続 Old Black Joe

OBJ 車体を仮組みした時の様子である。

 二軸機関車である。軸重はある程度大きい。バネを効かさねば、線路に大きな影響が出るし、音がやかましい。懸架方式は種々考えられたが、硬いバネを独立して付けることにした。本線上のフログを通過する時の車輪の上下量が0.5 mm以下であるので、イコライザの必要はないと結論した。コイルバネでは緩衝性がないので、ふわふわしてしまう。機関車であるから、どっしりとした動きが欲しい。
 
 話は変わるが、先日某所で二軸貨車をつないで走る場面を見た。ガラガラと走るのは仕方がないが、ポイントで飛び上がる様子が見えた。実にまずい。「重くすれば良くなりますよ。」と言う人もいるが、それは間違いだ。重くすれば、運転によって線路が傷むし、飛び上がりが無くなるわけでもない。極めてゆっくり動かせば、飛び上がりはしないが、それはもはや鉄道模型ではない。線路が傷むと言うと「そんな馬鹿な。」と言う人がいるが、これは事実である。フログが減る以外に振動でハンダが疲労し、導通不良を起こす。

 二軸貨車はリジッド(固定車軸)でよいという暴論を見たことがあるが、それは走らせていない人の意見だ。たとえ走らせていたとしても、節度のない走り方にも不満を感じない人であろう。二軸貨車こそバネが必要である。そこそこに硬いバネで、しかも緩衝性があれば、実に快適に走らせることができる。これは高校生の時に実験して確かめた。
 小サイズの模型の場合は、ゴムを使えばかなりコンパクトに収められると思う。しかもこの方法なら、前後の台車が多少捻られるようにするのは簡単なはずだ。イコライズ方式でも良いが、音の点ではバネ、ゴムには全く敵わない。


2017年05月30日

Old Black Joe

OBJ しばらくチラ見せしていたのは、これである。軸配置がまさか2軸とは思わなかった方が多いだろう。今月のTMSに載っているそうだ。筆者はまだ見ていないが、写真が一枚掲載されているとのこと。以前は写真を貸しただけでも掲載誌を送ってきたが、最近はそれもしないのだろうか。

 伊藤剛氏の1946年製の機関車である。元は35mmゲージだったらしい。それを32mmゲージにしたので、少々バランスが良くない、当時はそんなことを言う人はいなかった。
 戦争中、外地でイギリスの凸型機関車の写真からスケッチを起こし、それを日本に持ち帰ったらしい。その機関車はこんな形をしていたようだ。

 今年は名古屋模型鉄道クラブ結成70周年で、本来は伊藤剛氏の存命中にということで、75周年を5年早めて大規模な集会をするつもりだった。伊藤剛氏が、不慮の事故で他界され、少々淋しい年次総会ではあった。

OBJ on track 今年の競作は伊藤剛氏の記念作 ”Old Black Joe" を各ゲージで作るというもので、Oゲージ部会では、ステンレス板をレーザで切り抜いて頒布し、動力は筆者が提供した「3条ウォーム」 + 「コアレスモータ」で、すべて押して動くようにした。1台で数輌の機関車を牽引することができる。

 切り抜いた板を頒布できたのが少々遅くなり、実質2箇月で製作せねばならなかった。原作の雰囲気を残しつつ、スケール感を出している。設計は土橋和雄氏である。 

2017年05月28日

イギリスの機関車のブレーキ

 鉄道発祥の国のブレーキを調べている。

 古い機関車はほとんどニュートラルである。近代機は前進に対して明らかにリーディングである。

leading brake この機関車は3気筒の機関車で両抱きであるが、位置を工夫して、リーディングにしている。一つ目(右側)が接触した時の位置を支点として、二つ目(左)のシュウが接触する時の角度を見ると分かる。二つ目の角度が大きすぎて、喰い込まないかと心配するほどである。このリンク機構は興味深い。

leading brake 2 この機関車は4軸機である。これも明らかに前進に対してリーディングである。イギリスの機関車は、前抱きが多いのは日本と同じ理由なのかが知りたい。

 

neutral この機関車は戦後イギリスで建造された中国向けの機関車である。細かく見ると、アメリカの特許をたくさん使っている。補器類もすべてアメリカ製である。
 ブレーキはやはり後ろ抱きで、鋳鋼製のブレーキ・アームを用いている。支点の位置はニュートラルである。動輪が減ると少しずつリーディング方向に向かう。この理由が知りたい。

 
 
 

2017年05月26日

日本の蒸気機関車のブレーキ

 T氏から、さらにいろいろな機関車の調査結果を教えて戴いた。機種によっては、リーディングとトレーリングを混在させているらしい。 

 再検証した範囲では、以下の様だ。

・9600は前進で明らかにトレーリングである。
製造当時は最重量級の列車を牽いていたのだから、これは不思議である。
・8620とC56の第3動輪、C58の第2動輪は前進で明らかにトレーリングだ。いずれも軽量の中小型機なのでブレーキが強すぎると動輪が滑走しやすい可能性があるだろう。
・大型テンダー機のC51、C55、C57、C59〜C62、D51、D52は前抱きで前進リーディング(ただし、かなりニュートラルに近い)
C53は3シリンダの関係で軸距が独特なので、第1動輪だけ後ろ抱き、第3動輪は長いリンクで吊っているため、第3動輪だけ極端にリーディングだ。恣意的か、それとも単なるスペースの問題か?
・D50はかなりきわどいが、第4動輪だけはトレーリングに見える。

 蒸気機関車の動輪はすべて連結されているので、動輪群全体でブレーキ力確保という考え方かもしれない

 ともかく、前抱きはトレーリングというのが非常に浅い思考であったことは、反省している。


2017年05月24日

EMD SD45

SD45 pingpong table SD45は1970年頃導入された、当時としては最大級の単エンジン機関車だ。V型20気筒ディーゼルエンジンを搭載し、ラジエータ面積を稼ぐために斜めに配置したデザインは刺激的であった。長大なフレーム一杯に、長いフッドが載っている。
 音は独特で、遠くからでも認識できた。非常に低い音というよりも空気振動があり、腹の皮が共振した。KTMはインポータの US Hobbies からの発注でこの機関車を製作・輸出した。祖父江製作所製ではない。構成は明らかにGP7、SD7とは異なる。非常に簡素な作りである。
 
 これは1980年代にアメリカで購入した。当然のように中身は外して売却し、3条ウォームを搭載、慣性モーメントを稼ぐために巨大なフライホイールを搭載した。モータ軸よりも1.3倍ほど増速している。これ以上の増速はコマの効果が出て危険である。これは実験上求めた値だ。
 我が家の地下レイアウトでは、最高速でpower off すると、慣性でエンドレス(約30 m)を一周してきた。 軸重は500 gwである。運転は楽しい。

 実物はしばらく見ないと思ったら、キャブ上に卓球台みたいなものを載せて復帰した。しかも機番が1から始まっている。実物の機番はその時々の空き番号を付けるので、タービンが引退した後の番号を付けたのだ。実物の写真があるので、それを見て改造した。この機関車は”1”になる予定だ。
 屋根の上の”pingpong table”は無線による列車の総括制御のアンテナであった。

2017年05月22日

Alco RS3's

ALCO RS3's このRS3は、ケムトロンのキットから組んでいる。この板は30ミル (t0.75)で、比較的薄い。床フレームは、角棒を貼り足すので、大変重い。組むときはガスバーナが要る。
 キャブ妻板、フッドの妻、パイロットはロストワックス鋳物で、重厚である。このキットは、GP7の時代とは異なり、かなり洗練されている。手際よくまとめてあり、大量に売るつもりであったのだろう。しかし、これを完全に組める人の数は少なく、大抵の人は半分まで行ってギヴアップする。それを安く買ったのが、この2輌である。

RS3 cab cutout 台車はケムトロン・オリジナルのロストワックス一体のものと、韓国製のsprungと比較している。このキットで最も気になるところは、フッドを前後で一体にしていることである。アラインメントを考えるとそれは良いが、キャブの中にフッドがあるのは許せない。
 カッティング・ディスクで、無理矢理に拡げる。こうすれば床板が張れるし、運転台も置ける。

 フッドがあまりにも流麗で、その表面には何もない。本物にはヒンジ等があるから、ロストの部品を付けてみよう。つるりとした機関車ほど、多少の凹凸があると、実感味が増すものだ。


2017年05月20日

EMD SD7

SD7 このSD7は非常に珍しいものだ。これも祖父江氏のゴミ箱から再生したものである。祖父江氏いわく、「これは安達さんが作ったパイロット・モデルだよ。ロング・フッドの細かい造作はすべて手作りだ。このダイナミック・ブレーキ・グリルは、信じられねえ仕事がしてある。ほらご覧よ、全部薄板で組んであるから透けてるよ。あの人はこういう仕事は本当にうまいよねぇ。」 (この写真はしばらく前に撮ったものである。)

SD7 pilot model キャブやショート・フッドは無かったから、自作である。グリルは白眉で、向こうが透けて見える。本物のようだ。量産品はドロップで押しただけだから、透けていない。細かな造作もすべて手仕上げである。 細かな部品もすべて一つづつハンダで貼り付けてある。

SD7 floor 床板は安達庄之助氏が作ったもので、板に角材を貼ってある。台車はこれもアメリカ市場で購入したものだ。駆動部品は3条ウォームで、逆駆動できるようにしてある。ロストワックス部品はまだ高価であった時に購入したものを付けている。
 量産品も持っていたが、エッチング製であまり面白くなかったので、別の機関車とトレードした。

SD7 extended exhaust pipes 筆者としては看過できない間違いがあった。ダイナミック・ブレーキのブリスタ(膨らみ)の、内側の造形である。本物は凹んでいるのに、資料不足で、斜面を作ってしまったのだ。この種の修整はかなり手間が掛かる。切り抜いてL字型の板を張り、左右に隙間がないように三角の板を嵌める。この写真は修整後のものである。排気管の立っている場所が斜面だったのである。
 排気管は延長型に作り替えた。この種の仕事は伊藤 剛氏に手ほどきを受けた。
小さい物を付けようと思ってはいけませんよ。大きなものを付けておいて、それを小さくするのです。」
 パイプを焼き鈍してつぶし、切れ目を入れて二枚の板を差し込み、ハンダ付けする。それを削って修整すればすぐできてしまう。 2本が15分で完成だ。伊藤 剛氏のご指導の賜物である。



2017年05月18日

EMD GP7’s

GP7's  Kemtronのキットを組んだものがかなりある。GP7だけで5輌ある。うち1輌は祖父江製作所製の製品のジャンクから組んだものだ。ごみ箱に捨ててあったものを拾ってきて、作った。ロングフッドが曲げてなかったので、切り離して角に骨を入れてハンダ付けしたのち、やすって丸みを付けた。こういう工作は得意だ。
 ケムトロンのキットはエッチングだけなので、板金打抜きのパーツを足して、より凹凸を大きくしている。細かい部品はロストワックスだ。この頃はロストワックス部品が大暴落だ。買う人が居ないのである。バケツ一杯50ドルで買った。一昔前なら、2000ドルでは買えないものだった。
 おかげで、ホーン、ベル、ライトなど好きなものをテンコ盛りにできる。贅沢な限りだ。
(この写真はしばらく前に撮ったもので、車体の上下を締めてないので隙間が見える。)

 台車はカツミが輸出した祖父江製作所製を、アメリカの市場で手に入れたものだ。軸箱がブラス製のものは加工してそのまま使えるが、1970年頃輸出したものは、軸箱がダイキャストである。部品が微妙に膨らんで、中の篏合させてある焼結軸受合金が外れて来る。やはりダイキャストはダメである。それ以前のように割れることはないが、微妙に膨張するようだ。

 仕方がないから、軸箱をすべて捨て、フライス盤でムクのブラスから作った軸箱体に、ロストワックスで作った軸箱蓋をハンダ付けしたものと取替える。こうすれば1000年でも持つ。軸受にはボール・ベアリングを入れる。機関車は重いので、ボール・ベアリングの効果は大きい。
 ケムトロンの機関車は板が厚いので、素組みでも質量が1300gもある。ぶつかっても壊れない。走行音は重厚である。こうでなければならない。

2017年05月16日

H氏のWiFi制御

 このブログの開設当初からの読者のH氏が、特製のWiFi制御機関車を持って来られた。先日お渡しした機関車を加工して下さったものだ。プラスティック・ボディだが、金属ボディをかぶせても作動することが分かった。

iPadGP7-1demo 機関車の制御部分がWiFiの発信機である。機関車のSWをonにすると、電波が発信され、手元の iPad に届く。iPad の設定を開いて、WiFi設定をすると”GP7-1”が出ている。それをタッチするとつながる。

functions 画面のスロットルを触ると10段階で加減速する。減速を続けると符号が変わって逆行し、そのまま加速する。
 物理の法則の ma を実現しているような感触である。
 ファンクションは4chあるので、前照燈、尾灯、室内灯、ホーンの on, off ができることになる。

 電池は006P型ニッケル水素電池だ。少々出力が不足する可能性があるので、大きな電池を探している。先日の来訪時には、ブラス製の客車(ボールベアリング装備)9輌(約13 kg)を引張って1.9%の坂を登らせた。機関車に補重がしてないので、スリップしている。500gほど補重すると良いだろう。2往復すると電池が無くなった。仕事量としてはかなり大きく、小さな電池ではおのずから限界がある。
 隠しヤードから、多数の貨車を引張り上げて列車を仕立てるのだ。牽引力を稼ぐには重連が不可欠だ。もう一つの機関車はブラス製で、電池を積むようにする。単二型を8本積めるはずだ。重くなる。

 この方式は簡単に作れるそうだが、取り敢えず1チャンネルだけだ。重連を総括制御することは難しい。複数の機関車を同時に扱うには、手元にWiFiの受信ができる端末を複数並べることになる。1台の発信機で重連するにはジャンパ・ケーブルを渡して半永久連結として、電力、モータ出力、燈火出力を接続する必要がある。見栄えを考えると、連結部が賑やかになるのは避けたいが、仕方がない。


2017年05月14日

続 GP20's 

extending damaged areabrass fixing この手の補修は得意で、このような方法を採る。
 t1.5 のブラスの平角棒をフライスに取り付け、幅の半分を1 mm落とす。段を付けたブラスの棒をクランプで挟んで表面を面一(ツライチ)にし、フラックスを浸み込ませてハンダをコテで等間隔に盛る。あとはガスバーナで焙って浸み込ませると完全に付く。それをベルトサンダで注意して削っていく。

GP20's やり過ぎるとまた同じことになるので、+0.3 mm 程度で止めて、あとは大きなヤスリで少しずつ削る。最終的に、定盤の上に置いたサンドペーパで平面を出す。定盤は作業後、よく清掃しておかないと、傷がついて泣きを見る。出来上がると大したもので、失敗作とは思えない。この写真では中心部に隙間が見えているが、ネジを締めれば密着する。

 ブラス工作はこのようなことが簡単にできるというところが非常に優れている。部分的に切り外して、別の板を嵌め込み、ハンダで埋めてごまかすことも容易だ。これがダイキャストだったり、プラスティックではそうはいかない。
 アメリカの友人の失敗作をよく修理して上げたことがある。彼らは非常に驚き、
”これをビジネスにすると良い。”と言ってくれたが、そういう仕事ばかりやるとかなり疲れるだろうと思った。久し振りにやるとなかなか快感である。

 また、最近の韓国製のような薄い板の製品は勘弁してほしい。厚板でないと修理が完璧には行えない。これは40ミルであるが、以前は50ミル(1.27 mm)もあった。快削ブラスであって、フライスで調子よく削れる。

 筆者はこの種の機関車を2台ずつ持っている。70年代によく見た8重連、10重連を再現するためである。動力はそれぞれ片方に入れるだけで十分である。


2017年05月12日

GP20’s

GP20 2 1960年頃のディーゼル 電気機関車である。 ターボチャージで2000馬力になったばかりの、当時の新鋭機であった。EMDの既製品にUPが独自にタービンを搭載して実験したので”Omaha”と呼ばれていた。
 1970年代には既に老朽化して入替用に使われているものもあった。二台一組での運用が多かったように記憶する。Kemtron が模型化していたので、それを入手するチャンスを探っていた。

 ebayで一つ入手したのとほぼ同時にアメリカのショウでもう一台入手した。前者は150ドル程度、後者は100ドル程度であった。安くて良いのだが、後者には安い理由があった。エンジン側のフッドがおかしい。後端で4mm程度低くなっている。これでは安いわけだ。

GP20 1 組んだ人はフッドの下端の不揃いをベルトサンダで落としたのだろう。ベルトサンダの削り速度は非常に速い。うっかりよそ見をしたか、人と話しながらやってしまったのだろう。あっという間に削りすぎて、後ろに傾いた。ショートフッドが浮いたのでハンダ付けをずらしてゴマ化した。それでもキャブが当たるので削ってしまった。というのが想像できる顛末である。
 このケムトロンのキットは1.01 mm(40ミル)のブラス板に深くエッチングしてあり、とても堅く重い。筆者の好きなキットである。ハンダ付けは細いガスバーナで行うと全面ハンダ付けができる。写真はキャブ下に2 mmの角線を貼り付けた状態である。これを削って修整する。

 さて、買ったキットをホテルの部屋でばらし、動力機構をごっそり外して、次の日に売ったら80ドルで売れた。つまり、車体を20ドルほどで手に入れたことになる。先に買った方も同様に売却した。筆者はこのような形で、上廻りを廉価で入手している場合が大半である。車体は、現物が目の前にあった時代なので、それほど大きな間違いはない。


2017年05月10日

6-wheel trucks

6-wheel truck UPの流線形特急列車の荷物車、郵便車は重いので3軸台車が使われている。その製品を、アマチュアが作って売っていた。20年ほど前に見たのは、イコライズはするものの、構造をわかっていない人が作っていたので全く良くなく、一つ入手したがさらに欲しいとは思わなかった。

 これはテキサスのDennisが作ったもので、なかなか良い形をしている。構造を理解している人が簡略化しているからだ。既製品の2軸台車を切り継ぎ、新製した部品と組合せている。ハンダが多そうに見えるが、実はこれくらいがちょうど良く、鋳物のすその部分が表面張力でうまく表現できる。大きなコテで、多めのハンダを付けた。
 ここに部品の継ぎ目が見えると気分が悪い。そういう模型をよく見る。
 バネはぴったりのものがないので、間に合わせである。いずれ、旋盤で線を巻いて作る。適当な長さに切って、ベルトサンダで端面を落とせばできあがりだ。

 ブラスの線でも、巻けば加工硬化してちょうど良い硬さになり、へたらない。

 韓国製はわざわざ揺れ枕を作って、それがうまく作動しない。模型では揺れ枕はそれほど効果がない。人間が乗っていないので、効果があってもなくても一緒である。すなわち無くて構わない。

 当鉄道には3軸台車付きの車輌が3輌ある。どれもこれも重く、2kg近くあるから、ボールベアリングを付けている。レイルの継ぎ目の音が良い。


2017年05月08日

Hemmschuh

hemshoe 部品箱を探していると、思わぬものに遭遇する。もう20年近く忘れていたものだ。綴りは hem shoe と二つに分ける方法もあるようだ。英語ではないのだけど、英語風にしている。googleで検索すると、日本の会社が出している。これは商品名なのか、それとも一般名なのかが、わからない。日本語版WikipediaにはHemmschuhと言うドイツ語風の綴りが載っている。ドイツ語版Wikipediaには、最初にこの綴りがある。

 英語ではこれを何と言うのだろう。多分、skid(橇・そり)だ。

 日本の会社の商品は、上の写真とは微妙に異なる形である。このロストワックスの鋳物は、実際に作動する。レイル上に置いて、車輛を突っ込ませると、多少スリップして止まる。左右にガタがあるので、それを少し手直しするともっと確実に止まるだろう。
 片方のレイルだけではなく、両方であればより確実に、脱線もなく止まる。

 車止めが固定式なので、その前には置いておきたい。

  

2017年05月06日

続 ブレーキの設定 

 T氏から興味深い文章を送って戴いた。イギリスの蒸気機関車を設計する手法について述べた本のようだ。”How steam locomotives really work?”  という題の本であるそうだ
 

 servo brake という言葉が出ている。すなわち倍力装置のことである。要するにリーディングにするということだ。
 日本の文献には、今のところこの記述が見つかっていないという。日本型蒸気機関車が前抱きブレーキにしたのは、後ろ抱きにするとブレーキ・梃子(てこ)が圧縮荷重を受け、振動することを嫌ったためのようだ。アメリカ型の近代機では、ブレーキ・アームは極端に太く、圧縮に十分耐えるようになっている。

 ヨーロッパでは、前後進でブレーキ力が変化しないような設計を推奨しているようだ。タイヤが減ると、どうしてもどちらかに傾いていくだろう。よく見ると、磨り減っていくと、リーディングでもトレーリングでもないニュートラルのところに行くようだ。そこで取り換えるのだろう。

 久し振りに、頭をよく使って結論を導き出せた。何か非常に爽やかな気持ちだ。チャンスを与えてくれたT氏には感謝する。


2017年05月04日

ブレーキの設定

 よく考えてみれば、鉄道車輛にとってブレーキは生命にかかわる部分だから、細心の注意を払って設計されているはずだ。
 前に付いているからトレーリングだと信じ込んでしまったことは、恥ずかしい。物理的な考察をせずに、見かけだけで判断してしまったのだ。

self actuating brake 図を描けば、ぶら下がったブレーキと同じであることに気が付く。Aはリーディングであることは明白だ。B2はAと同じでリーディングである。ブレーキの腕には押す力が掛かる。B1は腕が引っ張られているだけの違いでこれもリーディングに相当する。物理で、「押すと引くは同じだ。向こうから見るかこちらから見るかだ。」と習ったのに、忘れてしまっている。この図ではB1とB2はつながっているように見えるが、別のものを考えている。

 またまたモップの絵を描くと右の図である。上を押すのと、下を引くのは結局は同じことだ。

 昨日から、いろいろな人と意見の交換をしていた。出てくる意見はどれも面白い。動輪が減るとどうなるかということを気にする人が複数いた。確かに接線が中心に近づくと支点を通るようになりかねない。おそらくその手前でタイヤを取り替えると思う。ブレーキ・シュウを取り替えても関係ない。ブレーキ支点を移動できれば良いのだが、そうなっているようには見えない。

 self-actuating (自己倍力装置)である前提で設計しているので、必要とされるブレーキ力を下回ることは許されない。おそらく、機関士はそういうことには極めて敏感だから、効きが悪ければすぐに報告されるだろう。特に高速で走る旅客用機関車にとっては、旅客の生命が掛かっているから、その整備は大切だ。

 昔はそのような伝承があったのだろうが、現在の数少ない保存機の場合は、「これはブレーキが効かないのではないか」とは、気が付かないだろう。タイヤの摩耗限界が、そのような基準で決められていたことも知らない世代に入ってしまったのではないかと危惧する。事故が起こらなければ良いが。

2017年05月02日

日本の蒸気機関車のブレーキはリーディングである。

 先回の記事が出た直後に、表題に示す連絡を受けた。連絡してきたのは、工学のエキスパートのT氏である。(leadingと言うよりも、むしろself-actuatingと言うべきかもしれない。)
 T氏は、鉄道車輌よりももう少し大きなものの姿勢を制御する専門家である。
 

 そんな筈はないとも思ったが、彼の言うことが間違っていたことは、過去に一度もない。食事の時も上の空で、皿と箸でシミュレートした。彼の意見は正しいことが分かった。わざわざ、ブレーキを効かないようにするはずはない。

leading 結論は出たが、どうやって説明するかである。極端に簡略化した絵を描くとこうなる。それを平面上のモップにすると、下の絵になる。
 モップを塀の上に載せて、下から横に引っ張ると、モップは質量と重力加速度によって生じる摩擦力以上の摩擦力を生じる。喰い込む方向に力が掛かるのだ。エスカレータのベルトを拭くときにこういう装置を付けると、喰い込んで止まってしまうかもしれない。 

JNR C62 leading brake 実物の機関車の写真をじっくり見た。これはC62である 。確かに支点は接線より中心に近いところにあることが分かる。
 これで井上氏がよく効くとおっしゃった意味が、ようやく分かった。

 この件に関するコメントを沢山戴いているが、トレーリングであるという前提のご意見ばかりなので、掲載は控えている。ヨーロッパの機関車には、支点を接線上に持って行って前後進でブレーキ力の変動が起きないような設計にしたものがある。

 それにしても、T氏の眼力には恐れ入った。実はT氏からは、例の”天秤棒イコライザ”に関する解析も戴いているので、いずれそれも紹介したい。イコライザではないということである。

 追記: 添付のC62のブレーキの写真は、提供者のmon氏のご厚意で、圧縮前の、より鮮明な写真と差替えました。  

2017年04月30日

leading or trailing

 自動車は前後進するので、リーディングだけだとブレーキ力が不足し、危ないことがある。
 最近は4輪ディスクが普通だが、40年ほど前までは乗用車もドラム式がかなりあった。前輪は2リーディング(二枚のブレーキ・シュウが両方ともリーディングになっている)であったが、後輪はリーディング・トレーリングであった。後退時にブレーキが効かないと事故を起こすからである。
 最近は、ディスク・ブレーキでもリーディングがあるらしい。英語の表現は、self actuating、self energizing などである。  
 
 
 バイクは前進しかしないので、2リーディングがふつうである。ところが、モトクロス用のバイクだけは、前輪にリーディング・トレーリングが採用されていた。逆に廻そうとする力が掛かる瞬間があるからだ。

 蒸気機関車は前進を旨としている。となると、ブレーキはリーディングが有利だ日本の機関車はトレーリングが多いのはなぜだろう。喰い込み過ぎて危ないのだろうか。
 アメリカの近代の機関車は、後ろから抱くリーディングがほとんどだ。この考察はK氏によるものだが、興味深い。

 井上豊氏は、
「列車のブレーキは大したことはないが、機関車のブレーキは良く効くんだ。カキッと止まるんだぜ。」とおっしゃった。バックの方がもっと効くという話は出なかった。そこを聞いておくべきであった。

追記 日本の機関車も、前から抱いているが、リーディングであると、指摘されました。次の記事を参照してください。

2017年04月28日

集電ブラシ

 今野氏のブログでしばらく前に話題になった件である。

 ブラシをどう作るかである。接触させる部分の構造を、皆さんあまり考えていないように思う。コメントに少し書いたのだが、本論に入る前に、打ち切られたのでその続きを書くことにする。

leading and trailing ブラシの接触圧は回転方向で力の掛かり方が変化する。これもリーディングとトレーリングの考え方である。バイクに乗っていた人はこの言葉をすぐ理解するだろう。要するに、押すか、引きずるかである。左の図は二軸貨車のブレーキを模式的に描いたものである。
 回転方向によって、ブレーキ・シュウが食い込むか、それとも逃げて行くか、という差が出る。シュウをぶら下げている支点がどこにあるかで、加えた力で生じる摩擦力が変化する。深く考えると、シュウのどの部分を押すかによっても変わってくる。

leading & trailing 丸いものは考えにくいので、円周の中心を無限遠に持って行くと平面になる。掃除をするとき、モップを押す(1)のと、引く(2)のとでは力の掛かり方が数倍違うことがある。支点を下げて床と平行にすれば、押し引きでも全く変わらない。つまり、円周で言えば、支点を接線上に置く(3)ことである。様々な模型を見るが、そこに気を付けている模型はまず見ない。これを守らないと、前進は良いが、後退時にガリガリ音がすることがある(その逆もある)。

 大きな模型では集電ブラシを板で作り、その先にニッケルを貼る。接触点を増やすために先端を櫛状にする。この櫛状にする方法はEscapのコアレスモータに使われている。ニッケルがなぜよいかは決定的な答はないが、適度に硬いこと、融点がかなり高いことと、酸化被膜に多少の通電性があり、それが取れ易いことだろう。この知見はアメリカやヨーロッパ製の製品から来たものと思われる。
 筆者の父親は、「当然だ」と言っていた。何が当然だったのか聞いておくべきであったが、もう遅い。少なくともステンレスの酸化被膜は硬く取れにくい。
 最近は銀合金が使われるようだ。 

2017年04月26日

OSR May/June 2017

 最近号の O Scale Resource にLow-D の記事が載っている。毎号載せてくれるのは有難いが、少し頻度が高すぎる。編集者の要望に応えて原稿を送っておいたものだ。まだほかにも、いくつか送ってある。
 また、99%以上、書いたそのままが載っている。"to" を一箇所抜いたのと、複数形を2箇所直しただけだ。編集者は良く書けていると褒めてくれるのだが、こちらとしては今様の英語にして欲しい。筆者が英語を勉強して50年近く経ち、アメリカから帰ってもう25年以上経つのだから。
 
 外国人の書いた英語の雰囲気を味わって欲しいらしい。 アメリカ人の友達に聞くと、古風な言い回しがあるそうだが、違和感はないとは言っている。しかし、筆者自身は読み返すと少々気になるところがある。今はこう言わないような気がする、と感じるのだ。自分の書いた英語なのだから責任を持て、と言う人もいるだろうが、原稿をコンピュータ画面で見るのと、このような冊子風になったものを見るのとは、少々感じ方が違うのはやむを得ない。

 ステンレスの摩擦係数が小さいから、フランジ角を小さくでき、その結果線路の不整による脱線が起こりにくくなったことを強調した。Big Boyなどのセンティピード・テンダが脱線しやすいのは、これを使えば直ると書いておいたのだが、果たしてどの程度の人が興味を持つのだろう。

 滑走データも付けておいた。最後の写真は非常に多くのことを語ってくれる。これを見てフランジが触っていないということが明白になる。過去にいろんなことを言ってきた人がいるが、これを見せるとたちまち黙ってしまう。それほど雄弁 (eloquent) な写真である。動かぬ証拠である。
 フランジの接触による損失は大きい。先日RP25を付けた車輌が1輌発掘されたので、よく整備して滑走させた。車輪は溶剤スプレイでよく洗い、油気をなくした。線路も溶剤でよく拭き、油気を取った。
 下り坂を滑走させたが、カーヴの途中でキーッという音がして驚いた。フランジの音だ。フランジが擦れてそんな音を立てたのだ。ステンレスの摩擦係数が小さいとは言え、音がするようでは、とんでもない損失を生んでいる。フランジでカーヴを曲がるのは、模型では避けるべき間違いだ。

2017年04月24日

再度 teasing

the engine しばらくここに停まっている。架線がないので動けない、というのは大ウソである。
 パンタグラフをひっかけたので、少しゆがんでいる。パンタグラフの最大上昇時の高さは 25 ftもある。アメリカの鉄道の架線高さの最大値は 24 ftなので、これでは高すぎる。少し工夫して、上がらないようにせねばならない。
 すでに信号橋には当たっている。相手が軽いプラスティックだから良かったものの、金属製を導入する予定だから、とても危険だ。 

 信号橋は複線用をつないで接着し、4線をまたぐようにしてあるが、非常に弱い。接着部がぽろぽろ剥がれて来る。副木(そえぎ)を当てているが、いずれ壊れることは見えている。
 新しく、スティール製にする予定だ。これはそう簡単には壊れないので、5線をまたぐようにするつもりだ。プロトタイプを物色している。
 4面トラスのタイプが良い。内部にはXブレイスがところどころ入る。信号機はすべて上に突き出させる。上面は人が歩けるようにし、手摺りもつける。

 倒れると重大な事故が発生するので、路盤に固定する。

Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ