2019年06月18日

罵詈雑言

 予想したことではあったが、その種のコメントがかなり来た。一番多かったのは、Big Boy と C62を並べてみたい人も居ることを書いた回である。

 趣味にケチを付けるな、とか、人をバカにしているとか書いてきた。揶揄していると思ったのだろう。そういう問題ではないのだ。これも客観的な話である。
 この話は30年ほど前に松本謙一氏に直接話したのだが、彼はもう覚えていないだろう。当時は他国製のモデルは無く、日本製であった。

 そのBig Boyは天賞堂製だ。Tenshodo のBig Boyは大きいのである。 その比較は意味がない。だからこそ図面で比較するべきなのだ。ちなみに、のちに売り出されたTrixのBig Boy はかなり正確らしい。これらの長さは20 mmほども違うそうだ。

 今回、1986年製のTenshodo Big Boyの測定結果をお知らせ戴いた。縮尺は1/83程度だということである。「HOは縮尺を表し、1/87.1である」と仰るのは自由だが、実測してみれば、縮尺はかなりでたらめなものがかなりあるのが現実だ。お手持ちの車輛を図面と比較されると、意外なことが分かるだろう。日本型と並べて悦に入るのは、それからにすべきだ。

 最近の製品は、モータが小さくなったこともあって、かなりスケールに近いらしい。拠り処とされている縮尺に拘るのは結構だが、測定してみるということは、大事なことだ。お題目を唱えるだけでは済まない現実が、そこにある。

2019年06月16日

見学者

 先日、親戚の土木工学の専門家から、元同僚2人を連れて見に来たいという連絡を受けた。彼らは、定年まで海外でインフラ工事の監督をしていた人たちだ。
 3人とも鉄道模型にはあまり縁がないが、路盤の設計方針を確認したいという、非常に珍しい申し出であった。筆者にとっては、まさに卒業に当っての口頭試問であって、合格点をとれないと恥ずかしい。

 彼らの興味の対象は、縦曲線、緩和曲線、カントの緩和、曲線上の複線間隔などであった。曲線上で均一な勾配を作る方法も興味があった。

 現場を見せて、質問に答えた。ある程度は説明の図を用意していたので、それを見せれば、なるほどと納得してくれた。
 緩和曲線については直ぐ合格したが、縦曲線は引っ掛かった。筆者は二つの勾配が接するところの縦曲線は3次曲線になると信じていた。作図するとそうなるのでそれで良いと思っていたが、現実には円曲線を嵌め込むだけだそうだ。
 人間は縦方向の加速度変化に鈍感なのかと考えた。現実にはバネも入っているし、加速度の変化率は大きくないだろう。コメントに拠れば、大半径の円弧を入れれば問題ないらしい。

 彼らが1970年に就職した当時は、いつも7桁対数表を持って仕事をしていたが、いつの間にかコンピュータで処理するようになって、もう手計算は出来ないと言っていた。

 カントのある曲線の勾配部分の計算の話は、楽しそうに聞いてくれた。彼らは現場で物を作っているので、工場で作ったものをはめ込む作業とは異なる。だから面白がった。直線で構成された骨に路盤を張って均一な勾配にするのは、なかなか難しいという評価であった。シムを挟む計算法には驚いたようだ。

 レーザで水平を確保し、アラインメントを出す方法は、そりゃそうだろうという感じであった。この辺は本物の仕事をしている人の感覚だ。路盤の強度は、筆者が載った時に変位量3 mm以内という基準で作ったことを話すと、剛性が高いねとのことだった。

 結論としては「高得点で合格」だそうだ。こういう異業種の人と話すと面白い。博物館を開くと、時々こういう人が来てくれるのだろう。断片的につまみ食いした知識ではなく、中身まで詰まった議論は本当に面白いと感じた。

 最後に123輌を1輌の蒸気機関車で牽き出して、勾配を登って下った。まさかそんなことが出来るとは思わなかったらしく、彼らは非常に驚いた。坂の途中で電流を遮断すると、貨物列車がズルズルと滑り落ちていくのを面白がった。
 直ちに列車を引っ張り上げるのに必要な力を測定し、速度を掛けて、機関車に要求される出力を計算した。電流値を調べると効率が分かる。こういうことをあっという間に処理するのは凄い。
 機関車本体を手で押してほとんど抵抗なく動くのには、全員が非常に驚いた。押してやると、発電して前照灯がともるところを見せると仰天した。
 歯車について説明すると、現物を見せてくれという。組み掛けのギヤボックスを見せたら、これがウォームギヤとは信じがたいとのことであった。貨車のほとんどが金属製であることも意外だったようだ。

 摩擦の少ない被牽引車、効率の良い駆動装置、高トルクモータの組合せがこのような運転を可能にする。彼らはかなり満足して帰った。 

2019年06月14日

続 筆者を取り巻く環境

 紹介した提言はお読み戴いただろうか。つないだ線路の上を、どの車輛も走ることができるということが大切だ、誰も意識していないけどそこには「規格」がある。
と述べている。それは大昔に山崎氏が紹介した16番なのかもしれないし、それが当時のNMRAの焼き直しかもしれない。ともかく「何か」がある。

 鉄道模型は買う人も居るし、作る人も居る。その「何か」に適合していれば良し、である。筆者の博物館の線路はその点かなり細かく検証しながら敷設した。曲線での複線間隔などは文献値を見ながら、実測と照らし合わせた。複線橋梁はその点、一番難しいところだ。複線の内外を同時に考えねばならない。northerns484氏の計算により、ぎりぎり+僅かの余裕を狙った。満足できる結果で、彼も筆者も胸をなでおろした。幅が広そうで、実際に通すとそうでもないというところが面白い。

 転車台の駆動装置のプログラムもH氏のおかげで完成し、メカニズムは自由に動かせる。目で見て目標を合わせて、機械でアラインメントを保証する方式だ。よくある玩具っぽい動きとは異なる。DCCが導入された時、運転台に1/48に縮小されて座っている感じということを書いたが、転車台もその運転台で動かす気分になれる。慣性のある動きをする。

 信号橋の工作も少しずつ進んでいる。設置工事の準備はある程度進んでいる。設計者のN氏が自ら配線工事を手伝って戴けるそうで、電線を路盤の下に這わせている。
 一周90 mほどあるが、それを4つのセクションにした自動信号である。

 この複線レイアウトは左側通行である。おかしいという指摘はあるが、そうでもない。UPの本線はあちこちで左側通行になっている。他の会社にもたくさんあるのだ。これは歴史的なことと、地形の問題とがある。初めに敷いた単線のどちら側に新線を追加するかは場合による。当レイアウトは地形的な制約が大きく働いて、左側通行になった。

 10日以降コメント数が非常に減った。無数に来ていた攻撃的な文章が来なくなったのだ。それらは、どちらかというと本筋を掴めていない非常に些末なことを指摘してくる。それに慣れていたので、妙な感じである。

 左手の修理は終わり、今試運転中だ。掌と甲を貫いていたワイヤも引き抜かれて、風呂の湯に浸せる。次は右手の修理だ。実は、右手も同時に脱臼したのだ。


2019年06月12日

筆者を取り巻く環境

 多くの友人、知人から、忠告、諫言を戴いている。
 どうしてこんな論争を始めるのか、いい加減にしないとブログの読者が減るぞとか、博物館の来訪者が減るぞ、というようなものが多い。

 このブログにはアフィリエイト広告は付けていない。読者が減っても全く構わないのだ。むしろ、こういう論争で読まなくなる方は、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという客観性のない方だろうから、構わない。他所にない記事なら、読み続ける。評価が下がるぞ、とも言われたが、このブログはそういう評価とは無縁のところにあるはずだ。むしろアクセス数は以前より3倍ほどに増えているのが、興味深い。

 博物館についても、様々なご心配を戴いている。ただでさえ、手の故障で遅れていて、金利がかさむだろうなどと言われているが、建物、底地は現金で購入したから、僅かな固定資産税と電気代を払えば、運営できる。最近のLED化と高性能エアコンで、維持費は極端に安い。エアコンは除湿目的で24時間稼働だが、建物の断熱性が高いので助かる。当博物館は営利目的でないので、入場者ゼロでも全く構わない。
 仕事はやめても、所得税を少し払うくらいの収入はあるので、赤字になれば納税額が減るだけのことだ。もともと国内の見学者は、あまりあてにしていない。アメリカからの見学希望者は多い。彼らを連れて、国内ツアを企画せねばならない。

 さて、筆者の方針として、「旗幟(きし)を鮮明にする」というのがある。ほとんどの日本人が不得意とするところだろう。筆者にとってはどうでも良いHO関連のゲージ論に顔を突っ込んだのは、黙っていられないところがあったからだ。
 この趣味を健全なものにしたい。不当な公報活動によって、物を知らない若年者層が洗脳されるのを防ぎたいという気持ちの表れだ。そうしないと、ただでさえ先細りなのに、ますます衰退してしまう。
 よくぞ言ってくれた、という激励をたくさん戴いている。筆者は知らなかったが、例の文はかねてより腹に据えかねた、という人が多かったらしい。

 2月にこのブログで規格に関する記事が始まってから、アクセスが極端に増えた。皆さんの興味が高まったのだ。
 規格制定についてのチャンスかも知れない。これについて、あるブログで重要な提言があった。お読みになると良い。

2019年06月10日

HO gaugeは和製英語 ?!


 この騒動が始まってから、井門氏の文章がUPされているのを知った。読んでみて、びっくりである。このページは保存しておく価値がある。10年後に読み返してみよう。

 HO gauge は和製英語であるそうだ。不可思議な文章である。Model Railroaderやその他の古い雑誌をひっくり返してみれば、いくらでも転がっている単語列だ。ヨーロッパでは今でも使われている。現代ドイツ語のspur H0(これはオウではなくゼロ)は英語に置き換えれば、HO gaugeである。日本から輸出したのはいつ頃なのだろう。それが知りたい。

 Empirebuilder氏の解説にもあった7mmスケールの半分説は、バセットロークの話で、ヨーロッパ全体でHOが1/87と規格化されたのは1953年のNEM規格からである。それ以前は、各メーカが独自の縮尺で、線路幅16.5 mmのものをHOと呼んでいたのだ。フランスのJOUEFは1/86、ドイツのトリックスは1/90、スイスのHAGは1/80を採用し不統一であった(先日の3.8 mmスケールは、これを指すと思われる)。それで統一化が図られ、1/87が規格化されたのである。
 しかし、旧規格のものも併存し、フランスの模型雑誌 Loco-Revue が HO=1/87と表記したのは1965年からだが、HAGは1980年代まで1/80で製造していた。

 スイスでは標準軌とメータ・ゲージが併存していたので、HOmが登場するまで、どちらも1/80の16.5 mmゲージで作ることは一般的で、その製品はHOとして売られていたのだ。こういうことを無視して、HOは最初から1/87の標準縮尺だと言い張るのは、事実の歪曲である。
 この辺りの調査結果は、ヨーロッパの模型の歴史に極めて詳しい方から、資料を提供戴いたもので、写真も拝見した。彼は単一形式で各サイズの模型の現物も、証拠としてお持ちである。


 これが個人のブログ等であれば筆者は何も言わない。世の中には間違ったことを垂れ流しているウェブサイトは、無数にある。しかし、商売のネタとして、自分に都合の良い話を捏造しているとなると、これは公正取引委員会の仕事を増やすことにも、なりかねない。
 我田引水はやめるべきだ。

2019年06月08日

3種のゲージ論

 この論争が始まる前、ゲージ論を採り上げるべきか否かを、友人に相談した。すると彼は、ゲージ論には3種ある、と即座に答えた。その分類とは、

1.  ゲージの優劣を論じるもの

    戦前の0番と35 mmの論争や、戦後間もないころのSゲージの論争がこれに相当。模型メーカーが少ない時代は、自己のゲージの存亡を懸けた議論がされていた。

2. あるゲージについての規格の是非の論争

 1/8013 mmが登場した1960年代からは、これが増えてきた。ファインスケールもこの類だ。

3. 呼称に関する論争

 1/8016.5 mmに対するもので、1/8712 mmが登場したことによって、HOという言葉の定義での論争である。

 

 2.以外のゲージ論は不毛だから、昨今の3.の議論に参加する気はない、と通告された。筆者もおおむねそれに賛成したが、外国からの視点も含めて調査の結果、3.についても大いに論議する必要があると悟ったのである。

 何度も言うが、アクティヴな模型人(レイアウトを作る人)はサイズの違いなどほとんど気にしない。ストラクチュアのサイズは混在しているのが普通である。ゲージについても走れば良しで、同様である。
 ただ、その走行性能の向上には、拘る人が多い。そうでない人はその逆の方向に極端に拘る。だから話はかみ合わない。

 しかし、経済活動の一つであると考えると、「表記」というものは正確であるべきだ。昨日の例で指摘したが、外国から見ても問題が生じないようにしておくべきだろう。

 1. については論外だと思っていた。しかし最近の様子を見ると、これが大きなファクタだと思っている人が多いのではないかと、気が付いた。攻撃まがいの投稿をしてくる方は、存亡を懸けた闘いだ、と勘違いしているような気がする。
 そういう問題ではなく、我々はビジネスのありかたについて、問題意識を持っているのである。これは、無広告で、中立なブログだからできることなのである。これはスポンサがある雑誌では採り上げられることは無い。また、筆者がHO関係者であれば、偏っていると思われる可能性もある。



2019年06月06日

孫の買い物

 偶然とは面白いもので、筆者が孫への買い物の記事を書いて、親しい友人に感想を求めたら、同時に彼も買い物の創作記事を書いて送ってくれていた。お互いに全く独立で、影響は受けていない。受信箱を開けて、双方とも非常に驚いた。
 ただし、方向だけが違っていた。紹介する。筆者が気にしている外国からの視点である。

孫「トウキョウ・オリンピックを見に日本へ行くんだ。おじいちゃん、御土産に日本の鉄道模型を買ってきてあげよう」

(筆者注:この段階で話のオチは見えてしまうのだが…)


祖父「それは楽しみだ! ワシのはHOだぞ(両手の指をコの字にして)これ位のだ。日本ではまだまだ高級なブラス製がある。それと日本はNが多いから間違えないでくれ」

――そして来日した孫はオリンピック観戦を終え、御土産を買いに鉄道模型店に立ち寄りました。TenshodoやKATOに行けば、何ら問題は無かったのですが…。

孫「Brass製の日本のsteam locomotiveが欲しい、HOだ」

店員「ここに並んでいるのが、日本型のSLでどれも真鍮製です。線路の幅は判りますか?」

孫「さぁ、知らないな。でも(両手の指をコの字にして)大体これ位の大きさだった。Nじゃない、HOだって言ってた」

店員(?外国の方がHOと言うのは、16.5 mmのことか?それとも縮尺がHOなのか?)

孫「あ、ここにHOって書いてある。うん、大体同じ大きさだ。…隣の“J”って何だ?どれも真っ黒で大きさも似てるけど…。でもHOなら間違いないな」

――孫はブラス製の機関車を手に、おじいちゃんの喜ぶ顔を思い浮かべながら帰国しました。

孫「おじいちゃん帰ったよ。見てよほら、日本の蒸気機関車だよ、ちゃんとHOを買ってきたよ。驚いたよ、2千ドルもしたんだ」

祖父「それは嬉しい。これこれ、このブラスのズッシリとした・・・何だか小さくないか?」

孫「Nじゃないよ、ほら箱にもHOって書いてあるよ」

祖父「車輪が狭くてレールから落ちるぞ、わしのHOレイアウトを走らないじゃないか!!」

――その後はご想像どおり、訴訟へと発展していきましたとさ。

――車体の裏に“Made in China”と彫られていなかっただけ、東アジア情勢を悪化させずに済んだのが幸いでした。




2019年06月04日

規格

3.8mm scale 規格は何のためにあるのだろう。
 
 いろいろな人が、ありとあらゆることを書いてくる。最近は少し減ったが、コメントに様々な書き込みがある。最初から「私見」などと書いてくる人が増えた。どれも「信仰」に近い。教義に忠実に生きようというのは結構だが、他を攻撃し、自己の優位性をとうとうと語るのには、辟易している。自分たちが攻撃されていると勘違いしている人も多い。そういう人は脅しにもとれる文言を書いてくる。
 言うことを聞かない者は、教祖の指示で、ポアされるかもしれない。

 
 今回のゲージ論は今までのゲージ論とは異なる。感情を排除して客観的に眺めようというのが趣旨である。筆者はHOにはまったく縁のない人間であるから、利害関係がなく、そういう意味では適当かもしれない。

 首記の件であるが、目的は互換性である。製品に関して必要な概念である。手作り品はそれに合わせて作ってあればよい。

 さて、こういうことを考えてみよう。
 模型店に行く。「HO」と書いてある機関車と客貨車を買う。次に「HO」と書いてある線路を買う。「HO用の電源」があるかどうかは知らないが、DCCでなければDC12 V の電源を買ってつなげば走るというのが、HO規格製品である。これについては、どなたも異論はないだろう。
 もし線路幅の違うものを「HO」として売り付けられたら困るはずだ。そんな間違いをするはずがない、と言う人は多いだろうが、起こりうる話である。おじいちゃんが孫のために買ってやったものなのに、走らなければおじいちゃんの権威は失墜し、大迷惑だ。

 今回の議論では、この部分が欠落している。我々は消費者であることを忘れてはいけない。この点ではKATOはぬかりが無いように見える。

<追記>
 探していた本がようやく見つかった。当該ページをUPする。大したことは書いてないが、何かの参考にはなりそうだ。 スキャナのご機嫌が悪く、解像度がないことはお詫びする。
 Color Treasury of MODEL TRAINS, Crescent Books刊 70年代にアメリカで買ったものだ。



2019年06月02日

HOとは

 アメリカで(これを書くと拒否反応を示す人がいるが、客観的な話である)、”HO”の軌間を数字で言える人はとても少ない。インチでも、mmでも良いから言ってみてくれと頼んでも、言えない人が大半である。half O だから、1-1/4 inch の半分で5/8 inch かな?と言う人も多いが、間違いだ。
 ほとんどの人は、”HO is HO.” でおしまいである。即ち、「HOはあの線路を走る模型」と頭の中で固定されているように見える。即ち線路軌間を指している。しかし、その上を走ればすべてHOと言うかと思えば、そうではない。

 On30は巨大である。小さなトンネルをくぐれるわけがない。この大きさという概念が、その線路の上を走る模型の”集合”を小さくする。その線路を走り、なおかつ大きさの制約(場合によっては建築限界)を満たすものはHOと呼ばれるはずだ。1/80の16番、1/76のOO、1/87のいわゆるHOスケールの標準軌車輛、山崎氏の言う1/90の満鉄、鮮鉄車輛は、すべてHOであると言っても何ら問題ないはずだ。
  現在の日本では"HO"という言葉が縮尺、軌間両方の意味を包含して使われており、"HO"という表記のある模型車輌(特にプラ製品)は"HO"と呼ばれる線路の上をHOの外国車輌と一緒に走ることができる。これは16.5mmゲージ向けの"HO規格"に準じて作られていることに他ならない。それゆえ、規格について論じてきた"HO"という言葉を、縮尺1/87、3.5mmスケールのみを示す言葉として狭義化し、HO規格を無視する主張には同意できない。

 「HOという語は1/87以外を指さない」という証明は、極めて困難だ。
 ここまでのことをまとめると、初めは線路ありきである。線路を走るようにした模型の一群を考える。それがいわゆるHOというカテゴリである。縮尺はいろいろあるが、走る大きさなら、良しである。


 後に世の中が豊かになり、同じ縮尺で並べたいという人たちが現れた。それは結構だが、そういう人は、数は多くない。C62とBig Boyを並べることに、どういう意味があるのかはわからないが、やりたい人がいる。図面を見ればおしまいであるのに。

 縮尺を優先すると、ゲージは多数出現する。それに拘る人は拘る。その結果が、現在である。しかし将来も、この状態が続くとは、なかなか思えない。そのゲージを引張る"prime mover" がいなくなれば難しくなるだろう。 殆どの人にとって、線路、輪軸の調達は難しいことなのだ。いつでもどこでも手に入るということは極めて大切なことである。少数の尖った人が、大多数に対して挑戦的に、「1/80はHOではありません」ということが正しいかどうかは、ある程度の年月が経てば自然に証明されることではある。


2019年05月31日

雑誌の存在価値

 Empirebuilder氏が一体誰なのかを知らせよ、ということも、複数の人から問い合わせがある。そんなことを聞くのは、非常識極まりない。
「素性のわからない人の意見は信用できないから」と書いてくるのである。信用できなければ応答する必要もなかろう。全く以って、理解不能だ。新聞社に電話したら、ニュースソースを教えてくれると思っているのだろうか。

 日本には確かな鉄道模型雑誌がない。何かの解決法になればと思って、このブログを始めた。初めは外国と提携して翻訳記事を載せようと思っていたが、独自記事だけでやってきた。
 なぜ既存の雑誌が面白くないかというと、スポンサがあるからだ。結局は提灯記事を書くことになる。”暮らしの手帖”誌は、その点よく頑張ってきたから、応援している。雑誌社には、やせ我慢の反骨精神が必要な筈だ。
 出版社がものを売るというのは禁じ手である。その雑誌そのものが、広告になる。読者が有料で広告を買うというのは、客観的に見れば滑稽だ。

 また、編集部の能力も透けて見えている。ある部分がすっぽり抜けた状態で、何十年もやっている。雑誌を手に取って開いて、脱力するような記事は多い。「工学」が全く抜けているのである。ありえない設計を見せつけられると、投げ捨てたくなる。このブログでは、雑誌の記事では見かけない部分に力を入れて来た。年少者のために、正しいことを多少の摩擦を覚悟で書いてきたのだ。

 雑誌では、走るかどうか怪しい、外見だけは極めて美しい車輛記事が多い。せめて、カーヴで建築限界に当らないとか、スケールスピードが確保されているかとか、スリップする時の引張力、その時の電圧・電流くらいは載せても罰は当たるまい。スリップしない機関車はそのままボツにすべきである。


 今回井門氏は、TMSの存続に、「金は出すけど口は出さない」とおっしゃっている。素晴らしい見識だ。この言葉を覚えておきたい。しかし、社長がそのつもりでも、社員は社長に対して忖度するだろう。「忖度を禁止しています」という言葉も欲しい。

 井門氏からコメントが入ったが、説明が全くないので困っている。当初、なりすましを疑ったが、先日の会話内容が含まれているので、間違いないと判断して掲載した。
 そのまま載せるので、是非とも詳しい理由をお聞かせ願いたいものだ。2千字以内でまとめて戴けると嬉しい。他人の言葉を引用する時は、そのご本人からの確認を再度お願いしたい。


2019年05月29日

読解力

 先日来の記事は、かなり多方面に反響を巻き起こしているという話だ。
 筆者は当事者ではないから、立ち入るべきではなかったのかもしれないが、
「1/80はHOではありません」
という文言には、許せない部分があると感じた。ものを知らない年少者に対して先入観を与え、正しい方向に進めなくする可能性があるのだ。

 コメントはいくつか戴いているが、どれも事の本筋を見誤っている。相も変わらず、「山崎氏は・・・」、などと書いてくる人は多い。また自分がやってきたことを宣伝する文章であったり、随筆風に書いてあって、内容は散漫で何が言いたいのかよくわからないものもあった。共通しているのは、「アメリカの話を日本に持ち込むな」である。これはおかしい。それではHOの存在も否定してしまう。

 連絡先が分かっていたので、このままでは載せられないと伝えると、書き直して来た方が複数あったが、その内容に自己矛盾がある旨伝えると、ご立腹で、
「他の掲示板か、自分のブログに載せる」とのことであった。
 その後のことは知らないが、某掲示板に載せるということは自殺行為も同然であろうから、感心したことではない。御自分のウェブサイトで展開すべきことであろう。

 コメントは、自己宣伝の場ではないということを、過去に何度も書いているのだが、お分かりにならない方は居るのだ。

 このブログで展開されていることは、”いわゆるゲージ論”ではない、と気付かれた方もいる。読解力のある方だ。
”いわゆるゲージ論”は宗教論争と同様で、結論は出ない。今回のこの問題提起に関しては、結論は出る筈だ。

 何度も繰り返すが、Empirebuilder氏の言いたいことは、

・「1/80はHOではありません」は間違っている。
・ カタカナの「ファインスケール」はおかしい。

である。それに対する意見でなければ、コメントは掲載できない。

 先日某所で、偶然に井門氏に会ったので、「ブログを読んでくださいね。」と伝えたが、その後どうなったかは、分からない。いずれ回答があるだろう。 

2019年05月27日

続 模型を走らせるためには

 船の中で友人に、日本の模型界の話をした。時間があるから、二日掛けて説明をした。メモ用紙を数十枚使って、細かく説明をしたのだ。彼はよく理解したと思う。並の日本の模型人の数倍、よく分かった筈だ。彼はイギリスやドイツに居たこともあるから、現地での模型事情も非常によく分かっている。日本には2回しか来たことが無い。

 彼の答は本質を突いていた。
「あまり走らせていないのだね。走らせている人は走りを確保しなければならないから、そのような些末なことは無視するね。(It has to be subtle.)」
 この些末なこと、無視しても良いこと、という言葉が出て来たことが、彼らの姿勢を表している。"subtle" という言葉には、”微妙” とか、いろいろな意味があるが、ここでは些末という言葉が当てはまる。これは本人に確認したから間違いない。

「走らせずに、机の上の短い線路に置いて、眺め廻すのだろうね。妄想が膨らんで、『こうするべきだ、これではけしからん』
ということになるのだろう。実は、自分もそうだった。君に会う前はね。
 君が3条ウォームのドライヴを開発した。後にLow-Dを実現した瞬間に、そんなものはどうでも良くなったんだ。」

 彼はProto48というグループに出入りしていた。すべてを1/48にするという狂信的グループである。よく走らなかったので、彼は疑問を抱いたのだ。車輪踏面に塗料が付いていることを指摘したら、愕然とした。無駄なことをやっていることに気付いたのだ。
「そうだよ、48倍したらとんでもない状態だ。タイヤに旋盤の挽き目が見える時点で、もう何をやっても同じだ。大体ね、車輪の直径が左右で3/1000インチも違うんだ。だからね、片方に寄って走るんだよ。これではだめだ。」
と言う。筆者のLow-Dを見たら、もうこれしかない、と脇目も振らず採用に踏み切った。Low-Dは、航空機部品を作る工場で作られているから、精度は一桁上である。
 彼は模型の「走り」を第一に考える人である。そういう意味では、筆者の良き理解者の一人だ。レイアウトの仕様はすべて筆者の様式を踏襲した。静かで、脱線せず長編成が可能だから、とても喜んでいるし、友人たちに自慢している。

 彼のように走りを中心に考える人にとっては、ゲージが広いとか、タイヤが厚いなどは些末なことなのだ。自宅にある程度の大きさのレイアウトを持たず、車輛のみを玩ぶ人たちは、線路幅、タイヤ幅に興味が集中するのだ。レイアウトを持ち、脱線しないように走らせようと思えば、そんなことを言ってられなくなる。そういう経験が少ないのではないか。ファンタジィの世界に閉じこもって、現実を直視することから逃避しているのかもしれない。

 ある方が耳打ちしてくれた。
「そういう世界の人たちは、撮り鉄から入った人が多いのです。」
 これには驚いた。そうかもしれない。模型工作から入った人は、ゲージのみに捉われるのはまずい、と直感的に気付くものだ。現在ではお金で買うことができるから、いくつか買い揃えて並べることができる。すると欠点には気付かず、並べた時の満足感が大きくなるのだろう。ものを作る経験が少ないと、そういうことになるかもしれない。 

2019年05月25日

模型を走らせるためには

 以前も書いたが、模型は本物とは異なる。

 曲線を通る列車がなぜ曲がるのか、という単純なことさえ、本物と模型は大いに異なる。本物は遠心力が大きいのでフランジが当る。フランジの摩耗は保守上、大切な点検箇所だ。しかし曲線半径が相対的に小さい模型でも、設計手法によっては、それを避けることは可能である。稚拙な設計では当たる。RP25は確実に当たっている
 本物と模型とでは材質が異なるし、速度が異なるので、摩擦係数が異なる。人も乗っていないのだから、乗り心地は考える必要はない。本物業界の人の中には、本気でそれを主張する人がいるが、全く考慮に値しない。

 模型では遠心力は無視できるほど小さい。カントの効果は無いに等しく振り子電車(自然振り子)の実現は無理である。

 模型の曲率は大きく(急カーヴである)、線路は実物に比べてずっと不整である。路盤は実物に比べてはるかに堅く、サスペンションは実物の目的とは全く異なる目的のみの為に存在することになる(脱線防止、集電向上のためである)。人は乗っていないから、バネによる乗り心地向上など考慮しない。

 鉄道模型はそのような条件下で作られてきた。ゲージはいくつかに集約され、フランジ厚み、高さは必然的にある大きさを使わざるを得なかった。したがって、タイヤはある程度の厚さを持たせないと、フログで落ち込んでしまう。
 そういう中で多少はファイン化が進み、現今の規格ができたわけだ。要するに、完全縮尺ではうまく行かないことが多いから、現実路線を採っているわけだ。

 模型人の中で少数の人たちは、それでは飽き足らず、より実物に近いものを欲しがり、既存のものの一部だけを改変した物を作り出した。最初はゲージのみだったが、徐々にフランジ形状、タイヤ厚みを変えていった。総合的な力がある人が指導者になり、線路ゲージを頒布し、車輪も提供できれば問題はなかったはずである。しかし、それらの一部が欠如している場合が多く、出来たものの中には、直線の往復しかできそうもないものもあるようだ。

 模型は実物の完全縮尺では機能しない。これは、工学を修めた人ならだれでも知っていることである。飛行機はその点顕著であり、レイノルズ数という概念が導入されている。その他の場合でも、縮小されたものは実物の挙動とは全く異なる動きをする。それなのに、線路幅だけは実物に似せたいという欲求に負けてしまう人が、ある程度の数、居る。そういう人は、フランジ厚さ、車輪の厚さは考えないらしい。要するに、理想的に、「静止した模型」を考えているだけではないか。

 走る模型では、いろいろな点で「インチキ」を認めざるを得ないのである。それが大人の考え方である。部分的に「インチキ」を排除しても、破綻することが多いし、その労力たるや、他所事ながら心配するほどである。「実物通り」という言葉に拘るのは考え物であるということだ。過去に、実物通りと自慢する模型をいくつか見たが、素晴らしいと感じたものは無い。見かけは良いが、挙動がおかしいのである。車体は堅く、しなやかには走らない。
 
 先月、2週間ほど船に乗っていたので暇があり、アメリカ人の模型観と、日本人の模型観との差を、友人と討論しながら考えた。

2019年05月23日

続々 Empirebuilder氏からの最終意見

 日本のゲージ論は、以上のように、思い込み、恣意的な歴史の歪曲をベースにすることが多く、意味を成しません。山崎氏が主役のゲージ論は、もう必要ないのです。私が歴史は関係ないと言ったのは、そういう意味です。 

 今回のきっかけとなったファインスケールについてですが、finescale としてまず書きます。初期の鉄道模型はおもちゃ、TOYであると書かれています。それが一歩進んで、スケール志向が出てきます。ゲージが主であった時代に縮尺が規定され、車体の大きさとゲージの関係が重要視されてきました。NEM規格やNMRA規格はこの集大成として作られたわけです。ただ、これでも縮尺通りになっていないとして、さらに追及することにより finescale が生まれてきました。 

 NEMNMRA規格にも finescale 規格がありますが、現実問題としてきちんと製品化された製品はないと思います。したがって、一部の技術のある人たちが、すべて自作する覚悟で作るための規格だと思います。線路ではポイントが特に問題となります。また曲線もHOで半径数メートルといったサイズで、とても一般的とは言えません。現状では夢物語に違い規格ですが、日本では、ゆがんだ形で車輪のみ、エセfinescaleのような真鍮製品が作られています。線路の自作を強いるような製品を、なぜ作るのか疑問です。原因は日本には規格がない、ホームレイアウトは夢で年数回体育館サイズのレイアウトで走らせることがせいぜい、ということが原因と思います。つまり、鉄道模型として楽しむことを、かなりの部分諦めている状態です。そのため、走行用にはHO規格に沿ったプラ製か、Nゲージの選択となっているようです。本来の鉄道模型からすると、ゆがんだ状態と思いますが、日本という特殊な国ならでは、といったところでしょうか。いずれ高価すぎる真鍮製品はいずれ消えると思います。と言うより生産量を考えると完全な絶滅危惧種と言えます。プラ製品が主流になれば、ホームレイアウトも増えるかもしれません。プラ製品には、ぜひNMRA規格に沿ってもらいたいものです。 

ゲージが縮尺通りならば、ファインスケールである。」との解釈は、dda40x氏のおっしゃる通り、誤解のもとです。雑誌が使っているのを知って、その見識を疑います。雑誌の編集者には、もうプライドもないのでしょうか。カタカナ化すると、英語本来の意味を失う好例でしょう。 

 HO gaugeが和製英語と信じている方の説得はできません。ただ1/80HOであると考える根拠がある、と知って戴けたと思います。自分には、もう関係がないと思えることも書いてきましたが、これは一種の将来への警告です。このままでは、将来大きな問題が生じます。



2019年05月21日

続 Empirebuilder氏からの最終意見

 互換性のない、勝手な規格の製品が、日本でかなり出てきました。規格に対する理解のないモデラーを相手にしているためなのか、メーカー自体が規格を知らないのかはわかりませんが、それを市場が受け入れているのが不思議です。車輪にはエンドウと日光規格、伸縮カプラーも互換性のないものが多く出ています。製品の選択肢が増えて喜んでいるのでしょうか。車輪も薄くなっていますが、それに適合する線路はありません。トラブルを指摘するコメントも多く、問題になっているようです。私は使いません。シノハラが廃業した後、どの線路を使うのでしょうか。ちなみにこの薄い車輪は、もちろんNMRA規格のHOではありません。規格に関しては日本の模型界は原始時代に逆戻りしたようです。 

 「1/80HOではありません」について考えましょう。ONについては複数の縮尺を認めています。ところがこの主張によれば、HOは縮尺、1/87を意味するので複数の縮尺は存在しないというものです。HOのオリジナルはメルクリンですが、16.5mmゲージが決まってから、いろいろあって、1/87 に落ち着いたという文献が複数ありました。またHはハーフで、1/43.5 のきっちり半分と書かれていますが、1/43.5 は英国向けの特殊スケールです。日本型HOが 1/87 ではなく、1/80 を採用したのと似たような理由で採用された縮尺です。わざわざ特殊なスケールを引き合いに出していますが、オリジナルの 1/45 はどこに行ったのでしょうね。またHO gaugeは和製英語と書かれています。自説を主張するために、とんでもないことを書いているのです。HOゲージの使われ方を知っていたため、HO gaugeと言う英語が存在することを否定せざるを得なかったのでしょう。また多くの文献でHOはおよそOの半分という記述がありますが、これも否定しています。
 ところで、イモンの通販用のリストでは、
KadeeカプラーをHOではなく 1/80 に分類しています。イモンは、KATOの箱に「HOと書くな」と言っていますが、それならKadeeにもクレームを付けなければいけませんね。エンドウの線路は 1/80 で、KATOの線路は 1/87 です。「1/80 HOではありません」と信じる方は、納得されているのでしょうか?

 よく読めば、自社製品のPRのためでしたが、多くの人がこのようなプロパガンダを信じてしまうことは恐ろしいものです。                        

 16番ゲージでは、山崎氏についてよく引用されていますが、氏が故人となったため、好き勝手に引用されている印象です。氏は、とうとう規格は作りませんでした。16番ゲージという言葉は規格のように使われていますが、公式な規格でも何でもありません。16番に恣意的に意味を持たせることはやめるべきです。メーカーが規格を作るなど許せませんが、立場上適任者であった氏が、どうして規格を作らなかったのか、聞いてみたい気がします。

 個人的には、OOの規格が実質的にHOと同じで、日本型1/80HOも、HONMRA規格と同じ規格を作ることになり、その必要性を感じなかったのではないか、と推測します。ただ1/80HO規格を使用する、と明言しなかったことは大失態であったと思います。エンドウ規格、日光規格など、メーカーが勝手に自社規格を作り出す原因になっています。誰がこの2種の規格で利益を得るのでしょうか。メーカーには絶対に規格作りをさせてはいけない好例です。メーカー頼みの出版社の限界なのでしょうか。
                        (続く)

2019年05月19日

Empirebuilder氏からの最終意見

 今回のやりとりで、いろいろなことを知ることができました。最新のNMRA規格をベースに説明してきましたが、そもそも規格すら知らない方が多いことに驚きました。規格がないと思っている方もいるようです。それだけ規格が浸透している、と思えば良いかもしれませんが、現状は、声の大きい人の言葉が規格のようになっているようです。

 私は規格通りにやってきました。現今の規格外れの製品を買うこともなく、部品も中古で入手できるなど、問題には直面していません。ただ、1/80HOではありません」との主張が、根拠もなく流布され、信じる人が出てきたことに違和感があります。何を言いたいのか、最初はわかりませんでした。私には直接の利害関係はありませんが、他者を否定する必要はないはずです。その怒りが今回のコメントの始まりとなりました。

 さて、規格についてまとめてみます。NMRANEMは乱立する規格をできるだけまとめて、互換性を担保するために作られました。それゆえ、各社の製品でも、規格通りならばいっしょに楽しめます。規格がないと思っている方は、ただ規格を知らないだけ、と言えます。通常米国の雑誌の製品の紹介では、規格に合っているか書かれています。一番重要なことは、規格品は価格が安いことです。これだけでも規格を重要視する価値があります。
 何度か説明しましたが、規格は車輪、線路、車輌限界が最も重要と考えています。縮尺については、車輌限界内であれば十分と考えます。最新のNMRA規格を参考にしたのはこの理由です。日本型の古典機などの縮尺は、その作者のセンスで決めればよいと考えます。規格で縛るのは野暮です。もともと鉄道模型は、スケール通りにはできないことを考えれば、スケールにあまりこだわる必要はなく、設計者のセンスのほうが重要と思います。規格は最小限がベストです。1/80Jスケールとよぶ方は、1/75で設計した古典機を何スケールと呼ぶのでしょうか。スケール通りに鉄道模型ができればノーベル賞ものです。最近はスケール重視が言われていますが、フログ上を車輪が落ち込むことなく、スムーズに走れることは、より大切です。NMRA規格の最初のページに書かれています。もう一つ言えば、国土の広い米国でもHO入門用はR450ですが、狭い日本でR750とはおかしくありませんか?

 一部で車輌限界と建築限界についての言及がありますが、今回の件では、建築限界は直接には無関係です。車輌限界は車輌の断面の寸法が示されます。線路が直線で平らであれば、

車輌限界=建築限界

ですが、曲線や勾配がある場合は建築限界が必要になります。ストラクチャーなしのレイアウトであれば複線間隔だけで済みますが、レイアウトにホーム、架線柱、トンネルなどがあれば建築限界が必要です。建築限界を設定するためには実物、スケールは無関係で、使用する曲線、車輌の種類とその構造について決めなくてはなりません。現実的には米国のオート・ラック、関節型機関車が建築限界測定車の役目を果たします。

                         <続く>



2019年05月17日

過去のゲージ論

 寄せられたコメント(公開されていない)には、山崎喜陽氏の言葉の引用が多い。最近、手を動かせないので、博物館の蔵書を少しずつ点検しがてら、目を通している。山崎氏の言葉は、時が経つにつれ、徐々に変遷している。一貫性がなく、その場しのぎとしか言えないような表現もある。このような現実を踏まえると、山崎氏の言葉を基に考えるのは、適当ではない。Empirebuilder氏が「歴史は意味がない」と言ったのはこのことである。

 Empirebuilder氏のコメントには、やや皮肉な表現や、比喩表現があり、真意を理解できない人も多かったようだ。今回、氏と打ち合わせて、表現を大幅に変え、分かりやすく発表することにした。
 昔国語の時間に、「筆者は何が言いたいか。」という設問が多くあった。これは意外に難しいらしく、枝葉末節に拘る例(当然✖が付く)をたくさん見て来た。今回もそうかもしれない。
 最終的な意見であるので、筆者の意見を入れて、なるべくすんなり頭に入るように書き直して戴いた。

 先回の記事に対するコメントの中には、山崎喜陽氏と松本謙一氏が会見した時の様子を、その現場に居たような書き方をした方もいらしたが、その様なコメントは、とても採用するわけにはいかない。「歴史は作られる。」という言葉があるが、まさにそれを地で行くような話である。どうして、共産主義国家で書記長が最高位にあるか、という意味がよく分かる。

 コメントの採否は筆者の一存である。明らかにおかしなことは載せない。それに腹を立てる人も居るが、お門違いである。そういうことは、ご自分のウェブ・サイトを立ち上げて展開されるのが、筋であろう。

 ここからは客観的な話である。鉄道模型は、他のホビィとは根本的に違う要素を持つ。それは線路の上を走るということである。
 線路を100%自分で作れる人は稀有であろう。市販品の線路を購入するのが、現実的である。車輪についても同様で、参入者はまず既製品を購入するであろう。ということは、多くのメーカが、様々な製品を出しているゲージは強いということだ。
 今回シノハラが廃業して、困ったのはどのゲージか、ということを考えてみよう。Z,N,HO,O は困らない。手に入れようと思えば世界中のどこかから、良質な線路が手に入れられる。その他のゲージは困るだろう。特に困るのは日本型に特化したゲージだ。12 mm、13 mm、24 mmは他から手に入れるのが難しい。たとえゲージが合っていたとしても、枕木が異なると気分が良くないのだろう。

 On30という模型がある。16.5 mmの上を、1/48 のナロゥが走る。初め、それが発売された時、一過性のものだろうと思っていたが、アメリカでは一大勢力になった。既に、On3は吹き飛んでしまいそうな勢いである。まさに「既存ゲージは強い」である。

 最近は3Dプリンタがあるから、できないことは無いだろうが、枕木を自作するのは、コストの面では難しい。 


 Empirebuilder氏から、最終的な意見が届いているので、3回に分けて掲載する。
コメントはその後でお願いしたい。

2019年05月15日

線路、輪軸ゲージ

 ゲージ論が喧しい。筆者は傍観者に過ぎないのだが、当事者だと思っている人が多いらしい。ゲージ論はHO関連で発生していることが多い。 Oスケールは、ゲージ論がほとんど無い環境であって、過ごしやすいのだ。

 筆者はHOを所有したことは無いし、是非を論じる気はないが、一部の業者が使う言葉にだけは警戒している。人を動揺させて、自社の商品を正当化しようとしている、と感じる。「縮尺通りのゲージを採用している模型をファインスケールと呼ぶ。」というのは二つの誤りを含む。これを言うのは12mmゲージ、3.5 mmスケール(1/87.08 サイズ)の業界関係者である。(13 mmの人たちは、そんなことは言っていないようだ。)
 ゲージは正しいとは言えないし、finescaleの意味も正しくない。よく考えれば見破れるのだが、騙されてしまう人は多いと心配していた。(一説によると、シノハラの売っていたフレキ線路は12.3 mmゲージだったそうだが、この話の筋からは外れる。)

 そういうところにEmpirebuilder氏から直球を投げ込まれたので、紹介しているわけである。今回の問題に関しては、Empirebuilder氏がこの記事に対してのコメントを寄せられたのが最初だ。筆者のHOに対する知識は、皆無に近いのでお答えできなかったが、徐々に情報収集して看過できない状態にあることを知った。 

 日本は42インチゲージ(3フィート半ゲージ)を主たるゲージとして本線で使用しているから、車体の小さいナロゥゲージHOn3-1/2 などではないことになっている。
 しかし、外国から来た客を案内して駅に行くと、彼らは、
 ”Oh, narrow gauge!"
と、興奮するのだ。しかし車輛が来ると不思議そうである。小さくないからだ。明らかにフルサイズと言える車輛である。イギリスの車輛よりはるかに大きい。相模鉄道では、幅が 3 mもある大きな車輛が、42インチの線路を走っている。裾が絞られていない車輌もあるようで、JR車輛より広く感じる。これが日本独特の要素だ。

 さて表題のゲージ(寸法ゲージ)であるが、筆者は、そのゲージの線路が簡単に手に入らない環境にあると、そのゲージ(軌間)は発展しないと思う。
 このブログでそれを書いたら、一部の方から反発を受けた。13 mm用のゲージは頒布されたとのことだ。しかし、13 mmゲージャーの方に聞いてみると、そんなことは知らない、と言う人が複数いた。
 ということは、誰でもどこでも手に入る環境ではなかったということだ。有力な模型店には置いてもらうべきだろう。今ならウェブ上でアクセスできる環境になければならない。

「そんなもの、自分で作ればいいんだよ。」
と言った人がいたが、それは、そのゲージ(軌間)を自滅させる引き金を引いているのと同然だ。初心者が参入し易くするべきだ。誰でもできると思ったら、大間違いなのだ。
「上手な人しか、ここには来てもらう必要はない。」
ということを公言した人がいたそうだが、これは大変愚かな発言であった。筆者の知人はそれを聞いて、腹を立てて参入をやめた。

NMRA gauge 写真は、筆者が持っている NMRA の”O gauge” である。1970年代に買った。当時送料込みで2ドル弱だったと覚えている。これはステンレスの打ち抜きであるが、今なら、どんなゲージでもワイヤ・カット、レーザ・カットで簡単にできる。まず、これが誰でも手に入れられるというのが、第一歩だ。 


NMRA O scale Mark IV 現在はMark IVになったようだ。これは外周が建築限界になっている。1枚7.5ドルだそうだ。この価格は送料別である。

 

2019年05月13日

Nationalの台車

National trucks Nationalの丸い穴のあいた台車は、現物を見たことがある。もう40年以上前だ。不思議な形をしていた。UPのタンク車だった。写真を撮らなかったので、もう見ることもない、とあきらめていたが、たまたま開いた本に写真があった。

UP tank car 早速台車を取り付けて、写真を撮った。筆者の鉄道にしては、珍しく番号は近い。これはChampの見本帳を参考にして貼ったので、そこそこに正しい範囲にあったということだ。
 このタンク車は 50 ft でやや長い。ドームの周辺はテクスチャが異なるのが、お分かりになるだろうか。滑落防止のために砂が撒いてあるのだ。

 この貨車はアメリカに持って行ったことがある。皆興味があって、やり方を聞かれた。実は、艶出し塗装して、部分的に最大限の艶消し塗装をしただけである。
 十分 anti-skid の感じがするそうだ。

 この模型の台車にはバネを挿す穴が下から開いているので、不要な細いコイル・バネを差し込んでエポキシ樹脂を塗り、固めた。横からバネが見えるので、一瞬可動するのかと思ってしまう。バネは動かなくても本物を使うと効果があるという見本だ。
 人間は決して目だけで物を見ているのではないという実例である。脳が働いて見ているので、錯視が起こるのである。

(お詫び) 
 一部の方から、台車部の詳細が、写真が黒くつぶれてわからないとご指摘を受けている。見え方はブラウザによるらしい。Google Chromeでは良く見えるそうであるが、暗いことは確かなので、撮り直して写真を入れ替えた。  

dda40x at 05:13コメント(1)貨車 この記事をクリップ!

2019年05月11日

glaze のこと

 先回 glaze という言葉を出した。現在では glazed と言えば、ガラスが嵌まっているという意味である。アメリカでは、glazedと言えば、甘いお菓子である。ドーナツに融かした砂糖をかけて、つるっとした感じにしたものが、それだ。ナッツにも glaze が掛けてあるものがあって、それは大好物だった。
 glazeの語源は、glass と同じである。透明で、つるりとしていることを表す。艶を出すことだ。

 さて、Floquilという塗料があった。ラッカとは異なり、エナメル系で空気と触れて固まるタイプである。顔料が重金属を含み、環境によろしくないと廃業してしまった。筆者はその前に大量に買い込んだので、当分は足りる。この塗料は重金属硫化物の結晶などを顔料にしているので、粒子が大きく、粗粒面になる。完全艶消しである。艶を出そうと思うと、粒子の隙間を埋めるバインダと呼ばれる成分を増やさねばならない。その成分を含む液体を”glaze”という。たいていは 1 oz 入りの小瓶だが、筆者は 8 oz 入りの缶を入手した。沢山持っていたが、これが最後の一つである。この缶を見たことがある人は、アメリカ人でも殆ど居ないそうだ。普通は1ozの瓶入りである。
 この glaze を入れると顔料の隙間を樹脂が埋めるので、艶が出るから、ディカルが貼りやすくなる。

Glaze 空き瓶の中を綺麗に洗って、小分けしておく。こうしないと使いにくい。今回は8つの瓶に分けた。フロクイルの説明書には5%以上加えるとあるが、30%くらい入れないと艶は出ない。

2019年05月09日

UP cabooses 

UP CaboosesUP caboose 完成しているカブースを塗った。すぐできると思ったが、意外に手間がかかるもので、6日かかった。左端が今回完成の車輛で、あとは以前から塗ってあった。

 例の red car (オキサイド・レッドの車輛)は台車が仮台車であって、高さが合っていない。しばらく待てば、wood beam trucks(木製台枠の台車)が3Dプリンタで出来て来るから、楽しみにしている。台車は金属製であると、ショートの心配がある。機関車でない限り、台車はデルリン製かナイロン製に限ると思う。これらの材料は非常に安定で、100年以上は持つだろう。ステンレス、モリブデン・グリースとの相性も良い。

 その次は先回お見せしたもので、塗装の修整をしてある。狭い範囲の修整なら、マスクして細い刷毛塗りで十分である。 台車は3Dプリンタで作ったものだ。 

 一番右の台車は、Lobaugh の砲金砂鋳物を糸鋸で抜いて、バネを押し込んだものである。艶の無い黒に塗ってあるので気にならない。
 彩度が高すぎる。車体に極めて薄いグレイを全体に吹けば、彩度を抑えられる。この手はよくやる。

 右の二輌は同一の安達製のものなのだが、窓配置が異なる。実は左が正解なのだが、工場で間違えたものが、検査に通ってしまったのだ。当時はこのようなミスは多々ある。車体の反対側の窓配置は、さらに大きな間違いがある。深く追及してはいけない。資料がない時代だったのだ。
 
 Glazing(窓ガラス)が入れてないものがある。アクリルの薄板があるので早急に貼ってしまおう。
 
 UPのカブースは未組も含めてあと4輌ある。2輌はスクラッチから作った物で、1輌は不可思議な完成品を組み直したものである。もう1輌は上記の窓が異なるものと同じ時期の製品だが、一部バラしてかなり加工してある。
 UPのカブースだけでも早く形にしておきたい。右端のNYCはパイオニア製だと思う。出来が良くないのだ。ハンダが廻っていない。

2019年05月07日

Peabody Coal

PEABODY 10年以上前から半完成だったホッパ貨車を、5輌完成させた。1月ほど外に放り出して酸化被膜を付け、さらにプライマを塗った。黄色の塗料を塗り、床上部とホッパ下を黒く塗った。細かい部分の塗分けは大変なので、境目の面倒なところは細い筆で塗ってしまう。そうしておいて、マスキングを大きく簡単に施し、黒を吹き付けた。いつもやる手である。この方法を採用すると、マスキングの手間を1/10にすることができる。一輌ずつ手にとって眺め廻すものではないので、十分である。
 
 Peabodyの意味は、さやの中に一つだけ入っている大きな豆である、と昔聞いたが、最近の辞書には載っていないようだ。そういう種類の豆があるらしい。ここでは人名である。発音は、ピーバディ で石炭を掘る会社だ。石炭は燃やして電力にして売っていることもある。アリゾナ州の砂漠の中に突然出現する電化された貨物鉄道もPeabodyで、昔Amtrakで使われていた電気機関車がホッパ車をたくさんつないで走っているのに出くわす。30年以上前、それを見て狐につままれたような気がした。炭鉱で掘って数十マイル離れた町の発電所に運んでいるのだ。その鉄道は作られた電気で動いているという訳である。この発電所は有名な観光地の Antelope Canyon のすぐ脇にある。
 そこは期待して行くと、拍子抜けするほど狭い範囲である。これらの写真で見るのがすべてである。全体を眺める場所は無い。雨水で削れた砂岩の景勝である。徐々に削れてなくなっていくのだろう。雨の降りそうなときは進入が禁止される。過去に沢山の人が鉄砲水で死んでいるのだ。

 Champのディカルは一つしか手に入らなかったので、Dr.Yに複製して戴いた。番号はでたらめである。石炭はいつも通り、スポンジである。
 目立つ貨車群である。高校生の時から好きな塗り分けであった。

2019年05月05日

LA-SLのBig Boy

tenders2 博物館に持って行ってあるLocomotive Cyclopediaを見た。1944年版1950−1952年版にそれは載っていた。1941年版には載っていない。これらの年度のロコサイクロは珍しく、日本にはほとんど無いようだ。前者は蒸気機関車が先に収録されているが、後者では蒸気機関車は後になっている。ディーゼル電気機関車の時代になったのだ。
 American Locomotive Company(Alco社)はテンダの設計例を3種用意していた。真ん中のは、ビッグボーイその他に用いられた。上は採用例がない。
 下の図が、今回話題の図である。Los Angeles-Salt Lake線のことは、LA-SLと呼ばれた。現在のI-15号沿いである。 

16-wheel tender もう少し大きな図で見よう。従台車の形は、常識的な形とは異なるはずだ。5軸のイコライザの終端は、外側台枠だから、それと結ばれるように、従台車のイコライザが台枠に平行に伸びて来なければならない。床板は内側に強度部材が付くはずだ。最後端は復元装置の扇型のコロが付く。
 テンダ後端は、曲線上で建築限界に接触しないように、少し絞り込まれる。このあたりのことが、ベネット氏の絵からは全く読み取れないのが、残念だ。
 また、大型の4-8-4のキャブ(運転室)の形は上から見て長方形ではなく、台形であるということはあまり知られていない。オゥヴァハングが大きいので、少し絞らねばならないのだ。彼の絵を見ると、そういうところには配慮がないことがわかる。30年前に見せて貰った絵は、蒸気機関車が主であったので、筆者はそこが気になって仕方がなかった。

 給水温め器がWorthinton SAであれば、煙突前のスペイスは それに充てられ、ベルのサポートは煙室戸に付けざるを得ない。給水ポンプは太いので、今までの排気インジェクタの場所には付かない。その配管はどうすべきかなど、考えるべきところはかなりあるのだが、彼はそんなことには無頓着だ。

 ロッドのSKFベアリングは、どうやら、サイド、メイン両方に採用したナイアガラと同等のものらしい。これは、他の機種の仕様書を確認した上での推論だ。それだけでも外観上はかなりの変化がある。ロッドは、3Dプリンタで作ったロストワックス鋳物を採用すればすぐできてしまう。CNCで彫刻するという手もある。

 Big Boyの試運転が始まったようだ。井上豊氏の話にもあったが、試運転はフルギヤで行う。そうしないと圧力変動が大きく、焼き付きが起こるそうだ。 

2019年05月03日

Takeno氏のこと

 いつも有用な情報を教えて下さる01175氏から、驚くべき情報を戴いた。

 竹野三郎氏のことである。ご子息が詳しく書かれている。かなりの個人情報が含まれているが、ご子息がウェブ上で公開されていることなので、ここで紹介しても問題なかろう。

 竹野氏は橋梁設計に携わっていた技術者だったのだ。以前模型の現物を見た時、普通の職人の作ったものとは違う何かを感じたのはそこだった。力学的に無理のない構造であって、軽衝突にも耐える。祖父江氏の作品と相通ずるところである。
 当時の職人の作品の中で、巧拙以外の部分の本質的な良さを感じたのには、わけがあったのだ。

 ウォルト・ディズニーが直接訪ねて来た、というのも興味深い。名前が出ていたからだろう。KTMは個人名を出さなかったから、14,000輌も作ってもアメリカ人は祖父江氏のことを知らなかった。

 最近、当時の模型を手に取って見るチャンスが多くなった。概して、HOの模型の中では、出来が良いのにはなかなか巡り合わない。これではだめだ、という設計のものが多い中で、このTakenoの模型は光を放つ。

2019年05月01日

KKCの作品展

KKC 仙台の今野氏が主宰する組織である。金属工作によって模型を作ろう、というのが主題だ。
 来る5月19日に展示会がある。HOが主体である。お時間のある方はお越し戴けると嬉しい。
 
 40年以上前から、TMSなどで金属以外の素材を模型に使おう、という記事を見るようになった。プラスティック化の波が押し寄せ、ダイキャスト製の機関車も増えている。ペーパ製の工作の素晴らしい例もたくさん紹介されている。
 
 しかし、筆者はブラス製に拘る。KKC会員の皆さんの作品も、ほとんどがブラス製のスクラッチ・ビルトである。ブラスは類稀なる快削性を持つ材料である。切る、孔あけをする、旋削する、フライス加工する、ヤスる、どの作業も、実にた易い。またハンダ付けが実に容易である。この材料は、ヨーロッパの時計細工から始まる数百年の実績がある。これほど使い易い材料もない。また、我々の寿命を超えて受け継がれていく。
 これ以外の材料を使ってものを作ろうとするのは、無謀であるとさえ感じる。今でこそ、3Dプリンタ、レーザ・カットなどの方法が身近に存在するが、手作業ならブラス工作しかありえない、と個人的には思う。

 KCC会員は、この工作法を次の世代に受け継いで貰いたいと考えている。技法、工具は会員内で拡散、譲渡されている。今野氏は小規模での会の運営から全国規模にこの組織を拡大された。インタ・ネットあればこその組織である。筆者も工具の頒布には多少協力している。様々な工具をアメリカ等から取り寄せて、原価頒布してきた。評判の良い工具は多い。
 またヒントもいくつか提供した。それらは今野氏が宣伝して下さって、今では常識になったものもある。快削材の使用は、TMS等で全く知らされていなかったようだ。アメリカのブラスは、まず100%快削材である。これを使えば作業の速度は3倍になる。これは菅原氏の本にも出ていない。彼は模型業界の人からしか取材していないように思った。工業規模の製造所の技師、職人に聞かなければ分からないことはいくらでもある。KKCの会員には様々な業界の方がいらっしゃるので、その点でも、非常に参考になることが多い。

 今回の展示会では炭素棒ハンダ付けの実演をせよ、との要請だが、左手が動かないので、どなたかに助手をお願いすることになる。満足でない状態だが、努力する。


2019年04月29日

Classic Trains

classic trains 時々買う季刊雑誌である。面白い記事が載っていることがある。古いTrains誌の記事を再構成したものもあるが、新しい切り口で見せてくれることが多い。

 今年は大陸横断鉄道開通150周年と、Big Boyが復活する予定なので、それに関する特集であった。その中で、注目すべきは、戦争中、Big BoyがLos Angeles方面に走っていた話である。ソルトレーク市から南方に走った話は小耳にはさんだ程度しか知らなかったが、この記事にはもう少し詳しく解説してある。転車台がないので大きな三角線を作ったらしい。石炭は途中で調達できた。その後、この線区に新しいBig Boyを導入する計画もあったそうだ。その簡単な図面も添えてある。

big boy 3SA heaterextended tender 最初の25輌と異なるところは、オイル焚きと水の容量増加である。テンダには従台車が付いている。あと、feed water heater をWorthington SA型にして煙室前方に置いたことだ。多少の煙室延長があるかもしれない。 

 この記事を書いているのはGil Bennet氏だ。筆者は彼をよく知っている。以前近所に住んでいた。大阪弁をしゃべるアメリカ人である。若い時、大阪に来ていたらしい。
 描いた絵をいくつか見せて貰ったが、結局買わなかった。当時は安かったが、今は名前が売れて、一流の作家になった。写真を見て描いているので、そこそこの出来だが、彼は蒸気機関車の構造には強いとは言えない人である。このような想像上の機関車を描くと、いくつかの破綻が出る。いずれお見せするが、今作っている機関車(この絵とは異なる)も、その絵には奇妙なところがある。配管、機構などありえない構成になっていた。残念だ。
 ディーゼル電気機関車、タービン機関車の絵は、まあ問題ない。画集が出ている。

 この増備型Big Boyの仕様を見ると、RodにもSKFのローラ・ベアリングが使われると書いてあるが、サイドロッド、メインロッドを指すかどうかは分からない。エキセントリック・ロッドの後端には以前からSKFのスフェリカル・ベアリングが使ってあった。これを指しているかもしれないのだ。

 実は、筆者はテンダが破損したBig Boyを持っている。どうせテンダを作るのなら、思い切ってこれにしてしまおうかとも思う。ロコサイクロで見つけた従台車の簡単な図面はある。

2019年04月27日

左手拇指MP関節不安定

metacarpal phalangeal joint ここ数年、不安定だった左手の親指が、ついに故障した。車を運転している時に突然外れたのだ。自分の車のステアリング・ホィールには、太巻きにするために、被せものが巻いてある。決して格好つけではない。指が自然な状態は直径が45 mm程度のものを握ったときだ、とK野先生から教えて戴いたからだ。
 
 その後、気を付けて運転していた。ところがレンタカーを運転している時に、やや危ない瞬間があって、急ブレーキを掛け、ステアリングを強く握ったのだ。そうしたら、バキッと音がして外れてしまった。その車のステリングが細いことを忘れていたのだ。路肩に車を寄せ、引張って復帰させたが、観念した。そのまま病院に行って、手の外科医を紹介してもらい、受診した。
 結論は、
「使い過ぎ」
だそうだ。
「人間の耐用年数は55年です。貴方ねぇ、60を過ぎたら、力仕事はいけませんよ。一体何をやっているのです?」
「鉄道模型のやや大き目の博物館を作っています。」
と言ったら、興味があるそうで見に来たい、ということであった。故椙山 満氏のことも知っていた。
 その次の受診時に、iPadを持って行って動画を見せたら、夢中になって見ていた。沢山の患者が待っているのに。この先生はご自分ではやっていないが、昔やりたかったとのことである。

 手術は2時間を要し、先生はかなりお疲れのようだった。はずれないように、外に骨を少し盛り上げ、内側に引張るようにしたとのことだ。縛っている針金を外すのは1月後だそうで、KKCの展示会には間に合いそうもない気配だ。困った。

 MP関節とはmetacarpal phalangeal 関節のことである。後ろの phalanx は昔ギリシャ語の勉強をした時に出て来た。密集隊形のハリネズミのような歩兵集団である。向かうところ敵なしの最強軍団であった。指骨の一群をphalanxということから来ている。

 その後、1980年頃、突然新聞でファランクスが出てきて驚いた。対ミサイルの高速機銃である。指の骨から転じて、縛った木の棒、束ねた銃身を意味する。


2019年04月25日

Original Whistle Stop

OSW アメリカからの帰りにロス・アンジェルス近郊で一泊した。パサディナの近くなので、オリジナル・ウィッスル・ストップという模型屋に行った。店主のFred Hill氏とは長い付き合いだ。1985年に祖父江氏を案内してアメリカに行ったとき、ミルウォーキィのコンヴェンション会場で会ったのが最初だ。筆者の三条ウォームの機関車を見て驚嘆し、
「これを買いたい。輸出してほしい。」
と頼まれたのが最初だ。
その後、KTM-USAという怪しい会社が輸入元になったが、直ぐ倒産した。最初からこの男に決めれば良かった、とその後祖父江氏とはよく話をした。

 その後、様々な場所でよく会い、仲良くしていた。パサディナに行けば必ず寄ったし、友人を連れて行ったりした。
 15年ほど前、祖父江氏が最後のUP FEFを作ろうとしたが、ロストワックス鋳物の注文先を決定するのに難航した。良い部品が欲しかったので、国内の発注を避けて、アメリカで作ることにした。
 もちろん売り先も決めなければならないので、アメリカでの買い手を確保した。フレッドは3輌欲しいと言ってきた。そこで、祖父江氏はフレッドにロストワックスを発注しようと言った。要するに部品を作って送ってくれれば、機関車を渡そう、という取引だ。フレッドはロストワックス工房に知り合いがいたのだ。

 少々強引なところもあって気が引けたが、祖父江氏は彼なら引き受けてくれると言った。それで筆者が交渉を始めたのであるが、意外にも彼は直ぐその話に乗ってくれた。
「私は祖父江氏の機関車には心酔している。その助けとなるなら、いくらでも金を出す。」と言ってくれた。祖父江氏は感激した。

 その1年後、完成した機関車を持って渡米し、渡したとき、フレッドは感激していた。素晴らしい出来の機関車であった。彼は1輌は手放したが、残りはまだ持っているはずだ。

 フレッドは日本にも時々来る。祖父江氏の工房を訪ねた数少ないアメリカ人の一人である。その時には通訳として呼ばれたのだが、都合がつかなかった。

 今回店に行ったときに、最近の日本の様子を聞かれた。天賞堂の模型ビシネスが縮小される見込みだということは知っていた。
「ブラスモデルが壊滅的な様子なのはどこも同じだ。HOもひどいが、Oはおしまいだね。ウチの店もOスケールの扱いはやめた。」と言う。筆者の博物館の動画は見ていた。「見に行く。楽しみにしている。」と言ってくれた。

「1951年にこの店が始まった時、LAには19軒の模型屋があった。今は2軒だ。」と言う。フレッドたちがこの店を買い取ってから、もう40年ほどだ。筆者は1988年に店に行ったときに場所が移動したように思った。改装したばかりで、ペンキの臭いがした。以前はもう少し東にあったように思った。それからもう30年も経つ。 

 今回の買い物は、UPの黄色の塗料と、"Solvaset"だけである。このデカル固着剤は強力である。日本製のものとはずいぶん違う。ただ、塗料を侵すので、塗ったら触らないほうが良い。


 手術を受けることになり、入院している。模型作りには不可欠の部位を修理(治療)して貰っている。 

2019年04月23日

ハンダ付けの補助具

soldering aid モハメイド氏の記事を見て、「オッ」と思わず声が出てしまった。この補助具は筆者も同様のものを持っている。30年以上前に作ったものだ。何度かの修整を経験しているが、捨てがたいものだ。いつも重宝している。


passemgercar errection 客車や貨車を組むときに使う。手前の一部は少し持ち上がっている。それはこの写真のように、裾がすぼまっている車輌があるからである。この部分は焦げたりして傷むから、時々ノミで剥がしとって、新しい板に交換する。この部分の無いものも作った。

 最近は炭素棒の出番が多いので、焦げる回数は減った。

 ハンダゴテを仕舞ってある棚を探すと、いろいろなものがあるので、ついでに紹介する。
square 直角ジグである。左は伊藤 剛氏のところから来たもので、井上大令氏の作られたものである。今では使ってはいけない石綿板が張ってある。ガス火で加熱する時に使う。これはよくある形だが、右は筆者の自作した貫通型である。45年ほど前に作った。
 アメリカの古い雑誌からアイデアを頂戴した。1950年代のModel Railroad Craftsman誌だったと思う。下の板はジグの下の隙間を貫通している。縦の板はクランプで軽く留めて倒れないようにしている。大きなコテで、さっと一息で付けると、傾かない。ハンダが片方だけにあると、それが縮んで傾くのだ。ハンダが浸み込んで、向こう側にも等量なければならない。これは祖父江氏から教わった。向こう側に出したくない事情があるときは、少し向こうに倒しておくと、固まった時に垂直になる。
 その角度はと聞くと、
「そんなもなぁ、メケンだよぉ。」
とのことだった。メケンとは目で見て、見当をつけることである。

 5月19日にあるKKCの展示会で、ハンダ付けの講習会の講師をせよ、と言われている。何かリクエストがあれば応じたい。炭素棒を主題としてやってくれ、とのことだ。


2019年04月21日

新しい台車を履く

UP caboose UPのカブースである。このカブースは塗装がおかしくて、すごく安かった。剥がして塗り替えるつもりなのだが、とりあえず埃を被せてごまかしてある。高速台車を付けてみると、こんな感じである。この時代に適合しないような気もするが、末期にはいろいろな組み合わせがあったので、これで良しとする。
 床下の道具箱やステップがこんな色をしているわけがないので、とりあえずそこだけ塗ってみようと思っている。

Rath Reefer イリノイ州の田舎から来た冷蔵車である。せっかくの台車が見えにくいが、Nationalである。この貨車は、ハーマンのところから貰ったものだ。組み掛けだったので、意図を汲んで製作した。ドアヒンジがなかったので、これも3Dプリンタで作った。本物の図面から作ったので、そのものずばりの形である。現物はヘンリィ・フォード博物館で見てきた。
 扉の鎖錠装置はあり合わせのものだが、非常に良くない。これも作り直す。屋根の色はいわゆる roof brown である。昔はこんな色の貨車があったのだという例として古い塗装で作った。

B&O Crummy B&Oのカブースだ。今までアンドルーズの台車を履いていた。コイル・スプリングであったので気分が悪かった。自作改造の怪しいリーフ・スプリングの台車に付け替えてあったが、気に入らなかったのだ。これでようやく安心して走らせられる。
 手摺は好みで白にしてある。本物は黄色が多かった。

 台車を履き替えると、気分が変わる。今までの鬱屈した状態から解放されたような気がする。車輪はすべて当鉄道の様式に塗ってある。平軸受けの場合は外は油汚れの色、内側はさび色である。


2019年04月19日

続 3Dプリンタによる台車製作

national Nationalという会社の台車である。丸穴が面白い。二つの穴の中にもバネが仕込まれている。組立時に、どうやってバネを仕込むのかは興味深い。
 ボルスタ中にも大きなバネがあり、バネの中心は位置は十文字配置である。下側のバネ座は台車枠だけであって、spring plank(バネ床)がない。当時のカタログを見ると、部品の少なさ、すなわち軽量化を謳っている。軽くなった分、積荷を増やして収入を増すことができる、と述べている。軸箱を分解すると、簡単に車軸を外せるという図も添えてある。要するに、車軸が無いと、左右の枠は水平面で自由にひねれるらしい。台車枠と枕梁との摺動する部分いわゆる摺り板がないからだ。ということはバネの横剛性だけで載っていることなのだろうか。バネ座が深いのは、そう考えれば理解できる。self-centering という名称もそれを示しているのだろう。
 この台車はよく写真集で見るのだが、模型の製品としてはまずお目に掛からない。1940年代の貨車によく使われている。いくつか該当する車輛があるので、台車を交換するつもりである。

bet_cb カブース用の重ね板バネつきのベッテンドルフ台車である。揺れ枕内蔵のSwing Motion Truck である。人が乗る車輛は重ね板バネのダンピングが効いていないと、乗っている人がどうかなってしまう、ということだ。
 昔コンテナ列車にコキフが付いていた。車掌室側の台車だけをダンピングのよく効いた台車に履き替えていたという話を聞いた。当初の台車では車掌が参ってしまったらしい。この件について、詳しい情報をお持ちの方はお知らせ願いたい。 

 今回の試作品だけで10輌のカブースが正しい台車になる。

追記 
 うっかりして、古い原稿をそのまま出してしまったので、完全に新しいものと差し替えた。申し訳ない。


 コキフについてはお二方から情報を寄せて戴いている。
brass_solder氏から、 
 コキフ50000型は50000-50063まで前後ともコキ50000型と同じTR223を履きましたが、乗り心地の問題があり50064以降は車掌室側をバネの柔かいTR223Aに変更したそうです。その後やはり乗り心地が悪かったので、前後とも空気バネのTR203Sに交換したそうです。鉄道ピクトリアルNo.540 1991-3 に解説がありました。


kuma氏からは、
今回話題の件と関係があるかはわかりませんが、乗り心地の悪い車種があった様です。ここに記事があります。

 これらの記事を見る限り、ダンピングに言及しているわけではない。お二方には感謝する。 



2019年04月17日

3Dプリンタによる台車製作

3D printer S氏が製作した台車を持って来て下さった。今回は、ボルスタ・アンカ付きのカブース用高速台車、重ね板バネ付きのカブース用ベッテンドルフ、ナショナルの貨車用鋳鋼台車の3種である。試作品なので、これを実際に組んで、今後の設計に生かす。テクスチャはやや粗い。必要があれば細かくするが、今回はトライアルである。ナイロンは極性の大きな分子であるので、染色が容易だ。今回は自分でやろうと思っていたが、製造会社でやってくれるというので頼んだ。非常に安価だ。

highspeed caboose truckhighspeed trucks ボルスタ・アンカはしっかり飛び出していて、素晴らしい。これでなくっちゃ、という感じである。左は韓国製の不思議な形の製品である。
 ブラスのロッドを差し込んだ。穴はあけてあるのだが、詰まっているから、ドリルを手もみで通す。先端はニッパで傷をつけて押し込むと二度と抜けなくなる。
 ピボット穴は、例のドリルでさらって、モリブデングリスをほんの少量塗る。素晴らしい転がりだ。0.3%以下で転がる。ナイロンは弾力があるので、左右とボルスタは一体成型にしても問題なさそうだ。今回は回転できるようにしたが、バリ取りが面倒であった。良好な保線の施してある線路上なら、ひねりは極めて少ない。荷重の掛かっている状態で0.5 mmの板をレイル上に差し込んで様子を見たが、すべての車輪がよく密着している。イコライザは可動であるが、仮固定してその実験を行った。軸箱可動の必要性を感じない。

 重ね板バネも一体成型できた。透かして見ると気分が良い。コイルバネは細いケイディのバネを仮に入れてみた。飾りだから太い線でも良い。

 カブースは作りかけがたくさんあるのだが、すべて台車で引っ掛かっていた。重ね板バネの台車はろくなものがなく、作るのも大変で放置されていたのだが、もうこれで支障はなくなった。一気に完成に持ち込める。

cabooses この台車が来たので、現在6輌を製作中である。すでに2輌は塗装工場に入っている。

2019年04月15日

続々 遠藤機械の切断機をカスタマイズする

 大半の方は、そのまま組んでドンピシャリであったそうだ。シムを挟んで調節が必要であった方は数人である。下刃とテイブルが同じ高さでないと、ワークを滑らせたときに気分が良くない。

 U氏は自作された送り装置を付けられた。天板を外せば原型が現れるので、以前と同じ形で送り装置が使えるそうだ。この送り装置には筆者も興味があり、何回も図面を描いてはいるが、まだ形にはなっていない。
 いよいよ作りたいと思い、リニアガイドを入手した。送りネジは旋盤の心押台から外した左ネジを持っているので、それを使うつもりだ。その節にはU氏に助けて戴いたことを、感謝する。

lighting 切刃の真上から光を当てて、ケガキ線を見たい。いつも専用の照明の下で切っていたが、あまり明るいとは言えない状態であった。それを見ていた友人のN氏が、
「ほら、これを作ったから使ってみてよ。」
と持って来て下さった。それは電池式のLEDライトである。バァ・ライトと電池箱をそれぞれ両面接着テープで留めれば良い。実によく光が廻って、切り間違いはなくなる。N氏のアイデアと実行力は素晴らしい。感謝する。

 当初の予定では昨年11月末に納品の予定であったが、かなり遅れてしまった。その間にいくつかのキャンセルが出て、それを処分したいことをクラブ内で告知したら、意外にもいくつか追加注文が来てしまった。少数を再生産することになったので、このブログの読者からも注文を受け付ける。
 希望者は手持ちの機械の情報を知らされたい。
‖臑里旅愼年および価格
⓶脚の上面から下刃の上面までの高さ(43 mmが多い)
Bの間隔(270 mmと330 mmがある)
げ漆呂良(切断面から手前の角までの距離)
をコメントで「私信」としてお知らせ願う。他に漏らしたりはしない。
納期は2か月、価格は11,000円前後だ。

2019年04月13日

続 遠藤機械の切断機をカスタマイズする 

underside 仕上げ無しで良いということは、工賃を抑えることができるわけだ。当初はフライスで仕上げることにしていたが、その必要は全く無くなった。ネジ孔を用意するだけで完成だ。その加工は外注した。さすがにM10のネジを切るのは、筆者の工房では無理だ。
 レーザ加工の工場の紹介でネジを切ってもらったが、安くはなかった。止り穴の場合は切り粉を出すのに苦労するので、横から孔をあけておいて、排出した。これは良いアイデアだと、加工工場で評判が良かった。

table top テイブルは二系統を一つにまとめたので、余分な穴が開いているが、それはお許し願った。



 テイブルの奥行は、下刃の手前側にぴったりくっつけたいところだったが、下刃の奥行きにもかなりのばらつきがあることが判った。最大のものに合わせたので、最大1 mm強の隙間ができる。気になる人がいるかもしれない、と危惧したが、今のところ苦情はない。黒皮の普通鋼板であるが、剛性があって平面度が良い。下刃との高さを合わせると、極めて作業性が良くなる。

shear table 直角定規(切断ガイド)は普通鋼板のつもりだったが、それでは曲がり易かった。用をなさないことが判ったので、高級な刃物用ステンレスを使用した。そのままでも包丁になる材料だ。熱を加えると極端に硬くなるので、下手に加工すると収拾がつかなくなる。水で冷やしながら砥石で磨る程度だ。

rule 矢印の部分は、機械の寸法のばらつきによって当たることもあるらしく、その場合は少し削らねばならない。M10を仮締めして、直角が出るか試切りで確認する。良ければM10を本締めして、できあがりである。


 本体の孔が多少ずれているものもあるらしく、どうしても直角が出ないという訴えがあった。電話で、ヤスリで本体の孔を僅か拡げて戴くようお願いして、解決した。どうもこの切断機は、手作り品のようだ。 


2019年04月11日

遠藤機械の切断機をカスタマイズする

00016070001607_3 しばらく前にこれらの写真をお見せした。これは熔接で出来ている。職人の腕で、段差が全くないものを作ってもらったのだ。これを所属クラブで披露すると、欲しいという方が多数あったので、それを増産することになった。

 困ったことに遠藤機械の製品は、40余年の月日のうちにどんどん寸法が変化していることが判った。クラブ員からの申告を分析すると、下刃の高さは39 mmから44 mm程度までの分布を示し、脚の間隔も270 mmと330 mmの二系統があった。組み合わせは計11通りあって、個別に対応するのは無理であった。出来たとしても価格が極端に高くなる。細かく検討した結果、大きく4種に分けられ、微妙な寸法の差はシムを挟むことによって逃すことにした。そのシムを挟む場所は二箇所にすれば、テイブルが高い場合と低い場合に対応できる。

 当初は熔接で作る予定であったが、溶接工の友人が突然入院してしまい、別方法で製作した。
 レーザ加工の工場が引き受けてくれたのだが、機械が故障し、新型に入れ替えるのに正月を挟んで一月ほど停止期間があった。再稼働し始めたが、初期故障もあり、また遅れを生じた。今野氏から一番低い事例としてお借りしていた機械は、3か月以上もこちらに留まり、大変なご迷惑をお掛けしてしまった。

stands 構成は、19 mmの鋼板をレーザで切って、その断面を使ってテイブルを直角に保持するというものである。技術の進歩はこういうところに出て来る。
 19 mmもの厚さの板を切れば、切り口はめちゃくちゃになって、その面で板が直立することなどありえないと思っていた。ところがレーザ加工工場の専務が、
「まあ見てください。ほらね。」
と立てて見せてくれたのだ。以前は13 mm厚程度でしか、このような芸当は出来なかったそうだが、今度の機械は19 mmでも完璧なのだ。


2019年04月09日

「蒸機を作ろう」

KKC 表題の書籍が出版された。仙台の今野喜郎氏が率いる 秘密結社?KKCがここ数年進めていたプロジェクトであった。ブラス製機関車を作る技法の集積である。
 過去に菅原道雄氏の「鉄道模型工作技法」という書籍があった。これは良い本だとは思ったが、さすがにもう古いと感じるようになってから久しい。菅原氏とは20年ほど前、親しくお話しする機会があった。Low-Dが開発された頃である。その現物や、高精度のギヤボックス、軸箱もお見せした。
「工作機械を導入せねば、精度の悪い模型しかできませんよ。」
すると菅原氏は、
「これは凄いですね。しかし、そういう本は私の手には負いかねます。貴方が書いてください。」
と言われた。そのことも、当ブログを始めたきっかけの一つになっている。
 
 今回のプロジェクトが始まってから、もう数年経つ。その間、出版社に刊行を依頼したが、何年も動かずに止まっていた。世の中の動きは速く、その間に情勢が変わって入手不能になる機械も出て来た。
 そこで今野氏は、「自費出版でやろう!」と執筆者に声を掛け、原稿の再編集に立ち上がったのだ。執筆者に原稿を差し戻し、すべてに再度手を入れて戴いた。筆者も微力ながら、お手伝いした。

 機関車をブラスで作るというのは、最近の若い模型人にとっては、かなり敷居が高いと感じる人が多いそうだ。しかし筆者たちの世代は、それが当然であった。プラスティック製、ダイキャスト製の機関車など、殆ど無かったのだから。
 高校生の時から、ブラス板を糸鋸で切りまくって現在に至る。ハンダゴテは20本くらい買っただろう。ヤスリは何グロスか使いつぶした。ハンダ付けのテクニックを磨くのには苦労したが、炭素棒を使えばそのようなテクニックは要らなくなる。工作機械を導入したのは40年位前だが、それから工作スピードはかなり上がった。
 この本では、工作機械を使った工作にかなりのページを割いている。機械を持てば、楽に、正確にできる。特に蒸気機関車の台枠、ロッドの工作は機械を使えば、簡単で確実である。
 機械の価格は、相対的に安くなった。ただし、中国製の感心しない機械であるから、全部ばらして、ネジの取換から始めるべきだ。締めると首が飛ぶような、粗悪なネジを使っていることがあるから、油断はできない。ネジ専門店で、日本製のネジを購入してこなければならない。
 このブログでも工作機械整備記事をいくつか書いた。機械本体の価格と同じくらいの投資をすると、実に良いものになる。そうして作り上げた工作機械は自分の体の一部のように働いてくれる。

 この本では、達人たちのテクニックが惜しみなく披露され、後進の人たちに勇気を与えている。
既製品を買い集めるのをしばらくやめて、工具に投資すれば、楽しい人生が送れる
というメッセージを送っているのだ。この本の価格が2,500円というのは、いささか安過ぎると感じている。

 直接購入を希望される方は、konno#m1.bstream.jp(#を@に交換)に連絡されたい。送料は360円である。

2019年04月07日

Forney

 船はニカラグアのCorintoという港に半日泊まった。ホンデュラスに行けなかったのは残念だった。実は拙宅は、ホンデュラス・マホガニィをかなり使って建てている。どんなところか見たかったのだ。

Forny (5)Forny (6)Forny (7) コリントォでは市内見物するのに輪タクを雇った。英語がほとんど通じないので、かなり困ったが一巡りして、機関車があるというところに連れて行ってもらった。
 3 ft 6 inゲージのフォーニィが置いてあった。ごく適当にクレーンで吊ったらしく、サイドロッドは曲がっていた。

Forny (12)Forny (10)Forny (3) 日本の国鉄と同じゲージなのだが、このナロゥ感はすごい。しかしゲージが広すぎる。 この矛盾した感覚が面白い。もともとは3 ft 用なのだろう。それを無理に拡げたのだ。ボイラの低さ、細さが、かわいらしい。日本に持って来て国鉄の線路に載せるとどんな感じなのだろう。

Forny (2)Forny (9)Forny (8) 従台車がこれ以上ないほど簡略化されている。模型の方がややこしいのではないか、と思えるほど簡単である。乗り心地はひどそうだ。

 これで思いがけず叶った中南米訪問の報告を終える。


2019年04月05日

運河の掘削

 パナマ運河は、当初水平式を計画したようだ。実際に掘り始めてはいるが、すぐに挫折した。スエズとは違って、途中の山を崩すのがあまりにも大変であったからだ。川を堰き止めて人口湖を作り、それでつなぐことにしたが、航路は屈曲している。最終的に峠を切り開かねばならなかった。ある程度真っ直ぐにしないと意味がないので、いくつかの山を削り取っている。

Culebra Cut その中で最大の難所が、この Culebra Cut である。ちょうど分水嶺になっている部分で、海水面からの高さは100mほどもあったろう。その山を全部掘り崩し、深く削ったのだ。工事は困難を極め、死傷者が続出した。岩が脆く、地滑りが起こりやすかったのだ。完成後にも何度か地滑りを起こし、運河は埋没したらしい。浚渫は何度も行われている。
 現在では特殊な杭(アンカー付き抑止杭を山に刺し、板で押さえて崩れないようにしてある。このあたりの説明を、船内の映画で何種類か見た。

 映画には当時の最新型の掘削機や、バケットを連続させたエクスカヴェ―タが登場した。すべて蒸気機関で動いている。ズリの運び出しにはダンプ機能を持つ貨車が初めて用いられた。斜面のガイドレイルに当てて、一編成を順次連続的にダンプする工夫で、今では常識的な手法だが、ここで用いられたのが最初らしい。

 工事に伴い病人が続出した。黄熱病、マラリアなど、蚊を媒介とする病気だ。それについては、世界で初めて、広大な地域全体を防除する体制が採られた。強い薬ではなく、特殊な油を薄く撒く方法である。蚊の親油性部分に付着して、生きていけなくする工夫であった。蚊は、水にぬれてはいけないところは水を弾くように出来ている。その部分は油にぬれやすいから、付着して呼吸できなくなる。
 その工夫は大きな効果を発揮し、病人は激減した。

 パナマ運河は、人類が成し遂げた大偉業であるというのは実感できる。現在の様子は、この動画で楽しめる。100倍速のタイム・ラプスで、数分で太平洋側からカリブ海へ抜ける全線が見られる。2分50秒辺りがクーレブラ・カットである。

2019年04月03日

mule

mulemule (2)mulesmules 1



 これらの電気機関車は mules と呼ばれている。ラバのことである。荷馬車を牽いて、もくもくと歩く動物だ。
 当初はGE製の機関車であった。運転台が前後にあるもので、三池炭鉱によく似たものがあった。当初は船が小さく、かなりいい加減な曳航でも問題はなかった。1970年頃日本製が納入され、再度新型が納入された。
 新型機は、精密機械である。船がどんどん大きくなり、パナマ運河の幅33 mに対し、32 m幅の船が大半になってしまった。要するに両側の隙間が50 cmしかないのだ。船がどちらにも偏らないように静々と進むのは、一種異様な雰囲気である。風の影響もあるだろうが、ほぼ無事故で毎日の業務をこなしている。先回紹介した事故は、かなり稀な例である。
 旧型機ではそういう仕事ができなくなってしまった。ウインチの張力を手加減で決めたり、速度を目測で合わせるようでは、現代の巨大船は運河壁に衝突してしまうのだ。

Panama canal (5)Panama Canal (4) 曳航索・巻取り装置は windlass という。発音はウィンドラスである。ワインドではない。この張力を一定にする装置の開発がキモであったようだ。一定速度での走行、均一な張力の二つが大切である。船の上から見ていると、運河壁との隙間は完全に一定で、文句のつけようが無い。

2019年04月01日

ラック式機関車の運用

 閘門が開くと、左右の機関車は協調しながら進む。ワイヤの張力は半自動で調整されるようになっている。いつもピンと張っていて、緩むことは無い。何万トンもある船の慣性は巨大だ。動き出したら止まらない。ぶつかると大破する。
 しばらく前に事故があったことを覚えていた。機関車が押し潰された写真が印象的であった。その動画を見つけ出すことができたので紹介する。向こう側の機関車がワイヤをもう少し強く巻上げていれば、防げたような気がする。船首に乗っている pilot 水先案内人 のミスであろう。最初から急角度で進入しているのはまずかった。


 キャブが潰されているが、運転していた人は無事だった。集電装置がショートし、煙が出ている。この種の事故があることは、ある程度想定されているので、クレーン車が用意されている。

turn tableturntable2crane クレーン車は、中央の線路に置いてある。ターンテイブルをポイント代わりにして出動する。このターンテイブルは全回転するものではなさそうだ。ラックが斜めに切られている。レイルも切られている。この部分の線路は、機関車に力が掛かる位置ではないので、このような方法でも良いのだろう。要するに、曳船機関車が走る全線に亘ってラックがある。また、クレーン車が置いてあるところにはラックは無い。牽引しないから、それで問題はない。

 集電装置は細い隙間の奥にある。隙間の周りは絶縁材でできている。シュウ自体には、ある程度の幅があるのだろう。雨が入るので、三相交流480Vで、低電圧である。饋電区間が短いし、出力が大きいわけでもないので、十分である。薄い集電装置の両側面とレイルとで集電しているように見える。ここに製造所の発表している記事があり、それによると、最高速度は10 mph(時速16 km)である。ギヤ比はかなり大きく、回送時にはウィーンと唸りながら走る。
 軌間は 5 ft で広軌である。標準軌より少し広い。昔のパナマ鉄道の軌間である。

2019年03月30日

パナマ運河

 小学校の時にパナマ運河の本を読んで以来、一度は行きたいと思っていたが、チャンスがなかった。しかし、今回思わぬことで夢が叶った。

New Canal 最近新しい運河が平行してできたのだが、あまりにも大きくて面白味がない。この写真の右側である。できれば旧運河を通りたいと思っていた。どちらを通るかは当日までわからないのだが、運よく、旧の方を通った。通行量は船の大きさによって決まる。客船の場合は乗客数によるらしい。この船で2000万円程度払うのだそうだ。
 小さい船は当然安い。今までで一番安かったのは、冒険家が泳いで通ったときだそうで、36セントだと言っていた。

Panama Canal 水平式のスエズ運河とは異なり、閘門式で、26 mほどの高低差を乗り越えていく。閘門の中はせいぜい300 mほどの長さで、幅は33 mほどである。船との隙間は1 mもないから、ぶつからないように両側から8輌の電気機関車で引っ張る。

 mule trackLock (2)mule閘門部は最大27度の勾配があるのでラック式の鉄道である。新しい機関車は、日本製である。超低速で安定した動きをする。

worn out レイル2本のうち、運河寄りのレイルがかなり磨り減っているのが分かる。機関車は常に張力を与えているのだから、当然である。前部の4輌のうち最前方2輌は勾配部分ではロープを緩めて駆け上がり、上で再度ロープを緊張させる。その間に、次の機関車が駆け上がる。その瞬間には最後部の2輌は軽く引っ張って、船が前に行かないようにする。このあたりの動きが実にきびきびしていて、頼もしい。船は左右に全く振れずに静々と進む。

619_0468619_0471619_0473 閘室への一回の注水で、12mも持ち上がるところがある。船の脇の地面に立つ照明灯が、数分のうちにめり込んでいったように見えた。船が持ち上がったのであるが、あまりにも静かに水面が上がるので、地面が下がったように感じたのだ。船が上下する時は、機関車からのロープは緩まないように少しずつ長さを調節する。

619_0491619_0494 閘室の水面が次の水面と一致すると、閘門が開く。油圧式で、二重になっている部分もある。修理のための予備かもしれない。
 閘門の上には渡り廊下があり、閉ると手摺りがパタパタと立ち上がるのが面白い。開くときは倒れるのである。


2019年03月28日

大陸横断鉄道というよりは

PCRC むしろ大洋連絡鉄道 inter-oceanic railroad と言った方が良いらしい。パナマ地峡を走る鉄道である。地峡は英語では isthmus という。(複数形はisthmi だったが、既に誰も使わない。)
  船内の案内映画で何回も音を聞いたが、筆者の思い込んでいた発音と一致せず、ピンと来なかった。thは読まないから発音は簡単だったのだ。7文字中5文字が子音という珍しい語である。子音が多いのはドイツ語やチェコ語にはよくあるが、英語には極めて珍しいパターンだ。喘息 asthma と同様、ギリシア語起源である。医学用語にはよくある。
 
 歴史的には世界最初の大陸横断鉄道であって、勝海舟らも乗った。長さはせいぜい 80 km弱である。昔はPanama Rail Road  PRRと言っていたが、最近はPanama Canal Railway Company  PCRCと言うらしい。旅客列車は両端に機関車を付けたプッシュプルである。短い区間を往復するので、そうしているのだろう。
 この鉄道は複線で、パナマ運河ができるまでは、世界で最も収益率の高い鉄道であったそうだ。これしかないので、とんでもない高額な運賃を取っていたのだ。通過貨物量も当時、世界最大であったという。今は単線である。
 
PCRC freight この鉄道は広軌であったはずだが、知らぬ間に標準軌化されていた。アメリカの鉄道会社が機関車、貨車を使いやすくするためだろう。旅客列車も走るが、コンテナを二段積みした貨物列車が走っている。長さは60輌程度が最大である。現在は単線である。いずれ複線電化が完成するだろう。

electrifying パナマ運河を巨大コンテナ船が通るのだから、船で運べば良い筈と思うのだが、実際には運河を通れない船もあるようで、鉄道の需要は大きい。輸入した2段積コンテナ貨車を使えば、運送コストが下がるのだろう。現在はKCS  Kansas City Southern Railway によって運行されている。KCSはメキシコにかなりの路線を持っている。  
 ディーゼル電気機関車が走るのだが、一部は架線柱が立ち、電化を目指しているようだ。この地域は水力発電が容易なので、電化のメリットが大きいと判断したのだろう。

 パナマ運河は長らく往復ニ線しかなかったが、新パナマ運河が平行してできたので、通行量は倍以上になったらしい。旧運河の幅は狭く、船の幅の広さは 32 mが最大であったが、新運河ではそれが49 m幅まで許される。しかも喫水が深くなったので、重い船も通れるようになった。

追記 インドの電化された線路をダブルスタックのコンテナ列車が走る動画がある。May.25,2019

2019年03月26日

船の中

 このクルーズにはまったく期待しておらず、日本のフェリーみたいなものだと思っていたが、意外と面白かった。
  食事はおいしく、エンターテインメントも充実していたし、普通、行きにくい南米まで行けたのは、良い体験だった。  
  
main dining roommain dining room2  食堂の朝昼はかなり豪華なカフェテリア方式だが、給仕がついていて、何かと世話を焼いてくれる。いつもオムレツを焼いてもらった。このオムレツは、好みに応じて具は目の前で自由に指定できる。アメリカの高級ホテルの朝食でなければできない注文で、嬉しかった。夕食は船尾のダイニング・ルーム(2フロアある)で取る。いわゆる前菜、メイン、デザートといったフルコースで、贅沢である。酒類は、注文すると別途請求される。
  食事の好みは、伝えると反映してくれるところが素晴らしい。スープの塩加減も対応してくれた。尤も、それはシェフの失敗らしく、他にも指摘があったらしい。給仕の頭(かしら)は、この道45年という男で、実によく仕事のできる人であった。日本にも来ることがあるらしく、再会を約束した。

  毎晩のショウは面白く、クラッシック、洋楽、色々なジャンルの音楽を楽しむことができた。芸人は、停泊地で降りて、次の船に乗り換える。部屋では最新映画が楽しめる。TVドラマも充実しており、給仕頭が勧めてくれた“Young Sheldon”という、20回ほどの連続物を楽しんだ。
swiming pool 1 バァは見晴らしの良い最上階や、船尾のプール脇にあり、友人と鉄道談議が弾んだ。ちゃんと、生ビールが出てくるし、カクテルも好みに合わせて作ってくれる。プールは屋外だと思っていたが、中央のプールは天蓋が開け閉めできる。緯度が高くなると寒いので、閉めてごくわずかの隙間を開けていた。そうすると、日の当たる所に席を取りたい人が移動する。

 不便なことと言えば、インターネットが使えないことだ。かなりの高額料金を払えば衛星経由で可能だが、伝送速度が小さいし、天候によって左右される。 船は各地のリゾートに半日ずつ留まる。降りることができるから、降りたところでwifiスポットを探して繋いでいた。

dog relief  車椅子の人もかなり居るが、完全に対応できるようになっている。盲導犬もよく見たが、どこで用を足しているのかがわからなかった。散歩コースが指定されているので、歩いていると、それがあった。


  驚いたことは船の運営スタッフに白人の割合が少ないことだ。給仕、客室係の人たちのほとんどは、インドネシア人であった。彼らの英語にはかなりの訛りがあるが、意思の疎通には問題はない。これを見ると、日本の英語教育には大きな問題があると感じる。フィリピン人も居たが、彼らの英語は秀逸である。


2019年03月24日

大陸横断鉄道?

 仕事があってアメリカに行った。その後、フロリダの友人を訪ねた。建設中のレイアウトを見せて貰いがてら、しばらく居候する予定であった。
 日程調整をしていたら、メイルが来て、
「友人がキャンセルした。興味があればクルーズに行かないか?大陸横断鉄道を見よう。全線を1日で見られるんだぞ。」
と言う。筆者はクルーズなどには縁がなく、どんなものか見当もつかなかったが、破格の価格らしいのでOKし、パスポートのコピーを送り、飛行機の切符を押さえた。
cruise ships 結局、友人宅には1泊させてもらっただけで、港に行った。大きな船が4隻も居て、その中の最大の船に乗った。
 排水量は8万トンだという。乗客は2100人、乗員は800人だそうだ。船は巨大で、先回見た空母よりはるかに大きい。中は11階建で、劇場、プール2つ、食堂5つ、バー4つ、カジノ、テニスコート、ヘリポートその他なんでもある。エレヴェータは客用だけで14本ある。船内を一周するだけで1日掛かりである。
 食事はピザから中華料理、フランス料理のフルコースまで何でもあり、殆どが運賃の中に含まれている。酒類は注文して後日清算である。

 驚いたのは水がいくらでも使えることである。昔の客船は、プールがあってもその水は海水であったそうだが、これは真水である。船内で、海水から水を作り出しているのである。蒸発凝縮をさせるのではなく、逆浸透という方法であって、前者の1/80のエネルギィで作れる。
 トイレは飛行機のような真空吸引型で、食堂、洗濯室の排水と同時に船内の浄化槽で生分解して放出するらしい。

 表題の大陸横断鉄道については、最初、全く意味が分からなかった。それは彼の謎かけであった。さて何であろうか。

2019年03月22日

続々 質疑応答

 3週間以上留守をしていたが、昨日帰国した。留守中に入っていたコメントを記事として再掲することにした。質問(Q1)以降は、すべて森井義博氏からのものである。文字表現は統一した。
 小画面の端末しか持って行かなかったので、一部のコメントに目を通していないことが分かった。いずれすべて掲載する。

(Q4)「規格はすべて公差付きの数値で表されており、1/87の縮尺通りではありません。」とありますが、S-4.2のNは、(Nom.)しか記載が無く、公差は示されていません。以前は、Minがありましたが、どうして公差が無くなったのでしょうか。
NのMinが定義されていないと、極論すれば、車輪の薄い輪軸もS-4.2としての規格内ということになります。(S-3.2の規格に合わないので、脱線の頻発が予想されますが)

(A4) Minがなくなった理由は私にもわかりませんが、製造上の公差で構わないとのことでしょうか。このNの寸法チェックは、NMRAゲージで行われるのが通常ですので、薄くなるとすぐにわかりますので気にしていませんでした。


(Q5) 走る鉄道模型の輪軸、線路は、模型機械として動作可能な寸法と、互換性を確保するために、実物の縮尺通りにはできません。そのことは、NMRAのS-1.2に記載されています。では、何のためにS-1.2でNAME OF SCLAE、SCALE OF FOOT、PROPORTIONが書いてあるのでしょうか。私はS-1.2で、名前と縮尺、軌間の関係を定義しているものと考えています。

(A5) おっしゃる通りだと考えています。いわば各スケールの原点でしょうか。ばらばらの正式ではない規格をまとめたと思っています。


(Q6)「線路、車輪、車輌限界がそろって初めて一つの規格になります。」とありますが、現在のNMRAにおいて車輌限界の規格はどこにあるのでしょうか。
かつて、規格として定義されていたS-6,S-7,S-8は、RPとなり、規格では無くなってしまっています。

(A6) 車輌限界については、これも通常はNMRAゲージの出番です。私は3種類のゲージを持っていますが、少しずつ異なります。RPに移したのは改定の準備ですね。基本は変わらないと思っています。


(Q7) 輪軸、線路、車輛限界が同じであれば、縮尺が全く異なっても同じScaleなのでしょうか。

(A7) 今回の改定では同様に扱っていると思います。縮尺が全く異なれば、車輌限界が変わりますので異なるスケールになると思います。


(Q8)日本型の1/80模型とアメリカ型の1/87模型とでは車輛限界は同じなのでしょうか。私は、日本型1/80模型の方が、車輛限界は小さいと思っています。

(A8)
車輌限界とは最大値です。何分の一であるかは無関係です。外れればぶつかりますが、小さければぶつかりません。


(Q9)輪軸、線路、車輛限界が同じであれば縮尺は問われないとすると、模型鉄道としての縮尺はどうなるのでしょうか。建造物、自動車等の鉄道車輛模型以外の縮尺はどうなるのでしょうか。それから、私の周囲では、NMRA S-3、S-4の規格数値の誤りが多くあることで、話題になっています。

(A9)NMRA規格は鉄道模型規格で、鉄道模型以外の規格はありません。レイアウトでは、遠くの建築物は大きな縮尺で作る、など製作者によって決められると思います。この辺りは作者のセンスに任せるべきで、規格の出番ではないと思います。NMRA規格は10年近く前に改定されていますので、誤りはないと思っていましたが、もし誤りが多くあるとすれば、ぜひNMRAに教えてあげてください。きっと感謝されます。


2019年03月03日

続 質疑応答 

(Q1) S-1.2には、
4. On30 uses HO scale wheel and track geometries, as specified in S-3.2 and S-4.2.

と記載されており、「On30Oナローの19 mmゲージを、HOスケールの線路を使用することで生まれたスケールです。」のことだと思いますが、何故、これは、HOと呼ばずにOn30と呼ぶのでしょうか。

(A1)Oナローだからです。車輌限界がHOスケールではありません。

 

(Q2) S-3.2には、Scale Ratioとして、HOの場合は、1:87.1と記載されていますが、どのような理由で、「NMRA規格では縮尺に関する規格はなく」「Scale Ratioの表記は車輌限界と思います。」ということになるのでしょうか。

(A2) 規格はすべて公差付きの数値で表されており、1/87の縮尺通りではありません。1/87がすべてならば規格は不要です。

 

(Q3) S-3.2によれば、TTn42Nは同じ線路規格(S-1.2でも6. TTn42 uses N scale wheel and track geometries, as specified in S-3.2 and S-4.2.と記載)ですが、何故別のスケールとして分けられているのでしょうか。 

(A3) 車輌限界が違うからです。繰り返しになりますが、線路、車輪、車輌限界がそろって初めて一つの規格になります。




 しばらく、日本を離れている。
 休載させて戴くので、コメント等の掲載が、ある程度遅れることがあることを、お許し願いたい。

2019年03月01日

質疑応答

Q
 Empirebuilder様のお話に関して、理解できないところがあります。極めて基本的なこととは思いますが、私のような海外事情にも疎い初学者のために改めてご教示頂ければ、ありがたく存じます。 

・"最新のNMRA規格を元にしている" と書かれていますが、これは,S-3.2やS-4.2を指しておられるのでしょうか? 
・それらには,HO Scaleの "Scale Ratio" は,"1:87.1" と記されています。Empirebuilder様の "縮尺にこだわらない" ことは,どこを見れば分かるのでしょうか? 
・"scale"については、辞書には”(模型などの)実物に対する大きさの比率(proportion)”(ランダムハウス大英和)と書かれていますが、この解釈で良いのでしょうか? 

A

 S-2,S-3にはScale Ratioは示されていますが、規格ではありません。規格はその横に示されている数値です。数値は Scale Ratio どおりではありません。LSスケールにはVariedになっており、数種のRatioが書かれています。
 もし日本型HONMRA規格に採用されるとすると、Scale Ratio1/871/80が示されるでしょう。以前は日本型HOの規格がどこに当てはまるか見つかりませんでしたが、今回の改定で1/80を加えるだけとなりました。いずれにせよ縮尺が規格にならないことは、規格の数値が縮尺通りでないことより明らかです。
 

 ScaleHOについての規格のくくりのような意味になっていると思います。車輪、線路、車両限界に、その他の規格を加えた集合でしょうか。私はレイアウトを作っていますが、その時に線路をハンドスパイクしましたので、感覚的に理解できますが、車両のみを工作される方にはわかりにくいかもしれません。NMRA用語と言えると思います。    



2019年02月27日

続々 ゲージ論は終焉を迎えるか

  気になるのは、このように互換性のない規格を、「1/80はHOではありません」と言って、Jスケールなどと語り、HOとJとの違いをはっきりさせていないことです。いつの間にかHOではない製品を作り、今までのHO規格に合った製品を「HOではない」などと言うのは、暴論と言わずに何と言えばよいのでしょうか。

 Jは元々規格がありませんが、可能性としてはメーカー主導になり、その都合で先が読めなくなります。今までも特に電気関係で突然生産が中止され、互換性のない規格で使い物にならない製品がありました。また、メーカーごとに独自の規格が作られる可能性があります。いずれにせよ注意が必要です。 

 さらにLow-Dを例として説明しましたが、薄い車輪は走行性能を犠牲にして、部分的に縮尺を追及しています。NMRAにはProto規格がありますが、いわゆる量産化した製品が見当たりません。少なくとも線路を見たこともありません。「J用の専用線路が必要」と書きましたが、まだ見たことがありません。Jは高価ですので走行は考えないのでしょうか。 

 ゲージ論については規格に至る前の話と考えています。いろいろ議論され縮尺、ゲージが決まったら規格の出番です。規格作りにはゲージ論の経緯など無用です。したがって、ゲージ論を規格に持ち込むのは不可能と考えます。今までの反論にはゲージ論を根拠に、規格を論じるなど混同している場合がありました。規格はすでに存在しますので、その規格を前提に議論する必要があります。 

 12 mmはHOn3½ではなく、無理やり独自に規格を作ろうとして妙なことになっている気がします。12 mmはNMRA規格外ですので、独自の規格を静かに目指してほしいものです。名称にHOと入れることは、混乱のもとになりますのでやめるべきです。

  私はHO規格以外の製品は買いませんので問題はありませんが、規格外れの製品を買っている方は、問題にはならないのでしょうか?メーカーも「1/80、16.5 mm」などという、あやふやな表記でなくHO規格に合っているならばHO、より薄い車輪を使っているならばJなどと、はっきり分けるべきです。最近のメーカーの人は規格を知らないのでしょうか?それとも知っていて、意識的にそうしているのでしょうか。    
        「終わり」(次号に質疑応答あり)



2019年02月25日

続 ゲージ論は終焉を迎えるか

 「1/80はHOではありません」は、NMRA規格から読み解くと、別の見方ができます。「車輪厚が小さい車輪を使用した日本型1/80は、HOではありません」と、なります。明らかにHO規格と異なる薄い車輪は、これまでのコメントにもありましたが、脱線しやすいなど問題があるようです。規格外ですので当然です。このタイプはNMRA規格にも見当たりませんので新規格となります。ですから、これをJスケールと呼ぼうが、何と呼ぼうが勝手です。ただしNMRA規格を連想させる表記は、使ってもらいたくありません。 

 HOと表記されている鉄道模型は、NMRA規格に合っていますので、問題なく走らせることができます。もし問題があればクレーム対象です。 

 現在は、HO規格外れの薄い車輪を使用した製品の名称はありません。その意味では、誤解を防ぐためJスケールでも良いと思います。この場合、1/80、16.5 mm日本型にはHOとJが存在することになります。即ち、同じ1/80、16.5 mmではあるが、互換性のない2種類の模型があることになります。1/80、16.5 mm表記では、メルクリンが以前発売したキハ58も含まれてしまいます。現状では安価なプラ製と高価な真鍮製の、互換性のない2種類でしょうか。 

 将来Jスケールには、専用の線路が必要になる可能性があると思います。「車輪だけ薄くなったが線路がない」とは、数十年前のMRスタッフの言葉ですが今も変わりませんね。コメントに、13 mmが同じ経緯で薄い車輪用の線路を作り、HO規格に沿った車輪を使った車両の走行をあきらめるとの話がありました。そうなると、当然同じ理屈で、HOでも同じ経緯をたどるでしょう。 

 HOとJとの大きな違いは、HOはグローバルスタンダードであり、Jは日本のみのガラパゴス規格となることです。当然価格には大きな違いが出てきます。シノハラ亡き後、Jはどのような線路を使うのでしょうか。余計な心配をしています。
                    
(続く)



2019年02月23日

ゲージ論は終焉を迎えるか

  ゲージ論のコメントは、静寂の状態が続いている。どなたからも反論がない。非常に主観的で、国粋主義的とも取れる情緒的なご意見は戴いたが、それらは掲載を控えている。

 Empirebuilder氏から、最終的と思われる意見が届いたので、3回に分けて紹介する。先のコメントに大幅加筆されたものである。

 いろいろなコメントを読ませていただきました。もう一度整理をしてみましょう。

 私の考えは最新の線路、車輪のNMRA規格を元にしています。米国の規格ですが、これはグローバル・スタンダードであると言えます。

 まず用語ですが、NMRAHO scale standardを、「HO規格」と書きます。HO guageHO規格に含まれますので使いません。注意していただきたいのは、scaleは縮尺ではありません。正しい訳は難しいですが規格かもしれません。縮尺はproportionです。繰り返しますが、HOゲージとHOスケールの違いなど議論する必要はありません。 

 NMRA規格は2010年ごろ改定されましたが、かなりドラスティックな改定でした。ある意味、現状追認型とも言えます。個人的にはLSスケール(NMRAGスケールをLSスケールと呼んでいますが定着していませんね)、On30の登場が影響したと思っています。この改定はそれ以前の縮尺、ゲージの考え方とは一線を画する内容です。今までのコメントでは、どなたもこの理解をされていないように感じました。 

 LSスケールでは現状追認の形で、一つのゲージに複数の縮尺を認めています。線路と車輪、車両限界をを共有することで、ナローから本線機関車まで同じ線路上を走っています。On30Oナローの19 mmゲージを、HOスケールの線路を使用することで生まれたスケールです。On3の線路の代わりに、全く縮尺の違う線路を使うこのアイデアは、市場に受け入れられ、本家のOn3を凌駕する勢いです。 

 このようにNMRA規格はゲージ、縮尺にこだわらない、模型的な発想の規格を容認する形に変貌しました。これを見れば、線路を共有することがいかに有効な戦略であるか、お分かりと思います。市販線路のないFine規格が伸び悩んでいるのとは、対照的です。 

 NMRA規格では縮尺に関する規格はなく、寸法で表されています。目標値、±公差が書かれています。公差はありますが、なるべく目標値に合わせて、と書いてあります。Scale Ratioの表記は車両限界と思います。 

 最初に線路と車輪の関係について書かれています。主にポイント通過時のレイルと車輪の位置関係が図示されています。この図を数値化したものがHO規格です。フログの欠線部に落ちる前に、ウィングレイルに車輪が乗り移ることが基本です。すなわち、フログ部分で車輪が落ち込まないようにするには、車輪の厚みが重要になります。以前のこのブログの記事に、NWSL ATLASと、Low-D を並べた写真がありましたが、明らかにLow-Dの車輪が一番厚いのがわかると思います。スケール感より、走行性能を重視しているからです。

 他にも規格がありますが、この線路と車輪の規格が今回の主題です。私はこの規格をもとに日本型、米国型が並んで走るレイアウトを製作中です。ともに問題なく同じ線路上を走っています。同じ規格でできた線路上を、米国型とともに走る日本型もHO規格です。NMRA規格上は、これらは同じHO規格です。縮尺はもともとNMRA規格にはありません。線路、車輪自体も縮尺通りではありません。

 それがHO規格なのです。これが準拠の理由です。もともとゲージを変え、縮尺を変えてHO規格に合わせたのですから当たり前なのですが。 

 もし私の考えに反論される場合は、NMRA規格のどの部分か指摘していただけると助かります。歴史的経緯は意味がありません。NMRA規格自体を否定される場合は、しかたがありませんね。(続く)



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