2022年09月30日

レイアウトの高さについて

友人に会うたびに、表題の話題が出る。どなたも今月号のTMSを見ての感想である。

・広いことになっているが、広さが感じられない。
・通路と背景ばかりが気になって、良さを感じる余地がない。
・俯瞰撮影なら、少しは工夫したアングルで撮るべきである。
・高さが低いようだ。

 筆者はそのレイアウトの現物を見たわけではないので、雑誌の誌面だけからの感想を述べる。一言で言えば、視点が高過ぎる、である。”設定した視点”からの眺望を考えるべきであった。

 TMSのレイアウトの記事を、過去20年分ざっと見ての感想であるが、どれも視点が高い。すなわちレイアウトの高さが足らない。TMS 968号のNゲージレイアウトに橋を見上げる場面がある。とても良いのだが、1枚だけである。 
 先のコメントでTMS439号の記事が話題になっているが、他にはとても少ない。その記事では椅子に座って目の高さということである。1100 mmほどであろう。

train watching 当博物館のレイアウトのグラウンド・レヴェルの標高は1230mmである。勾配があるので、最高地点では標高は1500 mm近い。
「そこで待ち受けて、通過するのを見ると興奮する。」
と言う人は多い。

 視点を標高1510 mmにしたのがこの写真である。重い列車が継ぎ目の音を響かせて走るのだから、鉄道ファンなら誰しも興奮するだろう。
 もう一つ、走行音が極端に静かであるということである。転動音は殆どしないので、分岐を渡るときのフログの音がよく聞こえる。もちろんギヤ音は全く無い。蒸気機関車なのであるから、そこも大事なポイントである。 

2022年09月28日

ケガキ用ノギス

 ケガキにはノギスを多用する。本当はやってはいけないのだろうが、この方法を採用する人は多いはずだ。この方法は昔からTMSにも書いてあった。

Mr.Go Ito's 伊藤 剛氏のノギスである。両方の爪を削ってある。すなわち、右でケガき、左でもケガくことができる。剛氏の遺品にはこの種の工夫が多い。外寸法測定側(下)だけが削ってある。



Mr.Uchino's これは内野日出男氏のケガキ用ノギスである。片方を短くし、尖らせてある。照明の具合が悪く、影になってしまったことをお詫びする。上側の爪と同じような形である。
 これは理にかなっている。長い方を深く保てるので、距離が斜めにならない。すなわち正確にケガける。
 不思議なのは、内寸法測定側も同じように削ってあることだ。内寸法側でケガくことは少ないと思う。孔の縁に沿って一定の距離で線を引く事があるのだろうか。それほど機会はないものと思われる。  

2022年09月26日

カビの処置

NP caboose (2) 某所で長らく放置されていたカブースの処理を引き受けてしまった。かなり長期間放置してあったらしく、元の色がわからないくらいひどくかびていた。触ると取れるかと思ったがそうでもない。


 カビはかなり強く食い込んでいる。このカブースは木製で、菌が木質の奥まで食い込んでいるのだ。普通に洗ったのでは取れない。
 思い切って、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(いわゆる塩素サラシ剤)を全体に塗りつけ、歯ブラシで擦った。あっという間に取れるが、塗料もかなり剥がれた。仕方ない。

 内側にも液が入ったが好都合だ。さっと振って行き渡らせた。1分間なじませて、全体を流水で洗った。振り回して水滴を飛ばし、空気清浄機の吹き出し口に載せて30分乾かした。

NP caboose (1) エアコンが効いているので湿度は低く、すぐ乾いた。塗料はかなり剥げているが、かえって実感的かも知れない。一部は塗り直さねばならない。本物でもそういうこともあるだろうから、これで良いことにする。

 多少の残りはあるが、カビは死んでいるので、無理には取らなくて良い。 

2022年09月24日

turbo-charger の排気管

 近代型(と言っても当鉄道で扱っているのは1980年代までではあるが)の機関車の排気管の内部は四角錐の空間である。中が狭く、外に向かって開いている。KTMがDDA40XSD40を製品化したときは、PSC Precision Scale Companyという会社に輸出していた。PSCはロストワックス鋳物を製造していた。アメリカで模型化したい機種を選び、現地で調査してロストワックス鋳物を作り、それを送ってきて製品を作らせていたのだ。日本側の設計者は誰かわからない。構造的に正しい設計とは言えない部分がある。
 
turbo exhoust PSCのディーゼル用の部品は素晴らしいものが多い。特にこの排気管はよくできている。今様でない50年前の設計の機関車でも、これがついていると、雰囲気が変わるようだ。いろいろな人に褒めてもらっている。しかし拡大すると、バリが出ているのが分かる。細いヤスリで修正するつもりだ。 

 どういうわけか、この部品をたくさん持っていたので、今回完成させる機関車全てに取り付けた。取り付ける孔をあけねばならない。これは意外に大変な作業である。Φ6の孔をあけて角ヤスリを突っ込んで少し拡げ、ハンドニブラで拡げる。ホーザンとエンジニアの両方を持っているので、その場で使い易い方を用いる。

 切り口は多少めくれるので、ヤスリを掛けて浮き上がらないようにする。酸化皮膜を取り、塩化亜鉛飽和溶液を塗って、63%ハンダを置く。ガスバーナで軽く焙って完成である。

 実物の排気は消音器もなく、猛烈な勢いで出る。タービンに当たっているから、多少は脈動が減り、ほぼ均一な流れであるが、凄まじい噴出速度である。
 機関車を斜め上から見下ろすように陣取って撮影すると、極端に熱い排気を浴びて驚く。しかもそれがドカンとぶつかってくるから、「眉毛が焦げそう」という表現は、決して大げさでもない。

2022年09月22日

SP の inertial separator の排気管周辺

 SP Southern Pacificには山岳路線が多い。トンネルの中でも確実に働く機関車を長年に亘り、作り続けて来た。より低い温度の空気を吸い込むために、ラジエータの吸気は最下部から吸う。

inertial separator on SP engine (1) モータ冷却用の吸気は高いところにあって、しかも慣性による塵埃分離機で濃縮されてゴミをたくさん含む排気は、すぐその上から放り出される。トンネル天井面にあたって跳ね返るのもあるだろうが、大きな問題は低速時に気流が周回することだ。要するに排出したものが、すぐに吸い込まれてしまう。

inertilal filter hatch on SP engines これを防ぐには、その「周回気流が発生する位置」を上げるべきである。そのためにSPは1980年頃から、奇妙な板を水平に取り付けている。足は4本で、排気口を延長している。この図を見るとその効果がわかるだろう。なかなか賢い解決法である。

inertial separator on SP engine (2) 工作は簡単で、SPの機関車らしい賑やかな外観が再現できる。 

2022年09月20日

inertial separator hatch  

filling silver solderinertial separator on DDA40X Bill Melisが作ってくれたロストワックス鋳物に、この薄い箱形部材がある。ディーゼル電機機関車の屋根に付ける部品である。先回の写真の右端に見える。

 この下には空気清浄装置がある。普通のフィルタではない。高速の空気の通路を曲げると、重い粒子は慣性でまっすぐ進もうとするから、外へ飛び出すところを捕捉する。いわゆるinertial filterである。最近の真空掃除機は、この原理をさらに進化させた装置を付けているものが増えてきた。
 機関車では、駆動モータの冷却用に大量の空気を吸い込むので、普通のフィルタではすぐ詰まってしまう。砂漠地帯ではこれは深刻な問題であり、処理をしないと駆動モータの中に砂塵が溜まって焼損する。
 エンジンの吸気は更に細かい塵を除くために、いわゆる濾過装置を2段目に用いている。これは自動車用と同等の構造である。

 この種の機関車では、その捕捉した塵を含む空気を屋根上の孔から吹き出させている。この部品はその装置を覆う屋根で、少し膨らませている。

 その部品の斜面の傾斜は、45度以下のものが多い。緩いものは40度弱である。Billの部品ではそれが60度もある。少し削って緩やかにしたいが、肉が薄いので削ると分解してしまう。

inertial separator hatch 中に何か、貼れば良いのだ。角線の角を削いで、銀ハンダで付ける。たっぷりハンダを流してから削ると、ハンダの色が見えるほどになる。貼らなかったら悲惨なことになっただろう。

 削った蓋を付けるのは、63%ハンダである。ガスバーナで予熱してから部品を載せて、例の押えを効かせる。150 Wのコテで、わずかの63%ハンダを融かして当てると、さっと沁み込んで終了である。銀ハンダは融けない。
 4x30の ブラス平角棒を削って作ったものは、DD35A用に使う。これは少し幅が狭い。ガスバーナーで焙って付ける。こういうときも、屋根の板には孔をたくさんあけて、ハンダが完全に廻ったことを裏側から確かめる。 


2022年09月18日

続々 DDA40X を作る

building  a DDA40X  (3) DDA40X はエンジンフッドの中央部が盛り上がっている。それをどう作るかが一番の問題点である。
 前回は左右の盛り上がりを別々に作って中央で接ぎ合わせた。その接ぎ合わせのときに幅を決めねばならず、面倒であったし、計算値と現実は合わないこともあった。

building  a DDA40X  (1) 今回は左右を余裕を持たせて切り、隙間を空けた。その隙間には、後で帯材を嵌めてハンダで埋めることにした。別の大きな板で上を覆うので、わずかの距離の分しか見えないから、さほど大きな問題ではない。上の板は完全に密着させねばならない裏から63%ハンダで全面ハンダ付けである。下になる板には孔をたくさんあけておいて、流れ具合を確認する。この操作は非常に簡単である。この写真でアメリカのブラスの色がよく分かる。黄色である。快削で硬い。

 5本の6x6角材をフライスで高さを整えて削り、嵩上げ分を確保した。車体に載せて、上の張り出し分をハンダで仮留めしてから外し、確実にハンダ付けした。すなわち、車体との隙間は全く無くなる。

DDA40X Body section 車体側には、その角棒が当たるところに孔をあけ、嵩上げ部分を押し付けて炭素棒で加熱してハンダを完全に沁み込ませた。非常に強い車体になった。中央部が、通路として欠き取られて細くなっているが、強度は十分である。 問題はファンの取り付けである。こういう部分を動かすのは、筆者の趣味ではない。見えないところに手を掛けて、色が剥げたり、部品が欠落するのは耐えられない。


2022年09月16日

続 HOのギヤボックスの見分

 いくつかコメントを戴いているので、それに答えねばならない。

 現物を見たわけではないので、一般論を紹介する。50年以上前、KTMはいろいろな場所で展示運転をしたらしい。1週間、走り詰めだったそうだ。ギヤはもったが、ギヤの前後に挟んだPOM(デルリンという商品名が有名)のワッシャが擦り切れて、中に綿くずのようになって詰まっていたそうだ。連続使用すると、熱で少しずつクリープ(塑性変形していく)して薄くなり、最終的には糸くずになったわけだ。

 先回のギヤを連続運転すると、熱の逃げ場所がない。摩擦熱は相手のウォームホィールに蓄積され、クリープが起きやすくなる。長時間走って急停止すると、ウォームホィールにはウォームの形が転写されるかもしれない。そうなるともう起動できない。

 材質は吟味する必要がある。ウォームが快削鋼、相手はリン青銅であれば、このようなことは起きない。もちろん正しい潤滑剤が必要だ。
 モヂュールが小さいというのも、この種の事故が起こりやすい条件の一つである。大きなモヂュールであれば、変形は起こりにくいし、起こったとしてもその影響が小さい。モヂュールが小さなプラスティックギヤは、事故を誘発する。もちろん、進み角が小さくて効率が良くないから、発熱するというのもあるだろう。

 もう一つ気になったのは、2軸を結ぶドライヴシャフトが中心にないことだ。台車のひねりでどのような影響があるのかは知らないが、左右対称にしておけばいろいろな点で自然である。

 個人の住宅の中で数分間走らせておしまいなら、かなりの期間、よく走るであろう。


2022年09月14日

1番ゲージの車輌群

#1 gauge in Toyota (1) A氏は1番ゲージの車輌群を、スクラッチから作っている。それらは全て押して動くようになっていて、なおかつ慣性増大装置を付けている。


#1 gauge in Toyota (3) 筆者のOゲージ用3条ウォームを購入し、巨大なフライホィールを廻すので、その慣性は信じられないほど大きい。作った本人が、「動かないので、ギヤがロックしていると思った。」ほどである。
 慣性質量は500 kg相当である。軽自動車より重いので、押しても動かないと感じたのは当然であろう。

#1 gauge in Toyota (2) A氏は機械工学の専門家であり、工作にはその知識が散りばめられている。ご自宅の庭に大きなエンドレスの線路を敷いて、長大編成が走る。ワインの瓶が積荷であるところが面白い。


#1 gauge in Toyota (4) 先日、豊田市の科学体験館という博物館で子どもたちを相手の体験運転を披露されたので、招待戴いた。重い列車を徐々に加速して行くのは見ていて楽しい。止めるのは、発電ブレーキである。


2022年09月12日

HOのギヤボックスの見分

3-thread worm gear 友人がHO用として売られているギヤを見せてくれた。よく売れているそうだ。ところが、彼の知り合いの博物館の人が、「すぐダメになる」と言うので「どうしてだろう」と、筆者に見分を依頼してきたのだ。

 開けてみて驚いたのは、3条ウォームギヤが入っていたことだ。その割には押しても動きにくい。多少は動くが、動きは渋い。
 しかし、じっくり見ないと3条ウォームには見えない。進み角が小さいからだ。なぜ小さいか、よく考えてみよう。

  以前にも見かけたが、太いウォームに3条を彫っても、細い1条の普通のウォームと進み角は大差ない。どうしてもっと細いウォームを作らなかったのだろう。それは軸の太さに拘っているからである。

 軸が Φ2 もあるのだ。これではダメだ。軸と一体にしてギヤを細くすべきであった。そうすれば、進み角は大きくなる。

 博物館での連続使用でダメになる理由だが、それは進み角の小ささによる低効率から来ているのだろう。摩擦熱が大きいので、POM製のウォームホィールが融けるのでは、と推測する。また、グリースがたくさん入っている。多すぎるのではないか。その撹拌抵抗だけでかなりの損失である。スラストを受けるボールベアリングもない。
 設計は元KTM社員のT川氏らしい。彼とは親しかった。どうして筆者に相談してくれなかったのだろう。いくらでも助言をしてあげたのに。

2022年09月10日

続々々 TMS 968号

 友人から、痛烈なメイルが来た。

 既製品を並べるか、ディテールパーツをこれでもか、と貼ったのしか興味のない昨今の模型誌がよく上位に入れたものだと驚きました。 

 これは筆者も同感である。他にも友人が、「入賞はさせないだろうね。TMSは写真映りがよくないものは使わないからさ。」と言っていたので、まさかの入賞であったというのはウソではない。

 古くからの付き合いのある友人を当博物館に案内すると、その路盤の高さには驚く。「向こうが見えないじゃないか」と言うが、逆に質問する。
「僕たちが実物を見る時は、視点の高さはどれくらいだろうね。踏切で見たり、跨線橋で見る以外にあるだろうか。ビルの屋上から見て楽しいかい?」
「そう言われてみれば、今まで気が付かなかったが、視点を下げる、逆に言うと路盤を持ち上げるということは大きな意味があるな。日本のレイアウトは低過ぎるね。」
と納得する。

 本文記事にも書いたが、いずれ日本のレイアウトは路盤が高くなる。HOでも実例がある。Nではもっと高くすべきだろう。ウォークアラウンドなら、1500 mmでも良いのではないか。

 1980年代にアメリカでは急速にレイアウト路盤が高くなった。MRの記事に、”毎年1インチずつ上昇している”と書いてあったことを記憶している。上昇は2000年近辺で止まったようだ。それはウォークアラウンドの普及(DCC, wireless)と同期している。

2022年09月08日

続 DDA40Xを作る

DDA40X 3 (1)DDA40X 3 (2) ラジエータ・グリルの延長部分を作らねばならない。前回作った2輌をどのように作ったのだったか、40年以上も昔で、しかと覚えがない。
 ロストワックスではないように思う。木型を作って、近くの鋳物屋でふいてもらったような気がする。砂型鋳物特有の表面の色を持っているからだ。もうその鋳物屋は廃業して久しい。あるいはロストワックス鋳物をもらったのかもしれない。

DDA40X 3 (3)) 斜面が3つあり、曲面でつながっているところもある。実物は薄い板金製であるが、模型はブロックをヤスリで削り出さねばならない。フライス盤で、目見当で粗取りし、近い大きさまで削る。それを太い角棒にハンダ付けし、万力に銜えてヤスリで削るのだ。

 仕上工であった祖父江氏のテクニックを思い出している。こういうものは2つを左右対称に置く。削って、目的の形にする。
「なーに、人間の目は意外に確かなんだよ。左右対称に置いときゃね、違いがよく分かるんだぁ。」
 こういうときのヤスリ作業は、大きな単目ヤスリを用いる。ザクザクと削って行くのだ。新しいヤスリはよく切れる。  

2022年09月06日

六角ジョイントの効果

 何度も同じことを書くのは気が退けるが、六角ジョイントの評判はすこぶる良い。
 ギヤボックス、ギヤセットの組の数の2倍程度が出て行った。すなわち、既存のギヤボックスを残し、ゴムジョイントを置換するだけの軽い工作をした人たちからの連絡である。順次紹介させて戴く。


・「驚いた」の一言です。今まで一体何をしていたのだろうと思いました。これさえあれば、電流を半分にすることが可能です。もちろんギヤボックスはトルクアームで支えています。

・今まで、ゴムジョイントの調整は腹立たしい事の連続でした。前進を良くすると後退がダメでした。ところがこれを付けると、一発で解決です。これは工作力がなくてもできますから、どなたにもお薦めできますね。

・中にケイディーのバネを入れるのがミソですね。賢い方法です。六角ナットも正確に孔を拡げなければならないと思っていましたが、よく考えてみると、多少のフレは吸収されてしまうのですね。それに気がついてからは、取替のスピードが3倍になりました。

・これでゴムジョイントは完全に駆逐されるでしょう。最初から曲がっているものを売っているのもおかしいし、軸との摩擦が少ないので抜けてしまいますからね。



「トルクアームの価値に気がついたのが遅すぎた。」と、悔やむ声が多い。ある程度のジョイント交換をしてから、高効率ギヤに嵌め換えた人たちの声は過去に紹介している。 

2022年09月04日

DDA40X を作る

 1976年頃に組み始めた”キット”(Bill Melisのところの型を使って作らせてもらったもの)を完成させるべく、少しずつ進めている。自作3号機である。

 以前はプレスで丸穴を抜いていたのだが、今回は 1 mm板にドリルでΦ6の孔をあけ、ハンダ付けした。快削材であるから、メクレもほとんど無い。
 50年ほど前のものであるから、設計思想が現在とは全く異なる。今ならレーザまたはエッチングで切り込みを入れて表現するだろうが、当時は、板を貼り重ねている。ケガキ針で傷を付け、蝶番などをプレスで押し出し、ドア・ラッチは押し込んで凹ませている。
DDA40X (1) 裏に飛び出た部分は、ベルトサンダで落として平面にし、密着するようにする。板は反るからゴムハンマで叩いて直す。板の厚みの分だけ出るが、全く気にしない。本体の 1 mm板(40ミルの快削材)に0.5 mmを貼り足すので、厚みは1.5 mmになる。極めて頑丈である。現在の水準から見れば荒っぽい作りだが、塗ると素晴らしい。これで良いのだ。

DDA40X (2) 前回は 200 Wのコテで付けたが、今回はガスバーナだけで加熱した。他に何も部品が付いていないので、壊れるものはない。手製のクランプ類で押さえ込んで、塩化亜鉛液を沁み込ませ、63%ハンダの小粒を境目に置く。炙るとさっと沁み込んで完了だ。裏から見ると、丸穴のところから銀色に光っているのが見える。これは、完全なハンダ付けができた証明である。この手法では、隙間にフラックスが残ることがない。
 手前の板は少し浮き上がっている。こういうこともあるので、クランプを移動し、再度加熱すると完成である。こうすれば、全面ハンダ付けは簡単だ。63%を使うのが秘訣である。融けているか、固まっているかの2つしか無いので、加熱をやめるタイミングはすぐ分かる。他のハンダを使うと、加熱しすぎて、板が反るだろう。  
 はみ出したハンダは、例の編み線を当てて、炭素棒を押し付ければ、瞬時に取り除くことができる。ハンダの色がつくなどと言う人は、この話題とは無縁の人である。 


2022年09月02日

スプリング・ベルト

 最近の話題としては、表題の駆動装置の意味を考える機会があった事だ。
 コメントの質疑応答で答えてしまったが、筆者はスプリング・ベルトというものの価値を認めていない。中学1年の頃だが、EB型電機で貨車を牽かせて、スプリング・ベルトの有無で、牽引力がどれくらい違うのかを調べた。結果は、ほとんど差がなかったのだ。

 軸重はモータの重さが掛かる動軸側が大きく、被駆動軸は小さい。ベルトはプーリィに差し掛かる部分で伸びたり縮んだりする。その摩擦損失は大きいだろう。その時の回転速度を比べると、駆動軸の回転速度は被駆動軸より1割以上速いだろう。速くなければ、ベルトによる駆動力は伝わらない。

 ということは、最大限にモータに給電した場合、被牽引車の速度に合わせて被駆動軸は回るが、モータから直接駆動される動軸はスリップしている可能性が高い。その時、駆動軸の車輪は動摩擦であるから、牽引力は損なわれている。
 というわけで全ての得失を合わせると、ベルトの有無でそれほどの違いを感じることが出来なかったというわけだ。

 友人のED電機の片方の台車だけの場合は、同じ重さになるように補重した時、牽引力ははるかに大きかった。それはインサイドギヤで駆動していたからだ。この結果を見て友人は大変感心した。その友人は若くして他界したが、亡くなる直前までその話題がよく出た。

 ベルト駆動は滑らない構造(Vベルトなど)と伸びないベルトが無いと、まともな動力伝達はできない。すなわち、ゴムベルトは張力が小さい部分(モータからの初段部分)には便利に使えることもあるだろうが、動軸を結ぶのはやめたほうが良いことになる。   

2022年08月31日

model railroading

 今回のコンテストの意味について友人と話した。彼が、
「model railroadingのはずなんだけどね。見ていると、車輌とかレイアウトだけなんだよね。足らないと思わないか?」と言う。
 彼はアメリカ生活が長い。模型の楽しみ方をよく知っている。車輌工作だけしかしない人を模型人とは言わない人である。
「この言葉は、オペレイションもメンテナンスもあるよと言っているんだ。動きそうもないものを選んでいるのは、まずいんじゃないかな。」

 TMSの表紙にはHobby of Model Railroadingと英訳がつけてある。この語は正しい。しかしながら、中身は少々この訳語からは乖離していると感じている。

 彼が所属していたクラブでは、オペレイションにかなりのウェイトを掛けていたそうだ。筆者の友人のレイアウトでも、オペレイションの面白さを強調している。
 オペレイションにはいくつかの意味があるが、わかりやすいのは列車の組み替えである。この貨車をある駅で落として、そこにある貨車を拾って来なければならない。
 また、勾配線があると機関車を足さないと登れない。用が済んだ補機は回送して待機させるなど、本物の鉄道で行われていることを、楽しむのである。

 筆者の博物館の場合は、解結作業は少ないが、坂を登るのはなかなか大変である。動画では楽に上っているように見える(with ease などと格好をつけているが、限界である)が、あの機関車の粘着力でなければ登れない。しかも時々スリップしている。当初の案では補機の待機場所も用意していた。

 勾配はできる限り正確に作り、剛性のある構造にして、均一な負荷を作り出せるようにしてある。この種の情報は、今までのどの記事を読んでも得られなかった。


2022年08月29日

続々 TMS 968号

 TMSのこの号を、記事に登場するご遺族、お世話になった方々にお送りしている。たくさんの方々からご連絡を戴く。

 伊藤 剛氏のご子息からは、
「早速仏壇に報告しました。父はさぞかし喜んでいるに違いありません。鉄道模型の奥はとても深いことを改めて感じました。」
「亡くなる前年に『鉄道模型功労賞』を戴きました。あれは晩年を締めくくる素晴らしい思い出になったことは確かです。顧みますと、父ほど模型人として幸せな人生はありません。」
とメイルを戴いた。

  吉岡精一氏の奥様からは、
「ありがとうございました。素晴らしい博物館になりましたね。私は高齢で見に行くことが出来ませんが、息子夫婦が伺わせて戴きます。貴方がいらして、主人と一生懸命工夫を凝らしてやっていたことが、このような形で保存されるということはありがたいことです。」
との電話を受けた。奥様は93歳とのことで、そのお元気な様子を伺い、感激した。

 内野氏の奥様からも連絡を戴いた。
「素晴らしい博物館ですね。わざわざショウケースも用意してくださったのですね。夫の模型も家でホコリを被っているより、ずっと価値があります。おめでとうございました。」
 
 その他様々な方から、激励の電話を受け、当方も決意を新たにした。

2022年08月27日

SD40 の改装

brothers of SD40'sbrothers of SD40-2's (2) SD40は1970年代に活躍したEMD(GMの電気機械部門)の6軸機関車である。これが改良されるとSD40-2となり、ますます売れてアメリカ中の鉄道がこの機種を購入した。それは”ダッシュ2”と呼ばれた。ダッシュが付いた機関車は電気系統に大幅な改良(制御回路をユニット化、HTC台車採用)を施して、メンテナンスが楽になった。外見上は長い下廻りに短い SD40 のボディを載せたので、前後にporch が付いたようになった。T-2は車体が長いので後ろの隙間がなくなり、この機関車はスヌートなので前も隙間がなくなった。SD40だけはKTM製。最近ヤフー・オークションにも出ていた。
 写真は上から、SD40T-2、SD40-2、SD40。 

reinforcing engine hood さて、これはKTM製のボディシェルに補強を付けている様子である。2つのタブにはネジが切ってあって、それが床下からネジで締められる。そのネジ穴付近以外を持つとどうなるか、はお分かりだろう。凹んでしまって隙間が空く。ブラス板が焼き鈍してあるからだ。微妙な歪みが出ても、焼き鈍すべきではなかった。HOでは問題にならなくても、Oの大きさではもたない。
 仕方がないので、4 mm角の棒を貼り付ける。タブに当たりそうなところは、フライスで削り落としておく。クランプで挟んでガスバーナで炙ると、63%ハンダは瞬時に融け、隙間に沁み込む。一瞬で完成である。このハンダの持つ特性を最大限に生かした例である。上は取り付けた状態、下は原状。

 この程度太いと、持ったときの剛性が全く異なり、「ゴン」という感じがする。  


2022年08月25日

続 TMS 968号

 記事中の伊藤 剛氏の言葉に対する評価が多い。

 この種のご意見をたくさん受け取っている。
「『鉄道模型は走りそうもないが、模型鉄道は今にも走りそうだ。』というくだりは、今回発表の他作品と比べるために用意されたものだね。他のは走りそうもないじゃないか。」

 他の模型のことはよくわからないが、走行の動画を見たいものである。
 模型は走らねばならない。しかも実物のように重負荷でじわりと牽き出し、低速で坂を登らねばならない。東京の会場では、無負荷での低速競争があったそうだが、「何をやっているんだろうね」と思われた方が多かったようだ。筆者だけではなかったことがわかり、それは嬉しい。 
 機関車を無負荷で走らせて、速度が速いとか遅いと言うのは小学生レヴェルであろう。これは筆者だけの意見ではない。理屈の分かっている方は、皆そう思っている。

 そのコンテストの現場を見た人からの話では、動輪の心が出ていない機関車も出場したらしい。そんな状態では動輪が一周する間に重心が上下するわけだから、同じ速度で走るわけがない。
 重負荷を掛けての低速度コンテストに出場が許されれば、当鉄道の機関車はどれを持っていっても優勝する自信がある。そこには伝達効率という重要な要因があるのだが、それに気付いている人は少ないように思える。音のする動力伝達装置を使っているようでは、無理な話だ。

 筆者のHO用ギヤをお求めの方は、重負荷での低速走行の動画を撮って、どんどん発表されると良い。そうすれば、今やっているような無意味なコンテストはなくなるだろう。 

2022年08月23日

TMS 968号

 鉄道模型趣味(TMS) 9月号献本が届いた。8ページの記事である。色調が普段見慣れたものとは微妙に異なるのは、照明のせいであろう。現場は電球色LEDであるから、誌面では補正が強めにかかっているのではないかと思う。
 ともあれ、Anniversary Challengeは終了し、一昨日までの東京のショウでもパネルと動画が展示されたそうだ。

 思わぬ方からたくさんの連絡を受け、驚いている。高校時代の友人や先輩、後輩、古い知人が電話をくれる。TMSはかなりの固定客を持っているものと推測される。

 その電話の中で一番面白かったのは、
「たくさん機関車を持っているからずいぶん買い込んだのだなと思っていたが、ほとんどジャンクから組んだのだね。」というものだ。
 筆者の数ある機関車群の中で、新品を模型店で購入したものは無い。全て、様々なルートで破損品、事故品などを入手している。どうせバラして組み替えるのだから、新品完成品を購入する意味はないからだ。組み替えるのならば、カツミ製(祖父江製)が一番やりやすい。頑丈であるから、下廻りを全部作り直しても全く問題ない。Lobaughも下廻りが砲金の鋳物なので、どんな加工もできる。

 レイアウトの構造についての話題もたくさん来た。一人でできる、大きなものを精密に作るための工法を考えたのだ。それが鉄骨造りであり、「レーザ・ビームによる水平出しと熔接」工法である。主たる骨は、熟練の熔接工に作ってもらい、組立てはほとんど一人でやったが、たまにお手伝いに来て戴くと、速度は3倍になる。
 熔接機は出力 7 kW と3 kWを用いた。 路盤の高さは1230 mm(1200 mm + 30 mm)であり、当初はかなりの反発を受けたが、出来上がってみると、実に良いという意見ばかりだ。観覧者の視点は、相対的になるべく低いほうが良いのである。

 車輪を独自に製作していることに関する話題も多かった。
「昔から車輪の形にはうるさかったよね。」
ということだったが、それよりも、「既存の車輪では牽けない」というのが、そもそもの原動力になったと答えた。いくつかのやる気のある旋盤工場に仕事をしてもらい、数を捌かなければならないので、アメリカで売ったのだ。安くて高性能だったから、猛烈な勢いで売れ、数千軸をスーツケースに入れて運び屋をやっていたこともある。今は枯渇状態だが、いずれ再生産できる。 

2022年08月21日

イコライザの間違い

a mistake D社が頒布した1/24のC62のキットの組立て説明書があったので、目を通したところ、驚くべき間違いを見つけた。これは15年ほど前、別のG出版社が出した本の図と同じ間違いである。その出版社に手紙を出したところ、すぐ改訂された。新しい版を送ってくれたので古い本は捨ててしまったが、その古い本の図のコピィのようだ。

IMG-2475 新しい本の図はこの様になって、前群と後群が分かれている。これは正しい。



 上の本のイコライザでは、機関車は鼻を擦るか、しりもちをつくはずだ。そのC62の模型キットを購入した人は、これを読んで気付いたのだろうか。

C62 C62の模型のイコライザはこんな構造には出来ないから、先台車で一点、動輪従輪で二点となっている。A氏が写真を送ってくれたので、それを見ると先台車が一点となっている。 それで問題ないが、この図のような間違いは多い。

 以前にも指摘したが、不安定なイコライザもどきはよくある。よく出来たメカニズムならば、完成した瞬間に失敗であることが分かる。走り出した瞬間につんのめったり、尻を引きずるのだが、摩擦が大きいメカニズムだと、その不具合に気付きにくいのだろう。

 以前のコメントにもあったが、某社製の高価な輸出用機関車のイコライザがまさにこれで、前後にギッコンバッタンした。早速修正して、先台車を一点としたらよく走るようにはなったが、それを購入した人たちは何も感じなかったのだろうか。


2022年08月19日

stress release

 日本製のディーゼル電気機関車は繊細な仕上がりで、素晴らしい出来である。しかし、全体がエッチングされた板で出来ているので妙に柔らかい。剛性がないので、ボディを持つと少し撓む感じがする。機関室が狭くなると隙間が見えたりして気分が悪い。仕方がないから、内側にstiffner(補剛材)を入れて剛性を大きくする。

stress release by etching アメリカ製のキット(CLW)の板は堅い。そう簡単には曲がらない。それを切り開いた残骸が残っていたので、裏を見てみる。
 表面をエッチングすると、その部分の応力が開放され、板が微妙に曲がる。中間にはその模様が少し見える。これが気になる人がいるので、日本ではエッチングする板は焼き鈍した板を用いる。だからクタクタなのである。衝突すると、かなり悲惨な状況になる。

 アメリカ製の場合、板は快削材である。すなわち堅い。そう簡単には曲がらない。組む前に板が微妙に反っていれば、修正を施してから組むだろうが、その歪みは微々たるものだ。組んだものは反っていない。
 この写真の筋は微妙な曲がりを補正したものである。左の方には、うっすらと歪みが見える。

 もう日本のメーカが模型を作って輸出するとは思えないが、堅い材料で作って欲しいものだ。焼き鈍したものを使うのは、やめるべきだ。軽衝突でさえ、歪んでしまうのだ。しかも重い機関車は、持つところが悪いと凹んでしまう。 

 以前にアングルがエッチングで溝を掘って曲げやすくなっているのを紹介した。くたくたで全く役に立たない。そういう部品こそ、快削材の板で、焼き鈍しせずに作って堅くすべきだ。多少歪みが出ても曲げるのだから問題ないはずだ。(本来はエッチングの溝無しで曲げて欲しいが、その腕がなければエッチングで少し溝を掘っても良い、という意味である。) 
 要するに、エッチングするものを全て焼き鈍し材から作るのはいい加減にやめるべきだということだ。 

2022年08月17日

multi-function testor

 地元のクラブの月例会に行ったところ、IM氏が呼び止めて、「見せたいものがある。」と言う。IM氏は引退した電子工学のプロである。
multi-function testor「ほら、こんなものがあるのですよ。2000円くらいかな。ちょっと、やってみてください。」と古いトランジスタをいくつか差し出す。本体は小さなものである。9 cm x7 cm x 3 cmほどで、USB電源から充電して使う。 充電は10分で終わる。
 そのテスタのどの端子につなぐのかを聞くと、「どれでも良い」と言う。そんなバカなとは思ったが、適当につないでスウィッチを押すと、1秒ほど機械が考えて、このような絵がディスプレイに出た。

 ベース、エミッタ、コレクタを判定して示し、増幅率が出る。 死んだトランジスタはすぐ分かる。他にキャパシタの容量、ダイオード、抵抗、何でも来い、である。ただし、SCRだけはわからない。死んだトランジスタ?と表示される。

 送料込みでこの価格であるから、買って損はない。アマゾンで探されたい。 

 あまり電気工作はしなくなったが、安定化電源を作ったりすることがあるので、たくさんあるトランジスタの中の不良品排除には、効果が期待できる。 古いトランジスタ(使用したもの)がたくさんあるのだ。

2022年08月15日

続 Loctite を使う

2-piece gear boxes for diesels このギヤボックスはアルミ合金製である。15年ほど前、友人のY氏に作ってもらったものだ。Y氏は腕の良いフライス工で、大きな機械を使って素晴らしい精度の加工をする。飛行機の部品も作っていた。
 3条ウォームを使って精度の高いギヤボックスを作りたかったので、お願いした。飛行機に使う材料で作ってくれ、極めて剛性の大きなものができた。

 製品は黒染めしてあったせいか、誰もアルミ合金製であるとは思わなかった。プラスティックの成形品だと思ったようだ。それほどツルツルピカピカであった。素晴らしい性能を示し、このギヤボックスは例のテンダの動力ピックアップに使った。極めて滑らかな作動で、無音である。わずかにチェインの音がするだけである。

 このギヤボックスの唯一の欠点は、2ピースであったことだ。動軸の中心を通る面で分割し、3ピースにするべきだった。このままでは側面からのネジが締めにくい。

3-piece gear box for diesels 左右から締めてから底蓋を締めると、無理なく締められるし、蒸気機関車のように車輪がはずれない場合の駆動にも使える。
 これを薄く作ったのが、今回のHO用ギヤボックスである。

 時代の進歩で、3Dの成形品の精度が高くなると同時に、経年変化がほとんど無い樹脂を使うことができるようになった。 価格は格段に下がり、全ての機関車を改装して滑らかな動力化が可能になる。
 今回、100軸のギヤを組み立てた。たくさんあったボールベアリングが払底した。  

2022年08月13日

Loctiteを使う

gear centering jig (1) ディーゼル電気機関車の40インチ動輪軸に、歯車を組み付けねばならない。正確に動軸の中心に来るように、ジグを作る。ロックタイトを使うので、それがジグに付着すると取れなくなる。また、はみ出したロックタイトがジグに付かないように、逃げておく必要がある。

 ジグは丸棒から旋盤で挽き出した。許容誤差は 0.03 mm以下なので、何度も計測して作り、磨いた。

gear centering jig (2) 絶縁側は、車軸を圧入してあるので外せないから、そちら側(右側)のボールベアリングは先に入れて置く。ギヤを入れてロックタイトを手前に塗る。この写真では写真写りを考えて、塗る量を多くしている。本当は、少しで良い。ジグを嵌めて車輪をネジ込む。


gear centering jig (3) ギヤを廻しながら左にずらして、ロックタイトをなじませる。20秒ほど待てば固着しているから、あとは車輪を外して、ジグを外すだけだ。
 ロックタイトは購入後20年ほど経過している。心がけが良いせいか、よく固まる。はみ出した分は、綿棒に溶剤を滲み込ませて、拭き取る。拭き取りが不完全であると、もう一つのボールベアリングを滑り込ませたときに、固着してしまう。 
 また、ジグの内径は車軸よりも 0.5 mm程度太くしておかないと、何かの間違いで固着してしまう可能性がある。

2022年08月11日

続 スズ63%ハンダを使う

 この機関車の床板は 0.6 mmのエッチングされた板で、へなへなである。エッチングは焼き鈍した板を使うからだ。見かけは良いが、衝突したら悲惨である。その事故車を筆者が安く手に入れたのである。前頭部は取り替えた。
 床のサブフレイムは、なんと2mmの板である。剛性が素晴らしいはずなのに、大きな孔が全幅の6割もあるので、そこで折れやすくて話にならない。上廻りがついていても車体に力を掛けると撓むのが分かるが、設計した人は何も感じなかったようだ。モータは2個も付いているから、この孔が2個もあって剛性がない。伝達効率が高ければ、モータは1つで十分であったはずだ。 

 1 mmの板を貼って、孔を塞げば剛性は飛躍的に高まる。細い部分の厚みが増すからである。厚みが1.5倍になれば、その3乗で効くから、強度は3.37倍になる。孔があっても剛性は保たれる。
  0.4 ✕ 3.37=1.34
であるから十分だ。

63%ハンダ こういうときは正確に切った板を載せて、例の押さえを使う。塩化亜鉛液を塗って、63%ハンダを置き、ガスバーナで加熱する。間もなく、ハンダは融け、隙間に一瞬で吸い込まれる。全面に均等に吸い込まれ、合わせ面からわずかにハンダが見えている。

 このハンダ付け工程を来客に見せたら、大変感動していた。彼の思っていたハンダ付けとは全く異なるものであったようだ。

 右の方にモータが見える。丸みに合わせて長穴の内側面を斜めにヤスって、モータを沈めた(モータが持ち上がる)。ドライヴ・シャフトが水平面に来るので、伝達効率が飛躍的に良くなる。
 モータは、U字状の支えで取り付けた。今野氏のとは違い、薄い板を曲げたものである。

2022年08月09日

スズ63%ハンダを使う

6-wheel truck bolster overlay6-wheel truck bolster 完全なハンダ付けをする必要があった。6軸ディーゼル電機の修復作業で、台車ボルスタを作り直した。強度が必要なので、銀ハンダを用いる。貼り付けてからフライスで削らねばならない。
 手に入れた事故車には台車が付いていなかったので、手持ちのCLWの台車を付ける。軸距離等の寸法は同じだ。

king pin location このCLWの台車のセンタ・ピン位置は、中央軸の上には無かった。おそらく中央軸のギヤボックスが邪魔になって、少し逃げたのだ。と同時に、センタ・ピンが車体中央方向に寄れば、ユニヴァーサル・ジョイントの曲がりが少なくなり、有利であるということだろう。軸重は中心付近に掛かっているが、微妙に偏ることもあり、面白くない。センタ・ピンを切り捨てて、中央軸上に新しいセンタピンを立てることにした。
 既存の台車ボルスタに 2 mmの快削ブラス板を銀ハンダで貼り付ける。ギヤボックスの遊動を許す空間を作るために、フライスで 1.5 mm切り込む。その上に更に 1 mmの板を63%ハンダで貼り付ける。銀ハンダは融点が高いので、2回目のハンダ付けでは融けない。融点の差を利用すれば、このような大物でも順番に付けることができる。加熱はガスバーナである。

kingpin (1)kingpin (2)kingpin (3) センタ・ピンを立てる。これはΦ4の丸棒で、その先にM3のネジを切る。板に差してハンダ付けし、バネを介してM3のダブル・ナットを締めれば、出来上がりだ。ネジは長めになっている。取り付けてから、先を切ることになる。 センタ・ピンは細いと折れやすい。  

2022年08月07日

音のこと

 蒸気機関車から歯車音がするのは絶対に許せない。

 なぜウォームギヤを使うのかを考えてみたい。まず、直角伝導だから、大きなモータが使える。ギヤ比が大きく取れるから模型用としてはコストの点では大きなメリットだ。

 忘れてはいけないことに、ウォームギヤでは音がしないということがある。ウォームギヤ以外では、必ず音がする。ウォームギヤは無音である
 筆者の動力増大装置は、3条ウォームギヤを使って、ウォームホィール側から廻して、動力ピックアップをしている。ここで普通のギヤを使うと、音を消すことは極めて難しい。ウォームギヤは逆駆動しても音は出ない

 今回希望者に頒布した3条ウォームは、とても静かである。無音であると言っても差し支えない。歯車の仕上げ精度が素晴らしく良いのだ。
 HOでは車輪はブラスの挽物にニッケルめっきが主流だろうから、転動音はするだろう。しかし動力装置の音は聞こえないはずだ。

 音のするウォームギヤセットには問題がある、と断言する。その問題とは、歯型のことである。
 進み角の大きなウォームギヤには、特殊な歯型が必要であるが、そんなことにはお構いなしで作ったものもあるようだ。自分で計算せずに人任せで作ったもののようだが、お話にならない出来であった。

 平歯車では、ピニオン(小さな平歯車)の歯型は相変わらずひどい。13枚歯以下のものは考えねばならない。


2022年08月05日

ラージ・エンジン・ポリシー

 表題の言葉を使おうと、何回か思ったことがあるが、今まで控えてきた。
 この言葉が英語であるのか、和製英語であるのかが今だにわからないからだ。I田氏が使っているのを見て、それほど違和感を感じないので、今回は使ってみることにする。

 この言葉は高木宏之氏の著作にたくさん出てくる。大きなボイラを持つ機関車を使うと、運転も保守も楽であるということを、繰り返し述べている。車も、アメリカの大排気量の車の運転は、実に楽である。
 井上 豊氏も同様のことを言った。
「C62になって楽になった。C59ではギリギリだった。ほんの少しの余裕があるだけで、こんなに違うものか。」
と思ったそうである。 

 筆者が最初に作った4-8-4は当時最大級のコアレスモータを用い、低ギヤ比にして効率を稼いだ。ギヤ比は低いほど伝達効率が大きいというのは常識である。同じギヤを使っても小動輪の貨物機関車の効率は低い。同速度でもモータの回転が多いからだ。
 そういう意味では大動輪の4-8-4のエネルギィ伝達効率はすこぶる高い。今でも50%以上をマークする。
 もう一つの秘密は、主動輪のクランクピンには複列のボールベアリングが入っていることだ。これだけでも10%弱の差が生じる。寒いときに高速で重負荷を掛けて走らせると、貨物機のこの部分が温かくなるのが分かるのだ。

 筆者は犬に馬車を牽かせるのには反対である。なるべく大きなモータを入れたい。むしろそんなことより、牽かれる物の責任を追求するほうが、生産的である。


2022年08月03日

定常状態

 機関車の効率測定には、まともな勾配線を導入することを薦めたい。列車全長の2倍程度の均一な勾配を用意して、定常状態のドローバー・プル(牽引力)を測定し、速度を測定すれば、機関車の出力はすぐ出る。
 この「定常状態」の意味をよく噛み締めたい。勢いを付けて「ほら登った」というのは小学生の発想である

 長くて均一な勾配を用意する、というのは意外に難しいことかもしれない。過去に見た勾配線は、どれも勾配が不均一であった。
 当博物館の複々線は、精密に出来た勾配線である。その内側の見えないところに、HOの勾配線を作り、定常状態の運転をして出力測定して、効率を求める、ということは考えられないことではない。安定な電源と光電式のタイマがあれば、測定は容易である。希望者が多ければ、その線路を敷くことには、やぶさかではない。その勾配は精密にできていて、誤差が殆ど無いから出力測定には適する。
  
 定常状態と言うべきところを、平衡状態であると勘違いして使われている事が多い。平衡というのは見かけ上の釣り合いではない。エネルギィの出入りのない状態を考える必要がある
 例えば電車が均一な坂を登るとき、あるノッチでその電車が一定速になると平衡速度と言う人もいるが、正しくはない。エネルギィは投入され、その大部分は位置エネルギィとして蓄積されている。均衡速度と言うべきだ。

 ハンダ鏝に通電すれば加熱され、一定温度になる。平衡温度と言う人もいるが正しくはない。エネルギィは投入され、周りの空気を温めて逃している。
 これらは定常状態 steady stateである。平衡はequilibriumであって、密閉系の中でしか考えられない。一定温度の瓶詰めの内部の蒸気圧は平衡圧である。そこでは物質、エネルギィは外界とやり取りされていない。

 面倒なことを省いて書けば、定常状態での測定は、こういうことだ。
 列車を牽いて斜面を登る機関車の、機関車と炭水車を結ぶ連結棒にバネ秤を付けた状態で、炭水車と列車とを牽き上げる。その時、電流値に増減があってはならない。速度も電流値も一定である時、引張力と速度を測定し、その積を求めれば出力は求められる。それを電源の出力で除せば効率が出せるが、日本でこれをやったという人を他には知らない。正確で長い勾配があればできる。均一な列車(全て同一質量を持つ貨車で編成)を牽き上げながら、機関車が平坦線に載っているときに速度を測ればよいのだ。
 列車長は 40 m近くあり、勾配は 15 mほどだから可能である。  


2022年08月01日

続々 高効率ギヤによる改装報告

 US氏は技術系の方であるので、説明しなくても正しい分析をされている。当初M0.6と書かれたので、「進み角を忘れていませんか。」と書いたら即座に反応されて、M0.5と書き換えられた。こういうところにピンと来る方であるから、分析は客観的である。 

 いまだに、「ギヤ比が低いから最高速が…」という揚げ足を取る人が居るが、それは今までの低い効率の動力伝達装置しか見たことがない人の推論である。
 US氏は、「実際に交換してみると、同じモータであるのに、従来の1条ウォームより低速が効く」とおっしゃる。他の方からは、「高効率」の意味が初めて分かったという感想も来ている。

 例の「犬に馬車を牽かせる」話については、US氏は次のように解釈された。
 従来の方法では動かせなかったものが、高効率ギヤでは動かせるので、犬でも馬車が牽けるとも言える。しかし、モータのトルクが小さく、低速が安定しないときはDCCで補正するのが実用的だ。
 しかし、従来の1条ウォームで低速走行が安定しないようなモータでは、高効率ギヤに替えても芳しい結果は得られない


 正しい能力を持った方が分析されているので、これをお読みになって着手しようと決断される方が多くなれば、それは喜ばしい。食わず嫌いの方もいるだろうが、困るのはそれを吹聴する人が居ることである。
 最近はウェブ上で各種の知識が容易に得られるので、US氏の意見のような客観的な情報に接する人が増えてきた。すなわち、より客観的になってきたわけで、望ましいことだ。

2022年07月30日

続 高効率ギヤによる改装報告

 次はUS氏の感想である。

 想像以上の静かさと滑らかさで、高速から低速まで安定した走りでした。負荷に応じた速度の変化が見られ、実物に近い運転感を楽しめます。牽き出し時はスロットルをゆっくり回さないと空転するのも実感的です。
 スロットルの動きと列車の動きが異なっても、車両の慣性や走行抵抗を感じられるので集電不良のような不快感はありませんでした。

 DCC運転では負荷による速度変化が抑えられて安定した走行になり、低速での安定性も向上しました。3条ウォームは1条ウォームより減速比が小さいので低速時の安定性が心配されましたが、コアレスでなくてもトルクがあるモーターなら低速も問題ないことも分かりました。

 自動運転を楽しむにはDCCが有利ですが、個人的にはアナログの方が、運転は面白く楽しいと感じます。


2022年07月28日

高効率ギヤによる改装報告

 HO用ギヤセットを購入された方から、次々と改装の報告が入る。
 まずMS氏の報告から。

 中村精密キット組みの旧作8200の動力系を換装しました。
動輪の軸バネはコイルで硬かったので、「続・蒸機を作ろう」誌掲載の高木幹夫氏の記事を参考にして、リン青銅バネに取り換えました。モーターは「I田氏」のブロクで推奨の17x25コアレスモーターを採用、吊掛け式とし、ジョイントは当然ながら六角ジョイントです。結果は上々で、単機で2 V、0.2 A前後で起動、平地でブラス製客車14輌を牽き出します。機関車を手で押すと、軽く転がります
曲線(750R)でのスピード低下はありますが、PowerPacのつまみを少し上げる程度で気になるほどではありません。急なパワーオフで、客車に押されて数十cmは惰行します。換装時のポイントはモーターの選択と車両側の軸受けの改良(今回バネだけですが、車軸受けもベアリングないし樋状軸受けにするとさらに良いかもしれません)、ウェイトによる補重と重心調整と考えます。HOでは、モーターおよび動輪径の制約から小型機への装着は難しいようで、大型機に長大編成を牽かせる状況がベストな印象です。
ブラス製客車 + ケィディー・カプラです
と、牽き出し時に実物の自動連結器のような挙動も楽しめます。最近はプラ製客車が出回っているので忘れてしまっていましたが、再発見でした。 

2022年07月26日

続 EMDの機関車群 5

 先回の最初の写真の一番右は、左から2番目と同等であるが、ショート・フッドを切り縮めてキャブの窓を増やしている。これを作った人は、現物を見て作ったのだろうが、その現物が何なのか不明だ。Southern Pacific にあったという話は聞いたが、写真が見つからない。

 どの機関車にも、Winterization Hatchが付いている。これはアメリカのジャンク市で見つけたものだ。もちろん日本製のアフターマーケット商品である。 売れなくて、非常に安くなったものを買った。

EMD GP7 truck これらの台車はKTM製の中古部品を集めた。GP7,GP35に使ったものを部品として分売していたのだ。安くはなかったが、CLWのものよりは廉価であるので、買い集めた。祖父江氏の設計で、非常に頑丈であり、筆者の好みである。重ね板バネの表現がやや浅いが、砂型鋳物の限界だろう。軸箱蓋は張り替えた。一部の台車には板バネを貼り重ねたが、さほどの効果もなかった。台車のディテールは、車体全体の印象には負けるのだ。
 韓国製の台車もあるが、弱くて実用に耐えない。補強しても構造に無理があるから、効果がない。内側台車にして、外にぶら下げるだけにするのが良いだろうと思う。
 これらの機関車は軸重が350 gfもある。ウェイトを積んでいないのにブラスとモータだけで、これほど重い。台車にはボールベアリングが入っているから動くが、摩擦軸受ではすぐヘタってしまう。また、ちょっとした軽衝突でも、連結器周りはかなり破損する可能性が高いので、補強を十分に入れている。

2022年07月24日

EMDの機関車群 5

GP7's (2) これらのGP7はいずれもジャンクから作ったものである。1960年以前のものをアメリカの中古市場で買い集めた。左は Kemtron の初期のキットである。厚さ50ミル(1.3 mm弱)の板から出来ていて、エッチングの深さは0.3 mmもある。とても重い。All-nationの下廻りを使うことが指定されていた。起動電流は2 Ampsほどもあった。3条ウォームに作り変えたところ、50 mAで起動するようになった。

GP7's (1) 左から2番目も、Kemtronの後期のキットである。板は多少薄くなって40ミル(約1 mm)である。これも部品が欠落していたので作った。排気管はまさに煙突で、飛び出している。根本に支えが付いていて、それをどう作るか、かなり考えた。結局、伊藤 剛氏の方法で、切れ目を入れて長い板を差し込み、座板にハンダ付けしてから耳を切り取った。簡単で良い方法だ。

GP7's (3) 3番目は1955年にMax Grayがカツミに注文して作らせたGP7で、その残材が祖父江氏のスクラップ置き場にあったのを拾ってきたものだ。 フッドはコの字に曲げてなかったので、切り離して角材にハンダ付けし、角を丸く落とした。曲げるよりは、簡単で安全な工法である。
 キャブはSD7用のを見つけたので僅かな改造を施して付けた。不足部はスクラッチから作ったが、ロストワックス鋳物を安く買えたので、細かい部品を付けた。排気管が平面で、面白い形である。


2022年07月22日

続 EMDの機関車群 4 

SD40-2 engagiment このアメリカ人が組んだものは、上下を組合わせる時、アングルで噛むようになっている。こうするとエンジン付近を握った時、この部分のフッドが内側にめり込むことがないから、隙間が空いたりしない。
 上下をハンダ付けすれば良いではないか、と思う人もいるだろうが、それでは塗り分けが大変だ。上下に別れるなら、塗り分けは簡単である。

 1966年に祖父江氏が作ったGP35も、ここの部分が分かれるようになっていた。念のために、祖父江氏にどうして分かれるようにしたのか、聞いてみた。
「ここんとこが分かれねえと、塗り分けが出来ねえんだよぉ。ラニングボードは、色が違うからさぁ。」と言った。その時代に塗り分けを考えた構成になっていたのは素晴らしい、と今でも思う。

 モータは高い位置にあり、コグド・ベルトで下に降ろしている。こうすると、駆動中間軸の長さを長くでき、ユニヴァーサル・ジョイントの折れ角が小さくなるから、効率が上がる。

SD40-2 porch このSD40-2は先述のSD40とは台枠長さが異なる。20気筒エンジン用のフレイムに16気筒を載せているので、前後のデッキが ”porch” と呼ばれる空きスペイスになっている。UPではそれを利用してスヌート・フッドを前に載せている。この中には列車無線装置が入っていたのだ。

mrn-tunnelmotor-04 SD40T-2は冷却装置が長いので、後ろのポーチはなくなっているが、前にはある。さらにスヌートを付けたものもあるので、その場合は前のポーチもなくなり、ボディシェルがおそろしく長い。 

2022年07月20日

EMDの機関車群 4

SD40-2 これらはSD40-2である。同じくCentral Locomotive Worksの製品であったが、時期が異なる。
 左は1989年に新発売の時、製作者のBob Smith氏から直接買ったキットである。東部に行った時、手渡ししてもらった。CLWにしては薄い板で驚いた。このショート・フッドはsnootという、犬の鼻のような長いものだ。それを注文した。 

 右はその20年後にebay で見つけたジャンクである。かなり構成が異なるので驚いた。全く別物である。元の厚板に、戻っていた。このジャンクは素晴らしい出来である。アメリカ人が作ったもので、ここまで素晴らしいものはまず見ない。全てに神経が行き届き、ハンダ付けは完璧である。塗り分けを考えて、上下をうまく分割し、それが組まれたときには、一体になるよう、組み合わせ部分に特別な工夫がしてある。
 もう一つ不思議なことに、モータはドイツ製のコアレスで、ベルトドライヴになっていて、それが極めてストレスなく動くユニヴァーサル・ジョイントの位相も正しい。また、全てのネジがメートルネジであった。アメリカでメートルネジを使っている人がいるのだろうか。 
            
 ハンダ付けは、ロジン(松ヤニ)をフラックスとして使っているところが、我々とは異なる。ロジンがこびりついているので、リモネンで洗って溶かした。 

2022年07月18日

続 EMDの機関車群 3

 GP38-2は、2000馬力の中型機で、ターボ・チャージャがついていない。ルーツ・ブロワによる掃気である。音が違うので、遠くからでもわかる。
 以前採り上げたとんでもない作りのジャンクだ。丁寧に焙ってバラし、全て削り直して作った。CLWのキットはこのような作り直しに耐える。板が厚いということは何よりも大きな利点である。ハンダ付けはクランプで挟んでガスバーナで炙れば良い。完全に密着させる事ができる。

 エンジンフッドはやや薄く、0.8 mmである。頼りないので、上下の組合わせ部分を工夫し、噛み込むようにしたから、強く掴んでも安全である。薄いと、エンジンフッドを持って持ち上げると凹んで壊れる可能性が高い。

両軸化する 下廻りを仕上げている。両軸モータで直接に駆動すると、伝達効率が高くなる。両軸モータは高価なので、ロータリィ・エンコーダの付いているものを探し、そのエンコーダ部分を壊す。軸の太さは異なるが、旋盤でスリーヴを挽いて取り付ければ良い。

 安価で手に入れたものが、高性能な機関車に生まれ変わる。こういう瞬間は、何度経験しても嬉しい。筆者自身のコレクションの機関車で、新品完成品を買ったものは一輌もない。

2022年07月16日

EMDの機関車群 3

SDP35 GP38-2 左はSDP35、右はGP38-2である。
 SDPのPはPassengerであって、冷暖房用の蒸気発生器 SGを持つ6軸機関車である。その分だけエンジンフッドが長い。台枠は普通型と共通なので、デッキを少し張り出してなんとか収めている。だから、後部のデッキは普通型とはかなり異なる形である。
 この機種の実物を見たことがある。ギヤ比が小さく、高速運転できる。Amtrakの旅客列車の先頭についているのを一度見た。SGが付いているから補機として付けたのだろう。
 
 このジャンク・キットは、もともとはSD35であったが、エンジンフッドに派手な傷があり、SDPに改造する事にした。Atlasという会社がプラスティック製の完成品を売っていた。その修理用パーツが分売されていて、エンジンフッド全体と、ダイナミックブレーキ、冷却ファンなどを購入した。それらをテキサスまで持っていって、ブラスに置き換えたのだ

GP38-2 SDP35 鋳造は成功したが、できたものは背が高かった。これがはまり込む筈のプラスティックの床板には 2.4 mmの溝が彫ってあり、そこに嵌まるようになっていたわけだ。厚さ 3.2 mmもあるものを糸鋸で全周切るのは自信がなく、ベルトサンダの上で押し付けて、ケガキ線まで削った。青ニスを塗り、ケガキ線を入れたのだ。写真で暗く見えている部分が、青ニスである。
 よく削れるので、やり過ぎるといけないから、かなり緊張した。本来は、プラスティック部品の状態で、裾を削り落としておくべきであったのだ。   

2022年07月14日

続 EMDの機関車群 2

 安価なジャンク品では部品が足らないことが多い。使えそうな部品を取って、売るのであろう。この場合も排気管の鋳物がなかった。 

EMD GP15 (4) t 1.5の板を4枚貼り重ね、フライスで正確な座標で細穴をあけて、後で中の長穴を切る。パイプを潰して扁平にする。この時、パイプは焼き鈍して、中に芯金を入れて挟むとこのような形のものができる。芯金は硬くないといけないから、ヤスリの柄を使った。芯金がないと雪だるまのような形になってしまう。芯金に当たってからも力を掛けると、形態が落ち着く。要するに、全体に応力を掛けて塑性変形させるのだ。
 また、芯金は二段階程度を用意しておくことがコツである。一回では思うような形にならない。もちろん、万力の口金は研いだものを用いるのは言うまでもない。掴み代がないと作業しにくいので、それは後で切り落とす。

EMD GP15 (5) 細穴に線材を押し込んで所定の位置に置き、例の押さえで全体をセットしたのち、塩化亜鉛水溶液を塗って63%ハンダの小片を横に置く。ガスバーナで軽く炙ると、ハンダはすべての接合面に一瞬で沁み込んで、完了する。こんな簡単なハンダ付けはまずない。しかし、これをやっている人は少ないように思う。銀ロウ付けも全く同じ感じである。

 はみ出したハンダはそのままでも良いが、塩化亜鉛を塗った平編み線を当てて、炭素棒で触ると、余分はすべて平編み線に吸い込まれる。ハンダの色が見えていないハンダ付けは、付いているかどうかわからない。

2022年07月12日

EMDの機関車群 2

EMD GP15 (3) これらはGP15である。1980年代に増備された。この機種は排気タービンも、ダイナミックブレーキも無い。    
 この機関車は古いGP9を引き取って、エンジン、発電機、モータを取り替えたもので、台車は古いものを使っているものが大半だが、中には軸箱にオイル・ダンパを付けているものもある。
 この機種も先回のSD40T-2と同じく、冷却用の吸気口が下にあり、素抜けている。トンネル内の熱気を避けるためではないが、同系統だと主張する人もいる。
 
EMD GP15 (1) この機種を 3輌同時に求めた。スワップミートで安価なジャンクを買ったのだ。驚いたことに、2つのボディはエッチングが裏表逆のところがあり、そのままでは組めない。だから捨て値だったのだ。細かく調査すると、一部を切り離して逆に組み、残りをスクラッチから作れば製作可能と判定された。捨てる部分は未練がましく持っていると、勘違いしそうだったので、切り刻んで捨てた。

EMD GP15 (2) 10年ぶりに組み始めた。キャブ部分は諦めてスクラッチから作るべきだったと、後悔した。大変な苦労をして形になった。2機種作ることにした。UP仕様とBN仕様である。どちらもそれほど正確ではないが、仕方がない。これらは床板の形、側面のモータ・ブロワのダクトの形が異なる。 
 床板の前後端には 2.4 mmの板を貼り重ねる必要がある。運良く見つかったその太さのインチ材の角線を貼る事によって解決した。

 床板の前後を補強するのは必須である。軽衝突で修復不能になるのを回避する。先回のKTM製は衝突でパイロットがめり込んでいた。切り離して別部品と取り替えた。その種の部品は、アメリカ製の代替品のストックが有る。前後が微妙に異なるものが出来たが、snow plow スノウプラウで隠れて見えない。 

2022年07月10日

EMD の機関車群 1

EMD Engines (2) 左から、SD40 UP、SD40 SP、SD40T-2 Rio Grande 、SD40T-2 SP である。いずれも20年ほどの眠りから覚めて、組立て中である。SD40はKTM製のジャンクである。購入者がぶつけて修理不能になったのだろう。細かく出来ていて見かけは素晴らしいが、走りは限りなく零点に近い。伝達効率は5%もなかった。バラして車体を修理し、下廻りは新規に作った。元の製品はギヤが多く、粘いグリースが使われていた。グリースの撹拌抵抗だけで損失の大半を占めていたし、モータの効率は50%もなかった。それが2個も使われていた。起動電流は3 A以上で、いつも使っている電源では起動できなかった。改装後は 50 mAで起動する。

 右の2輌はキットだったのだが、気に入らず、改造を施している。全体の2割くらいが自作である。

EMD Engines (1) 後ろから見るとT-2は異様に大きなラジエータを持っていることがわかる。トンネル内で、より冷たい空気を求めて冷却用空気は低い部分から取り、ラジエータ長を1.5倍にしている。ラジエータは中でV字型に折られていて、放熱面積は通常型の2倍もある。


EMD Engines (3) これら4輌は同じエンジンを積んでいるが、長いフッドの長さがこれほども異なる。長い20気筒エンジン用のフレイムを用意して、冷却装置部分を増設したのだ。ラジエータの下は単なる空洞で、素抜けて向こうが見える。 

2022年07月08日

スズ63%ハンダ

 先日、スズ60 %ハンダを使っている人から質問があった。
「私は、60 %を使って来ました。63 %の経験はありませんが、ハンダ付けは十分な経験があるつもりです。記事にあった63 %との差は少ないので、融け具合に差があるようには思えません。」

 この種の質問はよく受ける。答は、
63 %と60 %とは、全くの別物です。」
である。60 %のハンダを使えば、隙間を埋めることができるが、63%ではまったく無理なのだ。


SD40T2 short hoodSD40T2 short hood defects 例えばこの種のハンダ付けを考えてみよう。ここでは4枚のピースを組立てて、ディーゼル電気機関車の前方のフッドを作っている。天板と側板を1.5 mmの板をフライスで段を付けて噛み合わせ、固定して60%ハンダをコテで融かして付けている。この時、ハンダは隙間を埋め尽くし、なおかつ少し盛り上がるようにする(左の写真)。
 厚い板を使うのは、ヤスリで削って角に丸みをつける必要があるからだ。この工作は63%ではできない。
 右の写真は、大きな単目のヤスリでさっと削ったところである。黄色 の矢印はハンダが足らなくて穴があいている。再度60%ハンダで埋めて削り落とす。そうすれば、継ぎ目が全く見えなくなる。ハンダを削るのは単目に限る。詰まりにくいからである。


 63%で付けると、どの様になるかは興味深い。早い話が、コテを当てるとその周囲が、一瞬にして石鹸水のようになって隙間に沁み込む。盛ることは一切できない。もちろん塩化亜鉛水溶液がある時の話である。
 融けると、粘りけが極めて小さく、また表面張力がほとんど無い、重い液体になるのである。このフッドの隙間に盛ろうと思っても、全部融けて、重力で向こう側に垂れ、そこで冷えて滴になるから、盛れない。板を張り合わせるには最適である。
 例えば、直角にアングルを裏打ちしてつけようと思うと重力で下の方に溜まる。もちろん密着している部分には沁み込んでいるから、付かないわけではない。よく付いているが、今までのような、ハンダが見えている付き方ではないということだ。すなわちよく密着させて加熱すると、最小限のハンダで付くというわけである。

 炭素棒ハンダ付けを紹介したときに、炭素棒さえあればコテはいらないと考える人が居たが、それは間違いで、両方必要だ。ハンダも63%と普通のハンダを使い分けることが必要である。 

2022年07月06日

続々々 高効率ギヤへの換装報告

 そもそも、HO以下の模型に新ギヤを取り付けることは、筆者の想定外のことであった。そのような要望があって驚いた、というのが本音である。     
 Oゲージ用の歯車を薄く削ったものを作り、試作品として供給した。ギヤボックスは新規に起こした。幅が少々苦しく、シールド型ベアリングが使えないので、ギヤボックスの形を工夫して、ゴミが入りにくい構造にした。それが一次試作である。その後何度か改良して現在の形に至る。

 とにかく、なんとか収まれば良いと形を決めたので、イコライザ装備の模型等には、苦しい寸法だそうだ。筆者はHOの模型を持たないので、それについては配慮が足らず、反省すべき点もある。しかし、イコライザを付けている方はクラフツマンであろうから、その点はご自分で工夫されるだろう。例えば、軸箱とギヤボックスを一体化するという手もある。

 13 mmゲージにはギヤボックスを自作しないと使えない。その写真を見せてもらうと、なんとウォーム前後のスラストの処理がなく、ギヤボックスは開放型であった。具合が悪いとのことであった。それは当然である。
 すぐに要点を伝え、作り直して戴いたら、調子が良いとのことである。このブログに写真が載っているが、これは撮影時に蓋を外して中を見せているもので、実際は密閉型だそうだ。この歯車は模型用の精度の製品ではないから、わずかでも埃を噛むと、性能が著しく落ちる。 

 小さなモータでうまく動かないという報告もあるが、それに対してこんな比喩を送ってくれた方があった。
「犬に馬車を牽かせるようなもので、調子が悪いと言って、DCCを御者にしようとしていますね。」 
 なかなか良いところを突いていると思った。そろそろお止め戴くようにお願いしている。犬は死にそうだ。 

 櫻井氏からの情報では、例の低速モータはここで手に入るそうである。このモータが収容できる機関車の換装を考えていらっしゃる方には、お薦めする。

2022年07月04日

続々 高効率ギヤへの換装報告

 最高速の考察も、たくさん戴いている。一番多いのは、
「12Vを掛けて走らせることはあまりない。」
ということである。しかも無負荷というのはありえないそうだ。これは筆者の意見を補強している。

 高効率ギヤを装着した機関車で、重い列車(輪軸を改良したもの)を牽くと、実物のような牽き出しができるそうである。電圧を徐々に上げると、あるところでスリップするので、少し戻すと再粘着する。そして電圧を少し上げるということを繰り返すと、牽き出せてしまうそうだ。
 今までの非効率な模型では、牽き出し時に余分な電圧を掛けざるを得ず、止まっているか、動いているか、どちらかのクリティカルな動きをしていたのだろうと推察する。だから牽き出せない。新ギヤでは、じわりとトルクを掛けるということが、できるようになった、ということである。

 当然のことではあるが、新ギヤボックスを付ける前の段階の改装で、「トルクアーム + 六角ジョイント」の効果に驚いた、というお知らせをたくさん戴いている。
 ゴム・ジョイントと怪しい継手で、モータ出力の半分を失っていたのだろう。素晴らしい性能アップだそうだ。何も他にしていなくても走行性能が劇的に良くなり、「天地がひっくり返ったような衝撃を受けた」と書いて来た人が居る。

 考えてみれば、戦後すぐから、70年以上も何も進歩していなかったのだ。ゴム・ジョイントがシリコーン・チューブに変わっても、駄目なものは駄目なのである。もう、皆さんはお分かりになったとは思うが、どなたか、客観的な比較実験をしてくださるとありがたい。
 Oゲージの模型を作っている人は、この不具合が気にならない人がいるらしい。これも大きさの効果である。大きなものは柔らかいのである。

 六角ジョイントは作るのが簡単である。さほどのノウハウはないが、材質には注意すべきだ。POMまたはナイロンで射出成形すれば良い。どこかのメーカが作ってくれれば、こちらも助かる。

2022年07月02日

続 高効率ギヤへの換装報告

 このような感想も戴いている。

 送付いただきましたギヤをフジヤマ製の4-8-4に装着し、あまりのギヤの滑らかさに感動いたしました。手持ちのコアレスモーターとの組み合わせでは、アナログの電流計がほとんど振れないほどです。
 また、いただいた詳細なマニュアルは誠にありがたく、無事に取り付けることができました。当初69インチ以上の動輪径のみを置き換えようと考えておりましたが、小さな動輪径の機関車も含めて変更したいと思います。


 おそらく、今までのゴム・ジョイントを使い、スラスト処理のない開放型ギヤボックス、トルクアームなしの状態だったのだろう。それから考えれば、とてつもない変化である。 


2022年06月30日

高効率ギヤへの換装報告

 頒布した高効率ギヤを取り付けた方々から、次々と報告を戴いている。賛辞を戴くのは嬉しい。
 ここで何度も書いたので、最近は「逆駆動できるギヤ」という表現が減ってきたのはありがたい。

 動画を送って下さった方が多い。良く走るさまを皆さんにも見て戴きたいとのことであったが、動画の形式が異なり、ここではお見せすることができない。Youtube での公開を待とう。 

AT&SF3760 まずは櫻井成道様の作例である。古い United製 のAT&SF4-8-4に組み込んである。モータは以前紹介した12Vで2400 rpm(実測)のΦ22、32 mm長のコアレスモータである。
 単機でも惰力で30 cmほど動くそうである。動きの悪い客車13輌を牽いたので満足している、とある。 

 このモータは大型蒸機には最適であるとNK氏から、お墨付きを戴いている。

 小さなモータを付けて、牽けない、とか登り坂で遅くなる、などという意見もたまに来るが、その他の方は概ね肯定的である。
 高効率であるということは、モータの出力が直接動輪の回転に表れるということである。登り坂では過負荷である。小さなモータでたくさん牽けないのは当然で、実物でできないことを、模型にさせる必要はない。

 今までの模型は低効率の動力伝達装置でモータの出力を大半すりつぶしながら、モータをフル回転し、そのごく一部が連結器から出力されていたに過ぎない。だからDCCの補正効果が顕著であった。
 少し考えて、最適のモータ、最適の負荷(付随車の輪軸の改善)をすれば、素晴らしくよく走る模型になるのである。中学校の理科の時間に戻って考えてみてはいかがだろう。

2022年06月28日

貨車を仕上げる

 自宅地下室の整理をしている。もう無い筈の車輌が見つかる。しかも完成品である。入手したのは、かれこれ30年以上前だ。
 アメリカでの友人なのだが、あまり賢明とは思えない男がいた。その男 Frank が、固定資産税の納付の時期になるとやって来て、
「Hey Tad,  頼みがある。これらの貨車を買ってくれないか。」
と言う。理由を聞くと、
「税金を払えないと、家から追い出されてしまう。頼むよ。」
 当時の相場ではカツミ-安達製のホッパ車とかゴンドラは、1輌40ドル近辺だった。それを20ドルで良いと言う。数輌買ってしまう。小切手を渡すと、喜んで帰って行く。貨車は、元箱入りの新品同様のもあれば、多少擦り切れているのもある。そんなことは、どうでも良い。こちらとしては、安達氏から譲り受けたブラス板を組む見本として使うのだ。
 毎年、彼は売りに来る。一体どれくらい持っていたのかは知らないが、120ドルほどの税金を払えないのも不可思議な話だ。

 そういうわけで、やってきた貨車は、用が済むと片付けられてしまった。安く買ったものは、記憶に留まりにくいということもあり、その存在は忘れ去られてしまったようだ。

 30年ぶりに取り出して、台車と連結器とを取り替える。多少のディーテイルも付けて完成だ。洗って、天気の良い日に塗装する。

 すでに10輛以上が出来たが、すでに博物館のヤードには300輌載っていて、満杯である。ガラスのショウケースの中に線路を敷いて、並べた。
 これ以上見つかると、まずい。 

2022年06月26日

ガスの充填

gas torch ガスバーナは各種持っている。小型のはこれである。半分壊れているが、手直しして使っている。いずれ修理するが、このままでも使えないことはない。自動着火なので便利である。



gas refill (1) やや中型のはこれである。45年ほど前、時計部品屋で買ったロウ付け用のものでボンベはナイロン製である。空になると充填に行った。裏でなにかやっていた。覗くとLPGボンベをひっくり返してガスの液体を入れている。その充填ホースを買えばできるので、取り寄せてもらった。以来40年近く使っている。

gas refill (4) 庭のデッキの上にあるバーベキュウ・セットの熱源はLPGである。35年前、アメリカで定価60ドル位だったものを夏の終わりに29ドルで買ったものだ。雨ざらしなので徐々に傷んできた。下半分を友人の鉄工所でステンレスで作り直してもらったものだ。豪勢である。ガスバーナ部分は消耗品なので何度も取り替えている。レギュレータも更新した。ボンベは 5 kg入のを買った。

gas refill (2) ボンベのネジは左ネジで、奥まったところにあるから、この工具Crow Footを使うと廻し易い。昔はネジが日米共通だったが、最近はアメリカが規格を変えたので、直輸入品は使えなくなったようだ。 



 5 kgのボンベをひっくり返して、液体部分を出す。コツとしては、充填元のボンベの温度は高い方が良く、小さいボンベは冷蔵庫で冷しておくことである。こうすれば、蒸気圧の差で、2〜3秒で充填される

gas refill (3) この写真では指一本で押さえているが、実際には両手で押し付けないとガスが漏れて撒き散らされる。この作業は風のある時に外でやるべきだ。 

2022年06月24日

続々 8軸ディーゼル電気機関車を作る

 4軸台車は、実物の保線屋からは嫌われていた。軸距離が長く、横圧でポイントを壊すのだそうだ。軸重は30トンもあるので、破壊力はあるだろう。

 台車は必要数以上に用意した。Bill Melis の型を持っている人が居るので、それから作ったものもあるし、KTM製をアメリカで買ったものもある。
 細かいパーツは自作の部品をロストワックスで作ったから、問題ない。但し、台車は2種あって、互換性がない。

4-axle trucksknock pins KTM製は台車ボルスタの鋳物が薄くて、弱そうだ。Billの方はかなり分厚い材料を使っているが、1本なので、台車枠がガタつくおそれがある。ガタをなくすには、このようにピンを植え込んでハンダ付けしておく。ネジ一本で完璧な組立てが可能である。ピンが長いと組立てに手間がかかるので、太さくらいの飛び出しで十分だ。先は角を落としておくと、組立てが容易だ。

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