2017年01月18日

続 作業台の高さ

 それを聞いて、「やはり、そうか」と思った。
 裏庭の物置を整理した時に、実家から引き揚げてきた風呂の椅子が出てきた。ほぞが緩んで壊れていた。 捨てようと投げたが、その瞬間ひらめいた。

 V-board ルータで切り込んで、V-boardを沈め、面一(つらいち)にする。裏も少し削って、握りの前の締め金具が当たらぬように逃げる。V-boardは、硬い樫の木を用いた。


V board 2 接着剤を十分塗って締め上げ、一日待つ。多少の不陸はベルトサンダで落とすと、平らな作業台ができる。ワークをクランプで締めることも可能だ。
 脚の裏にはゴム板を貼り、多少摩擦を大きくする。足の手前にはストッパを貼りつけ、作業台の縁に引っ掛ける。

V board 3 極めて単純な工作で、1時間で完成だ。筆者の体格で、普通の椅子に座り、ほど良い高さである。この種の椅子は最近はあまり見かけないが、わざわざ探すほどのことはない。スクラッチから作ったとしても、大した手間ではない。

 友人が来た時に試してもらったが、なかなか良いという評価だった。 お試しあれ。

2017年01月16日

作業台の高さ

 三本ローラの写真をご覧になって、
「これは博物館の奥の、高くなっている線路路盤に付けてありますね。」
と、いうメイルを戴いた。
「高いと、見易くて良いですよね。」とある。
その通りなのである。

 万力がその場所にある。各種の切断はそこで行う。切粉が落ちるのはその下の隠しヤードへの路盤である。紙を敷いて受ける。

 糸鋸作業が高いところで行われると仕事が捗る、というのが筆者の認識である。視線が水平に近くなるので、直線が見易いのだ。以前は高さ750 mmの作業机に薬研台(英語ではV-boardという)を取り付けていた。結局のところはしゃがんでやることが多かった。

 自宅のレイアウト工作の時、1200 mmの路盤に万力をとりつけ、作業した。やや高い椅子に座って作業したのだが、なかなか具合が良い。
 普通の机(720〜750mm高)では何かを用いて高くすると良さそうだと思っていたところ、今野氏が興味深いことを教えてくれた。
「他の趣味界の人と話すと面白いですよ。金工をされる方で、全くの素人さんの様でしたが、糸鋸を使うとき、机の上に作業用の台として、箱を載せると言うのですよ・・・・・」

2017年01月14日

板を丸める

 友人の依頼で、金属板を丸めた。いつもは薄い板を大きな半径で丸めていたが、今回は1 mm 板を半径15 mm で丸めてくれという依頼であった。

 厚い板は何度もローラを通すと少しずつ薄くなる。今回も0.02mmくらい薄くなったような気がする。その分延びるので、計算値よりすこし短くして開始した。
 まず、アルミニウム板で練習する。これは軟らかく、あっという間にできた。

115_5223115_5226115_5235 ブラス板はそれに比べると硬いので、何回かに分けて通す。事前に端の部分は丸みを付けておかねばならない。それには例の丸いダイを使う。
 端の部分を当てて、ゴムハンマーで丹念に叩く。それをローラに通す。少しずつネジを締めて隙間を減らす。20回くらい通すと具合よく丸まる。ローラを外して、逆回しでも通しておくと、形が整う。

 この器械はシカゴから来たものだ。イギリス製である。万力に取り付けて使う。以前から持っているものは半径が20 mm程度のものまでしか曲げられなかったので、今回初めてこれを使った。

2017年01月12日

3条ウォーム・ギヤ

 コメントを戴いているので、予定を変更して、続編である。

 筆者の3条ウォームは、85年夏のミルウォーキのNMRAコンヴェンションで発表した。祖父江氏と一緒に行って、ブースを借りた。
 2輌を同一の線路に置いて、片方押すと他方が走る様子は、大きな反響を呼び、地元のテレビ局が取材に来た。「マジック」というタイトルで放映されたようだ。そのビデオが見たかったが、 チャンスがなかった。MRに載ったのはその年だ。当時は、本社がすぐ近くの北7番街1027番地の古いビルだった。

 その発表のさなかに、一人の男がやってきて、
「このアイデアは戦前にライオネルが採用している。」
と言ってきた。こちらは そんなものを見たことが無いので、
「そうですか」
としか言えなかった。後に見せてもらった時、確かに押して動くが、それほど軽く動くわけでもなく、比較できないと思った。中を開けて見せてもらったわけではないので、今回の分解が初体験である。ギヤボックスが密閉式であるのは優秀である。
 ずっと後でわかったのは、その男がクラインシュミット氏であった。彼とはいろいろなところで会って、手厳しい評価を受けている。因縁深いものを感じる。しかし、最近は非常に仲の良い友達になった。

 大切なのは潤滑だ。良い潤滑剤を採用し、密閉されたギヤボックスを採用しないとうまくいかない。油が切れたり、埃を噛んだりするようでは意味がない。
 また、組立時にはよく洗っておくことも必要である。 

 3条ウォームが実現して、31年経った。一部のOゲージ・メーカが同仕様のものを採用しているだけで、他には同じものがまったくない。
 似ているだけでは、あまり効率が良くないのだ。材質も大切なファクタである。ブラスのウォーム・ギヤは感心しない。 

 以前にも書いたが、この直角伝導がコンパクトにできるというところが、模型用として非常に大きな利点である。傘歯車と平歯車ではあまりにもコストが掛かるし、ギヤ比や音の点で不利である。 効率もそれほど低くはなく、十分に太刀打ちできる。むしろ設計手法や工作精度によっては勝てる範囲にある。またクラッチ等を用いて、押して動くようにすると下り勾配で制御不能になるので、低抵抗車輪を用いた長大編成の運行ができなくなる。これは、まだその実験機が保存してあるので、いずれ博物館で実際に運転してみる。

2017年01月10日

続々々 Lionel

BlogPaint ネジを2本外すとモータは分解できる。カーボンブラシはそこに立ったまま、抜けている。組むときはブラシなしで組んで、ブラシを落とし込み、バネをセットする。実に簡単である。モータ軸の先端は、先の尖ったネジで押さえられている(青矢印)。スラスト(軸方向の推力)を小さな摩擦で受けつつ、ガタを調節するためだ。この種の工夫は初めて見た。
 動力台車のセンターピンはない。前後はスライド溝で制限し、左右はモータの枠が当たって制限される。ゴムタイヤが付いていて、2軸駆動だが十分な牽引力がある。

 ライオネルの機関車は発電できない。これは界磁が励磁されていないので仕方がない。これがマグネット・モータならば、界磁に吸い付けられて、ますます動きにくい。しかし、3条ウォームを戦前から採用していたとは驚いた。どうしてそれが日本に入って来なかったのだろう。これは理解しがたい。ライオネルを分解した人は居なかったのだろうか。

 この方式が広く認知されていれば、鉄道模型界はかなり変わっていたと思われる。山崎喜陽氏は、「ウォームギヤは逆駆動できない宿命を持つ」とまで書いていた。単なる無知では済まされない。
 特許が取られていたとしても、昭和40年代にもなれば切れていたはずだ。もっとも、マグネット・モータが採用されていたので、逆駆動はやや難しかったろう。
 コアレス・モータが出るまでは、大きな変化はなかったかもしれないが、何かの変化はあったはずだ。 

2017年01月08日

続々 Lionel

 ライオネルは、どの機関車も押して動く。正月に子供たちの遊び方を観察した時に分かったが、「押して動かす」という動作は、本能に基づくもののようだ。
 Williamsの機関車はマグネット・モータを搭載し、整流ダイオードが付いている。近代的ではあるが、押して動かない。本家ライオネルの電圧を上げて逆転器を動かすという手法を踏襲してはいるが、車輛を押しても動かないものは、子供が認めない。すぐに横に放り出されてしまった。

Lionel motor2Lionel motor3 ライオネルのディーゼル電気機関車は、モータ軸が垂直で、ウォーム・ギヤ駆動だ。これも押したら動く。ギヤは何と3条ウォームだ。非常に細く、普通のインボリュートでは当たってしまうようだ。歯型が特殊だ。かなり「逃げ」を大きくしている。

 筆者が3条ウォームを開発した時は、ライオネルがそれを採用していたことを知らなかった。後で聞いたところによれば、戦前からあったそうだ。しかし、押して動かす時の軽さは全く異なる。ライオネルは直捲モータであるが、平型コミュテータの径が大きく、摩擦が無視できない。また、ウオーム・ギヤの前後にスラスト・ボールベアリングがないので、摩擦が大きい。しかし、ブラシを外すと、実に軽く押せる。

 ブラシ付きでは、レイルに押し付けて押すと、モータが何とか廻るという程度だ。子供はそれを楽しむ。筆者の3条ウォームは、指先ひとつで押せる。また発電もできる。


2017年01月06日

続 Lionel

115_5130115_5131 蒸気機関車はspur gear drive(平歯車駆動)である。直捲電動機であり、ギヤ比は12:1程度であるが、簡単に逆駆動できる。すなわち、子供が機関車を手で押すとモータが廻る。永久磁石のない直捲電動機ならでは、である。モータ軸は枕木方向であって、歯車は二段になっている。残念ながら、発電はできない。全軸ギヤ駆動だからロッドは飾りであるが、エキセントリック・ロッドも加減リンクも動く。子供たちはその動きに魅せられる。

115_5132 直捲電動機は起動トルクが大きい。電圧を上げていくと、じわっと動き、電圧を変化させなくてもそのまま加速していく。伊藤 剛氏が、「オートマティック・トランスミッションのようなものですから。」と仰ったが、全くその通りである。 3極モータで、コミュテータは3等分の円盤である。円筒状のものに比べて、円周が大きいから摩擦の点で損なのだが、後述のブラシ取換えのことを考えた構造であろう。

 モータ軸は機関車を裏返せば軸端が見えているから、簡単に給油できる。ブラシもその横に見えているから、押えのヒゲバネを横にずらせばすぐ外れる。交換部品はいつまでも供給されているから、半永久的に使える。
  
 先従輪は、左右に自由に動き、急カーヴの上では極端に飛び出す。

 電流値は最大5 Ampほどである。フィーダ線を手で軽く押さえて出発させたところ、接触抵抗が大きかったのだろう、熱くなって驚いた。50年ぶりの経験だった。


2017年01月04日

Lionel

 Lionelはすでに100年を越す歴史を持つ会社で、経営自体はすでに創業者から離れているが、製品はポリシィを守って脈々と作られ続けている。精密な模型がいくらでもある中で、汽車のおもちゃとしてその哲学は一貫している。

 アメリカでライオネルと言えば、その浸透度は他を寄せ付けない。お付き合いしていた範囲では、10軒に1軒は持っているような気がした。クリスマスには引っ張り出して走らせるようだ。 
 古くても、油を注せばちゃんと動く。減りそうなところは硬い材料を使っているので、いくら走らせてもほとんど摩耗しない。注油の指示も正確に描いた図が添付されているから、簡単である。

 線路は昔ながらのtubelar rail (いわゆるガラレイルで、内部が中空)もあるが、徐々にプラスティックの路盤になりつつある。中央三線式で、確実な集電が可能である。昔のレイルはレイル内部の針金状の「爪」の向きが決まっているので、いわゆるSカーヴを作るためには両方に爪があるものが必要であった。また両方の爪がないものも必要であることは言うまでもない。

115_5133115_5135 最近のプラスティック路盤は、接続部の接点が逆接続もできるようになっていて、その点は大した進歩である。要するに接続面では接点が点対称に配置されているのだ(これはMTH製)。
 走行レイルは独立していて、電気的にはつながっていないので、どちらも給電しておくと、電気抵抗が減る。電流は大きく、5Aほど喰うものもあるので、少し離れると電圧降下がある。それも理科教育には大切なことかもしれない。

Lionel チューブラ・レイルの時は車輪と二点接触だったが、普通のレイルではほぼ1点接触と言える。これは今まで気が付かなかった。被牽引車はすべてピヴォット軸受で、極めて軽く動く。半径400mm程度の急カーヴをしゅるしゅると走る。大したものである。 

2017年01月02日

謹賀新年

rainbow 大変きれいな虹が出た。晴天だったが、風が強く、山の向こうの雲から雨粒が飛んできたのだ。空に掛かる部分が100%見える虹は珍しい。よく見ると左上に二重の虹がある。
 虹が虫偏なのは興味深い。虫は爬虫類の「虫」で、トカゲすなわち「龍」を指す。「工」は橋を架けることである。要するに龍が空を渡って橋のようになることを指すのだ。

 博物館は徐々に完成に近づいている。あと転車台付近と信号機の工事を完成させれば、一応の工事は終わる。四月の開館を目指している。

Lionel 正月は孫と甥の子供たちが来るので、何か用意せねばならない。今年はLionelの線路を敷き、貨物列車1編成を用意した。
 O27という急曲線で、嫌がるかと思ったが、子供たちはよく遊んだ。機関車はライオネルの純正品でない Williams の6軸ディーゼルを走らせた。この機関車は不評であった。ウォームギヤが1条で、押しても動かないからだ。
 子供たちは手で押して走らないものは嫌がる。貨車はピヴォット軸受付きで、実によく転がる。急曲線でもくるくると惰性で廻る。左右は別回転ではない。レイルは洋白製の普通のレイルの形をしていて、いわゆるチューブラ・レイルではない。車輪は円錐面二つで構成された荒っぽい作りだ。曲線では多少は抵抗が増えるが、それほどひどいものではない。フランジが触っていないからだろう。 要するに一点接触に近いのだ。

2016年12月31日

続々々々 鉄橋を組む

側面トラス 鉄橋の側面の太いトラスは、厚い鉄板である。8 mm厚の板を切り抜いたものを貼る。接着剤は例によって「ス−パーX」である。この接着剤をヘラで塗って、クランプで圧着する。切り込みがあるので、所定の位置に自然に納まる。クランプをたくさん出して来て、要所を押さえる。浮くとみっともないことになるので、あちこちから覗いて隙間がないことを確かめる。
 念のために、一昼夜放置して、接着剤が固まるのを待つ。はみ出したものはナイフで削り取る。
側面トラス2 もう片方を同じように付ける。また1日待つ。その間、他の仕事をしている。これらが付くと、橋は素晴らしく丈夫になる。乗っても大丈夫なはずだ。
 


天井トラス 次は天井部分だ。バリがあるといけないので、丁寧に調べ、部品が隙間なく付くことを確かめる。スーパーXを塗ってクランプで締める。上部のXブレイスが実に実感的で、しかもその部品が機能しているのがわかる。とても堅くなるのだ。

門構門構2 今度は門構部分である。非常に大切な部分だ。ここの組み立てが悪いと、橋が歪んでしまう。手持ちのクランプを総動員だ。


 接着は恐ろしく効率が悪い。1工程が1日、即ちこれらの写真だけで4日掛かっている。 

dda40x at 12:31コメント(0)接着 この記事をクリップ!

2016年12月29日

続 コメントへの反応

 今回投稿されたコメントで、思わず吹き出してしまったところがある。
”工作マニアが「模型に価値観を与えたいからだ」なら理解できます”の部分だ。

 確かに、我々は工作マニアの中に入るだろう。しかし、価値観(多分、「価値」の方が適切か?)を与えるつもりはない。それによって人にどう思われるかはわからない。現実にこの投稿者は、その価値を完全に否定しているように見える。
 ロンビックから始まる等角逆捻りの概念を実現するためには、様々なアプロ−チの仕方がある。剛氏は4つほど試作された。筆者はそれを含めて7種作ってみた。どれが一番作り易いか、どれが見かけに影響を与えないか、どれが一番ガタが少ないか、どれが最も理論的に誤差の無い方法かなど、様々な見地からの分析を行い、生き残った物が筆者の3種である。

 だからこそ、これを付けると良いですよ、と広く公表しているわけだ。筆者の場合、機能以外全く考えていないから、裏側のハンダ付けの後処理も全くしていない。キサゲも掛けてないから、ひどい状態で、ただよく着いているだけである。そういう意味での価値の向上は期待できない。
 
 我が国の鉄道模型は、相も変わらず外観重視だ。投稿者はそのような土壌の中にいるのだから、今回の投稿がなされたのも無理はない。実物のみを観察し、その精密縮尺模型を作ってもうまく走らないのである。これは作ってみて、初めて実感できることである。実物業界人が、したり顔で論評することがあるが、的外れなことが多いのは、これが原因である。

 今回、解説コメントを投稿して下さった方は、鉄道よりも、もう少し大きな実物を扱っている方で、物が動くことを解析することに長けている方だ。
 「模型は堅いからね。」「二乗三乗則が効いているからね。」「ステップ応答がピーキーだからね。」と説明してくれたのだが、専門語を一切使わずさらにわかりやすく、擬音、擬態語を使って書き直して下さったのだ。
 今回の解説コメントは、非常に評判が良いので、筆者も嬉しい。
 「専門家であっても、素人に説明できない人は、自分自身も分かっていない。」とはよく聞く。自戒したい。

2016年12月27日

コメントへの反応

 先回の記事に対し初心者氏から戴いたコメントには反応が多く、直接の投稿、メイルを沢山戴いている。
一言で言えば、この方は文字通りの初心者で、ものを作った経験が乏しく、観察も未熟と推察する。

 戴いたコメントの中で、工学のエキスパートであるT氏からの文章がすべてを言い表しているように思うので、紹介しよう。コメントとしては量が多いので、許可を得て本文に掲載する。下線は筆者が追加した。

初心者氏のおっしゃる「たわまないべニア路盤」が実物よりずっと強固であることはその通りだと思います。
また、車両も脱線や衝突をすれば簡単に壊れる実車に比べて模型は非常に丈夫です。
そういった意味では、模型は実物以上に「しっかり」「堅く」できていますので、実物が採用している
構造部品を壊さないための」イコライザーは小型模型には必要ないでしょう。
一方で、今回話題の模型独特の等角逆捻り機構は、むしろ模型の路盤や車両の「丈夫さ」「堅さ」を和らげて、模型に実物に近い振る舞いを模型に与える機構だと理解しています。
実物は「フニャフニャ」で重いので多少の線路誤差にも車体自体の変形で追従しますし、線路も台車が通過のたびに目で見えるほど沈みます。 

模型の場合は、実物より「ガチガチ」に堅い上に軽いので、線路の段差やねじれが線路の誤差のまま、モロに車体が躍ってしまいます。
つまりピョンピョン、カタカタと動いてしまい、いかにも「模型チック」に見えてしまいます。
しかも、線路の誤差はコン氏がおっしゃるように、実物換算で数センチ近くに相当するため、模型はより一層ピョンピョン、カタカタ跳ねます。(しかも、車体が堅いので、段差に載っていない側の反対の車輪を引っ張り上げてしまい、車輪が浮くこともしばしばです)
ここで、等角逆捻り機構を搭載しますと、線路誤差に対して車体は機構によって、前後の台車で「無理やり」半分づつ分けて追従させるように振舞います。
これによる車両の振舞いは、実物の様な「フニャフニャ」までには達しないものの、段差通過時は、一つ目の台車が通過するときに、まず
車体が段差の半分傾き、次の台車が通過するとまた半分傾くため擬似的に車体がフニャフニャな「様に」見せることができるのだと思います。 
ちょうど、アニメーションの駒数を増やすイメージではないでしょうか?
また、この追従構造はコンさんのおっしゃる通り集電面で有利です。普通の三点支持と比べて等角逆捻りは変位と支持質量が半分づつなので一層追従性も良いはずです。
 
大きな段差を一輪車で越えるより、半分ずつの2段を自転車で越える方がサドルの動きは小さいですよね。 
集電が良くなれば模型はスムースに走るので一層実物らしい走りに近づきます。 
従って、これらの機構は模型に「実物に似せた」振舞いを「見かけ上」与えるものではないでしょうか?


 全くその通りである。走る模型は実物を縮小したものではないのである。実物のみの体験、観察からはよく走る模型は生まれない。だからこそ、Low-D車輪をはじめとする、いくつかの工夫があるのだ。



2016年12月25日

等角逆捻り機構の英語訳

 the O scale Resourceの1.2月号が出た。拙稿も掲載されている。編集者と会った時に、ぜひこれを載せたいと乞われたので、原稿を送った。
 問題はその英訳である。same angle opposite twist mechanism で、SAOTでどうかという話もあったが、northerns484氏が、symmetricalという言葉を薦めて下さった。symmetrical twisting か symmetrical tilting のどちらがよいか編集者に聞いてみた。多少の時間が掛かったが、結局後者に決まった。今後これで行こうと思う。

等角逆ひねりe3 今回の投稿で最も大切な部分はこの図である。等角逆捻り機構の意味が分かるようにした。鉛筆でスケッチして northerns484氏に送り、3次元の作図をして戴いた。視点を上下して、最も効果的な角度で表した。

 ロンビックもフカヒレも結局はこの動作(あるいは疑似動作)をさせているわけで、それさえ理解できれば、細かい理屈はどうでもよくなる。

 動画が要るというので、慌てて撮った。時間がなく、一回きりの撮影である。台本も作らず、実にいい加減な動画撮影であったのは反省している。いずれ撮り直したい。
 グネグネ線路を走ってくる様子は、大変気に入ったようで、素晴らしいと言っていた。

 あといくつかのネタで編集サイドからの要望があり、いずれ発表される。 

2016年12月23日

ED14の台車

ED14 equalizer 読者の方から、この連載が始まってから現場まで行って撮影した、という写真をお送り戴いた。掲載の許可も戴いているので、予定を変更してお見せする。
 見事に2本のピンがあるのがわかる。距離が近いので効果は少なそうという感想も戴いたが、そんなことはないと思う。心皿の中心との三角形を考えれば十分に機能している。

ED14 trucks この角度から見ると、イコライザは台車と平行である。即ち、傾きはない。イコライザはアメリカで発達した。イギリスの機関車で、(蒸気機関車を含めても)イコライジングを採用したものは極めて少ない。日本に輸入されたED17にも、イコライザはない。バネ材が優秀なのだろう。

 イギリスは大規模な土木工事で、線路をほとんど真っ直ぐに敷き、勾配を減らした。また保線状態が極めてよかった。それに引き替え、アメリカは未開の土地に猛烈な勢いで線路を敷いたので、保線は劣悪で、その線路に追随するためのしなやかな車輛を要求された。また、バネの鋼材の質も良くなく、折損の危険を減らすために、イコライザが必要となった。このことは椙山 満氏から何度も伺ったし、井上 豊氏からも体験談をお聞きした。

 おそらく、この2本ピンの方式はその中の試行錯誤から得られた「体験知」であろう。ベストの解ではないが、「これでうまく行く」という方法を採ったのだ。これはまさにプラグマティズムである。
 プラグマティズムは哲学の一分野であるが、それは何かと説明を求められても、筆者にはうまく一言で説明できない。簡単に言えば、「唯一絶対の解を求めなくてもよい。」ということだろう。この2本ピンの方法は、教条主義で理論派の人からは、「あるまじき発想」と攻撃されるだろうことは、想像に難くない。しかし、これでほとんどの場合はうまく行くのである。それならそれで良いではないか、ということだ。現実にこの機関車は日本にやってきてから何十年も問題なく働いてきた。  

2016年12月21日

類似の機関車

 伊藤 剛氏保管の図面コピィを探すと、類似機種が見つかった。

DEKI400 名鉄 デキ400 これはイコライザ・ピンが1本である。二つの台車はリンクで結ばれ、バネで押されている。車体には引張力が掛からない。モータは75 kWが4つで400馬力というわけだ。牽引時は台車はどちらも同じ方向に傾こうとするが、リンクで十分持つのだろう。このモータは電車用で、車体内に電動送風機はない。すなわち、走らないとモータは冷えないから、重い列車は引き出せない。
 デキ400の図面を見てみよう。横ずれを防ぐリンクがあるが、押し引きは押金と引張りリンクだ。バネで突っ張っている。他には何もない。
 台車の力学的中心を結ぶ線分の近くにリンクと押金がある。 

DEKI 600 この写真を見ると、台車は後ろに少し傾いている。これは許容範囲であろう。この程度の出力ならイコライザ・ピンが1本でもなんとか行ける、ということなのだろう。写真は土橋和雄氏撮影。


ED14 ED14は900馬力ほどもあるので、台車が転ぶのを防ぐ積極的な策を講じたのだろう。ピンが二本であると転びにくい理屈は、極端な例を出せばこういうことだろう。平面に細い棒を立てると転びやすい。その棒の下に小さくてよいから板を釘で打てば、多少は安定して立つ。台車のピン孔はやや縦長になっている筈だ。 こうなるとイコライザ(equalizer)という意味は薄れる。「掛かる力を分散させている装置」というわけで、バネ折れを防ぐことには貢献している。
 このような方策を施した機関車は、国内にいくつかあると、そのDFには書いてある。

2016年12月19日

ED14

9784777019557 さらに土橋氏はこの特集号を示された。DFの20号に大きな写真が載っている。もう少し近くによればよいのだが、かなりはっきりと2本入っているのがわかる。囲み記事に、2本にする理由も書いてあるのには驚いた。 


 観察をせずに憶測で、あるいは先入観で物を考えてはならない、ということを守らないと失敗する典型的な例である。現物の機関車の近くに住んでいらっしゃる方も多いので、見に行かれるべきであった。かくいう筆者も、ピンは1本だと信じていたから、人のことは言えない。

 模型を作ってうまくいかなかったのは当たり前で、その時現場に行っていれば、すぐに解決したのだ。実は模型製作の1年前に友人と現物を見に行っているが、高校生の頭ではそこまで気付かなかった。製作後に行っていれば、気が付いたかもしれない。それから50年も経って気が付くとは、情けない限りだ。

 この機関車をイコライザ・ピン一本で作られた人は居ないのであろうか。どのような動きをするのであろうか。転び止めはどうされたのであろうか。拝見したいものである。 

2016年12月17日

イコライザ付きの台車

 二つの板バネ間にイコライザが付いた二軸台車は、不安定である。台車枠が前後に転んでしまう。
 このことはずいぶん前にこのブログで理屈を説明した。 模型でこれを作ると連結器が垂れてしまったり、上を向いたりする。また、集電ブラシは可動範囲外になり、ショートする。

 高校生の時に作ったイコライザ付き自由形BB電機は、台車間に転び止めのオスメス嵌め合いを付けたりしたが、今一つ具合が悪かった。調子が悪かったので、片方で3点支持に作り替えたが、すでに譲ってしまい手元にはない。

 その後、時は経ち忘れていたが、こちらのブログに採り上げられた。ED14は、模型とするには好適な大きさであるから、皆さん御興味がおありなのだ。たくさんのコメントが投稿され、栗生氏がそのすべてをバッサリ切り捨てた形にはなっている。「〜大いなる謎(1)」とあるので、いずれ(2)が発表され、正解が公表されるのだと思っていたが、まだその気配はないようだ。

 先日土橋和雄氏とお会いした時、その話が出た。氏が仰るには、
「誰も現物を見ていないのではないか。ED14の台車イコライザのピンは1本ではない。」
とのこと。
 その証拠に、と雑誌を示された。写真を目を凝らして見ると、何となくそんな感じだ。たくさんの写真を見るうちにその指摘が正しいことが分かった。近接した二本のピンがある。その抜け留めのピン(コッタ)も二本ある。4点支持だ。傾こうとすると抵抗する。
台車のセンタピンの心皿を広くして転び止めとするのは、いろいろな点で得策ではない。
 この機関車を設計した人達には敬意を表したい。

2016年12月15日

続々々 鉄橋を組む

門構門構 2基 初めはへなへなであった板を次々に組んでいくと、突然素晴らしい剛性が生まれる。橋というものはそういうものであることは知っていたが、実際にそれが目の前で起こると驚く。橋本氏も、門構を組み付けた途端、堅くなったのでずいぶん感動された。

115_5060 橋は最小限の材料で、最大限の強度を出すように設計される。貨車も同じである。どうすれば強くなるかということを考えて、使用に供される。アメリカもこの時期は人件費が安かったのだろう。細かい部品を、これでもかと組み付けている。現代は大きな部材を簡単に組んでいる。鋼材の進歩や、熔接の技術が向上したことも大きい。
 この写真は、厚い鋼板を嵌めて、橋本氏に手で押さえて戴いた様子である。

115_5066 ハンダ付けが終わった橋は、水洗いして乾かす。見る間に薄い錆が出てくる。鋼板の表面には、極めて薄い酸化被膜ができている。即ち、不動態化している。そこに塩化物イオンが付くと、その不動態被膜に欠陥が生じ、水中で酸素によって酸化されてしまう。
 それを防ぐには、よく洗ったのち、すぐに水を取り除くことだ。タオルで拭いてから、空気を吹き付けると飛んでいくだろう。よく乾いた状態では、徐々に酸化被膜が生成し、また錆びにくくなる。もちろん窓は締め、外から飛来する塩、硫酸を排除することが必要だ。冬の石油ストーヴは非常に良くない。二酸化硫黄ができて、それが鉄の上で硫酸に変わるからだ。
 カーヴした線路を置いてみて、建築限界に引っ掛からないかを確認している。

dda40x at 12:15コメント(3)力学 この記事をクリップ!

2016年12月13日

続々 鉄橋を組む 

115_5051115_5052 これは仮に博物館の床に置いたものである。側面のトラス中、引張り材のトラスが実感的である。
 床版と側面のトラスを組まねばならないが、一人で直角を保ちつつハンダ付けするのは少々荷が重い。ハンダ付けの達人の助力が必要だ。

115_5057115_5059 長老の橋本三郎氏にお願いしたところ、二つ返事で引受けて下さった。翌日工作室に伺うと、大きなハンダ付け用の台を用意して戴いていた。各種のフラックス、ハンダごても準備してあった。
 橋本氏は、TMSの30号あたりから記事を投稿されている近鉄電車の達人である。最近も、極めて美しく仕上がった全金属製の電車群を、発表されている。この台を用いて、あの素晴らしい電車群が出来上がるのかと、納得した。

115_5056 組んでいる途中の写真を撮って戴いた。ハンダごての持ち方に注意して戴きたい。この持ち方でないと、大物は付けられない。支えの小さな角材の配置等、橋本氏の細かい神経が行き届いている。
 手前のニッパは、ハンダを細かく切るためのものだ。必要量ずつ、こてに付けて目的の場所に持って行く。大きなハンダの棹から持っていくと、量が不定である。 
 
 側面のトラスを何かで水平に支えて、二人で接合面を押え、ハンダを流す。塩化亜鉛の飽和溶液を塗っておくと、音もせずハンダがすべての接合面に均一に流れる。すべての接続部が、タブとスロットになっているので、位置関係は完璧に決まる。ただ、差込みが緩いのはまずいので、確実に差し込まねばならない。一人では難しいが、二人でやれば、確実である。 横から見て、隙間がなくなるのを確認すれば良いのだ。
 必要最少量のハンダを目的の長さの隙間に浸み込ませるのは、快感である。 橋本氏は、
「溶接のビードみたいな仕上がりでよろしいな。」
と、仰った。合格であった。

2016年12月11日

続 鉄橋を組む

 115_5038これは床版部分のパーツだ。溝を入れて、菓子折りの仕切りのような組み方をする。レーザで切る時、寸法を少し加減して、するりと入るようにする必要がある。その辺がノウハウだ。嵌め合いが固いとゆがんでしまい、どうしようもなくなる。

115_5036115_5043 黒いものは組み立て用のジグだ。角を盗んで8 mmの板から切り抜いた。重くて具合が良い。角が当たらないのでそのままハンダ付けできる。この写真の稲妻型の部材は様子を見るために置いてあるだけだ。


115_5035 仮に線路を載せてみた。なんとか行けそうだ。まだ枕木裏の絶縁処理がしてない。薄い絶縁フィルムを貼ることになる。



 圧縮の掛からない部材は最小限の断面で作り、撓まないようにトラスを入れるのが、合理主義のアメリカ流だ。すべて細いトラスで作られている。それをどのように表現するかが、今回の鉄橋製作の最も重要な部分である。
115_5044 portal(門構)や横工部分は、非常に繊細な構造である。 小さな部品をスロットに入れてハンダ付けする。熱が伝わりにくいので、指で押さえていても大丈夫だ。即ち、正確にハンダ付けできる。ハンダは共晶のものを用いる。流れるか固まるかのどちらかなので、粘りが少なく、隙間に流し込むことができる。


2016年12月09日

鉄橋を組む

laser cutting115_5045 レーザ加工の工場に頼んであったものが、ようやく出来たので取りに行った。あまりにも細かい部品があって、大変だったようだ。
 仮に現場に置いてみると、なかなか立派である。

 
115_5042115_5039 細部の設計と発注図面の作成は northerns484氏にお願いした。この Baltimore Truss橋は圧縮材を極力太く、引張りのほうは最小限にしている。しかも圧縮材が座屈するのを防ぐため副材を入れている。 それを表現するために、側面のトラスは三枚合わせとし、中心部分は厚さ8mmの鋼板とした。出来上がると大人一人くらいの負荷には十分耐えられるはずだ。

 引張り材は薄く細くし、間に細かなトラスを入れる。これがよく出来ていて見ごたえがある。組みながら「おおっ」と声が出てしまうほど、 素晴らしい設計になっている。northerns484氏には感謝する。 

 薄い板は 0.8mmの鉄板で、熱が逃げにくいので、100 W のハンダ鏝で十分に付けられる。すべての部品がタブとスロットで組み上がる。薄板を組んで形が出来たところで、厚板を接着するという手順になっている。 

2016年12月07日

椅子を作る

chair 客車が増えてきたので、車内を作らねばならない。プルマンのキットの座席はある程度あるが、コーチ(座席車)の椅子が足らない。
 プラスティック製のものもある程度はあるが、その数倍必要だ。

 材料箱を探していると、思わぬものが出てきた。30年以上前に買った木製の椅子材料だ。ルータで成形した長さ 30 cm 程度のもので、それを鋸で切れば金太郎飴のように椅子ができる。

chair 2 まず全体にラッカ・サーフェサを塗り、ザラザラを取る。それを薄刃の丸鋸で輪切りにする。この機械は有難い。大きな機械だと刃が厚いので、おがくずになって飛んでいく部分が多いが、これは0.5mmしかない。掃除機のホースを突っ込んでおけば、埃も出ない。ただ、刃の径が小さいので、裏表を切らねばならない。
 じゃんじゃん切り落として、たくさん作った。切り口がざらついているので、またサーフェサを浸み込ませなければならない。場合によってはサーフェサの液に漬け込むことも必要だろう。

 この製品を誰が作ったか全く不明だが、筆者の手持ちの刃を組み合わせて使うことでそれらしいものはできそうだ。手元にルータの刃は20種類くらいある。
 座席が必要な車輛はたくさんあるので、今後の課題である。

2016年12月05日

Solarium Diner を作る

solarium dinersolarium diner 2 solariumは好きな車輛であるが、なかなかそのキットに出会わなかった。自作するつもりでいたので、10年程前、ワシントンDCで行われたコンヴェンションで見つけたときは小躍りした。同時に室内のキットもたくさん出ていて、客車の一山(30輌くらい)全部を買った。ホテルの部屋で分別し、不要なキットはすぐに転売した。All Pullmanの16輌編成の準備はその時整ったのだ。
 帰国後、ある程度形にしたが、僅かの部品不足でそのまま放置してしまった。

solarium 2solarium 3Solarium 資料はある程度集めていたので、外観を整えるくらいは簡単であった。この車両は屋根の上が賑やかである。キッチン部分の通風装置がいくつもある。ローストビーフを焼くので、ダクトが並んでいる。冷蔵庫は氷で冷やすので、天井に大きなハッチが3つもあり、そこに氷を運び入れるための手すりも多い。氷は80ポンド(40 kg弱)もあり、それを片手で引き上げて投入する。屋根には、梯子が外れないような形の手すりがある。
 ソラリウム側の手すりは、これまたにぎやかで、ガラス窓の上にもある。ソラリウム側の貫通扉はガラス製で、昔の阪神の電車のような縦長の大きなガラスである。洋白の板を切って作った。ネジ穴が目立つがその上に幌を付けて隠す。

 この種の工作の骨(コツ)は、平行なものを平行に、である。うまい人はそこに気を配っている。手すりは何に対して平行でなければならないか、を図面等でよく確認する必要がある。これらの写真を撮ってから、修正したところがある。拡大すると粗が目立つ。しかし、塗装して走らせると全く問題ない。見えるのは、車体から飛び出している造作である。それらが整然としていると、実感味が増すのだ。

2016年12月03日

続 Walthers の客車キット

magnet fastening この側板はブリキ板すなわちスズめっき鋼板である。磁石にくっつくので、小さなネオジム磁石を本体に取付け、鉄板を吸着させる。
 磁石は2.5mm径、2.5mm長のものを11個植え込んだ。接着は例によってスーパーXである。 パチッと小さな音がして完全に吸い付けられる。このままでもよいが、走行時に下にずれると面白くないので、床板に引っ掛かる、小さなLの字型の板バネをハンダ付けし、重さの大半をそれで受持つことにした。磁石は剥がれない方向に働いているだけである。

 こうすれば側板は着脱自由で、あとからでも内装を付けることができる。電装も簡単にできる。磁石は一つ20円くらいのものだ。もう少し大きなものを考えていたが、それでは吸着力が大き過ぎて、取るときにブリキの側板が曲がってしまう可能性が高い。

Walthers steps この模型のステップはブリキを曲げて、ハンダ付けしてある。昔はアメリカ人がこんな工作を内職でしていたのだ。ハンダの付け方は下手である。フラックスはちゃんと洗ってあり、錆びることはない。

 内装に必要な座席を作らねばならない。一部は用意してあるが、足らないだろう。

2016年12月01日

Walthers の客車キット

Old Walthers Walthersの客車キットについては以前書いたが、新たに発掘されたキットについて書かねばならない。このキットは1940年代のものだ。
 木製屋根と床板をホワイトメタルの妻板で結合し、ブリキ製のサイドを貼るのは同じなのだが、これは少々面倒な構造になっている。どうやったら組めるのか考えていた。
 先に屋根をネジで留めてから床板を斜めに嵌め込んで連結器座で留めるのか、それとも床を先に留めてから屋根を床板に穴を開けて細いねじ回しで留めるのか、それを考えているうちにやる気がなくなってお蔵入りになったような気がする。
fastening roof この写真はあとの方法である。細い穴からネジを落とさないように4本締めるのは難しい。屋根を留めて側面を張ると、ネジを外して床板を外すことができるが、再度締め付けるのは難しい。即ち、室内を作る方法がなくなる。今回は現代風の工法を採ることにした。
 説明書がないし、図面もない。多分コーチ(座席車)である。よくあるタイプだから、さほど気にしていない。屋根をハリマン型丸屋根にすれば、UPあるいはSPのコーチになる。


 これは同時に発掘されたSolarium Dinerである。要するに一等食堂車だ。日当たりのよい食堂車で、少人数で豪華な食事をする。おそらく、貸切りが基本であろう。この発音はカタカナのソラリウムの綴りからは推測し難く、ソゥイリャム である。太字を強く発音する。
 椙山 満氏はこの種の車についてお詳しく、様々な話をして戴いた。アメリカ人は日なたが好きなのだ。日本で電車に乗って日が差すと、たとえ冬であってもシェードを下ろすが、アメリカ人は日に当たりたがる。日に当たると生命力が増すと考えているのだろう。という話だった。確かに映画を見ていてもそれを感じる。マリリン・モンローの「お熱いのが好き」などにはそんな場面が出てくる。

Solarium Diner2Solarium Diner この模型のサイドは熔接してある。キッチン部分のドアは、少し引っ込んでいる。その部分をプレスした部品を付けて表現するのだが、ハンダ付けが面倒なのか、スポット溶接だ。もちろん、製造時に熔接したのだ。模型部品で熔接してあるものは珍しい。これは1950年代の製品だ。

2016年11月29日

ヤードの容量

 ヤードが二箇所完成したので、かなりの収容輌数が確保された。貨車ヤードはきっちり詰めれば、230輌は入ると見ている。
passenger car yard 問題は客車ヤードだ。客車編成が5本しか置けない。しかも12輌編成がぎりぎりだ。
 もうないと思っていたのに、貨車客車のキットが見つかる。物置、押し入れの整理をすると、どさっと見つかる。組み掛けのまま20年以上昼寝しているものばかりだ。
 こうなったら組むしかないので、博物館に持って行って、作業台に拡げておく。そうすると何が足らないかが見えるので、一覧表を作って書きこむ。ある程度目星が付いたところで、材料を切り、孔を開けたり曲げて部品を作る。時間があるときに一気にハンダ付けして組んでしまう。
 たくさんあったLow-D車輪が見る間に減っていく。アメリカからの問い合わせが多くなったので、再生産せざるを得ない。

 数がまとまっていれば、一挙に10輌以上組むと、一輌当たりの時間は少なくなる。塗装もいっぺんに済ませれば溶剤の使用量も少なくて済む。デカル貼りは大変だがそれも楽しい。客車はあと35輌は完成させねばならない。貨車は60輌ほどもある。

 もうこの時点でヤードはあふれてしまう。ヤードの増設を考えねばならない。

2016年11月27日

線路の更新

 一部の線路を敷替えている。
 このレイアウトの建設当初は、材料が逼迫し、線路はあるものをすべて投入した。観客から近い部分には新しい線路を敷いたが 、遠い部分には中古の線路を使用していたのだ。 

damaged rail 40年前に購入した Atlas の線路は、ブラスのレイルにニッケルめっきを施したものだった。見かけはきれいなのだが、微妙な凸凹があって気になった。水を付けて砥石で擦り、突出部は削り落としてある。走らせているうちに滑らかになるだろうと思ったのは甘かった。写真中央部がざらついているのがお分かりだろう。めっきも少し剥げている。
 どうしてこんな製品を出したのだろう。めっきは無電解めっきではないように思う。無電解なら、表面が多少は滑らかである。

 最近、貨物列車を運転すると、特定の場所からゴーッという音が聞こえるようになった。こうなれば、もう頬かむりはできない。
 シカゴでフレクシブル線路を戴いてきたので、材料は潤沢にある。思い切って、新しい線路に交換することにした。先日はT氏が手伝ってくれたので、二時間ほどで、一挙に5 m取り替えた。一人で作業すると、その5 mの取替えは一日仕事である。

 延べ20 mほど取り替えて、外した線路はショウケースの中の展示用とする。すでに取り換えた部分に重量列車を走らせると、見違えるように静かになった。

 静かな走行は、車輪・レイル双方が良くないと実現できない。

2016年11月25日

隠しヤード完成

Hidden Yard 隠しヤードの工事が終了した。貨車を少しずつ整備して、自宅から持って行った。土屋氏から来たものも、当鉄道仕様に改造して入線させている。
 その数、ざっと150輌。奥まできっちり詰め込んで留置した。平面は出ているので、動き出すことはなかった。

Hidden Yard bird's eye view 上から見るとこんな感じだ。Kansas Cityのヤードはこの幅の2倍だが、それを彷彿とさせる。曲げたのは成功であった。
 ポイントの整備は済み、どの線にも抵抗なく入線させられる。路盤の一部の塗装がしてないので、近日中に完了させる。

 この部分のポイントは全部で9つあり、DCCで動かす。本線ではないので、手元から遠隔操作で動かす必要はないだろう。NCEではMini-Panelという商品を売っているので、それを採用する。まもなく到着する。
 文字通り、小さな線路配置図にスウィッチを付けるもので、目的の線のボタンを押せば、自動的にポイントが作動してルートを形成し、目的を達する。1つで8台の制御が可能だ。リレィによる制御のことを思えば、あまりにも簡単であり、また安価である。DCのレイアウトにも採用できる。そうすれば、膨大な量の電線からも解放される。
 もちろん、手元のスロットルからの指令も出せるが面倒だ。入れ替え作業は目の前で行うので、パネルに手を触れたほうが楽である。

2016年11月23日

緑の貨車

 当鉄道には緑色の貨車は1輌しかなかった時代が長い。数年前から、かなりの数が発生している。塗料を戴いたので、特に目的の無い車輛は緑に塗っている。デカルも見かけたら買っているので、いつも在庫がある。というわけで、徐々に増え続け、今では12輌ほどある。

BN Gon デカルの整理をしていたら、BN gondola(無蓋車)用のデカルが見つかった。いつ手に入れたのかわからないが、ごく一部を切り抜いた跡があった。おそらくジャンク・デカルを買ったのだろう。
 こういうのは、12袋で$5、などという売り方をしている。貼り方のガイドはちゃんと付属していたので、その通りに貼った。
 例によって劣化していて、テストで水に漬けるとひびが入った。すぐに補強剤を塗ったが、あまり芳しくなく、細かく分かれてしまう。貼るのに一苦労で、普通なら15分で終わる作業に2時間も費やした。ロゴはひびが入ったので、塗料を塗った。濃くウェザリングしてごまかすしかない。

CelotexUnderframe detail この貨車はどういうわけか緑色である。本当は空色のはずだ。実は筆者の塗装ではない。中古を1台$15で買ったものだ。色が違うので、塗り直す予定だったが、あまりにもよく出来ている。それを味わいたいので、破損個所を直し、タッチアップした。BNの色とも多少違う。
 床下のブレーキ装置が素晴らしい出来だ。作者はおそらく、鉄道で働いていた人であろう。こんなところまで、というところが細かくできている。実車に緑のものがあったのかもしれない。
 筆者はこの木製キットを沢山組んだが、床下は見えないので、すべて省略している。これを参考にして、作り足したくなってきた。

Thrall All-door Boxcar この写真は筆者の作例である。何度もサーフェイサを塗って水研ぎしてあるので、金属製と間違える人が多い。 

2016年11月21日

レイアウト見学

 突然レイアウト見学に誘われ、同行した。DCCのレイアウトは珍しい。Digitraxが4,5台並んでいた。

 個人のプライバシィに触れない程度しか書けないが、ある会社経営者が、自社の鉄骨ビル3階に40坪ほどのHOレイアウトを作った。既製品の線路、レイアウト用品を用いて作った、かなり大規模なものだ。3階は最上階で、夏は屋根が焼けて、かなり暑いようだ。
 その方は3年ほど前に亡くなり、設備を作った方を中心に今まで維持されてきた。それを名古屋模型鉄道クラブにお任せ出来ないかというお話であった。現持ち主は お子さんである。あと二年くらいは全く予定はない。そのあとはどうなるかわからない、ということだ。写真も撮ったが、掲載は控える。

 エアコンはあっても、夏の暑さはかなりのものだそうだ。筆者の感想は、プラスティック製品が多用されているので、窓からの光で劣化が進むであろうと感じた。まず窓をふさぐことを考えなければならない。
 また天井からの埃もかなり多そうだ。レイアウトの基盤面が床面から700mm程度で、台枠が合板の下にあるので、下をくぐれず、橋を掛けてその上を人が通るようになっている。天井に頭が付くので、さらに埃が落ちそうだ。全体のかさ上げをすべきだ。台枠をその部分だけ上に付ければ、下をくぐることも可能であったろう。要するに、デッキ・ガーダ方式になっているが、スルー・ガーダ方式にしておけばよかったのではないかということである。
 
 この話がどのような方向に落ち着くのかはわからないが、この種の話はこれから多くなることが予想される。先回扱ったクラブレイアウトの話も含めて、考えたい。
 理想的な話をすれば、法人化して理事長を指名するのがほとんど唯一の解だ。個人所有では、どうなるかわからない。将来の方針が決まらなければ、存続の方針も決まらない。はたして、この日本には法人化された模型レイアウトがいくつあるのだろう。

2016年11月19日

Phoebe Snow

 貨車を塗装してデカルを貼った。

115_4965 先回、ピンボケだったのは、撮り直した。艶消し塗装をしてデカルの痕を消した。 絞りを少し絞ったので、多少良くなった。側面は軽く、屋根はかなり艶を消していある。

115_4966 この会社は当鉄道には少ない。Phoebeはフィービィと発音する。日本人には読みにくい。 フィービィ・ケイツという女優を覚えている人はかなりのオジサンだ。
 フィービィ・スノウとは雪の精で、純白の衣装を身に着けている。蒸気機関車の時代には、煤で汚れるからそのような服は着るべきでないのだが、Lackawanna
鉄道では無煙炭を使用しているから服が汚れない、という宣伝である。この宣伝用に作られたキャラクタだ。
 当時は無煙炭というのは商品価値があった。C&EI (Chicago & Eastern Illinois)という会社の石炭ホッパ車には、白に近い灰色の塗色のものがあった。煤がないということを強調するためだ。
 無煙炭は発熱量が大きい。この発熱量については誤解が多い。燃焼熱(すべてを酸素と反応させたときに発生する熱量)は最大である。しかし反応速度が小さい。即ち、機関車の中で単位時間あたりに発生する熱量は、瀝青炭の場合よりもかなり小さい。だから、同じ出力を得ようとすると、火室面積を大きく取らねばならない。この辺りのことをご理解戴けない人がいる。 

sulfuric acid tank car 硫酸専用のタンク車用のデカルに良いものがなく、GATX (General American Tank Car) の切れ端を見つけたので、それを貼った。最大限に艶を出したので、デカルは気泡が入らず、きれいに貼れている。 

2016年11月17日

コメント

 また長文のコメントが送られてきた。
 前回は名乗られているので載せたが、今回は匿名で、しかも連絡先にメイルを送っても返答がないので掲載を見送る。
 よほどウォームギヤがお嫌いな方のようだ。かなり過激な文章である。模型とおもちゃの違いが、お分かりでないように思った。
 
 既存のウォームギヤと、筆者の実用化したものとは、根本的に性能が異なる。先日も友人にギヤボックスだけを見せたところ、しばらく触っていたが、
「これはいったいどういう風になっているのだ。ウォームだと言っているが、本当は違うのだろう?」
と聞く。
 ばらして中を見せると、言葉を失う。
「信じられない。教科書に載っているウォームとは違うね。」と言う。
 もちろん同じものなのだが、あまりにも動きが滑らかで、全くひっからずに逆駆動ができる。彼はギヤ比を数えていたが、 
「ウーン、参った。」
と言った。

 彼は工学のエキスパートだ。しかしこれは盲点だったようだ。米軍が使用していた6輪トラックにはウォーム・ドライヴがある。伊藤剛氏が設計した名古屋市電にはウォームギヤが使われていた。どちらもかなりの高効率だ。何よりも静粛であるのが良い。
 蒸気機関車の駆動には最適だ。2台の機関車を同一線路に置き、一方を押すと、もう片方が動く動画を撮ってYoutube にupしたい。筆者の機関車はすでにほとんどがDCC化されているのでそれはやや困難な状態だが、やる価値がありそうだ。
 それを見れば、この種のコメントは来なくなるだろう。

2016年11月15日

メカニズム

 しばらく留守をしていた。東京で所属クラブの会合があったのだ。今回は久しぶりに全員が顔を合わせたので、一人ずつ自己紹介をした。
 筆者は、
「模型の外観は適当にできていれば十分であるが、メカニズムには最高を求めることにしている。いかにして低電流でたくさん牽くか、貨車や客車はいかにして摩擦を減らして遠くまで転がるかしか興味がない。」 
と言うと、みなさんはどっと沸いた。

 家に帰ってみると、少々手に余るコメントが来ていて、無視しようかとも思ったが、載せておいた。反論も来ているが、それもそのまま載せた。

 最近、妙なコメントが時々送られてくる。お前のブログに、俺の自己主張を載せろ、と言わんばかりのものがある。 
 お断りしておくが、コメントはあくまでもコメントであって、この場を借りて自分の主義主張を発表する場所ではない。それはご自分でブログ等を立ち上げて発表されればよい。メイルアドレスが書いてある場合は、それをお伝えして消去している。

 今回のコメント主は、拙ブログをほとんど読んでいらっしゃらないことがわかる。筆者は考えられるメカニズムをすべて作っている。それを祖父江氏がさらに改良したものも持っている。傘歯車駆動の機関車は3輌ある。人にお勧めできるものではない。
 価格の面でも問題があるが、一番大きな問題は音である。祖父江氏の腕をもってしても、歯車の音は無くならない。蒸気機関車がヒューと歯車音を出して走るのは問題だ。当時は若かったので、耳が敏感であったこともあるが、気になった。
 芦屋の御大の機関車はすべてこの音がする。彼はそれがお好きなようだったが、筆者は容認できない。
 また、摩擦係数と摩擦とは異なる次元の話であり、コメントの趣旨はよくわからない。

 最近皆さんもお気付きのようだが、低回転高トルクモータを用いて、低歯車比にすると静かで高効率の機関車ができる。筆者の「3条ウォーム+1段減速」は8:1程度であるが、新モータを用いて、その半分程度にすることを目標にしている。

2016年11月13日

続 隠しヤードを隠す

腰壁完成 多少色が濃い部分は1年以上前に作った部分だ。光に当たるとこの色になる。
 今回腰壁を作った部分は階段の横で、少々窮屈なところだ。当初の設計開始時に、この部分の通路をどうするかで、図面を描きながらかなり長時間討論した。northerns484氏には大変お世話になった。すでにある2800、2900 mmRの路盤を使い、通路幅を確保するのは困難な作業であった。車椅子が通る幅を考えると、不可能とも思えた。

 車椅子は行き止まりにせざるを得ないかとも思ったが、3次元で考えると、1200 mmという高さは車椅子の人の肩の高さより高い。ということは、頭を少し傾ければ通過できることが分かったのだ。体格によっては頭を傾ける必要もない。そのためには、テーブルトップの裏側には、極力何も出ていないほうが良い。オーヴァハングになるので支えが要るが、細い鋼製の角パイプを突き出させ、それで支えた。角は最大限に削り、丸くした。たとえ頭をぶつけても痛くないようにした。健常者は、普通の体格の人ならそのまま歩ける。体格の良い方は、カニ歩きすれば問題ないだろうが、そういう人は今のところない。

wheel chair clearance この写真は最近のものである。 この程度の余裕でしかないが、通過できる。合板の先が一部直線になっているのは、木取り上致し方なかったのだが、結果として良い方向に働いた。もう少し削っても良いかもしれない。いずれプラスティック板で保護される。
 
 この車椅子は伊藤剛氏による改良品で、ブレーキがレヴァをどちらに倒しても効く、優れものである。リンク機構は剛氏のお得意であった。 

 腰壁が完成したので、隠しヤードは文字通り隠され、観客からは全く見えなくなった。線路の載ったテーブルトップは、極めて剛性が高く、体重を掛けても撓まない。 

2016年11月11日

隠しヤードを隠す

 隠しヤードの工事が完了したので、腰壁を作った。高さが1200 mmの板を丸く張ったのだ。この工事は結構面倒な準備が必要であった。

bent wood frame まずテーブルトップの裏に、曲げた角材に接着剤を塗って、木ネジで留める。この時、外周との間隔が一定になるようにジグを用いる。この写真は1年以上前撮ったものだ。Dr.Yにお手伝い戴いている。

 木材を曲げるのは難しい。一定間隔で等しい深さに切り込みを入れ、ジグに押し当てて曲げる。曲がった状態を保ちながら、インパクトレンチでネジを合板の上から締める。
 上ができたら、下を作らねばならない。同様に木材に切れ目を入れ、上の部材と完全に一致する場所に置く。曲がりが不完全であると壁が波打つので、レーザを使って上下を一致させる。曲がりを固定しなければならないので、内側に薄い合板を接着剤で完全に固着させる。クランプが大量に要る。コンクリート床にはアンカを打って留める。
 たまたま本職の大工が見に来て、「あんた上手いね。これで飯が食えるよ。」と褒めてくれた。

 隠しヤードの工事が終わるまで、約半分の腰壁が固定できなかった。工事の都合上、側面から作業することがあるからだ。腰壁がないと、テーブルトップが多少撓むのが気になっていた。
 腰壁の材料は、ホームセンタで見つけた本実(ホンザネと読む)加工のカラマツだ。おそらくロシア製だろう。薄く溶いたオイルステインを浸み込ませ、ウレタン・ワニスを塗っておいた。多少の汚れは洗剤を付けて拭き取れる。

2016年11月09日

文字等を消す

 当鉄道には買ったままの車輛はない。すべて、手が入れてある。補重はもちろん、台車の付替え、細かい造作の作替え、文字入れがしてある。
removing lettering and herald 気に入ったデカルがあればそれを貼る。そのためには塗装を剥がさねばならない。すべて剥がすのは面倒であるし、うっかりするとプラスティック本体が変質することもある。過去にいくつか苦い経験があるので、最近は物理的に剥がしている。磨き砂を付けて歯ブラシで擦ると、表面から落ちるので、文字が消えていく。地肌も多少削れるが、必要なのは、地肌から文字だけ浮き上がっているのを無くすことだ。

 この方法はあとで塗装を重ねても全く差が感じられない。もちろん文字の厚みにもよるだろう。これは過去にもやっている
 このAtlasの旧製品は文字の塗膜が極端に薄いので、その点は簡単である。つまり以前は透けていたのである。文字の部分が完全に不透明でなかったのだ。これでは仕上がりが悪いので、軽くウェザリングを掛けてごまかしていた。

 今回、昔から気に入っていたデカルを入手できる見通しが付いたので、塗り替えを決心した。友人から、デカルのデータを戴いたのだ。印刷して再生できる。そのデカルはその昔、Champion Decalで扱っていたが、とおの昔に廃盤になってしまった。その鉄道会社が消滅してから60年ほどになる。フロリダからキューバ、ハバナ諸島方面に行く連絡船の路線である。アメリカとの国交が回復したので注目している。

2016年11月07日

Rail Craft の貨車キット

 最近はレイアウトの工事を数時間して、気分転換に短時間車輛を触ることにしている。その方が体力的にも具合が良いことが分かった。このキットはシカゴから来たものだ。前から探していたもので、構成に興味があった。

Railcraft panel side hopper Rail Craft はミズーリ州の製造者で、1940年代に様々な貨車のキットを出していた。ホッパは何種類もあった。そのうちのパネル・サイドというヴァージョンである。ホッパの縁部は寸法が決められていたようで、その下の部分を細工して、容量を増やしていた。骨の外に外被を付けるのは先日お見せした。これは外に持ち出したパネルを付けている。加工硬化で薄板でも頑丈になるのだろう。 

 全体は、工場でジグにかぶせて組んだようだ。直角も出ている。ハンダ付けはアメリカ人にしてはうまい。ジグから外して、内側はあとから付けてある。すべての要所に隙間なくハンダが流れている。購入者は縦のリブとかデッキ部の造作、梯子などを付けるわけだ。結構面倒な仕事もあり、自分で作ったという満足感もかなり得られるようになっている。

 写真は途中の様子である。縦のリブは安達製作所の部品と取り替えようと思ったが、オリジナルを生かしている。これを見ると、安達製作所の構成は明らかにレイルクラフトの模倣だ。安達製作所製のほうが細密感があるが、オリジナルには素晴らしいところもある。

 ホッパ縁部の部材が、チャンネルである。安達製はアングルだ。やろうと思えば真似できたのに、どうしてしなかったのだろう。細いアングル等はブリキ製である。錆びやすいが硬いので、細くできる。その辺の見極めは良い。連結器座のあたりは薄くて良くない。やはり切り取って、厚板を張り、対衝突性能を上げる。台車の心皿はブロックを削って嵌めた。完全にハンダを流して固着させる。すべての工作が終わってから、ドリルで穴を開け、タップを立てる。

 多少手間をかけて、当社仕様となる。連結するとカツンと剛性のある音がする。 

2016年11月05日

またまたcoon-skin

115_4917 当鉄道にはアライグマの皮がまだある。これが2輌あるのだが、番号が同じなのが腹立たしい。遠くに置いて同時に見なければよいのだが、色が目立つので、どうしても気になる。番号を剥がして貼り直したい。♯800程度の耐水研磨紙で水を付けて丁寧に擦ると、文字だけ消すことができる。一文字消せばよいので 、出来ないことではない。合う黒文字デカルがあればよい。

SLSF 700083 ドアの形が異なるが、塗色が同じ写真を見つけた。随分色褪せている。この種のweatheringはなかなか難しい。



 アライグマの皮についてはいろいろな問い合わせがあるが、それほど詳しいわけではないので、こちらのサイトをご覧戴きたい。
 Friscoという語はSan Franciscoの短略形だと思っていたがそうではなく、San Francisco と St.Louis および Companyの複合語だと書いてある。この見解は初めて見た。

 筆者はこの会社については、椙山満氏からお聞きしたこと以外ほとんど知識がない。大陸横断鉄道を作るためにいくつもの会社を統合し、挑戦したが力尽きた会社という感じだ。この鉄道に限らず、Texas & Pacific, Missouri Pacificなど太平洋を目指した会社は多い。大陸横断鉄道というものに対する意欲は、当時は今では考えられないほど強かったのだ。  

2016年11月03日

緩衝とは

 緩衝装置にバネを用いてはいけないのか?という質問を戴いている。

 バネを用いると衝撃は受け止めるが、そのあとが問題である。蓄積されたエネルギィの行き場所がないから、すぐに放り出すことになる。即ち、貨車は同じ速度で跳ね返ってくる。これでは意味がない。
 ぶつかった時のエネルギィのかなりの部分を熱に変える必要がある。この発泡ポリ塩化ビニルは、その点とても優秀だ。もともとは、工場で高価なジグとか測定器を置く棚の中敷き用のものらしい。緑の部分は中身が詰まっているが、黒っぽい部分は多孔質である。

 曲げると弾力は多少感じるが、徐々に変形していく。変形した後はそのままの形を保つが、力を取り去るとじわじわと元に戻っていく。 典型的なエラストマの特性を持つ。

 63 ft貨車の20輌編成(約10 kg)を時速30 km相当でぶつけると、速度はその1/5くらいで戻ってくる。脱線もしない。この件については円筒状にする材料の幅をいくつか試作して決めた。初めは、中にエアキャップ(いわゆるプチプチ)を入れてみたりしたが、弾力が強くなりすぎるのでやめた。

 ラジコン自動車用のショックアブソーバも試したが、長さを短くできないのでやめた。紹介した方法が、コストの点でも性能の点でもベストである。 材料は大量に余っているので、送料だけご負担戴ければ、必要な方には差し上げる。
 この材料を隠しヤードの地下部分に全面的に貼って、消音するつもりだったが、ゴム板が見つかったのでそれを使った。 

2016年11月01日

車止め

 隠しヤードの終端部には、適当な緩衝装置が必要である。堅いものでは編成が衝突すると壊れたり、脱線したりする。

115_4908115_4912 末端部は本線の円周に沿って長さが変化するので、折れ線状の終端を設け、それに線路に対して垂直になる木材を取り付けた。三角のブロックは、庭のデッキを作った時の廃材を取っておいたものだ。カナダのイエロゥ・シーダでとても良い匂いがする。木目が素直なので、割って作った。右の写真は仮留めの状態である。

115_4909 発泡ポリ塩化ビニルの 3mm のシートを丸く巻いて、ワッシャを噛ませてネジ留めした。列車をぶつけると、実に良い緩衝能力を示す。スポンジでも実験したが、これよりはるかに大きなものが必要だった。


hidden yard DCCであるから、配線は極めて単純明快で、すぐ終わった。 すべての線で、衝突実験をして無傷であることを確かめた。

2016年10月30日

エポキシ樹脂製貨車

car cyclo かなり古いプロトタイプである。Car Cyclopediaの古いものを丹念に見て、見つけ出した。1931年製であった。このころの車輛限界は今と比べるとかなり小さい。鉄骨トラスの内外に木板を張ったdouble sheathed boxcarである。内側は壁の途中の高さまでしか内張がない。すなわち人間の背の高さくらいから上は、鉄骨がむき出しである。

double sheathed boxcar このモデルは友人のBobが、”これをやるよ。誰も組めないキットだから、挑戦してみるかい?”と言ってくれたものだ。
 箱を開けると、屋根、妻、側板、床とラニングボードだけが入っていた。説明書もない。エポキシ鋳物で、少し反っている。修整しても箱型に組むのは至難の業だ。しばらく箱の蓋を開けては閉め、を繰り返していた。

 ある時、内側が中空だから組みにくいことに気が付いた。それでは木材を正確に切り出して直方体を作り、それに貼り付ければ良かろう。正確に木材を切り、カンナを掛けてノギスで測り、満足のいくものを作った。それにスーパーXを使って一面ずつ貼り付けた。大変な手間をかけて箱型にしたが、そのまま10年くらい眠っていた。 

double sheathed boxcar 先月の関西合運に持って行こうと作業を再開したが、あまりにも繊細な部分が多く、一月以上も掛かった。grab iron (取っ手、梯子などの掴む部分)を0.4 mmの線で作らねばならず、大変手間取った。こういう部分はスケールに拘る必要はないのだが、そうしないと本体の接続部と合わないから仕方がない。数十個の穴に正確に作られた部品を差し込み接着した。梯子を登ったところのプラットフォームは木材で自作した。目止めしてから作って塗装する。デカルはたまたま残りがあったので、それを貼った。

 こんなに手間が掛かるとは思わなかった。二度とやりたくない作業である。こうやって苦労して完成させても、数十年経てば劣化しているかもしれない。やはり金属製のほうがずっと簡単に作れて、長持ちする。 

2016年10月28日

塗装済みの貨車


sulfuric acid tank car
 完成したとは言えないが、90%完成したものを見て行こう。

 このタンク車もスクラッチ・ビルトである。かなり重い。太いブラスのパイプを切断し、それに合う蓋を鏡板としてハンダ付けした。蓋は何かの部品だったが、余っていたので削って付けた。 ドームもパイプから作った。丸く欠きとって、炭素棒でハンダ付けした。台枠はムクの角棒だ。

 何かの図面集で、見つけた細いタンク車だ。 硫酸のような密度の大きな液体を運ぶものである。タンク車の諸元のみのデカルセットがあったので、sulphuric acid 硫酸専用とした。
 ドームの上方の細かい部品はロストワックスで、硫酸用なら要らないものもある。どこの会社にしようかと迷っている。実はちょうど良いデカルがないのだ。デカルのジャンクを入れた箱から、切れ端を拾い出して貼ろうと思っている。

 実はもう一台同じタンク車がある。材料が余っていたので作ってしまった。それは青いDow Chemicalになるはずだ。デカルが用意してある。

UP cattle car UPの家畜車である。ずいぶん古い製品だ。1952年製だと思う。ひどい作りで、ハンダがぽろぽろと取れてくる。あちこち引っ張って、外れるものはすべて外し、付け直した。
 台車を取り付けるボルスタが薄板で、ネジがバカになった。厚板から作り直し、ネジを切った。当初のはJISネジで、新しいのはISOネジだ。
 車輪の内外の色が違うのがウリである。外は油でまみれ、内側は錆びている。最近はそういう塗り分けをしている。内側は塗ってないと目立つので、全て塗装し直している。 
 デカルはY氏に作って戴く手筈になっている。

2016年10月26日

続々 完成した貨車

LV covered hopper この貨車もMax Grayが輸入した時代のものだ。安達製作所が作った。少ない資料でよくぞここまでできたものだ、という感じの製品だ。少し手を加えると良いのだが、きりがないので色を塗った。デカルはたまたま特注品を譲ってもらったのがあった。それによると、black underframe とあったので、フレイムだけ筆で黒く塗った。デカルはもう少し密着させてから艶消剤を塗る予定だ。

SLSF offset hopper 先日紹介したアライグマの皮のヘラルドである。coon-skinという。帽子にも使う。デイヴィ・クロケットがかぶっているものだ。日本ではアニメイションのせいで、アライグマはかわいいという先入観があるらしいが、アメリカでは単なる害獣である。ライフルでよく射殺する。皮を剝ぐ人も減った。単に撃ち殺すだけで放置する場合が多い。鳶や鷹が来て持っていく。この種の鳥をscavenger(ゴミあさり)という。
 デカルの密着がよくない。再度修正が必要だ。写真を見てから気が付くのは、目が悪くなったのだ。写真のピントが浅いのも困ったものだ。いずれ撮り直すので勘弁戴きたい。

IC offset hopper Illinois Central の off-set hopper car である。黒色のものもある。これらは内容量を少しでも増やすために、縦骨の外に外被をかぶせた。全体を少し大きく作ればよさそうだが、積込み設備での位置決めや、機械で回転して荷下ろしをすることがあるので、その当たるところの位置関係を変更したくなかったのだろう。これもデカルの仕上げがしてない状態だ。

EJ&E この boxcar を塗らなければならないが、色合わせに苦労している。参考のために直写日光下で撮影した。この色はどこの電車の色だろう。南海の濃い緑だという意見は戴いている。 

2016年10月24日

Pacemaker

Pacemaker Pacemaker というのはNYCの hotshot(地域間高速貨物列車)である。第二次世界大戦後の20年ほど定時運行で活躍した。

 Atlas製の貨車の未塗装ををいくつかの会社が買って、それに正しい色を塗り、商品化していた。その一つが、このペースメーカである。
 土屋氏のところから来た6輌とChicagoから来た2輌ではとても正規の編成は組めないが、一応、手を加えて補重し台車・連結器を取り替えて完成させた。

 困ったことに塗り分けが2種類ある。ドアが半分赤いのと全部のとがあるのだ。どちらが正しいのかはっきりしない。様々な昔の写真を見ると、全部赤いのが多い。たまに半分だけのもあるという程度だ。赤の色はヴァーミリオンである。いわゆる朱で、水銀の硫化物の色だ。 
 赤を塗り足そうとも思ったが、合う色ができるかが問題だ。それを考えると現状でも良いような気がする。
 
 台車はこの時代にしては滑り軸受である。軸受合金が特殊で、メンテナンスがほとんどいらないという。しかしその後急速に転がり軸受に変化していった。

2016年10月22日

続 完成した貨車

ASARCON&WNP これらの boxcar は Atlas の古い製品を改良して塗ったものだ。アトラスは1970年代に、当時としてはずいぶん進歩的なプラスティックの機関車、貨車、線路を発売した。オーストリアの Roco に発注した製品をアメリカ国内で売った。上廻りはとても良い出来だが、台車が3線式対応で、あまり良くなかった。車輪を取り替えても抵抗が大きいので、台車ごとAthearnのデルリン製に替え、車輪はLow-Dだ。連結器は高さ調節用のスペーサを入れて固定した。ラニングボードの支えは薄く切り取り見栄えを良くしている。様々な改良工事でかなり良くなっているが、塗装がまずい。
 
 薄い塗装で、しかも文字がタンポ印刷のようだ。くっきりと出ていないので眠い感じがする。磨き砂でこすると文字が消えるから、それに新たに上塗りして別のものにする。当鉄道にはアトラス製品はいくつかあるが、オリジナルの色のまま、走っているものは一つもない。 
 
 車体の基本的なディテールは間違ってはいないので、小修正で良くなる。床下のブレーキシリンダも挽物に取り替え、妻のディテールも修正している。
 
 左の写真のASARCOは鉱山会社のものだ。デカルを一山いくらかで買った時に入っていた。そういう意味ではとても珍しい。N&WとかNPもあったものを貼っただけである。

 これでアトラスの未改造の貨車は無くなった。 

2016年10月20日

the bender

the bender この工具をご存知の方も多いだろう。NWSLという会社が、かれこれ40年ほど販売している。ネジを締めると、上から刃が降りてきて、下のVブロック状の雌型に食い込む。ワークを挟んでおくと、任意の位置で曲げられる。角度も好きなように曲げられる。

 この工具を博物館の作業用に自宅から持って行って置いてある。作業にいらした方が触って、どなたも「使いやすい。便利だ。」と仰る。先日複数の方から、取寄せを依頼された。取るのは簡単だが、送料がかさむ。数が少ないと、送料がばかにならない。もう少し沢山注文したい。

 もし読者の皆さんの中で、欲しいと思われる方はコメントを通じて連絡されたい。締め切りは今月24日とさせて戴く。現地価格は60ドル程度だ。

 写真の手前に置いてあるのは、その曲げ見本である。赤いネジを緩めると、突き当てのフェンスが動かせる。自由な位置で留められて、同じものをたくさん作れる。
 見本の二か所曲がったのは、カヴァード・ホッパの歩み板を取り付ける支えだ。たくさん同じ形のものを作らねばならないから、これがないととても苦労する。足の長さが違うと、歩み板が真っ直ぐ取り付けられない。

 0.6 mm程度の板なら、簡単に曲げられる。0.8mm以上はこの道具の限界を超えるだろう。もっと大きな道具を使うべきだ。
 筆者はもう少し大きな道具(業界ではブレーキと呼ぶ)も持っていて、この小さいのはこのような小物専用である。


2016年10月18日

完成した貨車

 塗った貨車を紹介していこう。
SP Tanker このタンク車はスクラッチ・ビルトである。かれこれ15年以上掛かっている。安達製作所から譲ってもらったジャンクの中のドーム部分が一つ余っていたので、それを有効利用するために作った。タンクの円筒は丸めて作り、鏡板は大きなブラスの丸棒を旋盤で挽いて作った。厚みが10mm以上あって、ずいぶん重い。ガスバーナで炙って付けたので、ハンダがたっぷりついていた。
 組立てが完了してから、余分のハンダを削る作業が面倒で10年ほど放置してあったが、先日一念発起して丹念に削り、塗装した。どこの鉄道の車輛の図面を見たのか思い出せないので、余っていたデカルを貼った。

SP GS Gon このdrop bottom gondola は床が固定のを間違って買ったものだ。ずいぶん安くて喜んでいたら、床の開かない方であった。安達製作所も、開くタイプはあまりにもコストが掛かりすぎるので、簡略ヴァージョンを出したのだ。ともかく余っているSPのデカルを貼った。レポーティング・マークは T&NO (Texas & New Orleans) にしたが、他意はない。

BN Boxcar このboxcarは、プラスティック製である。黄色系統の気に入らない色に塗ってあったので、文字等を磨き砂で削り落とし、塗り替えた。戴いたスプレィを吹き付け、たくさん買ってあったデカルを貼った。それなりによく仕上がった。

 筆者は貨車については詳しく考証はしていない。ありえない設定はしないが、それらしく見えれば良しとしている。以前番号等の問い合わせを戴いているが、こういうわけで、全く参考にはならないことを承知されたい。

2016年10月16日

塗装

Badger boxcar red のような微妙な色はFloquilを用いるが、黒は日本製の塗料である。エアブラシはBadgerのシングルアクションを改造したものだ。タンクを大きくしている。一度に10輌も塗ることがあったので、容量を増やしたのだ。
 中にぶら下がっているパイプは絶妙な硬さで感心していた。それが突然行方不明になってうろたえた。20年も使っていて、無くなったのは初めての経験だ。溶けないプラスティック・パイプで、ちょうど良い太さのものを探したが、見つからない。
 内径はインチサイズのはずなので、インチのブラス・パイプを探した。見当をつけて当ててみた。内側をリーマでさらってはめると、ぬるりと嵌まって抜けなくなった。ちょうど良いサイズであった。強く引くと抜けるから、掃除には具合が良い。長さは数通り作らざるを得ない。

painting 銀を塗ったついでに、オイルタンクも塗ってしまった。これはPlastruct製のキットである。10年以上前から持っていた。石油会社のデカルを貼れば映えるだろう。あと2,3本あると良いのだが、どうやって作ろうか迷っている。
 台車を塗るときは車輪の踏面とフランジだけをマスクする。

painted cars 16輌塗ったので、デカルを順に貼っている。フロクイルにはGlazeという艶出し剤を4割程度混ぜる。そうしないとデカルが載らない。
 ウェブ上には怪しげな情報がたくさんある。このグレイズについては、どれも量が少ない。5%などという、おまじない程度みたいな数字まである。やったことがあるのだろうか。最低3割は混ぜないと艶が出ない。筆者はグレイズを大きな缶入りで購入していた。薄め液はキシレンを使っていた時期もあるが、最近はラッカシンナである。天気の良い日なら、全く問題ない。  

2016年10月14日

続 open top hopper の整備

 貼り付けた t1.2 はわずかに設計値より厚い。ハンダ付けした後で、フライス盤でひと舐めする。0.1 mmほど削るのだ。こうすることにより、連結器が完全な平面に取り付けられる。ハンダの厚みとか、様々な要因が一掃されるわけだ。

 穴を開けてタップを切る。そして接着剤を塗って、Kadee couplerを付ける。ネジ一本では多少のガタが生じると緩みやすい。ネジが落ちると大事故になる。金属製の貨車は連結器の片方を電気絶縁する。何かの間違いで、たくさんの貨車の先端と後尾が導通するのを避けるためだ。まずそんなことはないが、念のためである。

painted cars また早朝より天気の良い日があったので、8台塗った。今回は塗り分けがあるものもあるので、慎重に塗った。塗膜が硬くなってから、マスキングをする。黄色の家畜車は3色塗りであるが、屋根と妻が銀、床下が黒であるから簡単だ。

 問題は次回に塗装予定のboxcarたちで、側面の上下が塗り分けられている。水平に塗り分けるのは非常に難しい。定盤の上でハイトゲージでケガくことになる。貨車のボディを定盤の上に正確に置くのは、意外と面倒なのである。たくさんのブロックを用意して支えなければならない。

追記 上の写真の背景にあるフェンスはpicket fenceですね。というコメントを戴いた。その通りである。よく見ていらして驚いた。表は白で、内側が緑である。

2016年10月12日

open top hopper の整備

USH hopper conversion シカゴから貰ってきたブラス製貨車を整備している。台車が足らないので3台しか直していない。この貨車は安達製作所製である。以前入手したジャンクとは異なり、完成品なので、ダミィ・カプラが付いている。その部分を外し、Kadeeが入るように切り取る。

USH hopper conversion 2 そこに t1.2のブラス板を貼り付けて、高さを合わせるが、チャンネルをただ切っただけでは、連結時の衝撃で壊れてしまう。台車センタ・ピンのところまで深く差し込んで、全面ハンダ付けをすると丈夫だ。
 こうすれば、連結器にかなりの力が掛かっても座屈することが無い。こういうところに少し気を付けるだけで、長持ちする模型になる。

 ホッパの連結部はややこしい形をしているので、めり込むと修復が困難だ。以前めり込んだのは、切り落として全く新しい部品を作って嵌め替えた。大変に面倒な作業で、二度とやりたくないのだ。要するに加わった力は背骨を通って次の車輛に伝わらねばならない。途中で弱いところがあると、そこが座屈するわけだ。

 天気予報を見て、塗装日を決め、塗料瓶の数を確認する。塗り始めてから足らないことがわかると、悲惨だ。 

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