2018年06月24日

ブラス離れ

 3年ぶりの O Scale West 参加で、気になったことがある。ブラス離れである。昔はブラスの機関車が大量に並び、1000ドル から 4000ドル くらいの値札が付いていた。今回は過去の10分の1もないという感じだ。しかも安い。
 多少の破損品がとても安い。3日掛けて修理すれば直るものが、適正価格の1/3で出ている。筆者はすでにコレクションを終わっているのでもう要らないが、若い人は欲しいだろう。旋盤を持っていて炭素棒ハンダ付けができれば、すぐ直る。

 もうブラスの機関車を加工できる人が少ないのだ。これは由々しき事態である。
 ブラス偏重を攻撃する人は多い。進歩的と言われる人はそれに同調する。しかしながら、金属以外の材料で作られたものは、50年というタイム・スパンで考えると持たない、というのは客観的な意見である。ダイキャストも怪しい。
「趣味は作った時が楽しいのだからそれで良い。」という意見もあるが、この趣味を盛り立てて行こうと思うと、それでは心もとない。

Lobaugh Cabeese 今回も、昔は価値のあった Lobaugh のカブース・キットが25ドルで投げ売りされている。一つくらい買おうかと思ったら、その男は下からもう一つ出して、
「これも買ってくれたら40ドルで良い。」と言う。思わず2種買ってしまった。
 いずれ発表するが、重厚な仕上がりの期待できる素晴らしいブラス・キットである。Lobaugh の砲金鋳物の台車も各種調達した。今となっては貴重なアメリカ製のブラス製品である。祖父江氏はLobaughの機関車を見て参考にしたのだ。
 アメリカ製のブラスは、すべて快削材である。糸鋸でサクサクと切れる。色も違う。日本製は黄色いが、アメリカ製は緑っぽい。

IMP stock car  1950年代のIMP (International Model Products) の家畜車も安く押し付けられた。厚さ10mil (0.25 mm) の材料で、ハンダ付けが最小限だから、とても弱い。握ると凹むし、パラパラと部品が取れて来る。よくもこんなにハンダをケチって作れるものだと、妙に感心した。
 帰宅後直ちに全部の部品を引っ張り、取れそうなものはすべて外したのち、ハンダを贅沢に使って修理した。センタービームにはブラスの厚板をハンダ付けして連結器周りの強度を確保した。僅かのロストワックス・パーツを付け、手摺り等を補う。連結器、台車を取替えると当鉄道仕様となる。


 久し振りに会った友達が来て、箱を開けて中を見せる。
「どうだい、これ欲しくないか。200ドルでいいよ。」とCentral Locomotive Works の機関車キットを示す。
「君ならすぐ組めるだろ、組んだのを持って来てくれれば400ドルで買い戻すよ。」と抜かす。冗談じゃない。

 要するにもう彼らの大半がブラスと縁がないのである。日 本も同様な時代に入ったと思う。それだからこそ、博物館が開いたら、ブラス工作教室を開きたい。


2018年06月22日

O Scale West での講演 7

 最後に博物館の目標の「摩擦の少ない世界」(Free from Friction) について話した。Oゲージ以上の大きさでなければ実現できない事であることを強調した。
「故土屋氏から引受けた祖父江ドライヴの機関車群数十輌と、私の数十輌を維持し、Low-D車輪をつけた長編成を走らせることは、模型鉄道の真髄 (essense) を受け継ぐものである。私はあと20年くらいは無事に生きられるであろうが、その後は不明である。しかし、公に博物館としての登録ができれば、遺産相続からは切り離され、切り売りの危険からは逃れられる。この博物館には祖父江ドライヴの機関車約1000輌のうち、1割以上が揃っている。これは世界的に見ても貴重なものである。客車は100輌、貨車は400輌ほどあり、すべてLow-D化されている。これまた、世界的に見て稀なことである。

 また、「博物館を開いていれば、有能な人を探し出して後継者にすることができる。」
と言ったところで、
「有能な人 (man of ability) とは何か?」という質問があった。

「まず第一に工学的素養があること。サイエンティストであること。歴史、地理に興味があること、ある程度語学ができること。経済的に余裕がある人。切り売りされてはいけないからね。」と答えた。
「そうだ、語学は必要だ。ここにきて話をしてもらわねばならないからな。」と言う人に続いて、ある人が、
「あなたはbilingualだ。便利だね。」と言った。

 それを聞いて、少々気分転換がしたかったので冗談を言った。
「ここでクイズです。二か国語を喋る人をバイリンガルと言います。それでは3か国語以上を喋る人は何というのでしょうか。」
 正解は polyglot (たくさんの舌という意味)だが、誰も知らず、trilingual という誤った言葉を使った者が多かった。それを修正したのち、
「 それでは1か国語しか喋れない人はなんと言うのでしょうか?」
この質問に対して、皆は、
「idiot(ばか)」とか様々な言葉を出した。筆者が、
「とても近いですね、惜しいな。正解は American です。」
と言ったら、皆椅子から転げ落ちそうになって笑った。
 毒のある冗談だが、実際にそうなのである。アメリカは大国なので、相手の方が合わせてくれる事に慣れている。だから、外国語を勉強しようとする人が非常に少ない。 英語圏でも、イギリス人もオーストラリア人もアメリカ英語に合わせていく傾向がある。

 ビジネスマンで本当に有能な人は、相手の国の言葉を理解しようとし、会話を勉強する。通訳を付けている人で、能力のある人は見たことがない。そういう意味でも、1960年代から1980年代にかけて日本に来た鉄道模型インポータで、能力のある人は居なかったと筆者は思っている。


2018年06月20日

O Scale West での講演 6

 現在建設中の博物館の概要を紹介した。

 最小半径が 110インチ(2800 mm)で、一周が約 300 ft(約 90 m)のbent dog bone であって、高低差は 11インチ(約230mm)勾配は1.55%でUPのシャーマンヒルと同じ勾配であると言うと、
「wow!」という声が上がった。
「Big Boyに100輌牽かせたかったのだな?」
「その通り!現実には勾配の長さが足らないので、半分しか斜面に載らない。残念だ。」と言うと、
「動画から判断するに、行けるだろう。」
という声が上がった。引張力と抵抗から計算するとぎりぎりである。
 この博物館の奥行があと数メートル長ければ、そういうことも可能であったが、
展示物としてはこの程度が適当であろう。

 レイアウトに勾配を付けない人は多いが、均一な長い勾配があると、機関車の実力がよく分かる効率の良くない機関車は煙を吹くであろう。ギヤ、軸受の寿命も短くなりうるので、設計時に十分配慮せざるを得ない。保油機構の必要性もわかるはずだ。

 アメリカにはかなりの数の、勾配線を持つレイアウトがあるが、どれもディーゼル電気機関車の多重連で運転している。単機の蒸気機関車が牽く場面では、貨車の輌数は少ない。筆者の動画を見て、皆非常に驚いたと言ってくれた。特に、このビデオで勾配を登るとき、
「スリップによって位相が時々ずれるのが素晴らしい。こんな場面は見たことが無い。」と称讃された。前後のエンジンを独立させるのは、効果があったことが証明された。

2018年06月18日

O Scale West での講演 5

bridge painted 橋の説明をした。Oスケールの橋はAtlasのプラスティック製のトラス橋か、韓国のAjin製のブラスの橋しかない。二種しかなく、複線橋は無理である。しかも幅が狭いので、直線にしか使えない。

 今回作成の橋をレーザ加工で切り抜き、ハンダ付けして組み立てた話は、非常にエキサイティングな話だったらしい。  
「一枚ずつはふにゃふにゃした板でも、直角にハンダ付けしてトラスを組むと、とても剛性の強いものになるのは印象的であった。」
と述べたところ、
「そうだ、本物もそうだからな。」
と言った人が居た。

top lateralsrivet forming (5) ほとんどの人の興味はガセットの作り方だ。例の大きな円にメスのダイを上から合わせるアイデアを紹介すると、大きな声で、
「これはすごいアイデアだ。」と叫ぶ人が居たほどだ。
 皆困っていたのだ。これも一つの breakthru (誰もやってなかったことを成し遂げること)であったらしい。真似をする人が増えれば嬉しい。


girder bridge completed ガーダ橋の内側のトラスも非常に興味をかき立てられたようだ。安くできるのだったら作ったほうが良い、と思ったのだ。曲線上であるから、カントの処理も興味の対象だ。傾斜の付いた枕木を特注で製作して、レーザ加工のジグの中で組んだという話はとても興味深そうであった。皆レーザ加工をしてみたいのだ。
「厚いブラス板をレーザ加工するといろいろな点で問題がある。鉄板、ステンレスは楽で良い」と言うと、俄然その気になった。
「電話帳で工場を探して、ソフトウェアを送ればすぐできるよ。」と言うと皆やる気になった。 
 CNCでの3次元加工とか、3Dプリンタによる工作に頼るのには、まだ拒否感を示す人は多いが、正確な切り抜きを期待できるレーザ加工は、ホビィ・クラフツマンに期待されていると確信した。
「やる気になれば、各種の客車を受注生産できるよ。」と言うとやりたそうな顔をした人が何人か居た。

2018年06月16日

O Scale West での講演 4

Hidden Yard bird's eye view 200輌収容の隠しヤードの写真を見せた。曲がっているのが格好良いとの評判であった。そこでカンザス・シティの話をすると、
「そうだ。あそこだ。」と相槌を打つ人が居た。やはり見ている人は見ているのだ。

image (18)frog number ヤードの入り口 (throat; 喉という意味)の部分の角度について話した。この図はとても分かり易いそうだ。市販品のYポイントを使うとうまく行かない話をした。皆、なるほどという顔をした。雑誌に載せるべきだという声が上がった。

wye switch and ladder 市販品を組合せると妙なことになるから、型紙を二枚の型紙から合成したのは良いアイデアだ、と褒めてもらえた。
「これなら絶対に合う。」と面白がった。このアイデアは簡単にして、確実な物なので、評判が良い。一見高級そうに見えるアイデアも、破綻することが多いからだ。この種の話は、実際にレイアウトを作っている人が多いので、興味のあるところなのであろう。その点、日本とは大違いだ。日本では机上の空論をとくとくと語るだけで終わってしまうこともあるが、実際にやってみるとそれだけでは済まないこともあるのだ。

quiet track 次に話したのは道床である。例のコルクがダメな話をするにあたって、現物を用意した。組立式で 2 m の線路を用意した。半分はコルク、残りは例のPVC道床である。眼の前で貨車を押して音を出してみると、あまりに違いに騒然となった。写真は終了後残った人たちの様子である。手に持っているのは等角逆捻りの現物で、
「magicだ。」と評判であった。

 コルクに効果があると信じていた人は多い。Homasote という古新聞を厚さ数十mmに固めたものもあるが、これまた殆ど効果がない。現物を持っているが、さすがにそれは持って行けなかった。ホマソートは密度が大きくないので、効果は薄いのだ。

「コルクはどうして駄目なのか。」
という質問があった。逆に、
「車の床下などに防音用にコルクが使ってあるなら教えて欲しい。たいていはゴムかPVC(ポリ塩化ビニル)、あるいは鉛のシートでしょう。」
と聞くと、皆なるほどと思ったようだ。さすがに車の国である。単なる先入観か、間違ったうわさを信じているだけのことだと分かったのだ。prejudice 先入観という言葉を出すと、どよめいた。

 売ってくれないかという打診もあったが、さすがにこれは重くて送料がかさむ。
「アイデアは差し上げますから、事業化してください。押出ノズルは$1000ドルくらい、材料は1ヤード(1m弱)当たり50セントもしないでしょう。たくさん売って金を儲けて、その1/4ほど戴ければ十分だ。」
と答えたら、一人がやってみたいと言うので、サンプルはそのままお渡しした。どうなるだろう。 
「私はサイエンティストなので、『本に書いてありました。』、『専門家が言っていました。』などということは全く信用しない。すべて実験に基づいて決定している。」と言うと、大拍手であった。シリコン・ヴァリィの人たちは科学者が多いからだろう。


2018年06月14日

O Scale West での講演 3 

ladder with 3-way switchalignment by laser レイアウトのベンチワークの紹介をした。鉄骨を採用して、レーザで高さを揃えているのには、驚いたようだが、木質のベンチワークよりはるかに耐久性があると、納得した。すべての線路は曲率ゲージで正確な曲線を描いていることも紹介した。曲線通行中に先輪の向きが微動だにしないことを話すと、驚いた。ポイントが正確に一直線上にあるのも称賛を得た事の一つである。

 後半が勾配に掛かっている状態で、50輌の貨車を止めている手歯止めを外すと、徐々に加速して、然るべきのちに停止するのを動画で見せると、ため息が漏れた。

turntable drive with momentum 転車台の話を15分ほどした。世の中の大半の自動割出の転車台の動きが toy-like(おもちゃっぽい)であることを話した。剛性の大きな太いシャフトを使わないと、ぷるぷると震える回転橋になってしまうこと、本物は行き過ぎたのを戻したりする、と話した。即ち、回転モータ、インデックス・モータ、アラインメント・モータが独立していなければならないことを力説した。

centering device 次に話したのは駆動モータとインデックスの関係である。Vの字の溝のある金属板を使ってアラインメントを確保する動画を見せると、どよめいた。ずれて止まったのちに、すっと動いて揃うところは面白いらしい。粘性による結合方式も人気があった。押し付けられた状態でモータが回転しているのが面白いのだ。回転して所定の位置に停める様子を短い動画で示すと、”Oh, wonderful!" と声が上がった。 
 明らかに慣性が大きなものを動かしているという感じがするからである。おもちゃの動きではないのだ。

moving bridge 回転橋を3時間で作った話は受けた。質問は何箇所ヤケドしたか?であった。単純なものは速く作れるということには同意してもらった。急がないと自分の寿命が尽きてしまうと言うと、「そりゃそうだ。」ということになった。
 簡単なジグを用意して、正確に素早く作り、すべての隙間をハンダで埋めて錆びにくくするということを強調した。

2018年06月12日

O Scale West での講演 2

 3条ウォームの特質で一番大切なのは、高効率を求めると、同時に逆駆動ができるようになるということである。決して逆駆動だけが目的ではなかったと言いたかったのだ。音のことも強調した。
「スパー・ギヤ、べヴェル・ギヤ・ドライヴでは蒸気機関車がヒューと音を立てて走るから嫌いだ。」と述べると、皆納得した。ウォームの静粛性には敵わない。

 一部の人達は「祖父江ドライヴは歯車比が小さいから、牽引力がない」と勘違いしているが、それはモータが小さいだけである。高価だが12 Wクラスのモータを入れれば、UPの4-8-4が重いプルマンを12輌牽いて1.6 %の勾配を駆け上がることができる。その様子を動画で見せると、皆愕然とした。全効率は60 %くらいであると言った。低ギヤ比の方が効率が良いことと、祖父江ドライヴには 15 W の伝達能力があるということを強調した。

「そういうモータはいくらぐらいのものだろう?」と聞く。
「場合によるが定価は300〜500ドルくらいだろう。」と言うと驚いた。
「高級なスポーツカーでは、その製造原価のうち、エンジンは40%くらい、トランスミッションが20%くらいを占めるのだから、当然ではないか?」と言うと妙に納得した。

B&O EM-1 + 125cars + caboose 次いで、126輌編成がドッグボーンを周回して機関車とカブースが逆向きになって平行になった状態を見せた。その状態でカブースを後ろに引く。約 0.7 mほど引くと連結器の隙間(slack)が伸び切って、機関車が後ろに引張られて動く。今度はカブースを前方に押して行くと、スラックが閉じて機関車が前に押される。
 この場面は非常に感動的で、会場内は騒然となった。
 機関車が軽く動くから驚いたのではない。そんなことは承知の上だ。126輌の貨車の連結部のスラックが波のように伝播し、押し寄せてくるところが感動的なのだ。皆大拍手である。動画を再演した。
「ありえないシーンだ。」と叫んだ者もいた。
 これを実現するために貨車の台車を全て取り替え、Low-D車輪に取り換えたからである。それを説明すると、場内は静粛に包まれた。その手間とコストを考えたのだ。

drag そこでこの図を示した。
「誰しもボールベアリングを使うと摩擦が減ると信じている。ところがボールベアリングにはグリースが詰まっているから、負荷が小さいときはピヴォット軸に負けている。軸重が4 oz. (約 100 g)を超えると初めてボールベアリングの効果が表れる。」
と言うと、これまた大ショックだったようだ。
「ここにある貨車はすべて16 oz(455 g)以下だから、ボールベアリングは全く使っていない。」

 そこでLow-Dを付けた貨車を短い 2 mほどの線路上で転がした。極めて静かに慣性を見せつけて走った。これにはみなとても驚いた。
「実物の貨車は、摩擦式軸受の場合 5 ‰以下の坂で動き始めることになっている。しかしこれは3 ‰ でも動く」
と言うと、さらに驚いた。
 ただし、実物は慣性が48倍あるから、その動きとは違うは説明した。これは少々難しかったかもしれない。   

2018年06月10日

O Scale West での講演 1

 今回の公演の演題は勝手に決められていて、
”Museum of Sofue Drive" であった。
「ちょっと待ってくれよ。祖父江ドライヴの発明者は僕なんだ。」
と伝えると、Rod の答は、
「確かにそうなのは知っているが、”Tad Drive" と言っても理解する人は居ないだろう。一言付け加えるから我慢してくれ。」ということになった。
 結局のところ、”Museum of Sofue Drive, by the inventor Takashi Daito”ということになった。これは非常にうまい言い方だと、感心した。

 今回の講演は60分から75分で頼むと言われていた。自宅でやってみると90分掛かるので、いくつかを削った。長すぎるといやになる人もいるので、面白い話題を10分ごとに入れて、気分転換をするようにした。動画はなるべく感動的なものを、と考えて撮った。

 3条ウォームの話から入った。3条ウォームはライオネルが採用しているから珍しいものではないということを最初に言った。そうでないと論点がずれる可能性があった。3条を採ったのは、工作の容易さ、効率の高さを考えたからである。
 1980年当時パソコンは普及しておらず、三角関数表と計算尺と電卓のみで3か月ほど掛かってグラフを作って検討した話は受けた。ウォームの進み角を増やすと多少効率が上がるが、18度以上は tooling cost(異なる形状の刃物が別に必要になり、金が掛かること)の点で採用できなかったが、17度と効率が1%も違わなかったことを話すと、どよめいた。最高のものを求めたかったが、そんなに金を掛けないでやりたかったことを理解してくれたのだ。

 Model Railroaderに発表したら、世界中から手紙が来た話で、
「そのすべての手紙で、『歯車だけを欲しい』と言って来たのは、おかしな話だ。」と言うと皆笑った。いちばん必要な物は、精度の高いギヤボックスとスラストベアリング、潤滑剤、コアレスモータなのだ。そのことを書いて送ったら、誰も返事が来なかったと言うと、また大笑いだ。皆よく分かってくれている。
 実は日本でその3条ウォームをギヤボックス無しで付けた人もいて、動かないと大騒ぎであった。物の理屈を考えない人に売るべきではなかったのだが、なかなか難しいことである。

  祖父江氏はアメリカからの受注がなくなって困っていたが、3条ウォーム化の改造を引き受けて生活を支えるというビジネスモデルは、非常にうまくいった。そして祖父江ブランドが確立されて、アメリカに浸透したのだ。この場面ではみな立ち上がって拍手をしてくれた。
「人を助けるために努力するというのは、大切なことだ。よくやった。」
 自己犠牲というのは、キリスト教の精神で、最も大切なものとされているらしい。
「祖父江氏は天才であったので、彼を潰すと世界的な損失だと思ったからだ。」
と言うと、
「あなたがいなければ、我々は19世紀のドライヴで我慢しなければならなかった。それをアメリカに紹介してくれて、我々は感謝している。Sofue Engines が紹介されたのも、模型界に大きなインパクトを与えた。」
と言ってくれた。これには筆者も感動した。 

2018年06月08日

O Scale West

 久し振りの O Scale West 参加 である。代表幹事の Rod は今年限りで降りるそうだ。20年ほど代表幹事を務めたのだ。
「よくやってくれた」
とねぎらいの言葉を掛けたら、
「みんなの助けがあったからだ。特に講演をよく引き受けてくれる貴君には感謝する。」と言ってくれた。
 確かに良い講演者を見つけるのは、なかなか難しいことのようだ。

 今回の飛行はSan Jose直行便を押さえたので、空港からタクシィで10分である。18ドルであった。タクシィの運ちゃんは、こちらが道をよく知っているのでとても驚いた。
 サン・ホゼ空港は小さく、旅客はIT関係者ばかりなので、入国審査は非常に楽である。ホテルに着いてスーツケースを部屋に置き、荷物を持って会場に行った。
 Rod を探しているうちに、講演でコンピュータを操作する助手を務めてくれるTim に会うことができた。入場証とテーブルを貰ったので、次の日への準備をした。

 亡くなったAlf
の娘さんが、遺品を売りに来ていたのでしばらく話をした。
 Alfは例のH1を 筆者の博物館に寄贈するつもりだったが、奥さんがもう少し待ってくれと言っている。その奥さんは病床にあるそうだ。
 こちらも急がないので、どうぞ気になさらないでくれと伝えた。博物館の展示スペースだけは用意しておかねばならない。

 最近のPowerPointは昔とは様変わりして、極めて多機能になった。それを動かすソフトを搭載したコンピュータがなかなか見つからなかったので、Rodに頼んでそれを持っている人を探してもらったのだ。
 ダメな場合を想定して、PDFも作り、動画を別に持って行ったのだが、PowerPointがうまく作動してくれて助かった。 

 その日のうちに、彼とすべてのスライドを見て確認した。一つだけ綴りのミスが見つかったので修正した。見終わると彼は、
「これは素晴らしい講演だ。友達を呼ばねば。」と言ってくれた。

 その他親しい友人たちと話が弾んだ。日本まで博物館を見に行くぞと言ってくれたのは有難い。思えば昔は、彼らは筆者がカリフォルニアのどこかに住んでいると信じていたのだ。日本在住であることを知ったのは10年ほど前だった。そうしたら、いろいろな注文があって、機械部品、工具などを送ってあげた。

2018年05月20日

禿臍凹羯瓩竜事

 栗生氏のブログに禿臍凹羯瓩亡悗垢覽事があった。筆者も禿膸瓩涼作には興味があったので、ある程度はピックアップしてある。65年以上前の雑誌であり、著作権の問題がないので、複写してUPする。趣味者は助かるはずだ。意外なことがたくさん書いてある。最近の鉄道雑誌の記事は、また聞きの話が多い。この時期は当事者が書いているので、信憑性が高い。
 
Pictorial 1 1951年の鉄道ピクトリアル創刊号である。C62についての記事を書いている。C62 が現れてまだ3年ほどしかたっていない時期で、その成功は国鉄内部でも誇らしかったのだ。アメリカ流の発音のハドスンとあるのが興味深い。
 この号の半分はアメリカの鉄道の紹介である。おそらく占領軍の意向が働いている。アメリカのものを貧しい日本国民に見せつけるためだ。

 山陽線にはまだ入っていない時期である。記事は淡々と書いてあるが、日本に初めて出現した 4-6-4 を紹介するにあたって、執筆者自身の興奮を抑えきれないところも見える。 

Pictorial 3 この号は9,10月の合併号である。最初の1年は、まともに月刊では出ていない。
 アメリカの鉄道を見てきた時のことを紹介する記事である。蒸気機関車とディーゼル電気機関車の両方に添乗しているところが面白い。この当時、蒸気機関車はかなり老朽化していたことが分かる。ディーゼルは車体の長さが大きくて不利とある。また最低速を下回るとモータを損傷することも問題視している。
 また、ガスタービンの効率が良いと過大評価しているが、それは調査不足だろう。安い燃料を使えるということが、最大の利点だったはずだ。

 しばらく休載させて戴く。家族の用事でしばらく出掛けることになった。6月の第2週には再開できるだろう。ついでにSan Joseで開かれる O Scale West にも顔を出す。講演を指名されていて、行かざるを得ない。光栄なことではある。


 宮崎氏のご指摘を検討しています。とりあえず表紙だけの公表とします。現物はあるのですが、触ると崩れそうで、開く事もままならない状況です。
 博物館が開館しても初期のTMSやピクトリアル、戦前の科学と模型等は開架では公開できません。ウェブ上で公開できれば有難いのですが、これでは宝の持ち腐れです。今出先で画面も小さく、キーボードが使えないので、簡単な記述に留めます。


2018年05月18日

上から見る

see-thru 上から見ることはまずないだろうが、こんな風に見える。下側のXブレイスが透けて見えるのはなかなか良い。本当はXブレイスは上下に付くのだが、上は省略せざるを得ない。上にも付けると橋がひねれない。

 中心の Φ40 のシャフトには直方体のブロックが付く。それはトルクを伝達するだけで、中心の重さを支える機能はない。高さは中心のネジで決める。そうすれば、中心の一点と橋の両端の車輪のイコライザ・ピン4本で5点支持になる。極めて安定した動きを示すはずだ。

 回転する集電装置のアーチの設計に掛かっている。かなり大掛かりなものである。橋の側面に孔をあけ、支持装置を付けねばならない。正確に作る自信はあるが、完成後何十年にも亘って正確さを維持できるかは、怪しい。
 運転台の下には斜めに支えを入れなければならない。すべてできてから、接着するのが一番楽であろう。手摺もできているが取り付けは最後だ。

 遠方の友人たちは、転車台ができたら見学に行きたいと言っている。要するにきちんと動く転車台が少ない、ということなのだろう。期待に沿えるようにしたい。
 Bluetoothでワイヤレス・コントロールするのだが、そのデヴァイスがいつまで持つかはわからない。しかもそのコントロールは iPad を使うのだが、それが何年ぐらい機能するのかなど、誰にも分かりはしない。今ある iPad はそろそろ古くなってきたので、買い替えて、レイアウト専用にする。

turntable control とりあえずバックアップ用の有線制御装置を作った。これは速度コントロール無しだが、慣性が大きいので、気持ちよく動く。無線の装置が壊れた時、差し替えられるようにしたのだ。バックアップの方は原始的だが、慣性を生かした制御という当初の目標は、十分に実現されている。そのうちに動画を撮ってUPするつもりだ。
 ディジタル制御の方は、いまよろづ模型鉄道氏に作って戴いているが、128ステップの速度制御付きで、自動加速もできる。

turntable control 2 裏は汚い配線で恥ずかしいがこんな調子だ。12本の線を切り離してつなぎ直すことになる。バックアップとの切り替え時にはスイッチ一つで切り替えたいところだが、12回路のスイッチなんてものはあるのだろうか。腹案はあるが作るのは少し先になる。

2018年05月16日

節電

skelton 3時間というのは材料を切り始めてからの時間だ。工作機械を駆使して最短で作る。ハンダ付けの作業中、ハンダごてを休めることはほとんど無い。流れ作業で作る。薄板工作は久しぶりで、調子よく進んだ。ヤニの入っていない糸ハンダの短く切ったものを大量に用意し、所定の位置に置く。

 ハンダがしみ込むので、キサゲ作業はほとんど必要を感じない。こての先がいつもハンダでぬれていて、酸化被膜ができる暇がない。片方をハンダ付けするのに15分くらいである。 
 速く作るということは節電でもあるのだ。


 ハンダは 約50 g使用した。全ての接合面には、隙間なくハンダが満たされている。決して錆びることは無い。補剛材に 2 mmの角線を使ったが、その角線が快削でないものが半分あった。切る時に丸鋸の刃が喰い込むから腹立たしい。これは事前に調べておくべきであった。フライス作業時には、ほとんど問題がなかった。

 縦の哨屮譽ぅ垢鰐姪櫃覆里如板にした。端はXにするつもりだ。上部横構は曲げた針金である。この方法は成功で、簡単に橋が捻られる。中心はまだ作ってないが、ネジで高さ調節ができるようにする。簡単な構造である。

moving bridge 仮にピットに置いてみた。高さ調整をするが、とりあえず何か置いて支えてみた。回転軸が通る穴が丸見えである。何かで隠す必要がある。円錐面を持つ円盤を作って嵌めてみよう。
 木製は作るのが面倒だ。金属製が楽だが、味気ない。本物は中心部が少し盛り上がって、600トンを受ける大きなスラスト軸受(砲金製)がある。 

 また、色で悩んでいる。黒か銀あたりだろう。

2018年05月14日

手順

 速く作るには、作り始める前に手順を確認することが時間節約の第一歩だ。設計には時間を掛ける。

 作業台を広くする。ワークを回転させるものならば、邪魔にならないように周りを整理する。作り始める前に、すべての材料を並べる。ハンダも何を使うか決める。コテか炭素棒かも決めておく。

 工具を使用手順の順序に並べる。刃物の切れ味を確かめる。工具が揃っていない時は着手しない。作業中ものを探すことが無いようにする。

 部品をいくつ作るか計算して、プラス2個作る。多くても少なくても2個余分に作ると助かることが多い。今回は54個の補剛材 stiffenerが必要だから56個作っておく。はめ込む先のアングルの角は甘いので、補剛材の先端には大きめの面取りを施すことを忘れてはならない。多少隙間が空いてもハンダが浸み込んで解決する。

 電動丸鋸で所定の寸法に切って、フライスで補剛材をアングルの厚み分を削る。本物では、さらに平板をその上に固着している。そこまでやっても誰も気が付かないから省略する。
 内部の哨屮譽ぅ垢眈蔑する。捩じれに対する剛性を減らすのが主眼だ。

section 下面の哨屮譽ぅ垢世韻惑い板で作って付けておかないと、回転時にたわんで、ずれが出る可能性がある。
 これで完成だ。台車部分は取付け時に欠き取って高さを合わせる。今作っても仕方がない。

 昔、祖父江氏のところで作業を見ていたが、作業時間を口に出して、必ずその時間で終わるのが興味深かった。失敗がないので、まず間違いがない。こちらは素人なので、失敗の復旧時間が多かった。
 祖父江氏は、
「失敗だと思ったら、捨てちめぇ。迷うことなんか、ねえんだよ。」
と言った。直すより作ったほうが早いのだ。最近それはつくづく感じる。ゴミ箱には、失敗作が無造作につっ込んである。それは金属回収業者のところに行く。叩き潰してから持って行くのだ。


2018年05月12日

回転橋

 転車台の工事が始まった時、筆者がメカニズムに掛かり切りになっているのを見て、
「回転橋を作り始めないと、間に合いませんよ。」
と言う人があった。
「いや、橋は3時間でできますから」
と返すと、そんな馬鹿な、という顔をした。
ガーダ橋ほど簡単なものはない。側面の板を正確に切り出せれば、あとは楽にできる。いくつも作っているからこそ、言える。 

 上下のアングルはジグに押し付けながらハンダで付ける。チョン付けしておいて、大きな鏝で均せばできあがりだ。すべての接合面にハンダを浸み込ませる。しなやかな板が、途端に剛直になる。重い機関車が偏って載っても、大丈夫だ。
 バックリング防止の縦の補剛材は、角材を所定の長さに切って、アングルの厚み分を削って付ける。適量のハンダが浸み込んで隙間が埋まる。

vertical stiffener 二枚の板を木製ジグを挟んで樋状にする。底面だけに簡単なブレイスを入れる。こうすると捻りが効く。上が拡がらないように線でつないでおくが、その線は真ん中を曲げてΩの形にする。こうしないと捻りにくい。

 両端の台車部分を除き、これでできあがりで、本当に3時間でできた。この種の機能だけの工作は速い。鑑賞距離が1.5 m以上あるので、細かいことを考えても仕方ないのである。
模型工作は速度が命」というのは、半分は本当である。ひねくり回して、蘊蓄を語るが、30年経っても物が出来てこない人はよく見る。光陰矢の如し。人生は短い。


2018年05月10日

レイルの清掃

track cleaning 自宅に複線エンドレスを作って、電車を走らせている先輩がいらっしゃる。線路の清掃を頻繁に行わないとよく走らないらしい。
 線路磨きは何が良いのかと問われたので、リモネンの線路磨き車を貸し出した。その後の連絡ではとても調子が良いとのことで、その車を複製することにしたらしい。中のローラはペンキ塗りの回転刷毛だと言うと、早速買ってきて試されたそうだ。
 リモネンは臭くないし、気分が良いと言う。それは良いのだが、どうして線路が汚れるかを考えるべきだ。

 博物館の線路は、ここ1年磨いたことが無い。しかし、機関車は全くつんのめることもなく、極めて調子よく走っている。メンテナンスの手間はゼロである。
 軸重が大きいとかいう人もいるが、根本的な違いがあることに気付いていない。

 歯車がコンシールドされているからである。全てギヤボックスの中にあり、全く油が飛び散らない。

 最近今野氏のブログのコメントにその話が出ていたが、一体何人の人がその差に気が付くのだろう。スクラッチ・ビルトの機関車を見せて貰うが、歯車が見えるものばかりだ。少し工夫するだけで油が飛ばず、潤滑が確実な模型を作ることができるはずだ。
 連続数時間の運転をすれば、歯車が丸坊主になってしまうような機構では残念だ。
「外観より機構」というのは、売れないスローガンなのだろうか。

2018年05月08日

ニブラ

 転車台の回転橋を作り始めた。まず 0.4 mm厚の薄板を 35 mm幅、900mm長に切らねばならない。この橋は薄板を使って作り、捩じり剛性を低くすることに重きを置く。

 定尺の小板(365 x 1200 mm)を切るに当たって、シァで短く切ってつなぐことを考えていたが、圧延の方向による「目」を考えると得策ではないのと、つないだ部分の剛性が高くなるのを避けたかった。

81556_R-3 ニブラという道具がある。電動式で、1.6 mm径の刃物が上下して薄板(0.8 mm厚の鉄板、1.5 mm厚のブラス板)を自在に切り抜く道具である。
 ガイドも付けられるので、同じ幅で切り出すことが可能である。これを使えば簡単に同一幅のストリップができる。もちろん切り口は剪断面が出ているので、多少のダレはある。ゴムハンマで打って伸ばして、ヤスリを掛ければ問題ない。

 たまたま、northerns484氏がいらしたので、板を押さえて戴いて、一気に切った。あまりにも速くて、驚かれたようだ。細かい三日月状の切粉がたくさん出た。新聞紙を敷き詰めて行ったので、回収は簡単である。
 今回は板が薄すぎて、多少のダレがあったが、1 mm厚程度の板なら、後処理はほとんど要らない。写真を撮るのを忘れたのは残念であった。いやむしろ動画を撮るべきであった。900 mm を10秒程度で切れる。

 切った薄板はくたくたで、こんなもので橋ができるのかと思うほどしなやかだ。

2018年05月06日

駆動台車

plain truck, drive truck 駆動台車を間違えて作ったことが分かった。鏡像の形になっていたので、捨てて作り直した。軸間距離が異なり、イコライザ中心からの距離も異なるので、再計算して正確に孔をあけ直した。

 モータの載る台はピットの円筒面を避ける形になっていて、駆動輪と直角にモータが付く。適当な歯車でそれらしい形に減速装置を作り、載せておく。簡単な小屋掛けをして、雨に当らないようにする。ギヤはむき出しである。

oprator's cab キャブの色は悩むところだ。様々な実物の写真を見ている。あまり突出した色は避け、ありそうな色を選ばねばならない。
 濃い緑あたりに落ち着きそうである。屋根は黒、手摺りも黒にするが、手摺りの先端は白くする。あるいはトラ縞にする。

 中心のシャフトは Φ40 であり、それに嵌まる回転橋の中心部分を旋盤で挽き出している。厚いブロックをトレパニングという技法でくり抜いて取り付ける。位相をきちんと決めたら、留めネジで締める。ミスの無いように慎重な作業をしている。


2018年05月04日

塗装

 ミッチャクロンという下塗り材を大きな缶入りで買ってある。むらなく塗れる。缶入りスプレイでは橋の中は塗りにくいが、小さなスプレイ・ガンなら、わけない。
 上下裏表をひっくり返して丹念に塗る。ある程度乾いたところで、上塗りをする。調色した銀を、プログラムした順で塗る。橋が重くて大変である。
 
bridge painted 全部塗ってみると、極めて単調で面白くない。綺麗過ぎるのである。まるでプラスティックでできているような感じすらする。蒸気機関車時代であるから、煙突からの煙が当たるところは黒くしておこう。その他、汚すところは汚さないと面白くない。
 ガーダ橋は、あまり汚れがないものである。錆を含んだ水が垂れた様子を表す程度である。下の線路を走る機関車からの煙もあるが、完成してから汚してみたい。 

 連休中にレイアウトに取り付けたい。実はこの完成を心待ちにしている人が居る。レーザ加工をしてくれた工場の専務である。出来たら見せて欲しいと頼まれているのだ。あのややこしい部材が組まれるとどうなるのかは、作った側からしてみれば興味があるのは当然だ。
 次は信号橋の改築である。ステンレス板から切り出す。鉄板はさびやすいので懲りた。プラスティックの信号橋は、列車の振動で接着部分が外れて、いずれ壊れるだろう。


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2018年05月02日

上横構

portalbridge copleted うえよここうと読む。英語ではtop lateral という。橋の入り口は門構 portal で、中間にあるのが横構だ。天井部分の横構は上横構、床の横構は下横構、上横構を斜めに結んでいるのは lateral bracing である。右の写真では、デッキ材の上に置いてあるが、このデッキ材の厚さは61mmである。大体の大きさがお分かりであろう。

bridge to be finishedtop laterals 今回貼り足したのは、横構のガセットである。裏表に貼った。これを付けると、かなり細密度が増した。同時にトラスの座屈を防ぐフランジも付けた。これはハンダ付けしたかったが、錆を防ぐのが難しかったので思い切って接着した。例によって、スーパーXを用いた。力が掛かる部材ではないので、十分持つだろう。

 家まで持ち帰り、1時間かけてさび落としをした。細いところには便利な道具である。99%のさびが取れた。直ちにプライマを塗り、塗装を開始した。
 ひっくり返して回転させながら、下から見える部分すべてに塗装した。次に横に倒して内側を塗装し、両側を塗る。 
 最後に上から見る部分を全て塗る。たっぷり30分かけて塗装した。これでも後で塗り忘れが見つかるだろう。それは筆で塗ることにする。
 重い橋を回転させながら塗るのは、かなりの重労働である。明日は肩と腕が痛いだろう。

 それに引き換え、ガーダ橋は楽である。あっという間に完成した。乾燥を待って取り付け工事に掛かる。


2018年04月30日

またまたガセット作り

gussetsremoving gusset 仕舞ってあった工具を引っ張り出して、毎朝少しずつ打った。一部の大きなガセットに、貼り間違いが見つかったのだ。写真はまだ歪みが取ってない状態である。
 タガネを研いで当て、コンコンと叩いて剥がした。とても良く付いている。ヤスリを掛けて接着剤を完全に取り、再度接着した。

fixing gussets 小さいものは、見えないだろうと思って省略した天井部分のトラスに貼る。最近の高精細のカメラは、どんなものも映し出してしまうから困ったものだ。

 色は銀色とすることにした。古びた渋い銀色だ。フロクイルに"old silver" 色があるが、それにgrimy black (汚い黒)を足す。
 塗装の準備で忙しくなってきた。毎日少しずつ錆びを落としている。鉄板製であるから、仕方がない。一度サンドブラストでほとんど落としたのだが、また1年ほど経って錆びて来た。
 ひっくり返すと、接着剤がはみ出していたりするので、それを削る。

 塗装の手順を考えている。ひっくり返して裏側から塗り始める。側面の細かいトラスを忘れずに塗るのはなかなか難しい。  


2018年04月28日

plain truck, drive truck

 台車にボールベアリングの車輪を嵌めてみた。

plain truck, drive truck 台車は二種類あって、標準品と駆動用がある。後者のホィールベイスは少々長い。モータの重さが掛かる分、イコライザの中心ピンの位置が異なる。
 本物は24インチ径だから、12.7 mm径になるが、12 mm径にした。軸は Φ6 を旋盤で挽いて、作った。この写真は仮組みであるから、まだ全く仕上げてない。
 曲率は計算通りで合っている。滑らかに動くはずだ。

 図面らしきものがある。3面を表しているはずであるが、どれも一致しない。やはり単なる仕様書なのだろう。この図を見ると、ガーダ橋の下に台車が来るが、イコライザ・ピンの位置も描いてない。
 完璧なスケール・モデルを作る積もりでは無いので気楽に行きたいが、どの図面を見ても違うことが描いてあると、気分は良くない。

2018年04月26日

回転橋

fit in the pit 軌框とキャブをピットに置いてみた。この写真では上から見ているので、枕木の色しか目に入らない。色が薄すぎたかもしれない。濃くすることは簡単にできる。

 今デッキガーダを設計している。リヴェットは省略する。作っても見えないからだ。一番の難物は回転橋の上に立つ三相交流受電ロータである。振れが無いように作るのは難しい。細いふにゃふにゃしたものは、正確には作りにくいのだ。たとえ正確にできていても、回転橋に正しく取り付ける工夫が要る。
 電線を接続しなければ問題ないが、つないだ時回転によって、線が伸びたり弛んだりするのは癪だ。

bridge これは以前自宅用に作ったものの写真だ。ゴンドラ(無蓋車)のサイドが余っていたのでそれを活用した。斜めに切って、リヴェットを打ち足した。自宅のレイアウトの転車台は、すぐ間近にあってよく見えるからだ。 バックリング防止のリブは、これまた貨車の部品である。

 簡単なモックアップを作ってテストしたが、0.4 mm厚程度の薄板が良さそうである。もちろん補強は入れる。全体が捩じれなければならない。全ての支持車輪が密着して4点支持で、中心も含めて5点支持にする。要するに3点支持を二つ、つないだ形である。こうすることによって、各枝線との高さが揃う。

 今まで様々な実例を見てきたが、枝線との高さが、必ず合う作例は、まず見たことがないのだ。

2018年04月24日

trucks

ハの字 回転橋を支える4つの台車を作り始めた。ちょうど良い1.25 mm厚の押出し材のチャンネルが見つかった。高さ幅とも 9.9 mmである。
 それにボールベアリングを車輪として取り付ける。円周上であるから、軸は微妙に絞られる。計算するとサインが 1 / 35.3 である。シャフトを通すと、写真のようにハの字になって、424 mm先で交わる。この種の工作にはDROは役に立つ。計算値をそのまま穴あけして、できあがりだ。
 
 二つの台車を取り付けるビームはある程度の長さがあるので、取付け角度は3度以上ある。これは割出盤上でフライスを使って削り出す。大きめのブロックから8割以上を粉にして作ることになる。

 フライスで粗取りしてからヤスリで仕上げる。一度に一つしか見られないから、多少の不揃いでも問題ない。
 この台車の本物の写真が見つからない。全体を4輪で支えているタイプの写真は自分でもいくつか撮ってあるが、8輪タイプは無い。見えにくい構造であるから、機能だけで良いわけだが、支点の高さ等に興味がある。
 速く走るものではないので、どうでもよいが、気になる。8輪のうち1輪だけが、駆動用のようだ。それらしいモータの形の鋳物があるので飾りにそれを付ける。その雨よけの小屋掛けも必要だ。

moving hole with silver solder 支点位置を間違えたが、軸を通して銀ハンダで焙り付けしたのち、2枚刃のエンドミルで開け直した。こういう時は銀ハンダは便利である。銀ロウ並みに硬い。 

 橋の構造体の設計も始めた。900mmの長さで完全に直線にせねばならない。レーザ加工も考えたが、構造が堅くなるので、ブラスの薄板製にする。3つに分けて作り、接合する。

2018年04月22日

続々 operator's cab

operator's cab 壁はどういう構造なのだろう。波板であったり、相杓り(あいじゃくり)の羽目板だったりする。冬は寒いだろうし、夏はとても暑いはずだ。せいぜい1分間のことだから我慢するのだろうか。窓は横に動くタイプだ。出入り口とその反対の妻の窓は、はめ殺しである。
 吊り戸は、上2点と下2点で押さえているのだろう。上はレイルにはまっている。下は浮いてこないように引っ掛かっているのだろう。

operator's cab 屋根をどうするか、迷っている。磁石などで半固定できるようにするべきか、固着してしまうべきかだ。キャブの中は電車のマスコンのようなものが一つあるだけで、極めて殺風景である。
 写真のソフトメタル鋳物が見つかった。ちょうど良い大きさなので室内に取り付ける。室内にあるものは、あとは電灯のスウィッチだけだ。椅子は小さいものがあることもある。 
 
 回転橋位置決めのロック・レヴァをそれらしく付ける。動くと良いが、そのメカニズムを付けると、人形まで動かさねばならないのでやめる。その付近のプラットフォームには人形を配置する。

 回転速度は、円周レイル上の速度で毎分 200 ft 即ち約 60 mであることが判明した。時速約 3.6 km である。ということは、2分強で1回転である。重い機関車を載せて、静々と廻るのだ。当博物館の見せ場である。決して躓かず、グワーンと廻るはずである。

 この転車台はプロトタイプがあるわけではないので、あまり難しいことは考えないことにする。

2018年04月20日

続 operator's cab

 キャブをブラスの板から作った。長年の使用に耐えるように金属製としたのだ。t0.6 の板にけがいて、糸鋸で切り出した。うっかり快削でないものも半分混じっていたので、切るのに苦労した。最近は快削の材料しか使っていないので、そのつもりで切って糸鋸を折ってしまった。快削なら、1ストロークで 2.5 mm 切れる。
 
 昔は眼が良く見えたので、罫書き線の半分まで切るということもできた。ヤスリ仕上無しという工作をしたこともある。
 最近はすっかり諦めて、罫書き線の内側 0.5 mm あたりでやめている。それをヤスリで削り落とすのだが、万力は使わない。万力で締めると傷が付くから避けたい。

step helps filing 仙台の今野氏ご創案段付きアンビルを使う。例のフロイス盤の上に置いて、ワークを立てる。段に引っ掛けて、ヤスリを掛ける。
 本来の使い方ではないのだろうが、いつもこの方式で仕上げる。快削材は堅いので、曲がることは無い。ヤスリは勝手の分かっている専用のを使う。1ストロークで 0.15 mm ずつ削れるので、3回半でできあがりだ。こういうところは、慣れた道具を使うと見なくてもできる。と言うより、見るのが面倒なのだ。
step helps filing2 TMSに発表された今野氏の記事では、帯材の端面を仕上げる様子が示され、側面でヤスリ掛けしている写真があった。筆者はその使い方より、今回の使い方の方がはるかに多い。

 出来たら、油目ヤスリでバリを取って、ちょいちょいとハンダ付けしてできあがりだ。簡単な直角ジグで支えて付ける。ブラス工作は楽しい。なんといっても速くできるのが良い。接着剤を使う工作は、好きではない。

 今回の工作は気楽である。鑑賞距離が 1.5 m以上 と決まっているので、それらしく見えれば良いのである。細かく作っても意味がない。

2018年04月18日

operator's cab

 転車台の運転室 (cab) には規格があるようだ。手元にある図面のようなもの(多分、仕様書?)には、UP204 という番号が書いてある。おそらく、UPの common standard の番号であろう。それを探し出すことができれば、かなり詳しい図面があるはずだ。この図には各種の鋼材の寸法が示してある。発注時に使用するものだろうと推測する。

operator's cab foot print キャブは I 字鋼で支えられている。よく似た寸法のチャンネルを貼り合わせて作った。それに床板をハンダ付けした。キャブの扉は吊戸である。壁は金属製のようにも見える。窓枠は木のようだ。
 入り口から出たところにデッキがあるが、その支えの鉄骨は無い。ということは枕木の延長である。枕木を延ばしてそこにデッキ材を張ることになる。手摺は別個に付けられている。

 デッキの上には長いテコが出ていて、それで回転橋をロックする。大戦中は男手が足らないので、女性がその仕事をしていた。戦時のキャンペーンのカラー写真がある。写真写りが良いように、赤いブラウスの白人女性である。投入されたばかりの Big Boy の転換をしている写真はよく見たが、その原版がカラースライドであるとは思わなかった。
  照明の向きに注意されたい。レイルを合致させるときに必要な光だから、外に向けてあるのだ。キャブは黒である。1950年代の写真では赤く塗ってあるものもある。   
 不思議なのは、シャイアン、グリーンリヴァ、オグデンの3箇所にビッグボーイ用のターンテイブルが設置されたと書いてある本が多数だが、この写真はララミーで撮られたものだそうだ。珍しく、このキャブは浅い切妻である。   

2018年04月16日

続 軌框

tie lining-up jigremoving from jig すべてのキャットウォークの板を貼ってから、ジグを裏返し、枕木の安定のために貼ってあったマスキング・テープを剥がした。枕木を長い定規で押し込んだ瞬間に全ての枕木が外れた。肉を盗んだ効果は絶大である。

trimmed 直径は 900 mm(43.2 m) であるから、コンパスでけがいて角を切り落とす。cab (運転室)の位置を写真、図面等から確認し、追加のキャットウォークの材料を確保する。キャブ前のプラットフォームはかなり広い。 

 キャブの設計をした。UPの写真等から判断して、相当の大きさにした。木造かと思ったが、金属製のようにも見える。戦争中は真っ黒だったが、戦後は貨車のような茶色または赤になっているものが多い。どういう訳か、屋根はアーチになっている。

 操作盤は単純で、電車のマスコンのような形をしている。三相交流電動機のスター結線とデルタ結線を切り替えているようだ。それぐらいしか操作する物はない。ブレーキもなく、非常時は逆ノッチを入れたりしたのだろう。

 車輪は8個にして、2個ずつイコライズする。中心と合わせて5点支持だ。橋の構造体を薄い材料で作って捩じれるように製作する。そうすると回転時に、動きに落ち着きが出るはずだ。

2018年04月14日

軌框

turntable track もう一つの軌框(ききょう)を作っている。これは回転橋の線路である。枕木を整列させるのは、レーザで切り抜いた鉄板のジグである。前回の失敗をもとに肉を盗んであるので、外すのは楽なはずだ。隙間を一定にするのは、挟み込んだφ0.5ブラス線である。固着後、引抜く。
 
bottom view 左右に枕木を伸ばしてある。今野氏に作って戴いたものに、自分で製材したものを足した。イチイの木を丸鋸でスライスして、それを精密丸鋸盤で縦割りにし、さらに高さを揃えた。かなりの手間を掛けた枕木である。長さはジグにきっちり嵌まるように仕上げた。前回の傾斜枕木は、今野氏にお願いしたが、直方体なら自分でもできる範囲にある。
 オイルステインに漬けて浸み込ませ、金網の上に広げて乾燥した。中まで浸み込んでいるので、多少削っても色が変わらないのが良い。

top view この飛び出した部分に1/32 × 1/8 インチ(0.8 × 3.2 mm)の板を貼る。歩み板である。これは手摺が付くから、キャットウォークらしい。 良く固着してから、適当な長さに切れ目を入れる。多分実物長さで18フィート(5.48 m)以下だ。

 手摺は、たまたまデニスに貰ったものがあり、数を数えると何とかなりそうである。運転室はキャットウォークの外にある。かなり迫り出すので、それなりの鋼材で支えてある。

2018年04月12日

続々 guard rails 

 guard rail の先端をブラス製の別部品にして銀ハンダで付けた。全体を下向きに曲げて底をベルトサンダで磨った。調子よく削れて行ったのだが、突然ばらばらになった。洋白レイルは熱伝導が悪いので、摩擦熱が溜まって、ハンダが融けたのだ。仕方がないので拾い集めて、丁寧に手でヤスリ掛けした。
guard rails 耐熱板の上に並べて押え、再度ガスバーナで焙って付けた。昔この形の先端を見て、いつか作ってやろうと思っていたのだ。
 仮に置いてみた。枕木、レイルの位置関係はでたらめであるのはご容赦願いたい。レイル高と同じ厚さの板を貼りつけ、20度くらいの角度で下に曲げて、レイルごと削ってある。

 Oスケールの模型では、護輪軌条があると、脱線しない。片車輪を持ち上げて外に滑らせても、内側が引掛かっていて、落ち込まない。外の車輪はフランジで走っている。そのうち元に戻る。ガードレイルはいわゆるフランジウェイよりかなり広いが、模型のタイヤは厚いので、その隙間にタイヤが落ち込まない。完全なスケールの車輪ならば、はまる可能性がある。即ち脱線した状態になるだろう。それが本物の状態である。要するに、本物は脱線することを前提に、逸脱量を建築限界の中に収めるのが目的であると結論できる。

 博物館のレイアウトの周回線ができてから、かれこれ2年近く経つが、脱線はほとんどない。この一年以上無事故だ。一部の車輛のフランジにはフェルトペンで薄く印を付けてあるが、それが触った形跡もない。フランジで曲がっているのではないのだ
 そう信じている人もいるが、模型の遠心力の効果を計算するべきだ。フランジが当たるわけがない。ステンレスの摩擦係数が小さいことが大切なファクタだ。

2018年04月10日

続 guard rails

guard rails 護輪軌条の図がある。これはPaul Mallery氏の
Trackwork Handbook の中にある図だ。

 上の図はごく一般的な単線の場合だ。2本のレイルが熔接されて尖っている。橋の入り口からかなり出ていることが分かる。

 中の図は複線で護輪軌条が各1本ずつの場合だ。これは脱線時に橋の構造体にぶつからないためのものである。中心方向に寄ることに対しては全く考慮していない。through girder橋は進行方向に衝撃があると落橋する可能性が高い。この図はバラストが敷いてあるときの場合だ、と注釈にある。 

 下の図はバラスト無しの場合で複線の時である。複線の中心線に、ガーダー橋の構造物があるので、それに衝突しないようにしてある。いわゆる三主桁である。進行方向が決まっているので、尖っている方向はそれぞれ一方向である。

 ガードレイルは使い廻した古レイルを使う場合が多く、そうでなくても細いものを使うことが多い。日本の護輪軌条は橋から外の方向にそれほど長くは伸びていない。

 走行レイルとガードレイルはある程度離れているから、車輪が限界まで偏倚しても、ガードレイルに接触することはないようになっている。


2018年04月08日

guard rails

 護輪軌条の先端の形をどうするかは難しい問題だ。左右を接続するとショートする可能性が高い。走行レイルはスパイクで留められている。ガードレイルはそれに触っているからだ。尖端部分を別部品にして、接着するしかない。高さも低くなっているものを見たことがあるので、そういう形にしたい。

 護輪軌条は何のためにあるのだろう。要するに脱線時に車輛が橋の構造物に当らないようにするものだ、と手元の本には書いてある。橋の専門家の友人がいたが、彼の見解は違っていた。橋の構造物は、中で脱線が起こっても耐えられるように設計してあるというのだ。むしろ、入り口が危ない。そこに衝突すると落橋もありうるし、電車などは縦裂きになって死傷者が出るだろう。だから、護輪軌条は橋の手前を長くすべきだと言っていた。


 ガードレイルは、走行レイルに裏から接続部品を作ってハンダ付けした。現実にはまず脱線は起こらないから、形だけで良いのだが、取り付け時に外れにくいようにした。走行レイルと同電位だ。洋白は熱伝導率が小さいので、細い 58 W の鏝で楽にハンダ付けできた。しかも、手で持っていても熱くないのが良い。
 そう言いながら、手の甲を火傷した。水ぶくれができたが大したことは無い。不思議なことに、インフルエンザ以降、体調がいまひとつだったが、その日は妙に体が軽かった。少しばかりの火傷をすると、体調が良くなるようだ。要するにお灸だ。以前もそういう経験があった。因果関係はよく分からないが、面白いものだ。

 ガードレイルの取り付けられた曲線の線路は、非常に剛性が強くなり、曲率が保たれる。2800Rと2900Rの差は僅かだが、並べると正しく曲線間隔 100 mm を保っていることが分かった。

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2018年04月06日

abutment

 abutment 橋台は巨大な塊になった。曲線であるから、2本のガーダ橋が長さ方向に少しずれる。それを表現するためには合板を重ねたものをずらして貼り付け、最上部には支承を載せる部分を作る。どんどん貼り付けていくと、質量が 7 kg ほどにもなり、片手では持てなくなった。角の部分を45度に切り落とし、例によってベルトサンダで削った。
 この段の部分は評判が良い。実感味が増すという。確かにこれが平面なら、おかしなもので、おもちゃっぽく見えるだろう。実物の構造をよく見ている、と褒めて戴いた。

 樹脂塗料を十分に浸み込ませて固めた。磨いてさらに塗り重ねて、つるつるにした。こうしておかないと、切り口の師管が開いているので、穴だらけになる。

 側面は、レイアウトの他の部分と同じグレイに塗るが、コンクリートが見える部分は、コンクリート色を塗る。不思議なことに、アメリカで売っているコンクリート色の塗料は、どれも多少黄色い。どちらかと言うとベージュである。
 日本ではコンクリートは緑灰白色である。これは骨材の違いによるものかもしれない。

 合板の貼り合わせであるが、むしろ彫刻のような感じである。大きめに作って、丸鋸盤で切り落として、高さを合わせている。かなり無理をして工作している。
 高さ調整は、薄板を貼り合わせてするべきであったと反省している。
 

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2018年04月04日

続々 架橋

bridges2 中間の pier(橋脚)を煉瓦で、という話もあったが、煉瓦ではとても持たない。reinforced concrete 鉄筋コンクリートでないと圧潰してしまう。煉瓦ではこの3倍の断面積が必要であろう。 線路の隙間に立てる薄い橋脚なので、RCにせざるを得ない。

 トラス橋とガーダ橋が接続するので、支承の高さが異なる。また、角度があるので、その掛かり具合を計算するのが面倒である。
 遠くの方に板を立て、その中心の的に測距のレーザ光を当てる。そうして三角測量をしたのだ。面倒ではあるが、正確に測定出来た。計算値が現実の値と一致したのには、感動した。

 当時の配筋の図面を見たが、現在の日本の物に比べるとかなり鉄筋量が少ない。地震の少ない国であるから、垂直荷重しか考えていない。上から押されて潰れないように、樽で言えばタガの部分の配筋は考えてある。異型鉄筋がなかった時代であるから、鉄筋の先はすべて曲げてあった。鉄筋は3/4インチ径(19 mm)であって、かなり細いと感じた。

 この種の橋脚には、様々な装飾が施されている。アール・デコの時代であるから、当時のデザイナが工夫をして作ったのだろう。
 田舎の鉄道橋の橋脚など誰も興味を示さないとも思うのだが、この種の装飾が施されていたのは興味深い。この写真ではまだ、装飾が付いていない。 

2018年04月02日

続 架橋

bridges 不陸とは何か、という質問を受けている。読み方は”ふろく”である。”ふりく”という人もいるが、本来の言い方ではない。平らな屋根を陸屋根というが、これも”ろくやね”が正しい読み方である。床材などの接合部が、厚さの不揃いで凸凹していることを指す。
 日本では鉋で仕上げるのが普通だが、アメリカ人は巨大なベルトサンダを持って来て、全体を削り落とす。日本では、体育館などの床を仕上げる時に使う機械だ。
 細かいところは今回紹介した機械や、入り込んだ角を削る機械で削る。筆者の家の床は自分で張ったので、この種の道具を複数持っている。アメリカの床材はこのように削ることを前提にしているので、日本製のように厚みが完全に一定でない。出力が大きな機械を廻したままにすると、床にめり込んでいく。これは冗談ではなく、本当に起こることである。それほど削る力が大きい。

 今回のように角度を付けた仕上がりにするときは、角度の基準になる部材を所定の位置に取り付けて、その端面が出るまで当てていればよい。もちろんワークをどうやって固定するかは、かなりの問題である。作業台に専用の留め具を付け、作業台を足で踏んで作業する。相当な力が掛かる。

 合板の端面には無数に穴があいているので、油性ニスをたっぷり浸み込ませて2日放置し、固める。そうすれば、塗料が吸い込まれないから、下塗りをすることができる。

 護輪軌条はやや細いレイルを取り付ける。先端の形に悩んでいる。日本では内側に曲げただけのものが大半だが、アメリカでは左右二本を熔接したものをよく見る。また、下に曲げて、砂利に潜らせているものも見る。脱線したものをすくい上げることを考えているのだろうか。それだけ脱線が多いということなのだろう。

2018年03月31日

架橋

 pier(橋脚)を作っているところだ。いろいろな作り方があるだろうが、中身が詰まっていないと音が悪い。15 mm 合板を重ね、接着剤をたっぷり塗って、クランプで締め付ける。1日待てば完全に付く。それを角度切りできる電動鋸で切り落とし、強力なベルト・サンダで削る。出力は1.2 kW で、床板の不陸を削り落とす時に使うものだ。硬いオーク材を削るものなので、合板などあっという間に削り落とせる。削り粉がチリ取り一杯分できる。 

 上部の造作を追加する。この追加作業は一つづつ付けるので、手間が掛かる。ベルトサンダで余分を削り落としつつ、部品を付ける。凹んでいるところは、いずれパテを込めるので、気にしなくて良い。これだけで一つ 2 kg ほどある。

 接着剤で組んでいるので、硬化時間が掛かる。1日に2工程できないから、中々進まない。レーザによるレベル出しが出来ないので、かなり面倒な方法で高さを測定し、仮の橋脚を作って合わせている。なかなか進まない。
 上から見た投影図を実際の場所で原寸で作り、それに合わせて作っている。曲線上であるから、トラス橋につながるガーダ橋がずれていて、いささか面倒な作業だ。

pierpier1 トラス橋とガーダ橋をつなぐので、橋脚は二段になっている。実物を観察すると、かなり複雑な構造になっている。また、装飾を兼ねた補強が入っていることもある。UPの本線を跨ぐ橋の橋脚の造形が気に入ったので、それを採用した。

abutment2abutment 橋台(abutment)は単純な形である。これも中身が詰まっている。合板の切れ端を大量に貰ったので、惜しみなく使っている。左は 6 kg 以上ある。その写真はまだ削ってない時に撮ったもので、隙間がある。
 護輪軌条はまだ取り付けてない。

dda40x at 03:31コメント(0)木工 この記事をクリップ!

2018年03月29日

端数処理

 Fortyniner は1939年頃、毎週日曜日の朝10時にシカゴを出て、火曜日朝の10時過ぎにサン・フランシスコに到着する特急だった。もちろん蒸気機関車牽引だ。一時期、流線形の機関車が充てられていた。

 たまたま、この2輌の詳細な図面集を持っている。それによると窓幅は 2 ft 8-1/2 inという数字が良く出て来る。(2 + 8.5/12)x 304.8 ÷ 48 =17.1979 mm となる。これをそのまま使うわけにはいかない。
 祖父江氏はすべて 0.5 mm 刻みで図面を描いた。
「なーに、人間の眼は0.5 mm以下は分からねえんだよ。0.2とかの数字を入れると大変だし、無駄なんだよね。」

 この話をすると、ムキになって、
「僕は0.5と0.6のドリルを眼で識別できる。」
と言う人もいたが、それはできて当然だ。1割以上も違うのだからわかるだろう。
 ここでの問題は、20 mm位の大きさのものに0.2 mmという数字を、足しても足さなくても、見た目にはまったくわからない、ということである。0.4だったら0.5にし、0.8だったら1とすればよいのだ。工作上もそのほうがずっと楽である。

 全部の数字を0.5刻みで出して足し算し、全体の寸法があっているかを確認する。たいてい 1.5 mm 程度狂っているから、どこでごまかすべきかを決める。対称性のある場合は対称を保つようにごまかす。
 窓の角は丸いから、その丸味のエンドミルを持っているかどうかを確認する。側板は所定の幅で大量に切ってあるから、それをジグに挟んで窓を切り抜く。DROあればこそである。あっというまに多数の窓を切り抜いてできあがりだ。

 同じものが多数あれば、レーザのお世話になるが、1枚きりならDROが早い。  

2018年03月27日

続 床板

Pullman sleeper 1936年、UPはフル・ストリームラインの旅客列車を試作した。それは連接車で、台車間の距離が長いことを利用した二段の寝台車を持っていた。プルマン社の特許で、日本にはなかなか現れなかった。

49er 上下のスペイスを互い違いにして、単位長さあたりの収容人員を増やしている。上の部屋に行くには階段を3段ほど登る必要がある。側面の窓配置は、通路側と部屋側では当然異なる。これらの写真はPullmanの図面集からの複写だ。

 のちにその試作車は切り放されて、いくつかの列車に嵌め込まれて運用された。筆者が興味を持っているのは、"49er" である。Fortyninerは ”1849年にカリフォルニアに行った人”という意味である。
 1849年にカリフォルニアのサクラメントゥで金隗が発見され、そのニュースを聞いたあぶれ者たちが殺到したのだ。カリフォルニアの人口は、あっという間に10倍になったという。今では複数形にして、サン・フランシスコに本拠地を置くフットボール・チームの名前だ。 

 その名前を付けた列車で、ヘヴィ・ウェイトのプルマンと流線形客車を混成した列車だった。即ち、2輌だけ造れば一編成できる。そういう不埒な考えなのだ。屋根板もあるし、側面はフライス盤で切り抜いて窓を作ればよい。寸法さえ割り出せれば、出来たも同然だ。実はこの寸法割り出しが難しい。

 この車輌は連接車である。クラブの競作は”連接車”であった。たまには出してみよう。


Y これは何だろう。

2018年03月25日

床板

Central LinesCentral Lines 2 先日の写真はこの床板である。流線形客車の床板はスカートを一体にして作っていた。HOスケールのものはよく見たが、Oスケールのものはめったに見ることが無い。大昔に製造が終わってしまったからだ。製造時に材料の半分が粉になるから、すごい量のゴミが出ただろう。

Central Lines 3 これはサン・フランシスコのCentral Lines というところが作っていたらしい。スタンプが押してある。Google Mapで見ると、4階建ての煉瓦造りの建物である。材料はwestern red cederだ。これは鉛筆の木材であって、削ると特有の香りがする。


 しばらく前にスワップ・ミートで見つけて買った。2本しかなかったし、その片方が不良品で、鋸目が出ていた。要するに、少し細く挽いたものをルータに掛けたのだ。幅が足らないのでルータの刃に当たらなかった。帯鋸の痕がそのまま出ている。それが検査を通ってしまって、世の中に出たのだろう。修整が必要だった。

Central Lines 4 鋸目のある部分を削り落として、別の部材を強力な接着剤で貼り付け、寸法を見ながら削り落とした。なんとか見られるようになったので使える。何に使うべきか思い付かなかったが、最近、所属クラブの競作の題を聞いて、閃いた。


2018年03月23日

thrust bearing

 転車台の中心部にスラスト・ベアリングを入れることにした。今まではそれがなかったのだ。直径 900 mmの 15 mm厚ランバーコア合板製ディスクの外周には6個のラジアル・ボールベアリングがあり、それですべての荷重を支えていたわけだ。堅いディスクなのだが、微妙に撓む。撓むと、外周部の軌道が少しずれる。そうすると、普段走らないところを走ることになるのだろうか。少し音が変わる。 撓み量は実測で 0.2 mm 程度だが、機関車が載ると、無視できない量であろう。

thrust bearing ベアリング屋に行って注文した。NTNの円錐コロのスラスト・ベアリングである。高いものかと思っていたら、安くて驚いた。昼の定食弁当代以下であった。


 取り寄せに3日掛かったが、問題ない。Φ17のシャフトなので、内径 17 mm と 18 mmのスラスト・ワッシャを組にして、注文した。要するに軸が触る部分と触ってはいけない部分があるのだ。スラスト・ワッシャの平面度、剛性は恐るべきものである。油をよく拭き取って、重ねて押し付けると、そう簡単には外れない。日本製だそうだ。最近手に入るベアリングは外国製のものが多い。中国製には、回らないものまである。揮発油で洗うと切粉が出てくるのだ。許せない話である。駄目なものを安く卸しているのかもしれないが、迷惑千万だ。

 軸に入れてから、ディスクの上に立つ Φ40 の軸を支えるべき distance piece の寸法を再度測定した。かなり面倒な計算をして、寸法を決めた。作るのは自宅の旋盤で10分の作業である。

distance piece Φ30 の材料の外周、端面を削り、5/8インチ (約15.8 mm) のドリルで穴をあけてから、中グリの刃物で仕上げる。突切りで切り離して、できあがりである。硬い砲金の切れ端を有効利用した。照明の加減で、黄色く見える。
 現場に持って行って嵌め込み、ディスクを落とし込んだ。採寸は正確であったらしい。ディスクの外周部で 0.1 mm 程度の浮きがあるが、いずれ撓みが戻って落ち着くだろう。中心を支えるので、抵抗が格段に減少した。廻すのに要する動力は極端に少なくなる。一押しで2周する。ディスクを速く廻すと、集電装置が飛び跳ねてひっかかる可能性がある。そうするとまた作り直さねばならないから、ゆっくり廻した。
 スラスト・ベアリングは開放型なので、埃除けを付けたい。薄板を巻き付ければ良かろう。潤滑油も封入する。


2018年03月21日

続々 signal bridge

 signal bridge は荷重を載せることを考慮していない。もちろん信号装置、保守の人間は載っているが、それ以上のものではない。むしろ風によって倒れないようにすることが、主目的であろう。桁の部分に当たる風は、かなりの力で押し倒そうとする。即ち垂直荷重より、倒壊に対する抵抗力を大きくすることを主眼にしているのであろう。  

 太いH鋼で作ればよいだろうが、それほどのものでもないので、チャンネル材で作って、倒れないように補強を入れたのだろう。トラスにすると接合部に大きな力が掛かるので、全体に力が分散する方法を採ったのではないだろうか、というのが知人の橋梁屋の見解である。安く作れたはずだと言う。

 northerns484氏が探し出してくれた google map である。根元の部分の立体構造がよく分かる。Bachmann のものと似ているが全く異なるものであることが分かる。

 現在は加工に手間がかかる方法は採らないので、太い材料をドカンと使うそうだ。塗装も面倒なので、耐蝕アルミ合金を使ってあるものが多くなった。熔接した部材を現場で簡単に組んでいる。

 たくさんの画像がある。楽しまれたい。


 ところで、3月13日の写真に対してのお答は一つしか戴いていない。それは正解であったが、他の読者の皆さんは何だと思われただろう。若い方は見当が付かないだろう。

2018年03月19日

続 signal bridge

signal_b この図面をご覧戴きたい。Bachmannと同じだが、中ほど下の図をよく見ると線が入っている。ということは何かがつながっていることになる。Bachmannはそれを読み取れなかったので、こんな変なものを作ったのだ。誰も指摘しなかったのだろうか。


signal bridge アングルを組んだものではなく、その部分は板である。大きな面積の板を付けることによって強度を確保している。buckling(座屈)が起こらないように補強はせねばならない。この写真の赤線で囲んだ部分である。一体にして、土台と接合してある。
   このBachmannの右側の縦の細い材料は、浮いている。これが違和感の元だ。


DSC07907 PSCが韓国か中国で作らせている信号橋は正しく出来ている事もお知らせ戴いた。これを見ると安心する。これなら倒壊しにくい。しかし、ハンダ付けが怪しそうだ。
  


 博物館の信号橋はすべてプラスティック製であるから、いずれ壊れてしまう。ステンレス薄板をレーザで切ったものにするつもりだ。northerns484氏に作図をお願いしている。 

2018年03月17日

signal bridge

signal bridge 2 この signal bridge は、Bachmann という会社がかれこれ50年以上売っているものだ。元々はライオネルのレイアウトへの添え物的な商品であった。安くて簡単なプラスティックの組立てキットである。つないで 4線用に改造した。黒い材料なので、銀塗装している。信号機は未配線なので雑に置いてあるのはご容赦願いたい。
 昔の価格は2ドルしなかった。時々1ドル以下で売ることがあり、いくつか買った。自宅のレイアウトに置いてあったが、博物館のレイアウトに引っ越してきた。

signal bridge 3 この信号橋を初めて見た時、大きな違和感があった。これでは強風で倒壊する、と感じたのである。根元付近を見て欲しい。トラスになっていない。四角で構成されている。おそらく Bachmann は何かの図面を見ているはずだ。実物を参考に作っている、という感じはするからだ。しかしこれはダメだ。
 
IMG_2467 あちこちのウェブサイトで、Bachmannの製品を使ったものを見るが、非常に奇妙である。よくできたレイアウトなのにこれがあると、ものすごく違和感を感じる。折れそうな信号橋なのである。効き目の無いトラスほど怖いものはない。 

 40年近くその違和感を持ち続けていたが、しばらく前に northerns484 氏にこのことを話したら、図面を見つけ出して下さったのだ。それを見て、疑問が氷解した。見かけ上は図面と合っているのだが、構成が違った。 


2018年03月15日

翻訳

 日本ほど、世界各国の本が翻訳されている国もないそうだ。特に英語の本は、すぐ訳本が出る。素晴らしい訳ばかりではないのが残念だ。

 先日の「走れ‼機関車」は、なかなか良い。英語版が届いたので並べて再読した。なるほどと思わせる訳もあり、感心したところも多い。しかし、一箇所訳を外したところがある。その言葉自体を無くしてしまっている。訳せなかったのだろうか。

tricock valves水面計? それは、"tricock" である。おそらく辞書には載っていない言葉だ。これは蒸気機関車のバックプレートにある三つ並んだコックである。その中心付近に水面が来るように設計してある。水面計はあっても、ガラス管が割れることはよくある。また、水質の悪いところでは、水が泡立って、水面計では用をなさないこともある。そういう時は、この最も原始的な方法を採るしかない。西部ではガラスは貴重品で、ガラス水面計の無い機関車もたくさんあった。

 高いところのコックを開いてブシュッと蒸気が出れば、水面はその下にある。真ん中のコックを開いてジュワッと熱水が飛び出れば、水面はその上にある。もちろん圧力が掛かっているから、気化して泡立つが、水が出ることには変わりがない。Big Boyにもついている
 飛び出した熱水は漏斗で受け、床下に捨てる。こういう単純な装置なのだが、訳者は意味が分からなかったのだろうか。水面計ではまずい。アメリカに聞けばわかる人もいる筈だが、どういう訳か、この言葉は日本語版から削除されている。よく見ると、図には修正の痕らしきものも、見えないこともない。これはまずい。作者に失礼だし、読者にも同様だ。
 gauge cock として、このブログでも近いところまで紹介した。

 翻訳というものはとても難しい。作者と同レベル以上の知識の持ち主でないと訳せない。筆者も時々翻訳を引き受けるが、分からない時もある。そうなると知っていそうな友人を順番に当たり、さらに外国に問い合わせて、やっとの思いで正しい解釈にたどり着いたことがある。そういうときの焦燥感は終わってみると懐かしいが、その当時は大変だった。

 この本は素晴らしい本なので、直ると嬉しい。

2018年03月13日

続々 旋盤のカスタマイズを終了

 実は筆者はロウ付けはあまり好きではない。鉄合金に対してはロウ付けは良いのだが、銅合金に対しては材料が軟化するので使いたくない。HOの人はモノが小さいのでモーメントが小さく、あまり感じないようだが、Oスケールでは長くなるので、曲がりやすい。銀ハンダは、より低温で付くので具合がよく、強度も十分だ。融けても、あまりさらさらしていない。やや粘りがあるが、より高温にするとさらさらになる。固まると普通の鉛ハンダより、表面がざらざらしている。ロストワックス鋳物の鬆(す)を埋めるのに具合が良い。この銀ハンダは acid core である。塩化亜鉛ペーストが入っているから、ハンダ付け後、洗わないと錆びる。


 この旋盤が来てから半年になる。いろいろな作業に使ってみると、この位置に工具があるとベストというのが分かって来る。照明の位置も必然的に決まる。
 六角レンチはいくつか常備しているが、サイズごとに種類を変えている。サイズと形が結びつけば、迷うことが無いからだ。

 今でも落ち着かないのはスピンドルから飛び出している透明なチャック・ガードの棒である。安全スイッチになっていて、ガードを閉じないとモータが廻らない。ガードは邪魔で捨ててしまった。スイッチが切れると腹立たしいので、短絡した。突き出した棒はいずれ切り落とす。このチャック・ガードを使っている人は居るのだろうか。
 むしろ、横の歯車箱の蓋を開けると止まるようにするのが筋だ。マイクロスイッチを付ければ解決だろう。

 最近、旋盤の初心者からの相談をよく受ける。どなたも原型を保ったままで、使いにくいとおっしゃる。それはそうだろう。
 自分の使い勝手が良いように、切り捨てて増設するべきだ。機械に使われているようではいけない。「機械」を「工具」として使いこなすべきなのだ。これもプラグマティズムだろう。

Central Valley's ところで、こんなものが出て来た。何だろう。寸法が分かっているから、簡単だろうか。

2018年03月11日

続 旋盤のカスタマイズを終了

lathe customized 後ろの切粉ガードは高さが足らないので、合板を継ぎ足した。その時横に延長して、回転するコレットホルダを付けたのだ。コレット群は、手の届くところにあれば探す手間が減る。結局、この旋盤はER25コレット専用機となった。貫通穴が要らない時は鋼製引きボルトで引いている。手前に置いてあるのはコレットの締め外しに使う工具である。28.5 mm(1-1/8インチ)のスパナがなかったので、このモンキィ・レンチが常備品になった。長いので楽である。

 切粉ガードの中ほどに棚を付けて、QCTPなどの部品を置く。アルミのアングルで手前に落ちないようにしている。左右は解放で、飛び込んだ切粉を掃除しやすいようにした。

 10mmの厚肉パイプを 4つ、旋盤で挽いて切断し、ブラス板にハンダ付けした。各種の工具を挿すようにしたのだ。剥がれては困るので、銀ハンダで付けた。融点が高いが、ガスバーナで焙ればすぐである。

 すべてのハンドルを取り替えた。オリジナルはガタガタの細い回転ツマミであったが、正確に廻そうと思うとある程度の大きさが必要で、丸味があったほうが良い。M4のネジを M5に広げ、新しい回転するものと取り替えた。ハンドルの丸味は大切である。

silver bearing solder 銀ハンダについて質問を戴いている。これは銀を 4 %含む無鉛ハンダであって、融点は約 240 ℃ でやや高いが、硬い。また、引き剥がしにくい。アメリカ製であるが、同等品は日本でも売っている。筆者は無鉛ハンダは好きではない。流れにくいからだ。強度を要求される場所に使う。
 
 日本ではオーディオ用として暴利で売っているようだが、効果はあろうはずはない。鉛ハンダで十分である。
 
 通販で買うのが楽だ。銀ハンダは高価であるが、本当はそんなに高いはずがない。銀 1 g は数十円なのだ。模型屋で売っているロストワックス部品の方がはるかに高価だ。           

2018年03月09日

旋盤のカスタマイズを終了

through-hole pull bar 旋盤をコレット専用機としている。先日の写真はこれである。長い材料を順次送って細かいものを作るときに、貫通穴があると便利である。 
 筆者は貫通穴が必須だと思っているが、友人たちはあまり興味がなさそうだ。長い材料を使わないのだろうか。あまり長いと材料が撓んで面倒なことが起こるので、材料承(うけ)も作らねばならない。

 本来はスティールで作るべきである。薄肉鋼管が手に入っていたなら、全体をスティールで作っただろう。ロウ付けして剛性の高いものになるはずだった。
 しかし、せいぜい Φ6 程度の材料を掴んだコレットホルダの抜止めなので、手で締めるだけで十分である。したがってブラス製でも壊れないだろう。

 材料は、金属回収業者で手に入れた丸棒の切れ端である。最初にネジを切って、貫通穴を開けた。このように太くてピッチの粗いネジは、ダイスで切り込むと失敗して斜めに切れてしまうことがある。最初の2山は旋盤でネジ切りをして、ダイスを嵌めて最低速で廻す。卓上旋盤では無理な芸当である。もちろん脂を付けて、時々逆転して行う。ネジ切りは楽しい 。

index 握りは、フライス盤上で割出し機で廻して削った。単純な形である。径を大きくすると締めすぎて壊すので、小さくした。薄肉のブラスパイプを切って嵌め込んだ。フラックスを塗り、バーナで焙って銀ハンダで付けた。まずまずの使い心地である。


index2 この割出し盤は横にして心押台を使えば4軸フライスになるが、やらない。背が高いので、剛性が足らなくなるのである。もう少し大きな機械でないと、難しい。


2018年03月07日

フライス盤のカスタマイズを終了

 フライス盤の補強をした。

 この機械はコラム(縦の柱)が左右に倒れて斜めの切削をすることができるという、あまり聞かない不思議な構造を持っている。本来はワークを傾けるのが筋だ。批判を浴びて、直角固定のコラムを持つように変更になったようだ。

reinforcement この機械は傾ける機構のせいで、コラムが弱い。根元の剛性が足らないのだ。一番楽な補強は根元の部分に鋼製のアングルをネジ留めすることだ。大げさなものを考えていたが、スティールの肉厚アングル小片を見つけたのでネジ留めしてみた。ネジを締めた状態でやや大負荷の切削をして、途中で緩めた。切削痕を見ると、締めてあるときは、無い時に比べるとずっと良くなっている。測定器がないので手触りだけだが、凹凸が2/3以下になるような気がした。

 エポキシ樹脂を塗って、日本製のネジで固く締めた。これ以上のことは望まないことにする。ブラスの切削が主で、Φ6 以上の刃物は使わないから、これで良しだ。

customized milling machine 切粉が前に向かって飛んでくるのは避けたいので、1 mm アクリル板を使った防塵窓を作った。自在のホルダで位置調整できる。
 フライス盤のカスタマイズは、これにて一応、終了である。



  先回のお答えが少ないが、今のところ、すべて正解である。


2018年03月05日

タッピング

 最近は細いメネジを立てることから遠ざかっているが、タップを入れてある箱から、こういうものが出てきた。

tap holders 左が商品のオリジナルの状態である。右は直角に出た部分を打ち抜いたものである。細いタップを把持して回転するのであるが、左の状態のものはタップをよく折る。数本連続して折って、気が付いた。



 この横棒は無いほうが良い。人間の手は点対称にできていない。親指が2本ある人は良いが、普通の人はそうではない。この横棒にほかの指が引っ掛かる。筆者の経験では中指が犯人である。引っ掛けると、貴重な細いタップがぽきりと折れる。

 細いタップは高いので参ってしまう。先の方が折れただけなら、旋盤のチャックに銜えて、手で廻しながら砥石で磨って再生する。もちろん砥粒は受ける。
 折れた先は喰い込んでいるから、ステンレス塩水漬けで2日掛かって溶かす。多大な損失だ。

 横棒を抜くと、殆ど折らなくなる。細いタップ立てには力は要らない。下穴を多少大きめにすると楽に切れる。油を付けるとさらに楽になる。この2つを守れば、タップを折ることはない。筆者は小型電動ドリルの先に小さなチャックを付けて切ることもある。1.4 mmなら一瞬である。電動ドリルはしっかり保持して、即座に逆転する。意外に簡単である。ガラも使うが、電動も良いものだ。小型の自動逆転のタッピングマシンを作れないか検討している。細い電池式のもので十分だから、過電流を検知して逆転すれば良い。H5氏は、自動ではないが、細いタッピング専用機を作られた。非常にうまく作動するのを拝見した。

 もちろん、数が少なく、板が薄ければ、回転ヘッド付きのピンバイスも楽で良い。


XX2 ところで、これは何だろうか。丸い部分は直径 35 mmほどである。長さは 140 mm ほどである。スティールで作りたかったが、良い材料がなかったので、とりあえずブラスで作った。ネジは、M10-P1.5 である。久しぶりに太いネジを切った。

2018年03月03日

脱線

 脱線と言っても線路の上ではない。ターンテイブルの駆動部分にある集電用レイルから、集電車輪が脱線したのだ。うっかりそのまま廻したので、レイルは外れ、車輪が横に押されてばらばらになった。大事故である。完成してからでなくて良かった。

 原因は円盤を載せて組み立てる時、車輪が外れたまま、はめたのだろう。脱輪したまま回転させたので、レイルが外れ、車輪およびテコが壊れた。
 車輪幅が4 mmしかなかったのは間違いであった。精密に作ってあるから脱線しないはずだったが、組立て時のことを忘れていた。脱線はありうる。

electrical pickupsturntable disc すべての集電装置を外し、作り替えた。車輪幅は11 mmとした。レイルは細かく補強を入れ、ハンダ付けの数を3倍にした。もうこれで壊れることが無いはずだ。
 集電車輪ではなくローラになった。レイルとの接触痕は中心部につくから、問題は起きないだろう。回転させると6個のローラが廻る。抵抗はかなり少ない。

 ターンテイブルは、大きな精密機械であって、作るのは大変である。据え付けをするには3人がかりで支えなければならない。
 基盤は24 mmの合板、ディスクは15 mmの合板で作ってあるが、これだけ大きいと多少撓む。撓まないように補強を入れることにした。チャンネルを熔接して付けることになるかもしれない。回転部の中心は、スラストベアリングを追加することにした。


2018年03月01日

O Scale West

 カリフォルニアで開かれる O Scale West(以下OSWと記す)の、役員のM氏から1月ほど前、突然メイルが来た。個人的な話を除いて紹介する。

 貴君はここしばらくOSWに来ないじゃないか。もちろん貴君が何をやっているかは雑誌で見ている。面白そうなプロジェクトだね。それをやっていれば、こちらに来てくれない理由は分かるよ。
 貴君の他に、日本から何人か来ていたけど、昨年は誰も来なくなった。とても淋しい。日本人はもうOSWに何も期待できないのだろうか。それとも、もうコレクションが終わったのだろうか。沢山買っていたようだから、それもありうると考えている。
 OSWの開催時期を5月に変更したのも何かの原因だろうか。以前のように2月のほうが良かったのだろうか。思うところを聞かせてくれ。
 この5月には貴君に是非とも来て戴いて、講演をお願いしたい。内容は博物館についてだ。皆、興味津々だからね。転車台の新しいメカニズムも紹介してくれ。
とあった。

 正直なところあまり行きたくない。例の時差を乗り越えるのが大変だからだ。しかし、わざわざ一本釣りをしてくれるのなら、有難いことである。ホテルに泊まらずに、みんなの家を順番に泊まれば良い、歓迎するよ。とあった。それは確かに有難い。節約できるものは節約すべきだ。H氏からは講演の詳しい予定を知らせよと言ってきた。まだ行くとは言ってないのに気が早い。

 果たして行くことになるのか、全く白紙であるが、様々な点で優待すると言ってはくれている。心は動くが、行かないだろう。

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