2021年09月25日

cabooseを作る 7

DL&H caboose これはAmbroid の D&H デラウェア&ハドスン のカブースである。木造車は末期には様々な改造を受けていた。窓を塞いだり、増設したりしている。そればかりではない。この個体は、鋼板を使って補強している。ターンバックルを締める部分から、車体の端までを補強している。

 木造車だから、事故での衝撃には弱い。最大限の補強を施したのだろう。Diagonal Braceである。この種の帯をgirthと呼んだのを聞いたことがあるが、辞書を引いてもよくわからない。 
 床下のターンバックルは、このサイズだとクイーンポストは1本である。締め方でポストが傾くのではないかと思うが、全長が短いので、締める量は少なく、許される範囲かもしれない。あるいは、ロッド末端のナットを締めれば解決するだろう。

DL&H caboose roof これもキュポラの天井板はブラスに作り替えた。裏に鉄板を張り、磁石で留めている。Φ2.5の小さなネオジム磁石なのだが、1つで十分な力がある。屋根上には機関車との通信用の灯火がある。これはエポキシのイモ付けでは弱い。細い針金を貫通させてハンダ付けし、鋳物にあけた穴に差し込んでエポキシ接着剤で留めた。そう簡単には取れないはずだ。

3 rollersround anvil 屋根板は3本ローラで曲げ、端の曲げられない部分は太い丸金床(Φ52)の上でゴムハンマで叩いて曲げた。




 しばらくは天気が良いので、塗装の季節である。全部で15輛塗る準備が整った。塗料を準備している。これはいわゆるカブース・レッドで塗る。

 これで木製カブースの製作は終了したはずである。何かの間違いで未組みが発見されないことを祈りたい。この種のキットは、craftsman kit と呼ばれる。1960年代にはO, HOとも、かなりの数が発売されていた。今でも手に入るものもある。ご興味があれば、求められるとよい。下地処理に時間を掛け、エポキシ接着剤を用いれば素晴らしいものが出来る。その他の接着剤では壊れやすい。特に瞬間接着剤(ACC)で組むと、壊れやすく、壊れたときに修復が難しい。


2021年09月23日

cabooseを作る 6

PRR ND 8-wheel このカブースもAmbroid製品である。ペンシルヴェイニア鉄道(PRR)の4輪仕様または8輪仕様とあった。NDタイプと呼ばれた。就役当初は長いリーフ・スプリングの4輪であったが、後に一部は8輪に改装された。

 木造車であるので、キュポラにはブレイスが付けられている。これは屋根に固定して、キュポラは上に抜けるようにした。もちろん位置決めピンを入れてある。

 これを作り始めた40年前は、走行性能の劣る2軸車は避けたかったので、ボルスタを付けて貨車用台車を付けた。しかし、それは実物の形とは全く異なるのでやる気が失せた。しまい込んで35年目に3D print で正しい形の台車が手に入り、日の目を見た。
 
 今なら2軸で等角逆捻り機構をつけるが、むしろ、少し重くしてリーフスプリングを柔らかく作ると、素晴らしい走行性能を示すだろう。それはやってみたい。完成させてからでも、下廻りを取り替えるだけだから、難しくはない。軸箱等は用意できる。

 PRRのカブースは、デッキ部分にある種の共通性があり、それらしく見えるように作った。最近のエポキシ接着剤は扱いやすい。鋳物製の梯子のような直立する部品も、割合簡単に付けられる。端面に塗って部品を直立させ、テープなどで仮留めするとそのまま固まる。余分は、溶剤を付けた綿棒で拭き取れば良い。もちろん端面は平らに削って、接触面積を大きくすることが肝要である。接着剤の厚みを最小限にすることだ。点接触では、いくら接着剤がその周りにあっても、剥がれる。

 この色も茶色味を帯びた赤である。昔のディカールが所定の性能を保持しているかは、すでに怪しい。

2021年09月21日

cabooseを作る 5

Ambroid NP caboose これはNorthern Pacific 鉄道のカブースである。24 ft(7.3m)だから、かなり短い。内野日出男氏が、TMSに 4-8-4(Northern)を発表したときの背景にも写っている。これはQuality Craftではなく、その前身のAmbroidの製品である。木部の仕上がりがとても素晴らしい。
 内野氏はすぐ組み立てたが、筆者は部品を紛失して、それが見つかるまで10年以上頓挫していた。その後、部品が見つかってからも30年ほど進展しなかった。今回十数時間掛けて、生地完成まで持ち込んだ。調査して、キットの図面に描いてない部分も作った。

Ambroid cement Ambroid は、接着剤のブランドである。日本では、昔のセメダインCが近い。溶剤にニトロセルロースを溶かしたものだが、かなり可塑剤が入っているように思う。パリッとは剥がれにくいところが優秀である。金属もかなりよく付くが、キュポラの4隅が、今回珍しくも剥がれた。再度、エポキシ接着剤で付けたので、大丈夫だろう。

 ある人によると、接着剤の販売促進用にキットを売り出したと言うが、それはかなり信憑性のない話だと思う。それ以前にこの種の木製クラフツマン・キットはいくつかあり、それにはAmbroid Cementを使え、と書いてあった。おそらく、Ambroid の経営者の中に鉄道模型の趣味のある人が居た、というのが真相だろう。Ambroid とは、「琥珀のようなもの」という意味である。色はやや飴色で琥珀に似ている。固まったものも少し柔らかい。
 琥珀とは、古代の植物の樹液が埋もれて出来たものである。要するに松ヤニを長時間蒸し焼きにしたようなもので、宝石ではあるが有機物である。

 木製キットを組むにはエポキシ接着剤が良い。エポキシは混合直後はかなり粘度が低く、流れて沁み込みやすい。デッキの縦の針金を端梁に接着するときは、それを利用する。木材に孔をあけて針金で出来た手摺を差して、根本に少し接着剤を置く。2分経ってから見ると、孔に流れ込んで針金の周りには無くなっている。入らなかった残りは、綿棒に溶剤を付けて拭き取る。綿棒を一定方向に回転させるのがコツだ。そうしないと綿の繊維が抜けて残ってしまう。溶剤は、スプレイの液を用いれば良い。 

 この種のキットは、もう組める人が少なくなった。一時期は奪い合いになるほど売れたが、現在では e-bay などでよく見かける、しかし特定の機種は全く出てこない。HOもあるが、素材の粗さが相対的に2倍になるので、表面処理はなかなか大変であろう。もともとはOスケールから始まったので、自ずから限界はある。 


2021年09月19日

cabooseを作る 4

PRR N6A 気になっているカブースにPRR N6Aがある。これもQuality Craft の製品で、木部の寸法が正確である。すなわち車体はすぐに組めるが、そのまま放置されていた。その先は、相も変わらず難行苦行である。キュポラはソフトメタル製である。突き合わせ部を正確に45度に削り、隙間なく組めるかを確認する。輪ゴムで縛ってエポキシ接着剤で留めた。天井の梁を作り、ネオジム磁石を埋め込む。屋根板はブラスで作り、裏に薄鉄板を貼る。こうすれば密着し、隙間もなくなる。

 キュポラを支えるブレイスを取り付け、細かい手摺を付けていく、この作業が一番大変で、午後全部を費やすことになった。

 デッキの手摺は細いブラスの帯板に孔をあけ、リン青銅線を差し込んでハンダ付けする。細い帯板の中心に孔を開けるには、このOptical Center Punchが有効である。完全に真ん中にあくので気持ちがよい。もちろん細い穴をあけるには、この高速電気ドリルが必要だ。 

 組み終わると、苦労も忘れる。赤く塗ることにした。PRRは時期により、様々な塗りがある。赤かった時期も、その赤はいわゆるカブース・レッドではない。わずかに茶色味を帯びた赤である。

2021年09月17日

余分なハンダを取る

 このカブースの屋根は、木製だったが、ブラスに作り替えた。細かい手摺等を接着しても、取れてしまう可能性が高いからだ。

 板に孔をあけて、手摺の針金を突っ込み、ハンダ付けする。ハンダは十分に付け、孔の中外によく廻っていることを確認する。こうしておけば、まず取れることが無い。余分のハンダはどうやって取るべきだろうか。

minimizing slolder 殆どの人はキサゲで落とし、ワイヤブラシで磨くことを考えるだろう。筆者は熱いコテで下から加熱する。2秒で終わる。この方法をやってみせると、大抵の人は目を丸くして驚く。

 融けたハンダは液体であり、コテはハンダを吸い取るのだ。重力で流れ込むのである。条件として、コテの表面がよくハンダでぬれていることである。ガリガリに錆びていては、うまく行くわけがない。

 もう一つの条件は、ハンダが完全に融けなければならないということである。63%スズの共晶ハンダであれば、融けた瞬間に完全な液体になるので、ハンダゴテに吸い込まれる。共晶でないときは、ザラザラしている状態(こしあん状態)があって、融け切るまで流れにくい。

minimizing solder 筆者は、殆どの場合、共晶ハンダしか使わない。その理由を聞いた人がいるが、このハンダ吸い取り術が、簡単に使えるからである。この写真の矢印の部分が、吸い込んだ後である。孔に挿した針金の周りに、富士山の裾野のようにハンダが残るが、その他はすべてコテに回収される。下はこれから処理する所である。
 ハンダはブラスの板の表面に残っているが、めっき程度の厚みで、気になる人は削ればよいが、その意義があるかどうかは人によるだろう。

 筆者はハンダを削るということをあまりしない。ブラスに傷がつくのが嫌なのだ。塗装すると見えてしまう。このめっき程度の膜は塗装するとほとんど見えなくなる。



 400号あたりのTMSのミキストに山崎氏が、この操作を書いていたのを覚えている。それも一回きりで、その後全く出て来なかったと思う。普通のハンダを使う限り、この吸い込み法は、よほど大きなコテを使わない限りうまくいかない。おそらく、やった人が成功しなかったので、広まらなかったのではないか。 

 祖父江氏は、流れ作業で作ったものを、順次ひっくり返してハンダを吸い取っていた。その手捌きがあまりにも見事で、見とれていたことを思い出す。大きなコテでハンダをたっぷり溜め込むのだ。溜まったハンダは回収して再度使える。みなさんもお試しあれ。これが出来ると、キサゲの量が1/10になる。先日クラブで紹介したところ、評判が良かった。
 クラブ員の中にはハンダ付けのプロ(電子回路製作)も居るので、色々と補足して戴いて、充実したプレゼンテイションであった。 

2021年09月15日

Flanger

DL&H FlangerDL&H Flanger2 レイル間の雪を削る車輌である。スノウプラウを通してから、この車輌の出番である。分岐の無い線区を掃除する。途中に踏切があると大事故になるから、その線区を熟知した人を乗せる必要がある。

OCT.1973 MR この種類の車輌の説明が1973年10月号のModel Railroaderにあった。何度も読んだのでよく覚えている。本物は、レイルの内側を深くえぐるようになっているのだ。
 自作しようと思っていたが、1985年頃 Quality Craftから発売されたので、購入した。製品はこの図の方式ではなく、スキの部分が軌間に嵌るようになっている。ここが低いと実感的だが、当たると脱線する。

 この車輌も着工から30年以上掛かっている。目立つところに置かないとやる気が出ないと思ったので、陳列棚の一番前に置いたが、それでも20年ほど手を付けなかった。無意識に目を逸らせていたのだ。近年、台車を3Dプリントで作れたので、少し手を加えて生地完成まで持ち込んだ。近々塗装する。塗色が意外な色で、驚いている。一般的には、L&HR(リーハイ & ハドスン リヴァ)は青を基調色としている。

 多雪地方の車輛には興味がある。住んでいる地域は冬に積雪がある。日本海側からの雪道(峠を通って雪が吹いてくる通路)の下なので、北陸で豪雪があると、こちらにも少し降るのだ。標高がやや高いので、たまに大雪になることもある。天気図を見て、粉雪が降ることが確定すると、庭に仮設の線路を敷く。雪掻車を出動させて除雪をするのは楽しい。
 とはいえ、Oスケールでも、除雪は難しいものだ。スノウプラウにはシリコーン・スプレイを施し、ぬれを悪くさせると、なんとか掻き分けられるようになる。HO以下ではまず無理であろう。さすがに1番ゲージくらいになると、かなり実感的になっている。

 一時期、本当に除雪できるロータリィ除雪車を作ろうと思っていた。簡単そうに見えても、確実に除雪できるようにしようと思うと、かなり難しい事がわかった。電気ドリルの先にワイヤブラシのディスクを付けて、試してみた。模型のサイズでは、雪がロータまで届きにくいことが判明し、あきらめた。雪の粒子は小さくならないので、絡み合って「粘りけ」のようなものが発生し、雪掻車の左右の出っ張りで全体が押されて行く。粉雪であってもほとんどうまくいかない。この動画では、こんなに低温であっても、1番ゲージでさえも苦労しているのがよく分かる。このあたりのことは、Rheologyという学問領域にある。要するに、流れるものなのに剪断に抵抗するのである。ご興味のある方は、勉強されると面白い発見があるだろう。 

2021年09月13日

ゴム弾性 2 

 生ゴムは、中に反応性の高い二重結合をかなり含んでいるのですが、それは自分では反応しません。数%の硫黄を練り込んで加熱すると、長い分子間に適度な架橋が起こり、今までは弱い分子間力だけで束縛されていたのが、部分的に強力な共有結合で結び付けられるようになります。ある程度の自由な動きと、限界まで引っ張ったときの共有結合による束縛が両立する都合の良い構造になるわけです。輪ゴムを引っ張ると、最初はゴム分子の主鎖の高分子がほどけるにつれて長くなり、そのうちに硫黄の共有結合が限界を示します。それ以上引っ張ると切れてしまうでしょう。手を離せば、ゴムの分子は、存在確率がより高い、くしゃくしゃの状態に戻ろうとして縮みます。温度が高いと、分子運動が大きくなり、よりくしゃくしゃになろうとして弾力が強くなります。すなわち、弾力は絶対温度に正比例します。フックという物理学者はそれを見て、「ゴムは気体である」という有名な冗談を吐きました。

 考えてみれば、ゴム風船は縮もうとし、気体は膨張しようとします。運良く、その向きが逆ですから、風船の大きさは一定に保たれます。もしも、その向きが同じであれば、急速に膨張して爆発するか、収縮してしまいます。風船を加熱すると、気体は膨張しますがゴム弾性は増大するので、あまり大きさが変わらないのが興味深いところです。模様の付いた風船を膨らませて、一部をヘアドライヤで加熱すると、そこだけ縮むのがわかります。人の顔が描いてあれば、局部的に加熱して、しかめっ面をさせることも可能でしょう。

 すべての長大な分子(高分子)には、分子間力がある程度あるので、生ゴムのような性質を持ちます。シリコーンでは、-O-Si-O-C-O-Si-のような主鎖の間に架橋を起こさせなければなりません。一番簡単なのは過酸化物を加えることです。酸素による架橋が起き、安定化しますが、その安定度が非常に大きく、いかなる方法でも、主鎖が切れない状態で架橋を切ることは出来ません。(終わり)


 というわけで、シリコーン・ゴムが曲がっているのに力を掛けても、加熱しても、形は変わらない。製造時にまっすぐ保つしかないのである。水平に置けば。潰れていくであろうし、垂直では伸びてしまうであろう。水平に保持した細いパイプの中でゆっくり回転させるしかなさそうだが、決して出来ないというほどのものでもない。これを実用化できれば、称賛を得るであろう。このままではだめだ。  
 最近連絡をもらった友人からは、シリコーンゴムは外れやすいとのことだ。摩擦が小さいので、軸から抜けてしまうのだろう。あまり優秀な材料とは思えなくなってきた。


2021年09月11日

ゴム弾性 1

 Y氏からのゴムについての質問に、詳しく説明した返事を送ったところ、その説明はブログで公開する価値がある、とのことであった。一般人はゴムの構造についてほとんど知らない、と感じられたのであろう。
 手紙に少し補足したものを、ここに示すことにする。

 加硫というプロセスは、非常にうまく出来ていて、よくこんな方法を思い付いたものだと、いつも感心します。ゴムタイヤは熱いアスファルトの上を走っても、高圧の空気を充填しても、弾力は保たれますが、永久的な変形はありません。必ず元の形に戻ります。
 天然ゴム自身は、そこそこに弾力がありますが、チューインガムのようなものです。当然、夏はべとつき、冬はパリパリになってしまうので、ゴムというものは発見されてから100年以上も、うまい使い途が見つけ出せなかったのです。

 アメリカの図書館でこんな話を読みました。
 Goodyearという人は、ゴムの改良に勤しんで、全財産を使い果たしました。いよいよ明日は家を追い出されるというときに、ヤケを起こして、実験材料を蹴り飛ばしました。たまたま、そこにあった焼けたストーブの上に硫黄との混合物が落ちて焦げ始めたので、あわてて払い落としました。するとその塊は生き物のように跳ね返り、実に適当な弾力を示すことがわかったのです。次の日に、債権者たちに実演して見せて、それで窮地を乗り切ったと言います。たまにはヒステリィも効果があるのでしょう。(結局の所、Goodyear はブランド名には残りましたが、企業家としては失敗したようです。)

 加硫は米語では vulcanization(英語では  vulcanisation)と言います。火山 volcano と関係がありそうな綴りですね。熱と硫黄を使うのでその名がついたのです。


2021年09月09日

木製貨車をブラスで作る

 木の板を隙間なく張った側面を再現するには、ブラスの板に細かい溝を彫らねばならない。そのための専用の工具もあるので、簡単ではある。しかし、その後の処理をどうするかについては、説明を見たことが無いように思う。
 圧延された金属板には、目には見えないが、表面には残留応力がある。それを溝彫りによって断ち切ると、反りくり返ってしまう。その補正は難しい。エッチングも同じことである。片面に模様がつくと、反りくり返る。模様のとおりに、裏から見ても分かる凹凸が残る。また、腐食の速度も場所によって異なるので、表面の彫りの状態が不均一となる。
 これを防ぐために、エッチングを施す前にブラスの板は、焼き鈍される。だから、エッチングされた板は腰がなく、くたくたである。以前にも述べたように、細いアングルは縦溝をエッチングして曲げてあるので、話にならないほど、くたくたである。きちんとしたプレス型上で曲げて加工硬化させたものとは、比較できないほど駄目である。

Look inside さて、最近よく登場するF氏は、金属加工には深い造詣のある方で、次のような手法で解決している。木板張りを表現するために、裏表に同様な溝を彫ってある。こうすれば打ち消し合って、板は曲がらない。もちろんすべての溝が同程度の深さでなければならないのは言うまでもない。この方法で、腰が強く、扱いやすい側板ができる。
 伊藤 剛氏の遺作の修理は、F氏により、この板を使ってなされた。

 サンドブラストを掛けても、残留応力で反ることがある。日本のメーカで、サンドブラストを導入した頃、テンダの表面をそれで綺麗にしたのだそうだ。すると全て反ってしまって、作り直さざるを得なくなった。本当はハンダ付けが上手な人が作って、キサゲでわずかに余分なハンダを削って仕上げる程度が良かったのだ。しかしサンドブラストで梨地になると高級感があったのだそうだ。韓国製はエッチングした板を使っているから、反らない。その代わり、剛性がなく、重いものを鷲掴みにすると歪んでしまう。

2021年09月07日

caboose を作る 3

Nickel Plate Road このNickel Plate 鉄道のカブースは、長年探していたものだ。45年以上前から様々な媒体で写真を見たが、キットは全く見つからなかった。塗装が可愛らしいので、購入者がすぐ組んでしまうのだろう。
 人気があるので、後継のGroor Craftが再生産に踏み切ったのは30年ほど前だ。一瞬で完売した。これは友人に頼んで入手したものだ。

 作りは、Quality Craft(Weaver)の手法を踏襲しているが、多少寸法精度が良くない。特に厚みが怪しいから、よく考えて作らないといけない。何も難しいことはないが、図面だけからの情報では、満足の行く形にはなりにくい。要するに図面があまり良くないし、また板の厚さが正確とは言い難い。接着剤はエポキシを使うと、時間がかかるが、沁み込んで固まるので、丈夫なものができる。

 白い部分のディカールは、白帯全体を貼るようになっているが、成功の確率は小さい。文字部分だけを貼るつもりだ。

 この模型の下塗りはオイルステインである。アメリカで普通に売っている家具用オイルステインに漬けて、完全に沁み込ませ、それを乾燥硬化させた。中で固まっているので、上塗り塗料が沁み込まない。普通はラッカ・サーフェサを塗るが、それは表面だけに載っている。中まで硬いと、サンドペイパで削っても、具合が良いことが多い。またカビが生えなくなるというのも、利点である。
 オイルステインはアマニ油でできているので、樹脂化する。日本で市販されているのは樹脂分が少ないから、これと同じ結果は出ない。

 これで、塗装できるカブースは6輛となった。しかし未完成カブースは木製4輛、ブラス製6輛ほどある。先は長い。

2021年09月05日

caboose を作る 2

SF caboose このカブースはSanta Fe の木造車である。30年ほど前、Quality Craft 社(現Weaver) のカブースのキットをかなりたくさん購入した。見つけ次第、全車種である。機関車を持っている鉄道のカブースは、すべて手に入れたことになる。社長のBob Weaver氏を訪ねて話を聞き、興味を持った事が大きい。1970年の発売時のキャッチフレーズは、
 You can say, "I built it."
であった。確かにまともに作ると最短で4日ほど掛かるが、当時の他のキットと比べると格段に素晴らしかった。
 キュポラ部分はソフトメタルの鋳造品であるから、重心が高くなる。床に錘を貼って重心を下げた。

SF cabooses Santa Feは、木造も鋼製も同じ形をしている。3輛ある。 左から順に木製、US Hobbies(安達製作所製)、Lobaughである。色も同じでTuscan Redトスカーナ地方の屋根の色)になる。大抵の場合、屋根まで同じ色だ。

Lobaugh SF caboose 次は、Lobaughのを完成させねばならない。オリジナルのブラスの屋根を切り抜き、キュポラを脱着出来るようにした。こうしておかないと窓ガラスが貼れない。切り抜かれた屋根板は、孔の廻りが細くなって折れてしまうので、補強材を入れた。このキットは快削のブラス製であって、かなり硬い材料である。糸鋸でサクサクと切れて気持ちが良い。現物が走っていた時代に作られたものだから、寸法は正しいはずだ。 しかもLobaughはサンフランシスコの会社だから、現物を毎日見られた。

 Santa Feは、Wigwag という手旗信号のようなものをキュポラに付けていた時期がある。丸い板2枚を上げ下げして、機関車との交信をした。どのような交信内容だったのかは、調査中である。機関車側からは汽笛で返答だろうか。

2021年09月03日

caboose を作る 1

 組み掛けたまま20年以上放置されている貨車群を、毎日少しづつ手を加えて完成させている。目立つ所にたくさん置いてあるカブース群を、なんとかしたい。しばらく前に数輛完成させたが、まだまだ沢山ある。その中でもこのN&Wの木製カブースは手が掛かるので、敬遠されていた。着手してから、かれこれ30年は経っている。

 なぜ敬遠されたのかは、話すと長い。もともとは日本製のブラス製品を探していたが、手に入らず、たまたま見つけたこのQualty Craft (現Weaver) の木製キットを組み始めた。図面には何も描いてないが、このカブースの屋根は尋常ではない。多雨地域の鉄道であり、キュポラの屋根の僅かな庇(ひさし)にも、樋が付いている。その先は縦樋になり、車体全体の樋に落ちる。更にその先は、デッキの角の丸柱の中の空間を利用して、ステップ脇を通り、下に捨てるようになっている。

N&W wood caboose もっと思い切った構造にすればよいのに、手間を掛けた樋で、それを作るのは面倒であった。全体がブラス製なら、樋をハンダ付けしてしまえるので簡単である。木製のボディに、ハンダ付けして作った細い樋をどうやって取り付けるか、頭を悩ました。これで25年ほど遅れたような気がする。
 目立たないところに孔をあけ、金属樋から生やしたピンを挿し込んでエポキシ接着剤で固定した。なんと面倒な製作法であろうか。やっている自分が呆れるほどの手間を掛け、ようやく生地完成である。木部を捨てて、ブラスで作ればよかったのだ。

 やはりブラス製が簡単である。ハンダ付けなら一瞬で終わる。固定ジグを作り、テープで仮留めして1時間待ち、その部品同士をハンダで結合するといううんざりする方法で作った。フラックスは最小限にし、保護シートを置いてハンダ付けする。接合したらすぐに水洗する。下塗りがしてあるので、水は表面だけに付くが、沁み込むとまずいのですぐに払い、風を当てて乾燥する。

 キュポラの脇の4本のナット締めが興味深い。これは、キュポラからの監視要員が足を出して座る座席を固定するものである。

 色は赤いのだが、それをどこまで塗るか決めねばならない。屋根まで赤い時期があったのだ。屋根は当然褪色し、埃が積もって赤みは薄くなっている。黒っぽくすると楽だが、どうするかまだ決めていない。


2021年09月01日

クハ サハ

 国鉄の電車のクとサという記号の解釈は、諸説あるようだ。クはくっついているとか、サは差し込まれて走るからだとか、もっともらしい解説がある。それではモは何を元に作られた言葉なのだろう。
 もっともらしいからモなのか?そんなことを言う人は居まい。しかし、クとサの説明から考えるとそれでも良いではないかということになってしまう。すなわち、上記の説明は怪しい。出典を書いてあるが、それも実に怪しい。

 伊藤 剛氏は、20年ほど前、
「その種の説明をする人がいるから、ますます誤解が大きくなるのですよ。」
と、以下のような説明をしてくれた。

「最初に言わなければならないのは、これらはすべて英語から来ているということです。モーター・カーの、これは簡単ですね。はコントロール・カーのクです。なになに?コですって。発音はクォントロールだったのですよ。最近はコントロールですが、昔はクァ、クィ、ク、クェ、クォと発音する人はたくさんいました。汽罐車の漢字のルビ(ふりがな)にも、きくわんしゃ”と書いてあったくらいなんですからね。
 日本語のカ行の外国語表記には ”Q” の文字を使って、qua, qui, qu,  que, quo としたほうが良いと言った人も居たのです。最近の本に書いてあるような、『くっついて走る』は、当然間違いです。

 は難しいでしょうね。これはsubordinate carです。意味は追随する人、家来のことです。英語の辞書には、a person under the authority or control of another within an organization とあります。ほら、コントロールと対になっているでしょう。
 この言葉は、昔の教育勅語の英訳にありましたよ。”汝臣民は、父母に孝行を尽くし・・・” の英語訳の最初には、”Thou subordinate shall ‥‥”とありました。お前達付随車は、・・・という意味ではないですけど、まあそういう意味です。」

 英語に堪能な方だったので、様々な例を引き合いにして説明戴いた。ともかく、この分野の言葉は英語から来ていることは、間違いない。それを日本語の怪しい言葉で満足しているのは、明らかにおかしい。インターネットによって、その怪しい解釈を撒き散らすのは、やめるべきだ。


2021年08月30日

ダブルスリップの工事

double slip ダブルスリップの電動化工事をしている。リンク機構は出来ているので、それと接続するのだ。狭いところに確実に動く機構を詰め込まねばならないので、なかなか難しい。

 F氏が手伝ってくれると申し出てくれたので、3日ほど掛けて下準備した。一日で終わるはずだったが、難しいことがたくさんあり、結局丸3日掛かった。リンク機構を付けてから、元の配置に戻した。まだ電動機構との接続はしていない。軽く動くのを確認してからである。フラックスを洗い落としてから軽く油を注し、余分なところに引っ掛かりがないことを確認せねばならない。通過頻度の高い場所であるから、確実に動くことが要求されている。極性の異なる尖端軌条が近いところにあるので、気を付けている。 
 機能優先にした。もう一つのダブルスリップは観客の目に触れないところだから、もっと簡単な方式を採るつもりだ。それはモータを4つ付けることだ。DCCのプログラミングで、いかようにも出来る。

 この部分のレイルは、カツミ製のブラスレイルで、加工後に硬質ニッケルめっきを厚く掛けた。このめっきはとても硬く、そう簡単にはめっき膜を破れない。ヤスリが滑るほどである。砥石を使ってめっきを剥がし、小さな部品をハンダ付けした。 

 ダブルスリップは可動部が多いが、欠線部は少ない。可動フログが閉じているので、通過音は小さい。欠線部のあるフログも、Low-Dのタイヤ厚みで静かに通過できる。薄い車輪では、とんでもないことになる。 

 結局、下り本線は1週間ほど運休した。 

2021年08月28日

Floodlight Tower

 railtruck氏が正解である。

Floodloght Towers 高さ100 ft 約30 m の照明塔である。最大20個のランプが付く。この設計も northerns484氏にお願いした。0.8 mm厚のステンレス板の予定だったが、製造時に間違えてt 0.5 と t 1.0 の板を使ってしまった。やぐらは少し厚く、舞台部分はやや薄い。嵌合は少し調整が必要になったが、なんとか組めた。

 立ててみるとなかなか立派である。これ以上高いと天井からの圧迫感があるから、程々の高さである。奥の方にも、もう一本写っている(赤矢印)。実物の図面を参考にして作ったものである。

 LEDの色をどうするか悩むところだ。戦前はすべて白熱灯であった。後に水銀燈が用いられたが、色再現性が悪く、赤旗が赤く見えにくいという問題があったそうだ。それで2種を混ぜて使っていたということらしい。LEDの白は赤がよく見える。

floodlight tower  奥のもう一本を見てみよう。中にハシゴがある。実物の図面を見ると、30 mを一本のハシゴで登るようになっている。これはさすがに怖い。協議の結果、途中にlanding 踊り場を設けて、2段にした。 


 まだ他の場所にも立てる予定であるが、位置を決めるのは意外と難しい。  

2021年08月26日

樋型軸受

 一般的な模型機関車は、軸箱を持っている。それらは左右独立しているから、厚みが少ない。

「軸受」という専門書を図書館で読んだところ、軸受の厚みは軸径の2.5倍以上必要とあった。HOで言えば、Φ3 の軸に対し、7.5 mmを要求している訳だ。左右で 15 mmだから、ほとんど軌間に近くなる。それならば、左右を繋いで、角棒に孔をあけたものを使えば良い。この厚みが油膜を保持し、金属同士の接触を防ぐのだ。真ん中に孔を一つあけて、注油口とする。この孔は上向きが良い。パイプを挿して横に持ち出せば、注油が楽である。

Yutaka Inoue2 動輪を抜くのが面倒な場合は、樋状の軸受を使うべきだ。最近、この軸受を装着することを人に勧めている。押して動く3条ウォームを付けたHO用ギヤボックスの試作をしているので、それを装着した機関車の改良に用いてもらうためだ。全軸ボールベアリング化せねばならないと思っている人もいるが、この方法でそれに準じた性能が出せる。井上豊氏の記事では、ボールべアリングの外径が大きいので、台枠下端よりも下がった位置まで軸箱を張り出させる構造になっている。この樋状軸受なら、そのような加工は不要である。 
 もちろん内部はリーマを通してから、下側の余分なところを削り落とす。

 HOの B,Cタンク機関車の前の軸を一点で支えたいなら、この樋状軸受の上にレイル方向に溝を付けて、そこを押さえれば足りるだろう。軸そのものを押さえる方法が一般的だが、摩擦が大きいから避けるべきである。

Lobaugh drivers この種の軸受はアメリカでたまに見る。単なる角材に孔をあけただけのものは Lobaugh の製品に付いていた。これに油を注すと、ボールベアリングを装着したのかと思うほど、よく滑る。油膜の効果は大きい。油は低粘度のエンジンオイルを用いると、素晴らしい効果を示す。 

2021年08月24日

滑らかな駆動を実現するために

 滑らかな駆動を可能にするために、どのような工夫が必要かを並べてみた。ここでは機関車に限っている。重負荷での静粛かつ強力な駆動を実現することが目的だ。

 ー桓の改良
◆[匹ぅヤの選定・採用
 反トルクの処理
ぁー瓦困譟曲がり、軸方向の多少の伸縮を吸収できる継手の選定
ァ.ぅ灰薀ぅ献鵐阿悗寮気靴ね解
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 ぐ奮阿砲弔い討蓮∈道阿海海乃掴世靴拭ユニヴァーサル・ジョイントは正しい位相のものであれば、調子が良いことは当然であるが、それを実装出来る空間が足らないことがある。
 HO用には販売されていないと思われる優秀な継手があるので、紹介したい。

Hexagonal Joint KTMが1960年代から採用している六角ジョイントがある。このHOヴァージョンを作ることを提案する。



Hexagonal Joint Oスケールの製品はカツミに居た高橋 淑氏が、イギリスの雑誌を見て作った。ポリアセタール製の内部が六角になった部品と、面取りを大きくした六角ナットとの組み合わせである。微妙な軸ずれ、曲がりを見事に吸収し、静粛である。両側の内側に、Kadeeの細いリン青銅のバネが入っていて安定化している。角速度変化は極めて小さく、音が出にくい。
 六角穴のあるボルトに先が球状の六角レンチを入れる状態を考えて戴きたい。多少の傾きは許容される。

 この写真の右上が製品の長さである。この角度では見えないが、中央に薄い隔壁があり、両側から柔らかいバネで押しているので、継手が踊らない。  
 短く削って、使いたかった。六角の先端をネジ留めすると、留めネジが当たるので、そこをフライスで削って逃げている。六角は軸にハンダ付けあるいはロックタイトで留めても良い。
 HO用はこの半分の大きさに作れば良い。もっと小さいものも可能だろう。肝要なのは、六角の角を丸くすることだけである。
 
 継ぎ手は3Dプリントでナイロンで作れるであろう。特許等の問題は、開発当初から全く無かったし、さらに50年以上経っているので大丈夫だ。

 今野氏の極小Malletは、シリコーンチューブを使わずとも、駆動可能になるかもしれない。 

2021年08月22日

TMSの記事

MIXT 21 古いTMSの記事には良いことも書いてある。 
 21号のミキストには、「吊掛け式のユニットを作ると良い」と図まであるが、それっきりである。反トルクの処理がしてないと、このようにジョイントがよじれる様子を描いている。程度の差はあるが、シリコーン・チューブも同様によじれる。

 吊掛け式が良いなら、その理由も含めてしつこく繰り返し書くべきであったが、山崎氏はそれには何回も触れていない。単なる「感じ」で終わっているのは残念だ。
 
 駆動に関する色々な単元の紹介があるが、一回きりという例が多い。それは山崎氏自身がモデルを作っていなかったからであろう。見れば理解したと思っていたようだが、その種の能力はお持ちではなかったようだ。単に、誰かからの受け売りに過ぎない。きちんと頭に入っていないから、説明できていない。だから、TMSが存在しても、駆動方式、懸架方式の進歩はほとんど無かったのではないか。これは合葉氏も指摘していた。
 イコライザの理屈がわからないままに模型を作り、それが掲載されるということを60年以上も続けている。内野氏の4-8-4の記事は、まれな良い例外である。吉岡精一氏の監修が有効であった。ただ、重ね板バネを使っていないのは残念である。

 先のコメントにもあったように、高価な完成品のOゲージ模型の懸架装置が完全に間違っている。作る人が、理屈を何もわかっていないからだ。先台車、従台車ともに無負荷でぶら下がっているような模型がまともに走るわけがないが、それが輸出されている。恥ずかしいことである。理屈の分かっている人が、早い時期にきちんとした記事を書くべきであった。合葉氏はその働きかけをしていたが、山崎氏には、その気がなかったそうだ。

 先台車の心皿上にゴム板を入れるのは筆者のアイデアだが、これは非常によく働き、静粛化に大きく貢献する。動軸はたくさんあるので、たとえバネなしでもあちこちが微妙に撓んで衝撃を吸収するのかもしれないが、先台車はシリンダブロックとボイラに直結しているから、何らかの緩衝機構がないと壊れるし、音がひどい。ある程度の速度でポイントを渡らせると、先台車が通過する瞬間に、かなりの衝撃音を感じる。軸重は動軸の半分程度ではあるが、上部構造物の質量があるので、加速度が与えられると掛かる力は大きい。
 もちろん、そこには重ね板バネを入れるのが筋だが、その場所がないときには小さなゴムのワッシャを挟むだけで、大きな効き目がある。 


2021年08月20日

シリコーン・チューブについて

 様々な情報が寄せられた。その中でやや視点が異なるものがあったので紹介したい。あまりにも長いので短くした。一式陸攻氏のコメントに対するものである。

 ギヤボックスのウォーム軸端とモータ軸端との距離が小さいと、チューブのそこそこある剛性がトルクアームの役割を多少担っているので、前後進で差が出にくいという運の良い状況になっていたのではないかと思われます。そういう場合は少ないのですが、その方は一般的に通用すると思い込んだのでしょう。
 対する一式陸攻氏は、その運の良い状態がそこにあることに気付かずに、一般論を話しているので噛み合わなかったものと思われます。

 おそらくこの推測は当っていると思うが、いずれにせよ、軽負荷のときに限られる。重負荷ではゴムは捻じられてあらぬ形になる。この件については後述する。
 それでは軽負荷であれば万々歳なのか。軽負荷ではゴムの巻き癖の影響が、相対的に無視できなくなるだろう。01175氏のコメントにあったように、ギヤボックスがコトコトと動いているのに気付かないだけなのかもしれない。
 大型の 4-8-4 や 2-10-4 に装備するものとして適切かどうかは、自明であろう。もちろんボイラに十分補重して、勾配で長い列車を牽かせることを考えて欲しい。

 もしも、イモンが金に糸目を付けずに良いものを提供するという信念を持っているなら、シリコーンゴムのチューブをまっすぐ作って(決して不可能ではない)売ればよいのである。

silicon and silicone Silicon シリコンとSilicone シリコーンの現物の比較である。シリコンは、硬い結晶である。特定の方向には、エッチングしやすいので、ダイヤモンドの砥石刃で薄く切り、模様を焼き付けてエッチングしたり、特定の元素を沁み込ませたりする。これは切り残した部分。
 対するシリコーンはゴム状である。シリコーンは雨が入らないように絞り出して使う防水シール材である。英語の発音も似ている。前者はスィリカンで、3つ目の母音はなくなって2音節になることが多い。後者は語尾をコウンと発音する3音節の言葉である。どちらもアクセントは前にあるからややこしい。


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2021年08月18日

観測能力

 観測能力とは、ズバリ言えば、ものが見えているかどうかである。この動画を見るように勧めてくれた友人は、
HOの模型車輛の走りがショボい大きな理由の一つは、動態の観測能力が低いので、問題意識が発生しないせいではないか、と考えています。
と言う。HOは小さいから、ということなのかもしれないが、彼はHOゲージの人である。動体の観測というところがミソであろう。

 彼は自然科学者であり、観測という点ではエキスパートである。見えにくいものは、見やすくする工夫が必要である。視力が低下している人は、きちんとしたメガネを掛けて、よく見なければならない。シリコーン・チューブは本当にまっすぐなのか、長さの変化で無理をしていないかを、確実に見て欲しい。

 例の動画のような状態で、「ヨシ!これで良い。」と言う人は居るのだろうか。

 筆者の世代は、ろくでもないモータとギヤしかない時代に模型を作っていた。「ワーイ、走った!」の時代である。それでもよく走るように最大限の工夫をした。
 そんな時代は遠くに去り、良いモータ、ギヤ(場合による)、ジョイント(これは少々怪しいこともある)が手に入るようになっている。
 それらを組み合わせて、正しい鉄道模型を作ることは不可能ではないが、観測能力が低下していると、ろくでもない模型で満足することになる。 

 先に登場したOJを改良している友人は、筆者より年上だが、その観測能力は凄い。走らせたときの音、振動を丁寧に分析している。正しい鉄道模型を楽しんでいるのだ。

2021年08月16日

シリコーン・チューブ

 友人から、
「感心しない動画があるから、見たらどうか」
と言ってきた。これである。

 呆れてしまう内容で、見た後、気分が良くなかった。この動画を編集した人はどういう人なのだろうか。あれで調子が良いと言うのは、どうかしている。
 そもそも工業製品のチューブは、その寸法を考えると巻いて出荷する以外なく、生産されてすぐ巻くはずだ。ゴム弾性を示すものだから、加硫を施すわけだ。成分が異なるので、天然ゴムの仲間のように硫黄化合物を使うのではないが、ある薬品で架橋させてゴム弾性を作り出す。そのプロセスは一瞬では終わらないので、リールに巻いてからも多少は続き、巻き癖が付いてしまう。

 シリコーン・チューブはゴムではありません、とか書いてあるが、意味不明である。英語でもsilicone rubberシリコーン・ゴムと言う。ゴム弾性を示す物をゴムというのは正しい。正確にはエラストマ elastomerというが、そんな言葉を知っている人は少ない。天然ゴムを始めとする炭素骨格を持ったゴムではありません、と書くべきだろう。また、シリコンとシリコーンが混在しているが、これらは別物だ。 

 巻いているものを伸ばして使えば、当然回転にはむらが出る。OJの友人の模型は、それが原因で押しても動かなかったのだ。

 ところで、この動画中、ユニヴァーサル・ジョイントはうるさいということにしてあるが、どう見てもその音は位相が間違っていることに起因する。

 この動画では、いろいろな意味で、良くない事例をたくさん見せてくれている。送ってくれた友人はサイエンティストである。彼は、
「これが良いという人は、観測能力に問題がある。」
と言う。
 要するに目が見えていない、と言っているのだ。そういう筆者も視力が低下して居るから、大きな事は言えない。しかし、チューブの曲がりに起因する不都合と、ユニヴァーサル・ジョイントの位相の間違いによる不都合は、よく見える。 

2021年08月14日

続々々 またまたイコライジング

 前半のイコライザはこの図のようなものである。もちろん、この方法は自分で思い付いたものではない。

 近くの工場に、国鉄からの引込線の入替用蒸気機関車があった。小学生のときに下を覗き込んで、左右を繋ぐイコライザに気がついた。家で絵を描いて見たが、理屈はよくわからなかった。高校になって、もう一度見に行き、その模型を作った。うまく作動し、その意味を深く噛み締めた。一緒に見に行った友人は大変感心し、自分のも改造し始めたが、彼は若くして他界した。

 B型機のイコライザ構成はそういうものだと思っていたが、 それから40数年後、鉄道業界にいたある模型人が、
「そんな構成はありえない。」と否定した。
 どんな根拠でそれを否定したのかはわからないが、絶対にありえないと言う。後に、アメリカで現物を見つけたので写真を撮って見せたところ、絶句した。その後彼が何を言っているかは、定かでない。
「あれは間違いです。」などとは言わないと信じたい。 

 先入観というものは恐ろしい。根拠のない自信というのは、その延長上にある。筆者が客観性ということを繰返し強調するのは、それがなければ進歩できないからである。 

2021年08月12日

続々 またまたイコライジング

 合葉氏正しい鉄道模型という言葉を使った。それが全くと言ってよいほど、通用していないのである。
 先入観が大きい分野なのであろう。最近は「刷り込み」という言葉があるが、よく言い表していると思う。最初に見た模型の印象が強く影響するのだ。それが間違っていても、その間違いに気付けない。たとえ気付いても、「あの方がこうやっていたのだから、それでよいのだ」と考えるらしい。根本原理を考えることができれば、間違いを指摘できる。筆者は経験が少ないので、原理だけからしか考えることができない。しかしその結果は、客観的である。

 業界人は、自分が現場で見てきたことが世の中の全てだと思う人が多いように感じる。根本原理を考えずに、専門用語を散りばめて怪しい論理を展開する。そういうコメントはよく来るが、排除している。
 

 筆者の高校1年の頃の話だ。Bタンク機関車を持っていた。軸は固定で、走りは実に良くなかった。一念発起して、板バネで軸可動に改造した。当時は左右の動輪を抜きたくなかったので、軸箱は樋状のものを作った。
trough type axle bearing 角材の中心に正確に孔をあけてもらい、底の部分を切り取った。U字型断面にしてひっくり返したのだ。油を注すと油膜ができて摩擦が激減し、これは父に褒められた。ギヤボックスを抱かせ、吊掛けにした。
 前の軸バネの前端をイコライザでつないで、中点を台枠から下に引張り、三点支持にした。実によく走り、静かであった。3線式であったので、後に分解して処分したが、下側の写真を撮っておけばよかった。

2021年08月10日

続 またまたイコライジング

 先回の図の間違いはお分かりになっただろうか。4日間に多くのコメント、メイルを戴いた。
 確かにバネは利いているが、この機関車は転んでしまう。前に傾いて顎を擦るか、後ろに傾いて尻を引きずる。このイコライザ群は、しばらく前に扱った、仮想心皿と同じである。枕木方向に通る、目に見えない1本の回転中心があるから、それを中心に前後に振れる(ピッチング)。
 田中氏の記事では、錘を加減して水平になるようにしたとあるが、意味はない。イコライザ周辺の摩擦がかなりあるので、転ばなかったように見えるだけで、潤滑が良ければ、走行中に必ずどちらかの限界まで傾いて、運行不能になる。
 バネ付きイコライザの概念は、ここにも書いてある。この図の先台車が支えて、転ばないように働いていることがおわかりになるだろう。
 

 伊藤剛氏のファイルの中で、ある模型同好会の機関紙を綴じたものを見つけた。その記事で、HOのC58キット組みの再生をした話があった。
「イコライザを取り付けたら、機関車が前後にギッコンバッタンして困った。ひどい設計だ。先台車と従台車にバネを付けて転ばないようにした。」というようなことが書いてあったが、これも勘違いしている。設計は間違っていない。改造者が間違っただけであろう。
 その正解例のひとつとしては、従台車を無荷重にして、弱い線バネで軽く押し付けておく。錘の位置を加減して、重心を第一、第二動軸の間に持っていくことだ。先台車にはゴム板などを介して、機関車前部を載せると良い。このゴムがあるとレイルの突起を乗り越えるときに衝撃を緩和する。先輪の数が少ないので、無いと具合が悪い。

 イコライザに関する記事で、まともなものは、やはり少ない。合葉氏が、正しい鉄道模型ということを力説したのも、無理はない。以来30年以上も経っている。これほど理解されていない分野も、珍しいと思う。正しく理解している人は本当に少ない。

2021年08月08日

レーザによる切り抜き

What is this? 先回のお答がまだ少ないので、少し時間稼ぎのネタである。これは何だろう。大きさは100mm角より少し小さい。
 ステンレスで作ったから、ハンダ付けは容易である。熱が逃げないから、小さなコテで、よく付く。ハシゴなども作った。各種のハンダを使ってみた。やはりスズ63%のハンダに限る。これは液と固体の2つの相しか持たないから、一瞬で融け、コテを離すと固まる。また、液状のときの粘りはほとんど感じられない。隙間にするりと沁み込んでいくので、後で削る必要もほとんど感じない。この写真では60%のハンダを使った部分も写っているので、ハンダが盛り上がっているところもある。

field magnet 最近は、レーザ屋さんは忙しいらしく、少々待たされた。他にも色々なものを作ってもらった。厚いものでも平気で抜けると力説するが、さすがに38 mmの鉄心を一発で抜くことは出来ない。19 mmを2枚ということを考えたが、ネジ穴はあけられないらしい。厚さの半分くらいの穴なら、あくそうだ。仕方がないから、9.5 ✕ 4 = 38 とした。これはLobaughの調子の良さそうなモータの界磁鉄心である。このモータは550 g もある。界磁をネオジム磁石の強力なものにしてどうなるかをテストしたい。界磁磁石が強すぎるということも考えられる。電機子の電磁石など無視して磁力線が通過すると、アウトだ。どうなるだろう。
 Φ4.1 とΦ3.2の孔をあけたが、中に融けた鉄のかけらがあるので、ボルトが通らない。ドリルで貫通させておいた。周辺も微妙にカエリが出ていたりするので、ベルト・サンダで落とした。
 エポキシ接着剤で、4枚を貼り付けて組むことにする。 

2021年08月06日

またまたイコライジング

 古いTMSの整理をしている。たまに欠落した号が補充されると、バインダを開いて綴じ直す。その中で気付いた記事があった。

Tanaka 180号に田中長治氏の記事がある。田中氏は京都の方で、病床にあったにもかかわらず、ベッドの脇で様々な工作をされて発表されていた方だそうだ。その中で、イコライズしながらバネを利かせる工夫の図があった。4軸タンク機関車である。

 この頃のTMSには、イコライジング + バネの案はいくつか発表されている。その後、何を間違えたか、イコライズすればバネは要らないという”迷信”が世にはびこるようになってしまった。近代の模型的イコライジングの元祖である井上豊氏の記事が誤解を増幅したように思う。

井上氏は、
バネが要らないはずは無い大型機はバネがないと壊れてしまうだろうね。」
と、勘違いを一生懸命打ち消してはいたが、TMS読者全体には届かなかった。この世にあるイコライズされた機関車の中でバネが装備されているものは0.5%にも満たないであろう。 

Equalizing idea さて、これが田中長治氏のメカニズムである。一見うまい工夫のように見えるが、まずいところがある。Dタンクに付けたという条件で、考えて戴きたい。これはイコライザの落とし穴である。ネジが段付きでない、というのは、ここでは無視されたい。


2021年08月04日

TR47 再生産

 例の客車群を全数完成させたが、そのためには台車をたくさん作らねばならなかった。ブラス製の古いカツミの台車は廃棄して地金になり、新たに3Dプリントした台車を作った。

 前回の出力では、あまり表面が綺麗とは言えなかった。見えにくい影になる部分だから、シルエットさえ良ければ十分と思っていたが、そうは思わない人もいる。多少なりとも平滑な仕上がりを得たいと思っていた。

 ちょうど3Dの師のS氏から、最近は受注する工場が価格を上げて来たので、より平滑な出力方式と大差ない値段になったと知らせてきた。それならば、と平滑な出力方式に切り替えた。仕上がりには満足できた。下手なロストワックス製よりずっと良い。

new TR47 Low-Dを嵌めた状態である。実に簡単に組め、ひねりに対して柔軟である。
 客車の電装は済んでいないが、内装が終われば当然照明を付ける。
その時に付ける集電ブラシだが、実に簡単である。絶縁の必要がないので、台車に直接ネジ孔をあけて、ブラシの元をネジ留めすれば出来上がりだ。

 転がりは最高である。0.25%の勾配で滑り降りる。14輛編成で20 g重の引張力で足りるという驚異的な低摩擦が可能である。   

2021年08月02日

続 吊掛け駆動

 簡単で良いが、シャフトではいささか剛性が足らない。ショックを与えるとパイプが曲がり、修復不能である。自宅のHOレイアウトの上から動かさないなら良いが、クラブに持って行って見せている時に、ゴンと衝撃があるとまずいだろう。分解したものを再度機関車に組み込む時に、引っ掛かりがあっても曲がりそうだし、鞄の中に入れていても心配だ。ご本人は「大丈夫だ」とは言っていたが、移動時には何があるか、わからない。宅配便での配送は、こわくてできないのではないか。これはHOの模型の話である。大きなOスケールならば、脱線した衝撃でさえも、間違いなくアウトだ。大きいものは弱いのである。

 やはり、吊り掛け式の場合は、前回の図のように支持装置に十分な剛性が必要である。先にお見せしたギヤボックスの角は、その剛性のある腕を取り付けるものである。 
吊掛け駆動方式 これは、友人の依頼で作ったOJ蒸機用の吊掛けドライヴである。簡易な支持構造で、ある程度の剛性を確保している。腕は、チャンネルを使用しているので剛性は十分だが、多少のしなりは許される。駆動軸には小さな伸縮する自在継手を 用いているので、微小な”心ずれ”に対処できる。あまり剛性を大きくすると重くなる。剛性が足らない分、その時に生じる軸のずれはユニヴァーサルジョイントで解決すると、極めて滑らかに回転させることが出来る。ここにゴムジョイントを用いると、押して動かすことは難しいことがある。
 筆者のOゲージ機関車群と同様の、非常に滑らかな運転ができたので、作者は大喜びであった。

 筆者は、OJの蒸機の主台枠の内側がこんなに狭いとは知らなかった。ギヤを薄くし、ボールベアリングを薄いものに取替え、ギヤボックスを新製して、HO並に薄いものを作った。On3のギヤボックスはこれを使えるはずだ。 

2021年07月31日

吊掛け駆動

吊掛け駆動 非常に明快な、吊掛け駆動のさし絵があった。TMSの100号の記事に8号の絵が再録されていた。これは素晴しい絵だ。モータは自作なのだろう。軸を伸ばして、先にも軸受があれば、言うことはない。いわゆる棒型モータの原型だ。
 8号はあるが、紙が劣化しているので、あまり開きたくない。 早くデジタル化せねばならない。
 
 吊掛け駆動、トルクアーム、トルクチューブの区別が難しいという話を聞くので、新刊にその解説をすることにした。
 要するに、吊掛け式ではモータの重さの一部が車軸に掛かっている。後の2つはいわゆるカルダン駆動である。カルダン駆動では、モータは車体に固定され、ギヤボックスは自由に動く。カルダン軸は、ユニヴァーサル・ジョイントによるトルク伝達軸である。ギヤボックスに発生する反トルクは、いろいろな方法で押さえ込まれて、その結果として牽引力を生み出す。 

チューブはよじれる ゴムチューブによる接続はよく用いられているが、正しいところがない。ギヤボックスの反トルクを、ゴムチューブで承けることは出来ないから、妙なよじれ方をして、効率は下がる。前後進で調子が異なるものが大半だ。雑誌にはこの方法がいまだに載っている。全く進歩していない。

閑林式吊掛けモータ 30年ほど前、閑林氏は面白い吊掛け法を開発した。それはモータ軸を延長して、それをそのまま吊掛けの支持装置にしてしまう方法だった。すなわち、モータ軸を反トルクの伝達に使うわけだ。
 モータ軸にピッタリ嵌まるパイプを用意し、ギヤボックスから生えている駆動軸に挿し込んで、5分間型エポキシ接着剤を流し込む。モータを回転させながらエポキシ樹脂が硬化するのを待つと、心が出たまま固まる。ギヤボックスを台枠に嵌めて、動軸をセットし、軸箱の底蓋を留める。モータの後ろを台枠に半固定すると完成である。シリコーン・シーラントなどを使うと良いらしい。

 この方法には弱点がある。衝撃に弱いのだ。長くて細いものに、折る方向の力が掛かる。

2021年07月29日

貨車を完成させる

 台車を組み立てたので、未完成だった貨車に手を付けた。九割方できた状態で放置してあったものを集めて、完成しやすいものから手を付けた。

 どれも3時間程で完成し、塗装を待つだけとなった。博物館のヤードにはあと15輛分しか余裕がない。飽和すれば、自宅のレイアウトに逆戻りするものも出てくる。凝った作りのものは、ガラスケースに飾るという手もある。

GS gon これは随分前に紹介したものである。その後3Dプリントで下廻りを作り、今回は細かい工作をして、連結器高さの調整をしただけだ。
 3Dプリントで梁を作ったが、鏡像の部品ばかりだ。2回に分けて出力して、組み合わせた。染色して色を変えたので、わかりやすい。正確に出来ているので、無調整で組めた。これもS氏の設計である。これをブラスで作ることは、あまりにも大変で避けたかった。 

 角線に通す4 mm角の細かい部品は3Dでは作りにくい。厚さが足らなかったりして、何回か作り直した。この部品は、無理に押し込むと割れてしまう。内寸を正確に出力してくれないと手直しが大変で、しかも角度が狂うとみっともない。
 大きなものは間違いなく作れるが、細くて小さなものは難しい事がわかった。

 天気図をよく見て、塗装の日取りを決める。同時に塗る何輛かの下地処理も行っている。塗装の準備は楽しい。 

2021年07月27日

続 枕梁を更新する

 この枕梁は、快削ブラスの角棒から削り出したものを作ったことがあるが、上の3つの峰の部分を作るのが面倒で、一つ作ってやめた。

 その後10年も走らせていると、破損台車が20台以上溜まってしまい、なんとかせねばならなかった。もう供給が少ないので、修理する以外無いのだ。
 この製品は昔は安かったが、今はバネ入れの人件費が高いらしく、完成品は手に入りにくい。バラの状態では売っていたが、買う人がなく、それも消えてしまった。折れるから、枕梁だけは売っていたが、それも見なくなった。唯一の入手法は、コンヴェンション会場のスワップミートで、台車目的で中古貨車を買って、車体を捨てることだ。

 こういうものこそ、ナイロンで3Dプリントすべきである。見かけ上大切な、3つの峰と嵌め合い寸法だけは気を付けて、他は強度第一の設計にした。
 枕梁が割れるのには、もう一つのファクタがある。センタ・ピンの頭だ。もともとは4-40 (2.8 mm径) というインチネジのはずだが、日本ではM3のネジがちょうど良い太さで、それを使うように車体にメネジを立てる。このM3の頭は、台車枕梁の穴にぎりぎり入るので、ねじ込むと抜けることがないから便利だと思った。しかし、ねじ込むことによってストレスを与え、ヒビを生じさせるのだ。枕梁の穴には抜き勾配があって、ネジを締めると食い込んで広がるのだ。筆者はそれに気が付いて、その工法は止めたが、その後遺症が出ているのだろう。この方法は、直ちにやめるべきだ。
 もう一つ、光による影響がある。塗装してない台車は劣化が早い。 中古貨車の部品は劣化していることが多い。

fixed bolster  例によってバネを嵌めるのは大変だが、デンタル・フロスを使った。台車は古く、埃が積もっているのはお許し願う。 

 一部の台車にはボールベアリングを仕込んである。車重が1 kgもあるような貨車にはそうせざるを得ない。3本のバネは中くらいまで撓んでいる。浮いている状態だから、ポイントを渡るときの動揺が実感的である。

2021年07月25日

枕梁を更新する

 貨車の台車は、 Athearn のデルリン台車に敵うものはない。その低摩擦は、Low-Dと組合わせると無敵である。ピヴォット軸受であるが、軸重100 g重までなら全く問題ない。しかし、長期に亘って使用していると、たまに事故もある。

Athearn truck bolster 台車枕梁が破損するのである。一番多いのは黄色矢印の部分のひび割れである。徐々に疲労し、脱線などの衝撃で折れてしまう。折れなくても片側が開いて、枕梁が曲がる。すなわち、車軸が外れ、脱線する。この設計はまずい。力のかかるところの肉厚が、一番小さいのだ。ネジによる応力割れもある(後述)。
 二番目に多い事故は、赤色矢印の爪状部分の破損だ。これが赤の線で欠けてしまう。脱線などで、衝撃があると欠けるのだろう。これが無くなると台車枠は外れ、脱線転覆する大事故につながる。

 台車枠は、デルリン(いわゆるポリアセタール)であるのに、枕梁はポリスチレンである。とても弱い。リモネンを使って接着しても、他のところが割れてしまう。
 こんなところにポリスチレンを使うのは間違いだ。こういうところこそ、結晶性プラスティックを使うべきだ。どうしてデルリンを使わないのだろう。 

2021年07月23日

続 直角カルダン駆動

 最近、電車の動力をすべて入れ替えたいという要望が、友人からある。
「今までは外見を素晴らしくすることには努力してきたが、走りは今ひとつだ。このままでは面白くない。」と言う。

 友人たちは、筆者の車輛が音もなく走り、押して動き、なおかつ滑走するのを見ると心を動かされるようだ。
 博物館の線路には、ギヤボックスがない車輛の進入は禁止であるから、その本線上を走らせてみたいというのもある(油を撒き散らされては困るから、未整備車はお断りしている)。


D-21 by Mr.H この台車を見せられた。外見は素晴らしい出来である。作者のH氏はもともと本物の電車を作る会社に居た。押さえどころがしっかりしているので、シャープで実感的である。もちろんイコライザは可動である。センタピン位置が高いので、軸重移動はかなりある。

 モータ軸を延長して2軸に吊り掛けている。この模型では、油が飛ぶので、ウォームの寿命は短い。頻繁に取り替えねばならない。これを3条ウォームでやりたいそうだが、スペイスが足らない。
 1軸駆動なら出来るが、それでは嫌だと言う。乗越カルダンで2軸駆動でも嫌なのだそうだ。実物にもこの種の配置のカルダン駆動はある。さりとて、先回の動力を付けると、床下器具をなぎ倒すことになる。

「全軸ボールベアリング装荷にすれば、動軸が少なくても十分走りますよ。」と言うと、やる気が出たようだ。おそらく合葉式直角カルダンになるだろう。その方式ならば、駆動軸がおとなしいので、床下の改造は最小限で済む筈だ。

 New O gauge, New OJ gauge の時代は来るだろうか。 

2021年07月21日

直角カルダン駆動

 直角カルダンの電車を組立てている。もちろん友人のものだ。3Dで台車およびギヤボックスを作り、3条ウォームで駆動する。S氏の設計である。

直角カルダン2直角カルダン この電車の台車は、かなり低いところに台車ボルスタがあるので、駆動軸を通すには適する。何の邪魔もない。2軸を駆動し、その駆動軸は台車の外側で、ユニヴァーサル・ジョイントでモータヘとつながる。非常に単純な駆動方式である。設計が完璧なので、組立ては容易だ。ジャーナルにはボールベアリングを入れ、非常に滑らかに走る。

 このギヤボックスには需要があるので、注文があれば頒布するつもりだ。上部の角状のものは、反トルク承けの取付け用だ。不要な時は切り落とす。
 HO蒸機用のギヤボックスも試作している。歯車はたくさん用意した、と言うと聞こえが良いが、要するに大量に発注しないと引き受けないのだ。歯車屋は新しいホブを作って加工してくれた。極めて出来が良い、ツルツルピカピカのウォームである。効率は一段と良くなる。

 この台車に、合葉氏のアイデアの乗越カルダンを考えている。この方式は駆動軸の曲がりが少なく、効率が良い。両軸モータを使えば、2軸駆動になり、牽引力は上の写真のものと同等だ(スプリングベルトは使わない)。

2021年07月19日

続 クラウンギヤ

 クラウンギヤは、径が十分大きければラックと同等とみなせるが、20枚歯程度では歯型がでたらめである。点接触をしているから、摩耗がひどく、徐々に崩れていく。ピニオンが硬い材料なら、クラウンギヤが適度に減ってそれなりの形で、ある程度の時間使える。しかし、音がするし、効率も良くない。要するに、減ることを前提にしている。

 ところが以前見たものは、大きな40枚歯を硬質クロムメッキしてあった。これはまずい。そもそも、歯車をめっきすると歯型が狂うから、常識的にはしてはいけないことである。光っているから滑らかだと思うのは、勘違いである。顕微鏡で見ると、表面は粗雑だ。(自動車のエンジンのシリンダ内壁はクロムメッキしてから研磨してある。そうすると、その粗雑面の突起が削り落とされ、無数のクロムの金属結晶の隙間に潤滑油が満たされて摩擦を減らしている。)
 
 ところがそれを使っている人は、嬉しそうに「クロムめっきしてあるから減らない」との”効果”を謳うのだ。大ギヤが硬いと、ピニオンがどうなるか、である。そこで見たピニオンは8枚歯のブラスであった。小さいものを軟らかい材料で作れば、たちまち寿命が尽きる。潤滑油が飛び散る開放されたギヤであったから、あっという間であろう。ギヤボックスを付けない人は大半である。密閉式にして油溜まりがあれば、かなり違うはずだ。

 ギヤ比は、8:40=1:5 であった。割り切れるし、ピニオンが小さ過ぎて、歯型がおかしい。走らせるとギャーという音がするが、本人たちは至って無関心で、静かだと言う。重負荷を掛けると音がひどくなるが、そういう走らせ方はしていない。勾配がない線路しか走っていないのだ。また、各動輪が個別に駆動されるから、牽引力が大きいとは思えない。

 こういうことに注意を払わない人は多い。いわゆる腕の良い模型人にも、この種の人はいる。合葉氏の言う「正しい鉄道模型」の実現は遠いと感じる。

2021年07月17日

クラウンギヤ

 前回紹介した記事ではクラウンギヤが用いてある。これは意外だ。合葉氏に見せてもらったものはすべてウォームギヤであった。作られた時期によって違いがあるのかもしれない。

 合葉氏宅で話をした時、
「貴方はどうしてウォームを使うのか?」
と問われた。答は単純であった。
「静粛であることは、この上ないのです。効率も、工夫すればかなり上げられます。潤滑剤の進歩があり、他のギヤに勝るとも劣らないものができるはずです。」
と言うと、
「それでは、クラウンギヤについてはどう思う?」
と聞かれた。筆者は思い切って挑発的な表現をした。
「クラウンギヤは嘘で固めたギヤです。どこにも正しい部分がない。」
 合葉氏は腹を抱えて笑った。
「その通りなのだけど、そこまで言うかって感じだね。」

 こういうやりとりがあって、合葉氏は筆者のウォームギヤに傾倒していった。合葉氏と会う頃までには、筆者自身もウォーム・ドライヴの歴史については勉強して、実車にも使ってあったことを知っていた。
「初期のPCCカーにも使ってあったのです。」
と言うと、驚かれた。
「よくそんなことを知っているね。伊藤 剛氏は、名古屋市電800型で、それを近代化したのだね。名工大の先生にお願いして、より効率の上がる歯型を計算してもらったのだよ。PCCはその後、グリーソンのハイポイドギヤに切り替わったのだけど、そのギヤが精度高く出来るようになってからだ。」 
「軍用6輪トラックにも多条ウォームが使ってありました。」
と言うと、
「うーん、参った。我々はウォームギヤを再評価せねばならないわけだ。山崎氏は『ウォームは逆駆動出来ない』と、昔のミキストで断言していたので、それは間違いだと指摘したが、わからなかったね。モリコーのギヤも逆駆動できる細い2条ウォームだったのだけど、彼は全く理解しなかった。」
という会話があった。この時点で合葉氏は、
「貴方のウォーム・ドライヴこそOゲージの未来を切り開く。」
と述べた。


2021年07月15日

走行試験

 先日の記事を読んだHOの友人から、メイルを戴いた。

 ブログの合葉氏の記事は興味深く拝見しました。
 読んでいて思ったのは 日本のモデラーは日常的に走らせないから走行性能に関心が無い、というより判らないのではないかという事です。私の周りには、組線路でも良いから常設に近いエンドレスを持っている人はいません。出来た模型をせいぜい1、2メートル往復させるだけで、試運転完了です。

 やはり環境は大切だと思います。
 私は現在の家を建てる時に、多少お金をかけて、物置の名目で屋根裏部屋を作りました。もちろんレイアウトが欲しいと思ったわけですが、車輛作りの方が面白いので、組線路を敷いただけで30年経ってしまいました。でもすぐに試運転出来るのはありがたいと感じています。
 現在、左右どちらのカーブ上でも不具合が判るように、600Rを90度クロスを入れて8の字に敷いています。


 
確かに往復だけの試運転では、意味がない。この方のように8の字の形に敷くのは良い考えだが、筆者はそれにもう一つのファクタを入れたい。
 それは勾配である。3%程度の勾配があると、機関車の実力がよく分かる。もちろん負荷を掛けての試運転である。単機では意味がない。高校1年の物理の教科書を参考にすると、効率も計算できるだろう。

 読者の方から、合葉氏の指導を受けた方の記事を教えて戴いた。乗越しカルダンで、棒型モータではない。反トルク受けの様子が見たかったが、この写真でははっきりしない。
 合葉氏はスパーギヤによる平行伝動は好みではなかったことは先述の記事にもある。  


2021年07月13日

M10000の座席

3D print M10000の座席をアルミニウム板と木片から作り始めたが、形が揃いにくく、たくさん作ってそれから選る必要があった。その準備を始めたが、しばらく放置されていた。
 3Dの師のS氏から連絡があって、お願いすべきものを頼んだ。座席の話を出すと、空きスペースがあるからそこに突っ込めば安上がりだと教えてもらった。

 早速、簡単な図面と写真を送ったところ、たちまち図面が到来し、承認した次の日には造形が始まったようだ。あっという間に届いて、床板に付けられた。実は貼り足したアルミ板の厚さの分だけ高さを減らすのを忘れて、底面をベルトサンダで擦り落としている。

M10000 スーパーXで貼り付けて、塗装した。すぐ出来上がり、人形をごく適当に乗せた。例によって人形の足は切断したり、背中や尻を削ったりしているので、車内を覗き込まれると、具合が悪い。この種のあまり見えない造作は、3Dプリントで十分だ。簡単で、安価である。S氏には感謝する。

  例の「はと」編成の座席を作らねばならない。3Dプリントで作るに限る。参考になる図面を探している。  

2021年07月11日

直角伝導

 合葉氏は筆者の開発したギヤを、次のように分析した。

1. 直角伝導であるので、より大きなモータを搭載できる。
2. 密閉型ギヤボックスを作れるので、保守に手間がかからず、静かである。
3. 比較的大きなギヤ比が一段で得られるので、トルクの小さいモータでも使いやすい。効率は70%以上あるから、他の多段ギヤより勝ることもある。
4. 蒸気機関車にも電気機関車、電車のいずれにも使える。
5. カルダン・ドライヴが容易に実現できる。 

 筆者はこれを蒸気機関車用として設計したので、直角伝導は当然ではあったが、合葉氏はカルダン・ドライヴに拘った。やはり電車屋さんであるから、バネ下質量の小さなドライヴがお好きなのだろう。
 電気機関車などにはチェインを使う方式を示したところ、大変驚かれたようだ。サンプルを進呈すると、いくつか使う予定を示されたが、その実現の前に体調を崩されたようだ。 

Cardan Drive TMSの102号(1956年12月)に乗越カルダンの記事がある。これを読むと、合葉氏の気持が分かった。
 1軸しか伝導せず、ベルト駆動で他方の車輪を廻している。ドライヴ・シャフトはセンタ・ピンの下をくぐっている。ユニヴァーサル・ジョイントを介して、モータへとつながる。
 当時は小さなモータがなかったので、HOのモータを使っている。Oゲージのモータと異なり、慣性モーメントが小さいので、急に止まるのが気になると書いている。

 ユニヴァーサル・ジョイントの曲がる点は、実質的に1つしかないので、2つの位相を考慮する意味がない。台車は、剛氏の発案のスナップで留まっているので、台車は工具無しで、ドライヴ軸から外れる。台車内のジョイントはカップ型であり、前に抜けるようになっていて、反トルクはカップの中のボールで承けるようになっている。
 ベルト伝動は軸受での損失が大きく、筆者はやらないが、ジャーナルにボールベアリングを用いれば、効率はかなり上がるだろう。むしろ、ギヤボックスを2つにするほうが楽であるが、カルダン軸の振れ角は大きくなる。先日のM10000は、その方式を採った。

2021年07月09日

”New O gauge”

 最近、遠方からの見学者が2組あった。どちらも2線式Oゲージを見るのは初めてということだった。彼らは、列車が走るのを見て、愕然とした。もっとつまらないものだと考えていたらしい。ガーと走ってギッと止まるものだと思っていたと言う。

 サウンド装置の音が消されると、全く無音で蒸気機関車が走るというのは、かなりの衝撃だったようだ。また電源を切っても、貨物列車が慣性で走り、下り坂ではそのまま下って行くのには、かなり驚いた。また、列車全体の走行音が静かなのは、信じられないとのことだった。
「何が違うのですか?」
という質問を受けた。
 答は、
「すべてが異なるのです。」
である。見ているのはOゲージには違いないが、昔のOゲージとは根本的に異なるものであることを、昔の部品と比較しながら現在の部品を見せた。輪軸、軸受、歯車、モータ、レイル、道床、連結器のすべてが、60年前とは根本的に異なることを納得して戴いた。

「今のHOとも違いますね。」と聞く。
「もちろんです。精度の高い機械で作られた部品のみを用いて構成するとこうなります。歯車は無調整で所定の性能が出ます。音がしないというのが、その高性能の証明です。下廻りは精密機械と言えますが、忘れてはいけないのが、大きさの効果ですね。」と説明した。

「HOでは、これと同じことは出来ませんか。」と聞く。
「大きさの効果は如何ともし難いので、頑張っても同じ結果は出せないでしょう。」と言うと、理解した。
 やってみたいと仰るので、車輪と歯車、ボールベアリング、モータをいくつかお世話し、専用工具も渡した。線路も新規に購入するように勧めた。また、ゴム板の上に線路を敷くことも念を押した。一つでも手を抜くと失敗することは、強調しておいた。

 合葉氏の仰ったNew O gauge" が、60年遅れでやってきたのだ。鉄道の持つ特性が模型にも現れると、その素晴らしさがより感じられるようになる。本物を縮小しようとすることしか考えない人たちには、到達できない目標である。 
 筆者自身は、合葉氏のこの記事は読んだことがなかったので、全く独立に同じ結論を出していたことになる。吉岡精一氏もその結論を模索していたので、筆者と意気投合したのだ。

 既存の3条ウォームとコアレスモータ、ボールベアリングを組み合わせて高性能を得たのは筆者だが、合葉氏によれば、それは模型観を塗り替える程の世界的大発明だったそうだ。その割には普及率は低いのは知らない人が多いからだと思ったが、合葉氏の判断では「走らせている人が少ない」という、単一の原因なのだそうだ。
 だからこそ、走らせて見せるということを主眼に置くべきだと言ったのだ。博物館の建設の最初のきっかけはそこにある。

2021年07月07日

続々 合葉博治氏の記事

 合葉氏はOゲージを再興するつもりだった。その呼び水に筆者のメカニズムを使うことにしたようだ。二回目にお会いした時は、京王プラザホテルの会議室に呼び出され、ご馳走になりながら、その構想を聞かされた。その時、開発中のステンレス製 Low-D車輪、高性能な動力台車の見本などを渡した。合葉氏は一つ一つ確認して、たいへん驚いた。その時、慣性増大装置についても話した。
「貴方はすごい。どこまで先の事を考えているんだ。すぐには実現できなくても、その構想を書くだけでも、模型界は進歩する。」
と言われたが、実現するまで30年以上掛かった。

「10年前に出会っていれば、世の中は大きく変わっただろうね。でも今からでも遅くない。やってみよう。」
と言う。
「京王百貨店の中の特設会場で、60輛編成の列車がゆっくり動いて止まる、ということを見せれば、分かる人は分かる。山崎氏に見せつけてやるんだ。」
と言った。合葉氏は山崎氏に、「Oゲージの時代は終わった」と言われて癪にさわったようだ。
「精密機械としてのOゲージを見せれば、彼はきっと動く。」と言って、ニヤリとした。 

 その後、筆者は再度渡米し、滞米中何度か手紙を差し上げたが、返事が全く無く、帰国後大変な病気であることを知った。ご本人にもお会いしたが、大変お気の毒な状態だった。

 今回は、合葉氏の”New O gauge”という記事に触発されて、30年以上前の事を思い出した。当時の合葉氏の記事には正しいことが書いてある。他の外見だけの模型とは、一線を画した記事ばかりである。
「模型と工作」という雑誌にもたくさん図解入りの記事を書かれている。子供向けだが、真理を書いているのはすごい、と今でも思う。
 伊藤剛氏と双璧をなしていた。この二人が居なかったら、かなりあやしい状態になっていたのではないかとも思う。 

2021年07月05日

続 合葉博治氏の記事

 筆者は、自分の経験を話した。5歳のときから、3線式Oゲージを楽しんだが、中学生の頃、こんなのでは駄目だと思った。車輪の形、線路の構成、バネが利かないこと、モータの設計がおかしいこと、軸受の構成が間違っていることなどである。
 品揃えの良い模型屋に行ってバネ付き台車を手に入れたが、軸受はどうしようもないほどひどかった。全部自作する以外ない、と覚悟を決め、旋盤を買った。と筆者の模型歴をかいつまんで話した。

 父親から聞いたことを基に少しずつ実現していったが、それは決して平坦な道ではなかった。70年代初頭にアメリカの模型を見て、日本との違いを考えたのが大きな転機になった。車輪が鋼製の物が多かった。黒染めし、塗装してあるので錆は少ない。形が良かった。また踏面の錆は走らせれば落ちる。軸は鋼製で細かった。日本の半分の太さだ。 
 動力は、All-nationのは秀逸だが、その他はあまり感心しなかった。日本製の輸出品はよく出来ているが、走りは今ひとつだった。「モータが良くない」と、アメリカ製のモータに取り替える人が多く、歯車装置ごと取り替える人も居た。それらはとても良く走った。
 帰国後、祖父江氏と知り合って、動力改造で協力することが出来た。アイデアが形になるのは楽しく、様々な工夫を実現したが、3条ウォームに敵うものは無かった。Model Railroaderに発表したら、世界中から問い合わせが来た、という話をしたら、
「そりゃ当然だ。大発明だからね。しかも、貴方のには反トルク承けが簡単な方法で付けてあるが、こういうものも付けてない模型が大半なのだよ。有名な模型人が作ったものでも、合格点が与えられないんだ。力学の基礎なんだが、模型には関係ないと思っているのだろうね。そんな模型を雑誌に載せてしまうというのが、根本的に間違っている正しい鉄道模型というものを広めるべきだったのだよ。」
と述べた。

 モータを開放するクラッチの話題も出た。
「あれは駄目。1輛しかなくて、手で押すなら良いけどね。編成では事故の元以外の何物でもない。だいたいね、下り坂でどうするの?レイアウトで走らせたことのない人の発想だね。」
ということだった。当時は軸受にボールベアリングを入れる人は居ず、摩擦が多い時代だったが、さすがは電鉄会社の技術屋であって、見抜いていた。
「3条ウォームは押せばモータが廻るし、それで発電してもう1輛が動くところが素晴らしい。」
と、奥さんを呼びに行って見せていた。 

 筆者の電流制御のコントローラも持って行ったので、それを使った運転は、合葉氏の知的好奇心をいたく刺激したようだ。
「貴方の発想は素晴しい。鉄道模型界のノーベル賞だ。」と激賞された。 

2021年07月03日

合葉博治氏の記事

 TMSの100号あたりの記事を見ると、様々な試行錯誤が載っていて楽しい。あまり良いモータが無かった時代で、歯車も良くない。車輪はブラスの地肌で、車軸も軸受も同じ材料を使っている。フランジの先端は曲線でレイルに当たっている。車軸も太い。これではろくな走りは期待できない。

 合葉氏と初めて会ったのは1985年である。筆者の3条ウォームの開発記事を見て、興奮して電話を掛けていらした。呼び出されてお宅に伺った。機関車 2輛と線路10メートルほどとポイント1台を持って行った。廊下に敷いた線路を機関車が往復した。その時の合葉氏の興奮状態は、動画に撮ってあれば、Youtube で100万回の視聴が望めるほどだった。
「これだよ!これでなくっちゃ。」
と、惰行するのを楽しんだ。全軸ボールベアリング装荷のOゲージ蒸気機関車を見るのは初めてのようだった。しかも三条ウォームで軽く押せて、発電によって前照燈が点く。合葉氏は子供のように何十回も押して、楽しんだ。先台車の復元装置が本当に作動するのを確かめ、テンダの重さと摩擦の少なさを確認した。

New O gauge「昔ね、”New O gauge" というのを提唱したんだ。ほとんど反響がなくってね、10人くらいの人が賛同を表明したが、それっきりになった。Oゲージにはそれ以下の模型とは異なる魅力があるんだけど、走らせる線路の確保が大変ということがあるからね。」
 と切り出した。(写真はTMS97号1956年6月号) 

「良い線路、良い車輪、良いギヤ、良いモータ、良い軸受の5つが揃えば、怖いもの無しだったのだ。今のHOに、果たして、それがあるだろうか?無いんだよね。それじゃHOの魅力って何だろう。狭い場所でも走らせられる?HOでも自宅のレイアウトで走らせている人なんて、ほとんど居ないよ。それならOゲージのほうが良い。Oゲージの大きさ、質量は、鉄道模型の最大の魅力だよね。HO以下では、逆立ちしたって、できゃしないんだからね。」
と、大きさの効果(2乗3乗則)をまくし立てた。
「原さんのはスパーギヤでよく走るけど、工夫がない。貴方のは直角伝導で、より実用的だ。こちらのほうが良い。」と言った。

「今まで誰もできなかった。でも貴方はやった。将来語り継がれるエポックメーカだ。」
と、お褒めの言葉を戴いた。


2021年07月01日

「二人の模型人」を読んで

 先に発表した伊藤 剛氏の「二人の模型人」について、コメントやメイルで多くの方から、様々な感想をお寄せ戴いた。

 筆者としては、外観重視主義者と、筆者のような走行性能第一主義者との対比を考えていたのだが、殆どの意見が、16.5 mmと12 mmの対比に絡む内容であったのは、意外であった。筆者にとってはその問題はすでに過去のことで、意味がない。
 ゲージ(線路幅)よりもスケール(縮尺)が早く決まったなどという荒唐無稽な話を、根拠なしで流布する人たちとは対話できない。サイエンティフィックではないからだ。語学力の欠如の問題ではなさそうだ。

 それはさておき、ある友人から興味深い手紙を戴いた。部分的に公開の許可を貰ったので、紹介しよう。


 今回の「二人の模型人」を、興味深く拝読しております。一部の人々はHO/ 1:80をガニマタなどと誹謗し、12ミリ 1:87の需要を喚起しようとされているようですが、反発を買うばかりで、ますます12ミリ 1:87の未来を閉ざしていると聞いております。そもそも人様の財産にケチを付けること自体、品性や徳性といったものが疑われるわけですが、人体の欠陥になぞらえてあげつらうというのも、昨今はやかましくなった「コンプラ」的に、いかがなものかと思います。

 日本各地で問題になっている限界集落・その原因のひとつは、移入者に対する住人の偏狭な攻撃性だと聞いておりますが、どこの鉄道模型運転会の写真を見ても、OやHOの場合、参加者の方々の年齢構成から、限界集落ならぬ限界道楽という、つたない造語が脳裏をよぎります。

 今回「二人の模型人」を拝読し、70年以上も前に伊藤 剛氏が偏狭な価値観の押し付け合いに警鐘を鳴らされていたことを知りましたが、この言葉を我々が真摯に受け止めていたならば、現今の限界道楽的な状況はなかったかもしれませんね。


2021年06月29日

車軸の太さ

 M10000の改造依頼があったSE氏に完成した部品を送ったら、その日のうちに組付けして、youtubeにupされていた。あまりにも素早くて、驚いた。

 当方としての心配箇所は、付随車の台車の摩擦だった。送られてきた台車の車軸の回転は悪く、機関車の牽引力では牽けないだろうという感触があった。油を替えてみようと思い付いて、洗浄スプレーで溶剤を吹き付けた。もちろん回転させながら、念入りに洗った。乾燥後、Wako'sのエンジンオイルを注し、しばらく回転させて馴染ませた。再度洗って注油した。かなり軽くなったような気がする。200 gの錘を載せて斜面で調べると1.56%でも滑り降りる。 
 油は低粘度であるが、ミシン油より粘い。車のエンジンオイルを替えた時に缶の中に少し残ったのを取っておいたものだ。これでなくてはならぬと言うものではないが、適当な粘度で具合が良い。

 軸の太さ(半径比、テコ比)については、友人たちからいろいろな話題が出た。分かっている人にとっては当然のことだが、初めての人もいるだろうから、少し話をしたい。

 小学生のころ、インディアンが馬で引き摺って荷物を移動させる様子をテレビで見た。簡単なソリの片方を持ち上げて馬で牽かせるのだ。一緒に見ていた父は、「車輪にするとどうして楽に牽けるか、分かるか?」と聞いた。

 もちろんこの問題では、ソリには油を注す条件であり、それと比較するわけだ。これは小学生には難しい質問であった。答は、「車軸が細いから」であった。
 説明は、車軸の直径を車輪の直径の半分にするとどうなるか、から始まった。摩擦部分の速度が半分になるから、熱になるエネルギィが半分になる。それなら1/10にしたらどうなるというわけで、「車軸は折れない限り細くしたほうが有利だ」という結論を導いた。
 それ以来、車軸は硬い材料を用い、できる限り細くしている。潤滑は最重要項目である。


2021年06月27日

続 M10000の駆動方式

 モータの取り付け方法については悩んだ。この車体には奇妙な中間床板と言うべきか、サブ・フレイムがある。これは流線型の丸い外被を床に被せているから付けたのだろうが、あまり賢い設計とは思えない。大きなモータを付けてあったので、その孔が大きく、サブフレイムには剛性が全くない 。仕方がないので0.7 mm板で床板を張り、ネジ留めしたら、とても堅くなった。

M10000 truck  (1) モータは小さいので長孔を切り抜き、少し沈めた。沈め具合は孔の縁を斜めに削る事によって調整できる。そうしておいて、押さえをネジ留めすれば良い。ドライヴシャフトと同じ高さにしておけば損失は小さくなる。

M10000 power unit 台車内に集電ブラシを付ける。アースは車軸に、他方は車輪の中心に近いところを擦るようにする。DCCにする前の仮配線をして完成だ。余分な孔をあけた所はアルミニウム板で塞いだ。

 ついでにヘッドライトの配線もせねばならない。不思議なことにヘッドライトは2つある。一つは250 Wの前方照射であるが、もう一つは鉛直方向照射の100 W球である。アメリカの車輛には、たまにこういうのがある。
 蒸気機関車でもCN&Wの急行機関車は45度前方上方に向けたのを付けていた。夜間に見るとどの様な効果があったのかは、想像すると楽しい。 

 改造は簡単と思ったが、意外と手間取った。それは、既に形があるものを直すのは面倒だということである。思い切って下半分を全部捨てるべきであった。台車など見えなくなるのだから、それを利用することなどなかったのだ。機械加工で作った機能だけの駆動台車にすべきだった。そうすれば無調整で完成だ。この調整作業に多大な時間がかかる。 
 今回は自分のものと、友人のものを並べて作業したので、効率的ではあったが、かなり時間がかかった。 

2021年06月25日

M10000の駆動方式

3-thread worm gear 駆動台車の車軸には、新設計の3条ウォームギヤを装着した。新規発注のホブによる進み角21度の高性能ギヤである。これは希望者が多くなってきたので、いずれ頒布するつもりだ。HO用もある。現在ギヤボックスの試作中である。上の角はトルクアーム取付用である。必要がなければ切り落とす。 
 2つのドライヴ・シャフトを共通にして一本にすれば、反トルクはお互いに乗り掛かって、一挙に解決だ。普通の模型はそうなっている。先に述べた折れるドライヴ・シャフトは実に愚かな発想だ。

 自分で設計した台車なら、ウォームギヤの位置を決めて固定すればできあがりだが、この台車は怪しいロストワックス鋳物で軸距離が正確とは言えない。こういう場合はドライブシャフトを分割して、パイプで結び、ロックタイトで留める。台車にはめて、固まるまで、ごろごろと転がしていると間違いが無い。ほんの1分ほどの間である。 

  ユニヴァーサル・ジョイントはやや高級なものを使った。どこで求めたのかは忘れたが、ラジコン用である。片方がΦ2、他方がΦ2.5であった。位相は正しく、その位相でしか組めないようになっているのは素晴らしい。ラジコン屋で売っているユニヴァーサル・ジョイントは9割方、位相が間違っている。

  モータはEscapの18M61である。もう購入してから30年近く経つ。これは、このサイズで当時世界最大のトルクを持つものであった。希土類磁石を使っている。
 Old Black Joeに使った。40ft の標準貨車12輌(4.2 kg)を牽いて1.56%の坂をらくらく登る。


2021年06月23日

実験をすることの重要性

 友人が新たに組み立て式線路を作るので、材料を融通した。彼は道床にコルクを張るつもりだった。それは止めたほうが良いと言ったが、彼はコルクにも吸音性があると、比較的近年のTMSにも書いてあったような気がする、と言う。その記事は見たことがないが、実際のところはどうなのか、比較実験をするように提案した。

 彼は実験の価値を認めたので、ゴム板、コルク板を交互に使用した線路を作るように勧めた。線路と緩衝材との留め具合も変えるように言った。

 3日後、電話があった。
「仰るとおりでした。コルクは殆ど効果がないですね。カーッとかコーッとかいう音がします。ゴムの上で緩く留めたものは音がしません。大したものです。実験をして良かった。」
とのことであった。

 ところが、さらに3日後、電話があった。
「この間の実験は、Low-D車輪を使ったときの結果です。普通の車輪を使うと、ゴムのほうがはるかに良いが、コルクでも効果がないとは言えないのです。」と言う。
 それでは12 mm合板に直接敷いた線路も作ってみて、試してくださいと言うと、
「それもやりました。それと比べればコルクにも効果があることは否定しないが、騒音がもともと大きいので、無いよりマシという程度です。」

 彼の話から結論をまとめると、こういうことになる。
1 普通の車輪を使うと発生する音量が大きいので、コルクでも多少は静かになる感じはする。
2 ゴムの板の上にゆるく留めたフレクシブル線路上の音は格段に小さく、低速では殆ど無音である。
3 Low-D車輪であると、ゴム板上の静粛性はさらに顕著である。
4 フレクシブル線路は孔を大きくして、釘で緩く留めるべきである。

 要は車輪踏面が粗雑であるとやかましく、何らかの緩衝材がないと実用にならない。コルクよりゴムのほうが、はるかに効き目があるのは間違いない。

 こちらの主張どおりであったから、安心した。ここではコルクかゴムか、留め方が固いか緩いかで、彼はその4種を並べ替えて、走らせて音を聞いたそうだ。簡単なことなのに、この種の比較実験をしない人は多い。

 これだけの事なのだが、やる人は少ないのだ。2つの次元を組み合わせるだけだから簡単だが、実験せずに間違ったことを流布する人は居る。またそれを聞いてすぐ納得してしまう人もいるようで、困ったものである。ウソでも信じる人がいる限り、いつまでも広がっていくだろう。それで損をするのは、善良な模型人だ。
 実は、博物館のレイアウト建設中にその実験をしている。動画を撮ってあるので、探している。ただしそれはLow-D車輪での実験で、普通の車輪の走行実験はしていない。

 実験結果が全てだ。そういう点でも、この国の鉄道模型雑誌のやる気の無さには、ため息しか出ない。 

2021年06月21日

続々 M10000の改良

passengers 台車の上に載っている状態はこれである。台車が廻るように、外被の上を少し切り取った。大変うまく行って、曲線上で接触しない。

 これも筆者の蒸気機関車群と同様に、機関車と付随車の車体、台車をすべて同極性にしてある。最近は今野氏の貢献で「機炭同極」という言葉が市民権を得たようだ。数十年も昔に決められた実利が殆どない規則を堅持する必要はない。筆者の機関車群は30年以上前から、機炭同極である。駆動軸から集電するのがミソである。常に多少スリップするから、汚れが蓄積しないところに価値がある。

 機関車の動力台車の左右の車輪から集電し、テイルライト電源も、最後尾車輛の台車内のコレクタ・シュウで採る。こうすれば、ショートの可能性が極端に減る。

 乗客はパラパラと乗っている。あまり見えないから、これで十分だ。車内燈を点けると、中の乗客のお行儀が悪いのが見えてしまうので、今回は割愛する。

power truckpower truck2 友人の動力台車を同時に改造する。ボルスタが、こんな変な形をしている。ギヤボックスを避け、偏心したセンタ・ピンを持つ。この部分が嫌で、4 mm厚のブラス板をフライスで削ってボルスタを作った。これをはめて銀ハンダで付ける。そうすれば、このヘナヘナのボルスタが強固なものとなり、軸重も等しくなるわけだ。

 軸重なんてどうでも良いと考える人は、多いようだ。軸重が等しくないと、走行音がおかしいのと、脱線しやすくなる。特に動力台車では問題が大きい。軸重が軽い方の軸が、起動時の軸重移動で浮きやすくなるからだ。特にこの模型ではセンタ・ピンの位置が少し高く、それが起きやすい。車輪をLow-D化したので摩擦係数が小さくなり、その危険は減っている。しかし、偏心しているのは許せないのだ。

2021年06月19日

続 M10000の改良

 流線型外被の付いた台車は、車体に当たる。模型だから実物より車輪が厚く、ゲージも少し広いからだ。
 どんな工夫をしても当たるから、車体の一部を切り取るか、台車外被の上の方を切り取るしか無いだろう。

rubber grommet 台車には弾性懸架がないから、その上の部分で衝撃を緩衝せねばならない。電線を通すゴムのグロメットがたくさんあるので、使ってみた。厚み方向には、良いクッションである。最近のは品質が格段に良くなって、20年経ってもへたらない。


interior 車内には座席がついているので、乗客を座らせた。窓からちらりと見えるだけなので、少々出来の悪いのを使った。足を切ったり、尻を削ったりして、かなり無理をして入れている。椅子、床の塗装は元の持ち主による。 


aero-dynamic 最初付いていた後ろの方の動力台車部分には、座席がついてない。設計当初はあったのだろうが、走らなかったので動力台車を追加して、座席を外したのだろう。愚かな発想だ。
 24人分の座席を作らねばならない。この種のものを揃えて作るのは大変である。アルミ板を切って作り始めた。
 重い車輛なので、少しでも軽くしないと抵抗が大きいからだ。この模型は前頭部、後尾とも一体ロストワックス製の重い部品でできているから始末に負えない。また造形は美しいとは言えない。遠くから見るべきもののようだ。
 実物の車体は、飛行機と同じ作り方のジュラルミン製である。 


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